この章では、Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成の方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
表 1 に、 Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成に必要な作業を示します。指定された順番どおりに、各作業を行なってください。
表 1 作業マップ : Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成
作業 |
参照先 |
---|---|
1. インストールの計画。 | |
2. DHCP のインストールと構成。 | |
3. インストールと構成の確認。 | |
4. Sun Cluster HA for DHCP Package のインストール。 |
「scinstall ユーティリティーを使用して Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールする」 |
5. Sun Cluster HA for DHCP を登録して構成。 | |
6. Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成を確認。 | |
6. Sun Cluster HA for DHCP のアップグレード。 | |
7. Sun Cluster HA for DHCP の障害モニターを理解。 | |
8. Sun Cluster HA for DHCP をデバッグ。 |
Solaris DHCP は、DHCP クライアントに動的 TCP/IP 構成を提供します。Sun Cluster HA for DHCP データサービスは Solaris 8/9 にバンドルされている DHCP ソフトウェアを使用します。DHCP の詳細は、dhcp(4) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster HA for DHCP データサービスのメカニズムによって、DHCP サービスの順序正しい起動、停止、障害モニター、自動フェイルオーバーを実行できます。
このバージョンを使用して SC.3.1クラスタ上で DHCP エージェントをアップグレードする場合、エージェントの変更により、DHCP リソースを再構成する必要があります。
構成要素 |
コンポーネントを保護するデータサービス |
---|---|
DHCP サーバー |
Sun Cluster HA for DHCP |
ここでは、Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成の計画について説明します。
ここで示す制限事項を考慮して、Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成の計画を行なってください。ここでは、Sun Cluster HA for DHCP にのみ適用されるソフトウェアとハードウェア構成の制限事項を示します。
これらの制限事項を守らないと、データサービスの構成がサポートされない場合があります。
すべてのデータサービスに適用される制限事項については、『Sun Cluster Release Notes』を参照してください。
Sun Cluster HA for DHCP データサービスは、フェイルオーバーサービスとしてのみ構成できます – DHCP はスケーラブルなサービスとしては運用できないため、Sun Cluster HA for DHCP データサービスは、フェイルオーバーサービスとして運用するようにのみ構成できます。
Sun Cluster Carrier-Grade —Sun Cluster Carrier-Grade オプションを使用できるのは、Sun Cluster Carrier-Grade が配備されている環境だけです。
DHCP サーバー – DHCP は DHCP サーバーとして動作する必要があり、中継ホストとして動作してはいけません。
リソースごとの DHCP 単一インスタンス – Sun Cluster 内で構成できる DHCP インスタンスは 1 つだけですが、その DHCP インスタンス内では複数の DHCP ネットワークを設定できます。
DHCP ネットワークテーブル – DHCP のネットワークテーブルは、テキストファイルまたはバイナリファイルにすることができます。また、フェイルオーバーファイルシステム (FFS) または広域ファイルシステム (GFS) としてマウントできます。
広域ファイルシステムをマウントするには /global という接頭辞を指定し、フェイルオーバーファイルシステムをマウントするには /local という接頭辞を指定するようにしてください。
これらの要件は、Sun Cluster HA for DHCP にのみ適用されます。Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成を始める前に、次の要件を満たしておく必要があります。
次の要件を満たさないと、データサービスの構成がサポートされない場合があります。
DHCP のコンポーネントと依存関係 — Sun Cluster HA for DHCP データサービスは、DHCP コンポーネントを保護するように構成できます。このコンポーネントと依存関係について、次に説明します。
表 3 DHCP と依存関係 (-> 記号で示す)
コンポーネント |
説明 |
---|---|
DHCP サーバー(Mandatory) |
-> SUNW.HAStoragePlus リソース SUNW.HAStoragePlus リソースは、DHCP のファイルシステムのマウントポイントを管理し、ファイルシステムがマウントされるまでは DHCP が起動しないようにします。 |
DHCP コンポーネントは、 /opt/SUNWscdhc/util に構成/登録ファイルがあります。これらのファイルによって、Sun Cluster に DHCP コンポーネントを登録できます。
