Sun Cluster 3.1 Data Service for Apache Tomcat ガイド

Apache Tomcat のインストールと構成

この節では、Apache Tomcat のインストールと構成に必要な手順について説明します。

Apache Tomcat のインストールと構成方法

Apache Tomcat のインストールと構成は、次の手順で行なってください。

  1. Sun Cluster での Apache Tomcat の配備方法の決定 – Apache Tomcat をどのように配備するかを決定する必要があります。

    • Apache Tomcat をフェイルオーバーデータサービスとスケーラブルデータサービスのどちらとして使用するかを決定します。

      スケーラブルデータサービスとフェイルオーバーデータサービスの概念については、『Sun Cluster の概念』を参照してください。

    • どのユーザー名で Apache Tomcat を実行するかを決定します。

    • 配備する Apache Tomcat のバージョンとインスタンスの数を決定します。

    • 1 つのバージョンのインスタンスを複数配備する場合は、それらがバイナリを共有するかどうかを決定します。

    • 各 Apache Tomcat インスタンスで使用するクラスタファイルシステムを決定します。

  2. Apache Tomcat クラスタファイルシステムのマウント – Sun Cluster での Apache Tomcat の配備方法を決定したあと、クラスタファイルシステムがマウントされていることを確認する必要があります。


    注意 – 注意 –

    この場合、Tomcat アプリケーションの配備は Apache Tomcat をホスティングするノードごとに行う必要があります。


  3. Apache Tomcat が root ユーザー名以外で実行される場合は、次のコマンドを使用して適切なユーザー名とグループを作成します。

    • # groupadd —g 1000 tomcat

    • # useradd —u 1000 —g 1000 —d /global/tomcat —s /bin/ksh tomcat

  4. Apache Tomcat をフェイルオーバーデータサービスとして配備する場合は、Sun Cluster 内の共有ファイルシステム上に Apache Tomcat をインストールします。このソフトウェアをローカルファイルシステムにインストールした場合とクラスタファイルシステム上にインストールした場合の利点と問題点については『Sun Cluster データサービスのインストールと構成』の「アプリケーションバイナリの格納先の決定」を参照してください。

    スケーラブル構成を配備する場合は、Apache Tomcat をローカルディスクにインストールします。

    • root ユーザーの状態でない場合は、コマンド # su — user name を使用して適切なユーザー名に切り替えます。

    • Apache Tomcat をフェイルオーバーデータサービスとして配備する場合は、1 台のノード上の共有記憶装置に Apache Tomcat バイナリをインストールします。Apache Tomcat をスケーラブルデータサービスとして配備する場合は、Apache Tomcat データサービスをホスティングするノードごとに Apache Tomcat バイナリをインストールします。


      注 –

      Apache Tomcat は、http://jakarta.apache.org/tomcat/index.html に示されている作業指示に従ってインストールしてください。


      スケーラブル構成またはマルチマスター構成のスケーラブルデータサービスとして Apache Tomcat を配備する場合は、Apache Tomcat をホスティングするノードごとに次の手順を繰り返します。

    • (Apache Tomcat ユーザー名のログインシェルに応じて) korn シェルスクリプトまたは c シェルスクリプトを作成し、Apache Tomcat の環境変数を設定します。環境変数は、ユーザープロファイル内でなくシェルスクリプト内に設定する必要があります。

      この方法を使用すると、複数の Apache Tomcat バージョンとインスタンスを 1 つのユーザー名でインストールして実行できます。


      注意 – 注意 –

      これらのシェルスクリプトは、Apache Tomcat データサービスをホスティングできるすべてのノードで利用できる必要があります。フェイルオーバー構成の場合は、共有記憶装置に保存してください。スケーラブル構成またはマルチマスター構成の場合は、各ノードのローカルファイルシステムに保存するか、共有記憶装置に保存してください。これらのスクリプトはすべてのノードで同一である必要があります。



      例 1–2 Apache Tomcat 3.x/3.3 の環境変数を設定する korn シェルスクリプト


      # more env.ksh
      #!/usr/bin/ksh
      #
      # Environment for Tomcat
      (日本語)
      # Tomcat の環境
      #
      JAVA_HOME=/usr/j2se
      export JAVA_HOME
      JAKARTA_HOME=/global/mnt1/jakarta-3.3
      export JAKARTA_HOME
      TOMCAT_HOME=$JAKARTA_HOME
      export TOMCAT_HOME


      例 1–3 Apache Tomcat 3.3/3.3 の環境変数を設定する C シェルスクリプト


      # more env.csh
      #!/usr/bin/csh
      #
      # Environment for Tomcat
      (日本語)
      # Tomcat の環境
      #
      
      setenv JAVA_HOME /usr/j2se
      setenv JAKARTA_HOME /global/mnt1/jakarta-3.3
      setenv TOMCAT_HOME $JAKARTA_HOME


      例 1–4 Apache Tomcat 4.1.x の環境変数を設定する korn シェルスクリプト


      # more env.ksh
      #!/usr/bin/ksh
      #
      # Environment for Tomcat
      (日本語)
      # Tomcat の環境
      #
      JAVA_HOME=/usr/j2se
      export JAVA_HOME
      CATALINA_HOME=/global/mnt1/jakarta-tomcat-4.1.18
      export CATALINA_HOME


      例 1–5 Apache Tomcat 4.1.x の環境変数を設定する C シェルスクリプト


      # more env.csh
      #!/usr/bin/csh
      #
      # Environment for Tomcat
      (日本語)
      # Tomcat の環境
      #
      setenv JAVA_HOME /usr/j2se
      setenv CATALINA_HOME /global/mnt1/jakarta-tomcat-4.1.18

      環境変数は、バージョンと構成によって異なります。


注 –

Apache Tomcat の詳細は、jakarta.apache.org Web ページを参照してください。