SAP Web Application Server プラットフォームの SAP web application server コンポーネントは、フェイルオーバーリソースとしてもスケーラブルリソースとしても構成できます。
SAP web application server コンポーネントをフェイルオーバーリソースとして構成する場合は、この節より先に進んでください。
SAP web application server コンポーネントをスケーラブルリソースとして構成する場合は、次の手順を実行してください。
「SAP Web Application Server をインストールおよび構成するには」で説明したように、ソフトウェアをインストールします。
SAP Web Application Server ソフトウェアは、/usr/sap/SAPSID/INSTANCE_NAME の広域ファイルシステムにインストールされます。SAPSID は SAP システムの ID、INSTANCE_NAME は SAP web application server インスタンスの名前を表します。
スケーラブル SAP web application server コンポーネントリソースグループの実行を計画している各ノードで、SAP 管理ユーザー sapsid adm になります。
プロファイルファイルの名前と内容を更新して、論理ホスト名ではなく文字列に一致させます。
スケーラブルリソースグループには、論理ホストは含まれていません。したがって、SAP web application server コンポーネントのリソースグループがスケーラブルとして構成されている場合、スクリプト $HOME/loghost は、論理ホスト名を返しません。スクリプトは、たとえば「scalable」などのインスタンスを特定する文字列を返します。したがって、プロファイルファイルの名前と内容を更新して、論理ホスト名ではなく、たとえば「scalable」などの文字列に一致させます。
ディレクトリ /usr/sap/SAPSID/SYS/profile 内のこのインスタンスのプロファイルファイルを更新します。ファイルの名前と内容をたとえば「scalable」などの使用する文字列と一致させます。
次の例のように、スクリプト $HOME/loghost を更新します。
if [ "$1" = "D04" ]; then echo scalable; fi |
元のノードを含む各ノードで、ローカルファイルシステムを作成します。
# mkdir /usr/sap/local/SAPSID/INSTANCE_NAME |
元のノードを含む各ノードで、広域ファイルシステムから手順 4 で作成したローカルファイルシステムにソフトウェアをコピーします。
# su - sapsidadm # cp -r /usr/sap/SAPSID/INSTANCE_NAME/* \ /usr/sap/local/SAPSID/INSTANCE_NAME |
元のノードで、元のインストールディレクトリを削除します。
# rm -r /usr/sap/SAPSID/INSTANCE_NAME |
元のノードを含む各ノードで、広域ファイルシステムからローカルファイルシステムへのシンボリックリンクを作成します。
# ln -s /usr/sap/local/SAPSID/INSTANCE_NAME \ /usr/sap/SAPSID/INSTANCE_NAME |
SAP 起動スクリプトおよび停止スクリプトを更新して、ログファイルの一意の名前を追加します。
SAP web application server コンポーネントリソースグループをスケーラブルとして構成している場合は、アプリケーションの複数のインスタンスを複数のノードで同時に実行できます。すべてのインスタンスが同じログファイルに書き込みを行う場合は、以前に書き込まれた情報が上書きされます。したがって、一意の名前を持つように SAP 起動スクリプトおよび停止スクリプトで指定されたログファイルの名前を変更します。ログファイルの名前を変更すると、各ノードは一意のファイルに書き込みを行います。次の例では、ノード名をログファイル名に追加します。
更新前のスクリプトのエントリの例
LOGFILE=$R3S_LOGDIR/`basename ${0}_${INSTANCE}.log`
更新後のスクリプトのエントリの例
LOGFILE=$R3S_LOGDIR/`basename ${0}_${INSTANCE}`_`uname -n`.log