Sun Cluster Data Service for Sun Java System Application Server ガイド (Solaris OS 版)

Sun Java System Application Server をインストールして構成する

この節では、Sun Java System Application Server のインストールと構成方法について説明します。

  1. クラスタメンバー上でスーパーユーザーになります。

  2. Solaris 8 上に Sun Java System Application Server をインストールするかどうかを決定します。

    • インストールしない場合は、手順 4 に進んでください。

    • インストールする場合、次の手順を行います。

    1. すべてのクラスタノードで、Sun Java System Application Server のインストールディレクトリから setup コマンドを実行します。

    2. setup コマンドのプロンプトに、Sun Java System Application Server インスタンスのデフォルトの場所を指定します。

      デフォルトのディレクトリを使用することによって、ローカルファイルシステムにサーバー構成ディレクトリ /var/opt/SUNWappserver7 を設定します。 Sun Cluster に管理させるサーバーインスタンスを作成する場合は、広域ファイルシステムまたは HAStoragePlus ファイルシステムへのパスを指定します。 Sun Java System Application Server インスタンスの潜在マスターが Sun Java System Application Server インスタンスの構成ファイルにアクセスできるようにする必要があります。


      注 –

      Sun Cluster は、setup コマンドによって作成されたドメインを使用できません。


  3. Sun Java System Application Server を Solaris 8 にインストールする場合や、Solaris 9 でパッケージ化されていない Sun Java System Application Server Enterprise Edition をインストールする場合は、手順 5に進みます。

  4. Solaris 9 パッケージの Sun Java System Application Server をインストールする場合は、次の手順を行います。

    1. クラスタの全ノードに Sun Java System Application Server パッケージをインストールします。

    2. アプリケーションサーバーの構成ファイルを保管しておく、広域ファイルシステム上の場所を指定します。

      このファイルシステム用に別個のディレクトリを作成してもかまいません。

  5. (任意) すべてのノードで、デフォルトの構成ディレクトリから広域ファイルシステム上のサーバー構成ディレクトリへのリンクを作成します。

    手順 8 で Sun Java System Application Server ドメインを作成するときに、サーバー構成ディレクトリへのリンクを作成することも、または広域ファイルシステム上の場所までのフルパスを指定することもできます。


    [Solaris 9 にパッケージとして含まれている Sun Java System Application Server へのリンクを作成する]
    # ln -s /global/appserver /var/appserver
    
    [パッケージ解除された Sun Java System Application Server へのリンクを作成する]
    # ln -s /global/appserver /var/opt/SUNWappserver7
    
  6. Solaris 8 上に Sun Java System Application Server をインストールする場合は、手順 8 に進みます。

  7. Solaris 9 パッケージの Sun Java System Application Server をインストールする場合は、すべてのノードで次の手順を行います。

    1. Sun Java System Application Server 実行制御スクリプトを一覧表示します。


      # ls -1 /etc/rc?.d/*appserv
      /etc/rc0.d/K05appserv
      /etc/rc1.d/K05appserv
      /etc/rc2.d/K05appserv
      /etc/rc3.d/S84appserv
      /etc/rcS.d/K05appserv
    2. Sun Java System Application Server 実行制御スクリプトの名前を変更します。

      実行制御スクリプトの名前を変更すると、 SUNWasr パッケージ (またはバンドルされていない Sun Java System Application Server をインストールした場合は SUNWasro パッケージ) の一部としてインストールされた START および STOP 実行制御スクリプトが無効になります。 データサービスの構成後、Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server は Sun Java System Application Server インスタンスの開始および停止を行うので、この手順が必要となります。


      # mv /etc/rc0.d/K05appserv  /etc/rc0.d/k05appserv
      # mv /etc/rc1.d/K05appserv  /etc/rc1.d/k05appserv
      # mv /etc/rc2.d/K05appserv  /etc/rc2.d/k05appserv
      # mv /etc/rc3.d/S85appserv  /etc/rc3.d/s85appserv
      # mv /etc/rcS.d/K05appserv  /etc/rcS.d/k05appserv

      注 –

      上の例では、実行制御スクリプト名の先頭文字を大文字から小文字に変更しています。 しかし、スクリプト名は、ユーザーの通常の管理規則に従って変更することができます。


    3. すべての Sun Java System Application Server 実行制御スクリプトについて、名前が変更されていることを確認してください。


      # ls -1 /etc/rc?.d/*appserv
      /etc/rc0.d/k05appserv
      /etc/rc1.d/k05appserv
      /etc/rc2.d/k05appserv
      /etc/rc3.d/s85appserv
      /etc/rcS.d/k05appserv
  8. 広域ファイルシステム上で、構成情報を指定してドメインを作成します。