# cd /opt/SUNWscdhc # # ls -l util/* total 6 -rwxr-xr-x 1 root sys 1094 Dec 20 14:44 dhcp_config -rwxr-xr-x 1 root sys 514 Dec 20 14:44 dhcp_register # # more util/* :::::::::::::: util/dhcp_config :::::::::::::: # # Copyright 2003 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. # Use is subject to license terms. # # This file will be sourced in by dhcp_register and the parameters # listed below will be used. # # These parameters can be customized in (key=value) form # # RS - name of the resource for the application # RG - name of the resource group containing RS # PORT - name of any port number, as it's ignored # LH - name of the LogicalHostname SC resource # NETWORK - name of the DHCP Network, separated with a / # where each network is made up of the following # <network>@<nafo or ipmp>@node number # # Additional parameters to Sun Cluster Carrier-Grade Edition # USE_CGTP - ff CGTP is being used (TRUE/FALSE) # USE_STATIC_DHCP - ff static DHCP tables should be used (TRUE/FALSE) # TEST_CLIENTID - the mac-address of the test-client # TFTPTESTFILE - path to Tftp testfile # # The following two examples illustrate sample parameters # for DHCP on a 2 node cluster (tequila/sunrise) # # Sun Cluster 3.0 using nafo # # NETWORK=192.168.100.0@nafo0@1/192.168.100.0@nafo0@2 # # Sun Cluster 3.1 using ipmp # # NETWORK=192.168.100.0@ipmp0@1/192.168.100.0@ipmp0@2 # RS= RG= PORT= LH= NETWORK= HAS_RS= # Options to Sun Cluster Carrier-Grade Edition USE_CGTP=FALSE USE_STATIC_DHCP=FALSE TEST_CLIENTID= TFTPTESTFILE= :::::::::::::: |
Sun Cluster HA for DHCP データサービス – パッチ 109077-12 (またはそれ以降) と 111302-02 (またはそれ以降) を適用した Solaris 8 7/01 (またはそれ以降) または Solaris 9 が必要です。
/etc/inet/dhcpsvc.conf が DHCP サービスのホストとなる Sun Cluster 内の全ノードで整合性が保たれているか、または /etc/inet/dhcpsvc.conf がクラスタファイルシステム上のディレクトリ上にリンクされるようにしてください。
/etc/inet/dhcpsvc.conf パラメータ – /etc/inet/dhcpsvc.conf の次のパラメータを設定する必要があります。
DAEMON_ENABLED は常に True に設定します。
PATH は DHCP ネットワークテーブルに対応するクラスタファイルシステムを示します。
RUN_MODE は常に SERVER に設定します。
RESOURCE は SUNWbinfiles または SUNWfiles のどちらかに設定します。
Sun Cluster Carrier-Grade Edition が配備されている場合を除き、etc/inet/dhcpsvc.conf の次のパラメータは設定できません。
INTERFACE は使用できません。
DHCP 要求への応答に関しては、DHCP ネットワークテーブル用に SUNWbinfiles を使用して、DHCP が最高のパフォーマンスを発揮するようにしてください。
これらの要件は、Sun Cluster HA for DHCP にのみ適用されます。Sun Cluster HA for DHCP のインストールと構成を始める前に、次の要件を満たしておく必要があります。
次の要件を満たさないと、データサービスの構成がサポートされない場合があります。
DHCP のコンポーネントと依存関係 — Sun Cluster HA for DHCP データサービスは、DHCP コンポーネントを保護するように構成できます。
DHCP コンポーネントは、 /opt/SUNWscdhc/util に構成/登録ファイルがあります。これらのファイルによって、Sun Cluster に DHCP コンポーネントを登録できます。
# cd /opt/SUNWscdhc # # ls -l util/* total 6 -rwxr-xr-x 1 root sys 1094 Dec 20 14:44 dhcp_config -rwxr-xr-x 1 root sys 514 Dec 20 14:44 dhcp_register # # more util/* :::::::::::::: util/dhcp_config :::::::::::::: # # Copyright 2003 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. # Use is subject to license terms. # # This file will be sourced in by dhcp_register and the parameters # listed below will be used. # # These parameters can be customized in (key=value) form # # RS - name of the resource for the application # RG - name of the resource group containing RS # PORT - name of any port number, as it's ignored # LH - name of the LogicalHostname SC resource # NETWORK - name of the DHCP Network, separated with a / # where each network is made up of the following # <network>@<nafo or ipmp>@node number # # Additional parameters to Sun Cluster Carrier-Grade Edition # USE_CGTP - ff CGTP is being used (TRUE/FALSE) # USE_STATIC_DHCP - ff static DHCP tables should be used (TRUE/FALSE) # TEST_CLIENTID - the mac-address of the test-client # TFTPTESTFILE - path to Tftp testfile # # The following two examples illustrate sample parameters # for DHCP on a 2 node cluster (tequila/sunrise) # # Sun Cluster 3.0 using nafo # # NETWORK=192.168.100.0@nafo0@1/192.168.100.0@nafo0@2 # # Sun Cluster 3.1 using ipmp # # NETWORK=192.168.100.0@ipmp0@1/192.168.100.0@ipmp0@2 # RS= RG= PORT= LH= NETWORK= HAS_RS= # Options to Sun Cluster Carrier-Grade Edition USE_CGTP=FALSE USE_STATIC_DHCP=FALSE TEST_CLIENTID= TFTPTESTFILE= :::::::::::::: |
Sun Cluster HA for DHCP データサービス – パッチ 109077-12 (またはそれ以降) と 111302-02 (またはそれ以降) を適用した Solaris 8 7/01 (またはそれ以降) または Solaris 9 が必要です。
/etc/inet/dhcpsvc.conf が DHCP サービスのホストとなる Sun Cluster 内の全ノードで整合性が保たれているか、または /etc/inet/dhcpsvc.conf がクラスタファイルシステム上のディレクトリ上にリンクされるようにしてください。
Tftp デーモンチェックが使用されている場合、DHCP を使用するクラスタ内の全ノード上で、定義済みの tftpdirectory にゼロではない testfile を作成する必要があります。
/etc/inet/dhcpsvc.conf パラメータ – /etc/inet/dhcpsvc.conf の次のパラメータを設定する必要があります。
DAEMON_ENABLED はつねに True に設定します。
PATH は、静的 DHCP が使用されている場合、DHCP ネットワークテーブルまたはローカルファイルシステムのクラスタファイルシステムを示します。
INTERFACE は、Carrier-Grade Transport Procol が使用されている場合に使用する必要があります。
RUN_MODE はつねに SERVER に設定します。
ICMP_VERIFY は、アクティブテストが使用されている場合、常に False に設定されます。
RESOURCE は SUNWbinfiles または SUNWfiles のどちらかに設定します。
この節では、DHCP のインストールと構成に必要な手順について説明します。
DHCP のインストールと構成は、次の手順で行なってください。
Solaris CD から次のパッケージをインストールします。
SUNWdhcsu
SUNWdhcsb
SUNWdhcm
DHCP クラスタファイルシステムをマウントします。必ず、DHCP ネットワークテーブルに対応するクラスタファイルシステムをマウントしてください。
DHCP ネットワークテーブルでフェイルオーバーファイルシステムを使用する場合は、手動でこのファイルシステムをマウントする必要があります。
必要な DHCP パッチをインストールします。
インストールしなければならないパッチのリストについては、「構成に関する要件」を参照してください。
# /usr/sadm/admin/bin/dhcpmgr |
「DHCP サーバとして構成」を選択します。
「テキストファイル」または「バイナリファイル」を選択します。
DHCP ネットワークテーブルのパスを入力します。
ホストレコードの保管に使用するネームサービスを選択します。
「リース期間」とクライアントがリースを更新できるかどうかを選択します。
使用する場合は、このサーバーの DHCP クライアント用 DNS 構成を指定します。
IP アドレスを提供すべきネットワークとネットワークマスクを追加します。
「ネットワークタイプ」として「ローカルエリア (LAN)」を選択します。
使用する場合は、このサーバーの DHCP クライアント用 NIS 構成を指定します。
使用する場合は、このサーバーの DHCP クライアント用 NIS+ 構成を指定します。
アドレスとマクロを作成します。
/etc/inet/dhcpsvc.conf に次のパラメータが定義されているかどうかを確認します。
DAEMON_ENABLED はつねに True に設定します。
PATH はクラスタファイルシステムを示します。
RUN_MODE はつねに SERVER に設定します。
RESOURCE は SUNWbinfiles または SUNWfiles のどちらかに設定します。
/etc/inet/dhcpsvc.conf が DHCP サービスのホストとなる Sun Cluster 内の全ノードにわたって整合性が保たれているかを確認します。
2 とおりの実現方法があります。
/etc/inet/dhcpsvc.conf を Sun Cluster 内の全ノードにコピーします。
