次に、Network Appliance (NetApp) ネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイスを定足数デバイスとして使用する場合の要件を示します。
NetApp の iSCSI ライセンスをインストールする必要があります。
クラスタ化されたファイラを定足数デバイスとして使用する場合は、そのファイラに iSCSI LUN を構成する必要があります。
時間の同期をとるために NTP を使用するには、NetApp NAS ユニットを構成する必要があります。
クラスタ化されたファイラに選択されている NTP サーバーのうち少なくとも 1 つは、Sun Cluster ノードの NTP サーバーでなければなりません。
クラスタを起動する場合は、常にクラスタノードを起動する前に NAS デバイスを起動する必要があります。
誤った順序でデバイスを起動すると、ノードは定足数デバイスを検出できません。このような状況でノードが停止した場合、クラスタはサービスに対応できなくなる可能性があります。このような状態が発生した場合は、クラスタ全体を起動し直すか、NetApp NAS 定足数デバイスを削除して追加し直す必要があります。
クラスタは、各 NAS デバイスを単一の定足数デバイスにしか使用できません。
定足数デバイスがさらに必要な場合は、ほかの共有ストレージを構成できます。同じ NAS デバイスを使用するほかのクラスタは、そのデバイスの別の LUN をそれらの定足数デバイスとして使用できます。
Network Appliance NAS デバイスと LUN の構築と設定については、以下の Network Appliance NAS マニュアルを参照してください。これらのマニュアルは、http://now.netapp.com で利用できます。
NAS デバイスの設定
『System Administration File Access Management Guide』
LUN の設定
『Host Cluster Tool for Unix Installation Guide』
ONTAP ソフトウェアのインストール
『Software Setup Guide』、『Upgrade Guide』
クラスタのボリュームのエクスポート
『Data ONTAP Storage Management Guide』
クラスタノードへの NAS サポートソフトウェアパッケージのインストール
http://now.netapp.com にログインし、「Software Download」ページから『Host Cluster Tool for Unix Installation Guide』をダウンロードしてください。
Sun Cluster 環境で NetApp NAS ストレージデバイスをインストールする方法については、Sun Cluster のマニュアル『Sun Cluster 3.1 With Network-Attached Storage Devices Manual for Solaris OS』を参照してください。
すべての Sun Cluster ノードがオンライン状態であり、クラスタ化された NetApp ファイラと通信が行えることを確認します。
クラスタ内の任意のノード上でスーパーユーザーになります。
scsetup ユーティリティーを起動します。
# scsetup |
scsetup のメインメニューが表示されます。
定足数のオプションに対応する番号を入力します。
「定足数メニュー」が表示されます。
定足数デバイスを追加するオプションに対応する番号を入力し、定足数デバイスを追加するかを確認するメッセージが表示されたら「yes」と入力します。
追加する定足数デバイスの種類を確認するメッセージが表示されます。
netapp_nas 定足数デバイスのオプションに対応する番号を入力し、netapp_nas 定足数デバイスを追加するかを確認するメッセージが表示されたら「yes」と入力します。
新しい定足数デバイスの名前を入力するようにメッセージが表示されます。
追加する定足数デバイスの名前を入力します。
定足数デバイスの名前は任意に選択できます。この名前は、今後の管理コマンドの処理だけに使用されるものです。
新しい定足数デバイスのファイラの名前を入力するようにメッセージが表示されます。
新しい定足数デバイスのファイラの名前を入力します。
この名前には、ネットワークアクセスが可能なファイラ名またはファイラのアドレスを指定してください。
ファイラの LUN ID を指定するようにメッセージが表示されます。
ファイラの定足数デバイス LUN の ID を入力します。
ファイラに新しい定足数デバイスを追加するか確認を求めるメッセージが表示されます。
「yes」と入力し、新しい定足数デバイスの追加を続行します。
新しい定足数デバイスが正常に追加されると、その影響についてのメッセージが表示されます。
定足数デバイスが追加されていることを確認します。
# scstat -q |
次の例は、NetApp NAS 定足数デバイスを追加する際に scsetup コマンドによって生成される scconf コマンドと、検証手順を示しています。
すべての Sun Cluster ノードがオンライン状態で、クラスタ化された NetApp ファイラと通信が可能であることを確認する クラスタの任意のノード上でスーパーユーザーになる [scsetup ユーティリティーを実行する:] # scsetup 「定足数」を選択し、次に「定足数デバイスを追加」を選択する. Netapp_nas 定足数デバイスを選択する 追加する定足数デバイスの名前を入力する qd1 新しい定足数デバイスのファイラの名前を入力する nas1.sun.com ファイラの定足数デバイス LUN の ID を入力する 0 「yes」と入力し、新しい定足数デバイスの追加を続行する yes [scconf コマンドが正常に終了したことを確認する:] scconf -a -q name=qd1,type-=netapp_nas,filer=nas1.sun.com,lun_id=0 コマンドは正常に完了しました。 >scsetup の「定足数」メニューとメインメニューを終了する [定足数デバイスが追加されたことを確認する:] # scstat -q -- 定足数の概要 -- 可能な定足数投票数: 5 必要な定足数投票数: 3 現在の定足数投票数: 5 -- ノードによる定足数の投票数 -- ノード名 現在の数 可能な数 状態 --------- ------- -------- ------ ノードの投票数: phys-schost-1 1 1 Online ノードの投票数: phys-schost-2 1 1 Online -- デバイスによる定足数の投票数 -- デバイス名 現在の数 可能な数 状態 ----------- ------- -------- ------ デバイスの投票数: qd1 1 1 Online デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d3s2 1 1 Online デバイスの投票数: /dev/did/rdsk/d4s2 1 1 Online |