    # asadmin create-domain --path /global/appserver/domains \
    --adminport=4848 --adminuser admin --adminpassword password scdomain
    
  9. ドメイン管理サーバーを起動します。


    # /global/appserver/domains/scdomain/admin-server/bin/startserv
    
  10. 新しいアプリケーションサーバーインスタンスを作成し、管理サーバーを使用することによって可用性を高めます。

  11. 各ノードのローカルディスク上で、Sun Java System Application Server インスタンスに使用させるログディレクトリを作成します。

    Sun Java System Application Server インスタンスを正しく動作させるには、クラスタファイルシステムではなく、クラスタの各ノードにログディレクトリを配置する必要があります。 クラスタ内のすべてのノードにおいて、ローカルディスクの同じ場所を選択します。


    schost-1# mkdir -p /var/pathname/domain/instance/logs/
    

    注 –

    ログファイルが大きくなると予想される場合は、ディレクトリが含まれるファイルシステムに、ファイルを扱えるだけのスペースを与える必要があります。


  12. Sun Java System Application Server インスタンス PidLog の場所を変更し、手順 11 で作成したディレクトリが反映されるようにします。 場所を変更するには、サーバー構成ディレクトリの init.conf ファイルを編集します。

  13. stopserv ファイル内の PID_FILE の場所を 手順 12 で設定した PidLog の値に合わせて変更します。

  14. Log File Log Root、および Transaction Log Location パラメータの場所を 手順 11 で作成したディレクトリに合わせて変更します。 これらのパラメータを変更する場合は、Sun Java System Application Server の管理インタフェースを使用します。 手順については、『Sun Java System Application Server 7 Collection (Solaris Edition) の管理者ガイド』を参照してください。

  15. accesslog パラメータの場所を 手順 11 で作成したディレクトリに合わせて変更します。 このパラメータを変更する場合は、asadmin ユーティリティーを使用します。 次に accesslog の場所を変更する asadmin コマンドの例を示します。ここで server1 は、アプリケーションサーバーインスタンスの名前です。 追加指示については、『Sun Java System Application Server 7 管理者ガイド』を参照してください。


    % asadmin
    asadmin> set server1.virtual-server.server1.property.accesslog=
    "/var/pathname/domain/instance/logs/accesslog"
  16. アプリケーションサーバーに使用させる論理ホスト名を構成してオンラインにしておく必要があります。

  17. アプリケーションサーバーがフェイルオーバーサービスとして構成されている場合は、論理 IP アドレスで HTTP リスナーの IP アドレス、論理ホスト名でサーバー名を構成します。 複数のノードでマスターされるサービスとしてアプリケーションサーバーが構成されている場合は、手順 19 に進んでください。

    この手順は、論理ホストの主ノードで実行する必要があります。

  18. アプリケーションサーバーをマルチノードでマスターされるサービスとして構成している場合は、HTTP リスナーの IP アドレスを 0.0.0.0 に、Return Server Namelocalhost に設定します。

  19. HTTP リスナーから正しいサーバー名が戻るかどうかを確認します。

    正しいサーバー名は通常、クライアントがアプリケーションサーバー上のリソースにアクセスするときに使用するホスト名です。

  20. フェイルオーバーサービスとしてアプリケーションサーバーが構成されている場合は、Sun Cluster HA for Sun Java System Application Server インスタンスの論理 IP アドレスを指定して IIOP リスナーを構成します。 複数のノードでマスターされるサービスとしてアプリケーションサーバーが構成されている場合は、手順 21 に進んでください。

    管理サーバーの可用性を高める場合は、HTTP リスナーだけを構成し、IIOP リスナーは与えません。

  21. JMS の下のサービスで Start Enable を選択解除することによって、Message Queue サーバーの Sun Java System Application Server 起動を無効にします。

  22. startserv コマンドを発行してアプリケーションサーバーを起動します。


    # /global/appserver/domains/scdomain/server1/bin/startserv
    

    サーバーが起動しない場合は、問題を解消します。 詳細は、 Sun Java System Application Server 7 のマニュアルを参照してください。

  23. stopserv コマンドを発行してアプリケーションサーバーを停止します。


    # /global/appserver/domains/scdomain/server1/bin/stopserv
    

    サーバーを停止してから、インストールと構成の次のプロセスに進む必要があります。