編集済みの dhcpsvc.conf をクラスタファイルシステムに移動し、クラスタファイルシステム内の dhcpsvc.conf に対して /etc/inet/dhcpsvc.conf からシンボリックリンクを作成します。
全ノードで DHCP が停止していることを確認します。
# /etc/rc2.d/K21dhcp stop |
全ノードでブート時の DHCP の起動を無効にします。
# rm /etc/rc3.d/S34dhcp |
この節では、インストールと構成の確認に必要な手順を説明します。
データサービスをまだインストールしていないため、この手順ではアプリケーションの可用性が高いかどうかを確認することはできません。
/etc/inet/dhcpsvc.conf を確認します。
要件に基づいて各パラメータが設定されているかどうかを確認します。
SERVER_MODE
PATH
DAEMON_ENABLED
Sun Cluster 内の全ノードにわたって /etc/inet/dhcpsvc.conf が矛盾していないかどうかを確認します。
ブート時の DHCP の起動が無効になっていることを確認します。
Sun Cluster の初回のインストールで Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールしなかった場合は、ここで説明する作業を行います。この手順は、Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールする各クラスタノード上で個別に実行します。この手順を実行するには、Sun Cluster Agents CD-ROM が必要です。
複数のデータサービスを同時にインストールする場合は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ソフトウェアのインストール」に記載されている手順を実行してください。
次のインストールツールのどちらかを使用して、Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールします。
Web Start プログラム
scinstall ユーティリティー
Solaris 10 を使用している場合、大域ゾーンでのみこれらのパッケージをインストールします。パッケージをインストールしたあとで作成されるローカルゾーンに、これらのパッケージが転送されないようにするには、scinstall ユーティリティーを使用してこれらのパッケージをインストールします。Web Start プログラムは使用しないでください。
Web Start プログラムは、コマンド行インタフェース (CLI) またはグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用して実行できます。CLI と GUI での作業の内容と手順はほとんど同じです。Web Start プログラムの詳細は、installer(1M) のマニュアルページを参照してください。
Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールするクラスタノード上で、スーパーユーザーになります。
(省略可能) GUI で Web Start プログラムを実行する場合は、DISPLAY 環境変数が設定されていることを確認してください。
CD-ROM ドライブに Sun Cluster Agents CD-ROM を挿入します。
ボリューム管理デーモン vold(1M) が実行されており、CD-ROM デバイスを管理するように構成されている場合は、デーモンによって CD-ROM が自動的に /cdrom/scdataservices_3_1_vc ディレクトリにマウントされます。
CD-ROM の Sun Cluster HA for DHCP コンポーネントディレクトリに移動します。
Sun Cluster HA for DHCP データサービスの Web Start プログラムは、このディレクトリに入っています。
# cd /cdrom/scdataservices_3_1_vc/components/SunCluster_HA_DHCP_3.1 |
Web Start プログラムを起動します。
# ./installer |
表示される手順に従って、ノードに Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールします。
インストールが終了すると、Web Start プログラムのインストールサマリーが出力されます。このサマリーを使用して、インストール時に Web Start によって作成されたログを確認できます。これらのログは、/var/sadm/install/logs ディレクトリにあります。
Web Start プログラムを終了します。
Sun Cluster Agents CD-ROM を CD-ROM ドライブから取り出します。
この作業には、Sun Cluster Agents CD-ROM が必要です。この手順では、Sun Cluster の初期インストール時にデータサービス パッケージをインストールしていない場合を想定しています。
Sun Cluster の初回インストールの一部として Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールした場合は、「Sun Cluster HA for DHCP の登録と構成」へ進んでください。
それ以外の場合は、次の手順で、Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールします。Sun Cluster HA for DHCP を実行できるすべてのノードで、この作業が必要です。
CD-ROM ドライブに Sun Cluster Agents CD-ROM を挿入します。
オプションは指定せずに、scinstall ユーティリティーを実行します。
メニューオプション「新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加」を選択します。
scinstall ユーティリティーにより、ほかの情報を入力するためのプロンプトが表示されます。
Sun Cluster Agents CD-ROM のパスを指定します。
ユーティリティーはこの CD をデータサービス CD-ROM として示します。
インストールするデータサービスを指定します。
