Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)

SPARC: 動的再構成の概要

DR 機能では、システムハードウェアの切り離しなどの操作をシステムの稼動中に行うことができます。 DR プロセスの目的は、システムを停止したり、クラスタの可用性を中断したりせずにシステム操作を継続できるようにすることです。

DR はボードレベルで機能します。 したがって、DR 操作は、ボードのすべてのコンポーネントに影響を及ぼします。 ボードには、CPU やメモリー、ディスクドライブやテープドライブ、ネットワーク接続の周辺機器インタフェースなど、複数のコンポーネントが取り付けられています。

アクティブなコンポーネントを含むボードを切り離すと、システムエラーになります。 DR サブシステムは、ボードを切り離す前に、他のサブシステム (Sun Cluster など) に問い合わせてボード上のコンポーネントが使用されているかを判別します。 ボードが使用中であることがわかると、DR のボード切り離し操作は行われません。 したがって、DR のボード切り離し操作はいつ行ってもかまいません。DR サブシステムが、アクティブなコンポーネントを含むボードに対する操作を拒否するからです。

同様に、DR のボード追加操作も常に安全です。 新たに追加されたボードの CPU とメモリーは、システムによって自動的にサービス状態になります。 ただし、そのボード上のコンポーネントを使用するには、クラスタを手動で構成する必要があります。


注 –

DR サブシステムにはいくつかのレベルがあります。 下位のレベルがエラーを報告すると、上位のレベルもエラーを報告します。 ただし、下位のレベルが具体的なエラーを報告しても、上位のレベルは“未知のエラー”を報告します。 システム管理者は、上位のレベルが報告した“未知のエラー”については無視してください。


次の各項では、デバイスタイプごとに DR の注意事項を説明します。