この節では、Sun Cluster 構成のアップグレードに関する次のガイドラインについて説明します。
Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアにアップグレードするときは、次の必要条件とサポートガイドラインを守ってください。
クラスタは、少なくとも、現行の必須パッチを含む Solaris 8 2/02 ソフトウェアで実行するか、このバージョンにアップグレードしてください。
クラスタハードウェアは、Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアでサポートされている構成にする必要があります。現在サポートされている Sun Cluster 構成については、Sun のサポートセンターに問い合わせてください。
ソフトウェアはすべて、Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアがサポートするバージョンにアップグレードする必要があります。たとえば、データサービスが Sun Cluster 3.0 ソフトウェアでサポートされ、Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアではサポートされない場合、データサービスを Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアでサポートされるバージョンにアップグレードする必要があります。特定のデータサービスのサポート情報については、『Sun Cluster 3.1 9/04 ご使用にあたって (Solaris OS 版)』の「サポートされる製品」を参照してください。
そのデータサービスに関連するアプリケーションが Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアでサポートされない場合は、そのアプリケーションがサポートされるリリースにアップグレードする必要があります。
scinstall アップグレードユーティリティーは、Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアで提供されデータサービスのみをアップグレードします。カスタムまたはサードパーティ製のデータサービスは、手動でアップグレードする必要があります。
Sun Cluster 3.0 リリースからアップグレードする場合は、有効なテスト IP アドレスが必要です。テスト IP アドレスは、NAFO グループが IP ネットワークマルチパス (Internet Protocol Network Multipathing) グループに変換されるときに、パブリックネットワークアダプタと共に使用されます。scinstall アップグレードユーティリティーは、クラスタ内の各パブリックネットワークアダプタに対して、テスト IP アドレスの入力を求めます。テスト IP アドレスは、アダプタのプライマリ IP アドレスと同じサブネットでなければなりません。
IP ネットワークマルチパスグループのテスト IP アドレスの詳細については、『IP ネットワークマルチパスの管理』 (Solaris 8) または『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』 (Solaris 9) を参照してください。
Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアは、Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 9 ソフトウェアへのローリング以外のアップグレードのみをサポートします。
Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアは、Sun Cluster 3.x ソフトウェアからのみ直接アップグレードできます。
Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアは、Sun Cluster ソフトウェアのダウングレードをサポートしません。
Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアは、アーキテクチャのアップグレードをサポートしません。
Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアは、Sun Cluster 構成で Solaris ソフトウェアをアップグレードする Live Upgrade メソッドをサポートしません。
次のいずれかの方法を選択して、クラスタを Sun Cluster 3.1 9/04 ソフトウェアにアップグレードします。
ローリング以外のアップグレード– ローリング以外のアップグレードでは、クラスタをシャットダウンしてからクラスタノードをアップグレードします。すべてのノードを完全にアップグレードした後で、クラスタを運用状態に戻します。次の条件が 1 つでも当てはまる場合は、ローリング以外のアップグレード方法を使用する必要があります。
Sun Cluster 3.0 ソフトウェアからアップグレードする
Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 9 ソフトウェアにアップグレードする
アプリケーションやデータベースなど、アップグレードするソフトウェア製品が、すべてのクラスタノードで同じバージョンのソフトウェアを同時に実行することを要求する
Sun Management Center 用の Sun Cluster モジュールソフトウェアをアップグレードする
また、VxVM または VxFS もアップグレードする
ローリングアップグレード– ローリングアップグレードでは、1 度にクラスタの 1 つのノードをアップグレードします。クラスタは、別のノードで実行されているサービスを利用できるため運用状態を維持できます。ローリングアップグレード方法は、次の条件のすべてが当てはまる場合に使用できます。
Sun Cluster 3.1 ソフトウェアからアップグレードする
Solaris オペレーティングシステムをアップグレードしているとしても、Solaris オペレーティングシステムを Solaris Update にのみアップグレードする
アップグレードが必要なアプリケーションまたはデータベースについては、ソフトウェアの現在のバージョンは、そのソフトウェアのアップグレードバージョンで実行されるクラスタに共存できます。
クラスタ構成が、ローリングアップグレードを実行するための必要条件を満たす場合でも、ローリング以外のアップグレードの実行を選ぶことができます。クラスタコントロールパネルを使用してすべてのクラスタノードに対して同時にコマンドを発行し、クラスタの停止時間を許容できる場合は、ローリングアップグレードよりもローリング以外のアップグレードの方が良い場合があります。
Sun Cluster 3.1 9/04 構成の計画については、第 1 章「Sun Cluster 構成の計画」を参照してください。