選択したデータサービスが scinstall ユーティリティーによって示され、この選択内容の確認が求められます。
scinstall ユーティリティーを終了します。
ドライブから CD を取り出します。
ここでは Sun Cluster HA for DHCP の構成手順について説明します。
この手順は、Sun Cluster の初回のインストール時にこのデータサービスパッケージをインストールしている場合を想定しています。
Sun Cluster の初回インストールの一部として Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールしていない場合は、「scinstall ユーティリティーを使用して Sun Cluster HA for DHCP パッケージをインストールする」へ進みます。
DHCP のホストとなるクラスタノードの 1 つで、スーパーユーザーになります。
# scrgadm -a -t SUNW.gds |
SUNW.HAStoragePlus リソースタイプを登録します。
# scrgadm -a -t SUNW.HAStoragePlus |
フェイルオーバーリソースグループを作成します。
# scrgadm -a -g DHCP-failover-resource-group |
DHCP ディスク記憶装置に対応するリソースを作成します。
# scrgadm -a -j DHCP-has-resource \ -g DHCP-failover-resource-group \ -t SUNW.HAStoragePlus \ -x FilesystemMountPoints=DHCP- instance-mount-points |
DHCP 論理ホスト名に対応するリソースを作成します。
# scrgadm -a -L -j DHCP-lh-resource \ -g DHCP-failover-resource-group \ -l DHCP-logical-hostname |
DHCP ディスク記憶装置と論理ホスト名のリソースが組み込まれたフェイルオーバーリソースグループを有効にします。
# scswitch -Z -g DHCP-failover-resource-group |
a) DHCP コンポーネントを作成して登録します。
# cd /opt/SUNWscdhc/util |
dhcp_config ファイルを編集し、ファイルの中のコメントの記述に従います。
# These parameters can be customized in (key=value) form # RS - name of the resource for the application # RG - name of the resource group containing RS # PORT - name of any port number, as it's ignored # LH - name of the LogicalHostname SC resource # NETWORK - name of the DHCP Network, however comprised of following # <network>@<nafo or ipmp>@<node number> # HAS_RS - name of the DHCP HAStoragePlus SC resource |
次に、IPMP が組み込まれた 2 ノードの Sun Cluster 3.1 に対応する DHCP の例を示します。
RS=dhcp-res RG=dhcp-rg PORT=23 LH=dhcp-lh-res NETWORK=192.168.100.0@ipmp0@1/192.168.100.0@ipmp1@2 HAS_RS=dhcp-has-res |
dhcp_config の編集後、リソースを登録する必要があります。
# ./dhcp_register |
b) Sun Cluster Carrier-Grade 配備用の DHCP コンポーネントを作成し、登録します。
# cd /opt/SUNWscdhc/util |
dhcp_config ファイルを編集し、ファイルの中のコメントの記述に従います。
# These parameters can be customized in (key=value) form # RS - name of the resource for the application # RG - name of the resource group containing RS # PORT - name of any port number, as it's ignored # LH - name of the LogicalHostname SC resource # NETWORK - name of the DHCP Network, however comprised of following # <network>@<nafo or ipmp>@<node number> # HAS_RS - name of the DHCP HAStoragePlus SC resource # Additional parameters to Sun Cluster Carrier-Grade Edition # USE_CGTP - ff CGTP is being used (TRUE/FALSE) # USE_STATIC_DHCP - ff static DHCP tables should be used (TRUE/FALSE) # TEST_CLIENTID - the mac-address of the test-client # TFTPTESTFILE - path to Tftp testfile |
次に、CGTP、静的 DHCP、アクティブクライアントおよび tftp 監視が組み込まれた 2 ノードの Sun Cluster 3.1 の DHCP の例を示します。
RS=dhcp-res RG=dhcp-rg PORT=23 LH=dhcp-lh-res NETWORK= HAS_RS=dhcp-has-res USE_CGTP=TRUE USE_STATIC_DHCP=TRUE TEST_CLIENTID=8:0:20:a7:95:f9 TFTPTESTFILE=/tftpboot/SCTESTFILE |
dhcp_config の編集後、リソースを登録する必要があります。
