Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

アプリケーションリソースグループの作成

この節では、アプリケーションリソースグループが NFS アプリケーション向けにどのように作成されているかを説明します。 この節の手順はアプリケーション固有のものです。 他のタイプのアプリケーションに対しては使用できません。

主クラスタでアプリケーションリソースグループを作成する
  1. スーパーユーザーとして nodeA にアクセスします。

  2. SUNW.nfs をリソースタイプとして登録します。


    nodeA# scrgadm -a -t SUNW.nfs
    
  3. SUNW.HAStoragePlus をリソースタイプとして登録していない場合は、登録します。


    nodeA# scrgadm -a -t SUNW.HAStoragePlus
    
  4. devicegroup のアプリケーションリソースグループを作成します。


    nodeA# scrgadm -a -g nfs-rg \
    -y Pathprefix=/global/etc \
    -y Auto_start_on_new_cluster=False \
    -y RG_dependencies=devicegroup-stor-rg
    
    nfs-rg

    アプリケーションリソースグループの名前です。

    Pathprefix=/global/etc

    グループのリソースが管理ファイルを書き込むディレクトリを指定します。

    Auto_start_on_new_cluster=False

    アプリケーションリソースグループが自動的に起動しないように指定します。

    RG_dependencies=devicegroup-stor-rg

    アプリケーションリソースグループが依存するリソースグループを指定します。 この例では、アプリケーションリソースグループは複製リソースグループに依存しています。

    アプリケーションリソースグループが新しい主ノードにスイッチオーバーすると、複製リソースグループが自動的にスイッチオーバーします。 ただし、複製リソースグループが新しい主ノードにスイッチオーバーした場合は、アプリケーションリソースグループを手動でスイッチオーバーする必要があります。

  5. SUNW.HAStoragePlus リソースをアプリケーションリソースグループに追加します。


    nodeA# scrgadm -a -j nfs-dg-rs -g nfs-rg \
    -t SUNW.HAStoragePlus \
    -x FileSystemMountPoints=/global/mountpoint \
    -x AffinityOn=True
    
    nfs-dg-rs

    NFS アプリケーション向けの HAStoragePlus リソースの名前かどうかを確認します。

    -x FileSystemMountPoints=/global/

    ファイルシステムのマウントポイントがグローバルであることを指定します。

    -t SUNW.HAStoragePlus

    リソースのタイプに SUNW.HAStoragePlus を指定します。

    -x AffinityOn=True

    アプリケーションリソースが -x GlobalDevicePaths= で定義された広域デバイスとクラスタファイルシステム向けにアフィニティスイッチオーバーを実行するように指定します。 したがって、アプリケーションリソースグループがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーすると、関連デバイスグループがスイッチオーバーします。

    これらの拡張プロパティについては、SUNW.HAStoragePlus(5) のマニュアルページを参照してください。

  6. 論理ホスト名リソースをアプリケーションリソースグループに追加します。


    nodeA# /usr/cluster/bin/scrgadm -a -L -j lhost-nfsrg-prim -g nfs-rg \
    -l  lhost-nfsrg-prim
    

    ここで lhost-nfsrg-prim は、主クラスタ上のアプリケーションリソースグループの論理ホスト名です。

  7. リソースを有効にし、アプリケーションリソースグループを管理し、アプリケーションリソースグループをオンラインにします。

    1. NFS アプリケーション向け HAStoragePlus リソースをオンラインにします。


      nodeA# /usr/cluster/bin/scrgadm -a -g nfs-rg \
      -j nfs-rs -t SUNW.nfs -y Resource_dependencies=nfs-dg-rs
      
    2. nodeA でアプリケーションリソースグループをオンラインにします。


      nodeA# /usr/cluster/bin/scswitch -Z -g nfs-rg
      nodeA# /usr/cluster/bin/scswitch -z -g nfs-rg -h nodeA
      
  8. アプリケーションリソースグループがオンラインであることを確認します。


    nodeA# /usr/cluster/bin/scstat -g
    

    アプリケーションリソースグループの状態フィールドを調べ、複製リソースグループが nodeAnodeB でオンラインとなっているかどうかを調べます。

二次クラスタでアプリケーションリソースグループを作成する
  1. 主クラスタでアプリケーションリソースグループを作成する手順 1 から手順 6 に説明されているうち、以下を置き換えて、アプリケーショングループリソースを作成します。

    • nodeAnodeC に置き換える

    • nodeB への参照を無視する

    • lhost-nfsrg-prim への参照を lhost-nfsrg-sec と置き換える

  2. アプリケーションリソースグループが nodeC でオンラインになっていないことを確認します。


    nodeC# /usr/cluster/bin/scswitch -n -j nfs-rs
    nodeC# /usr/cluster/bin/scswitch -n -j nfs-dg-rs
    nodeC# /usr/cluster/bin/scswitch -n -j lhost-nfsrg-sec
    nodeC# /usr/cluster/bin/scswitch -z -g nfs-rg -h ""
    

    Auto_start_on_new_cluster=False によって、リソースグループは再起動後もオフラインのままになります。

  3. 広域ボリュームが主クラスタにマウントされている場合は、二次クラスタの広域ボリュームのマウントを解除します。


    nodeC# umount /global/mountpoint
    

    ボリュームが二次クラスタにマウントされていると、同期が失敗します。