# ./dhcp_register |
各 DHCP リソースを有効にします。
前の手順と同様、DHCP コンポーネントごとにこの手順を繰り返します。
# scstat |
# scswitch -e -j DHCP-resource |
ここでは、データサービスが正しくインストールされ構成されているかどうかを確認する手順について説明します。
DHCP のホストとなるクラスタノードの 1 つで、スーパーユーザーになります。
すべての DHCP リソースがオンラインになっていることを scstat で確認します。
# scstat |
オンラインになっていない DHCP リソースごとに、次のように scswitch コマンドを使用します。
# scswitch -e -j DHCP- resouce |
scswitch コマンドを実行し、DHCP リソースグループをほかのクラスタノード (node2 など) に切り替えます。
# scswitch -z -g DHCP-failover-resource-group -h node2 |
バグ修正の結果、IPMP ベースのクラスタの構成が変更されています。IPMP ベースのクラスタで Sun Cluster HA for DHCP を動作させている場合、DHCP リソースを無効にし、削除してから再登録する必要があります。
Sun Cluster DHCP のリソース定義を保存します。
# scrgadm -pvv -j resource > file1 |
Sun Cluster DHCP リソースを無効にします。
# scswitch -n -j resource |
Sun Cluster DHCP リソースを削除します。
# scrgadm -r -j resource |
Sun Cluster DHCP リソースを構成し、登録します。
Sun Cluster DHCP のリソース定義を保存します。
# scrgadm -pvv -j resource > file2 |
更新した定義を、リソースを更新する前に保存した定義と比較します。
これらの定義を比較することで、タイムアウトの値など、既存の拡張プロパティーが変更されたかどうかを判別することができます。
# diff file1 file2 |
リセットされたリソースのプロパティーを修正します。
# scrgadm -c -j resource -x|y resource |
Sun Cluster DHCP リソースをオンラインにします。
# scswitch -e -j resource |
ここでは、Sun Cluster HA for DHCP 障害モニターのプローブアルゴリズムまたは機能について説明し、プローブの失敗に関連する条件、メッセージ、回復処理を示します。
障害モニターの概念については、『Sun Cluster 3.1 の概念』を参照してください。
Sun Cluster HA for DHCP 障害モニターでは、リソースタイプ SUNW.gds と同じリソースプロパティーを使用します。使用するリソースプロパティーの全リストについては、SUNW.gds(5) のマニュアルページを参照してください。
DHCP の検証手順:
Thorough_probe_interval の間、休止します。
DHCP で使用されているネットワークのアクティブインタフェースが、PNM (Public Network Monitoring) によって変更されているかどうかを確認します。これに失敗すると、検証が DHCP リソースを再起動します。
Sun Cluster Carrier-Grade 配備の場合の DHCP の検証手順:
Thorough_probe_interval の間、休止します。
アクティブクライアントテストが定義されている場合、検証は dhcp-request を送信し、応答として ip-number が戻ると想定しています。これに失敗すると、検証はリソースグループをフェイルオーバーします。
tftp テストが定義されている場合、検証はローカルホストに接続し、/tmp に対して定義されている testfile を取得しようとします。このテストが失敗するのは、タイムアウトが発生した場合、または取得対象のファイルが存在しないか長さがゼロバイトである場合です。
ここでは、Sun Cluster HA for DHCP のデバッグを有効にする方法について説明します。
DHCP コンポーネントの DEBUG ファイルは、/opt/SUNWscdhc/etc にあります。
このファイルを使用すると、Sun Cluster 内の特定ノード上にある DHCP リソースに対して、デバッグを有効にできます。Sun Cluster 全体にわたって、DHCP リソースのデバッグを有効にするには、Sun Cluster 内のすべてのノードでこの手順を繰り返す必要があります。
/etc/syslog.conf を編集し、daemon.notice を daemon.debug に変更します。
# grep daemon /etc/syslog.conf *.err;kern.debug;daemon.notice;mail.crit /var/adm/messages *.alert;kern.err;daemon.err operator # |
daemon.notice を daemon.debug に変更し、syslogd を再起動します。次に示す grep daemon /etc/syslog.conf コマンドの出力例では、daemon.debug が設定されています。
# grep daemon /etc/syslog.conf *.err;kern.debug;daemon.debug;mail.crit /var/adm/messages *.alert;kern.err;daemon.err operator # # pkill -1 syslogd # |
/opt/SUNWscdhc/etc/config を編集し、DEBUG= を DEBUG=ALL または DEBUG= resource に変更します。
# cat /opt/SUNWscdhc/etc/config # # Copyright 2003 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. # Use is subject to license terms. # # Usage: # DEBUG=<RESOURCE_NAME> or ALL # DEBUG=ALL # |
デバッグを無効にするには、この手順を逆に実行してください。