Sun Cluster ソフトウェアをクラスタのすべてのノードで構成するには、クラスタの 1 つのノードからこの手順を実行します。
次の作業を実行します。
Solaris OS がインストールされており、Sun Cluster ソフトウェアをサポートしていることを確認します。
Solaris ソフトウェアがすでにノード上にインストールされている場合は、Solaris のインストールが Sun Cluster ソフトウェアの必要条件、およびそのクラスタにインストールする予定の他のソフトウェアの必要条件を満たしていることを確認してください。Solaris ソフトウェアをインストールして、Sun Cluster ソフトウェアの必要条件を満たす方法の詳細については、「Solaris ソフトウェアをインストールする」を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアパッケージがノードにインストールされていることを確認します。「Sun Cluster フレームワークとデータサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Java ES installer)」を参照してください。
使用する scinstall ユーティリティーのモードが「通常」または「カスタム」のどちらであるかを判断します。Typical を指定した Sun Cluster ソフトウェアの インストールでは、scinstall が自動的に以下のデフォルト構成を指定します。
構成要素 |
デフォルト値 |
---|---|
プライベートネットワークアドレス |
172.16.0.0 |
プライベートネットワークネットマスク |
255.255.0.0 |
クラスタトランスポート接続点 |
switch1 および switch2 |
広域デバイスファイルシステム名 |
/globaldevices |
インストールセキュリティー (DES) |
制限付き |
Solaris および Sun Cluster パッチディレクトリ |
/var/cluster/patches/ |
次のクラスタ構成ワークシートのうちの 1 つに必要事項を記入します。どちらのワークシートを使用するかは、scinstall ユーティリティーを「通常」または「カスタム」のどちらのモードで実行するかによって決まります。
通常モード - 通常モードを使用して、すべてのデフォルトを受け入れる場合は、次のワークシートに必要事項を記入します。
構成要素 |
説明/例 |
答を記入する |
|
---|---|---|---|
クラスタ名 |
確立するクラスタの名前 | ||
クラスタノード |
初期クラスタ構成で構成するその他のクラスタノードの名前 | ||
クラスタトランスポートアダプタおよびケーブル |
ノードをプライベートインターコネクトに接続する 2 つのクラスタトランスポートアダプタの名前 |
1
|
2
|
これは専用のクラスタトランスポートアダプタですか。 |
Yes | No |
Yes | No |
|
No の場合、このアダプタの VLAN ID は何ですか。 | |||
定足数の構成 (two-node cluster only) |
定足数デバイスの自動選択を無効にしますか。(共有ストレージが定足数デバイスとして認められていない場合、あるいは、Network Appliance NAS デバイスを定足数デバイスとして構成する場合は、Yes で回答します。) |
Yes | No |
|
チェック |
sccheck エラー発生時にインストールを中断するかどうか(sccheck が事前構成要件を満たしていることを確認します) |
Yes | No |
カスタムモード - カスタムモードを使用して構成データをカスタマイズする場合は、次のワークシートに必要事項を記入します。
この手順で対話式 scinstall ユーティリティーを使用するときには、次のガイドラインに従ってください。
対話式 scinstall を使用すると、先行入力が可能になります。したがって、次のメニュー画面がすぐに表示されなくても、Return キーを押すのは一度だけにしてください。
特に指定のある場合を除いて、Control-D キーを押すと、関連する一連の質問の最初に戻るか、メインメニューに戻ります。
前のセッションのデフォルトの解凍が、質問の最後に角かっこ ([ ]) で囲まれて表示されます。入力せずに角かっこ内の回答を入力するには、Return キーを押します。
Sun Cluster ソフトウェアのインストール時にリモート構成を無効にした場合は、リモート構成をもう一度有効にします。
すべてのクラスタノードで スーパーユーザーのリモートシェル (rsh(1M)) またはセキュアシェル (ssh(1) ) アクセスを有効に を有効にします。
(省略可能) scinstall(1M) ユーティリティーを使用してパッチをインストールするには、パッチをパッチディレクトリにダウンロードします。
「通常」モードを使用してクラスタをインストールする場合、/var/cluster/patches/ または /var/patches/ のどちらかのディレクトリ名を使用して、インストールするパッチを格納します。
「通常」モードでは、scinstall コマンドはこれらのディレクトリの両方でパッチをチェックします。
これらのディレクトリのどちらも存在しない場合は、パッチは追加されません。
これら両方のディレクトリが存在する場合は、/var/cluster/patches/ ディレクトリにあるパッチのみが追加されます。
「カスタム」モードを使用してクラスタをインストールする場合は、パッチディレクトリへのパスを指定します。このパスを指定することによって、scinstall が「通常」モードでチェックするパッチディレクトリを使用する必要がなくなります。
パッチリストファイルは、パッチディレクトリに保存できます。デフォルトのパッチリストファイル名は patchlist です。パッチリストファイルの作成方法については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。
クラスタを構成するクラスタノードでスーパーユーザーになります。
scinstall ユーティリティーを起動します。
# /usr/cluster/bin/scinstall |
「メインメニュー」から「クラスタまたはクラスタノードをインストール」という項目を選択します。
*** メインメニュー *** 次の (*) オプションのうちから 1 つを選択してください: * 1) クラスタまたはクラスタノードをインストール 2) このインストールサーバーから JumpStart できるようにクラスタを構成 3) 新しいデータサービスのサポートをこのクラスタノードに追加 4) このクラスタノードをアップグレード * 5) このクラスタノードのリリース情報を出力 * ?) メニューオプションのヘルプ * q) 終了 オプション: 1 |
「インストールメニュー」から「新しいクラスタのすべてのノードをインストール」という項目を選択します。
メニュープロンプトに従って、 構成計画ワークシートから回答を入力します。
scinstall ユーティリティーは、すべてのクラスタノードのインストールと構成を行い、クラスタを再起動します。クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。
Solaris 10 OS の場合、各ノードで Service Management Facility (SMF) 用のマルチユーザーサービスがオンラインであることを確認します。
あるノードでこれらのサービスがまだオンラインでない場合は、オンラインになるまで待機してから、次の手順に進みます。
# svcs multi-user-server STATE STIME FMRI online 17:52:55 svc:/milestone/multi-user-server:default |
任意のノードから、すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。
scstat(1M) コマンドを実行して、クラスタノードのリストを表示します。このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。
% scstat -n |
出力は次のようになります。
-- クラスターノード -- ノード名 状態 -------- ---- クラスターノード: phys-schost-1 Online クラスターノード: phys-schost-2 Online |
Sun Cluster ソフトウェアをサポートするのに必要なパッチをインストールしていない場合は、これらのパッチをすべてインストールします。
ループバックファイルシステム (LOFS) を再び有効にするには、クラスタの各ノードの /etc/system ファイルから次のエントリを削除します。
exclude:lofs |
このあと、システムをリブートすると、LOFS が再び有効になります。
Sun Cluster HA for NFS を高可用性ローカルファイルシステム上で使用しており、かつ、automountd を実行している場合、 LOFS は有効にできません。LOFS は、Sun Cluster HA for NFS のスイッチオーバーの問題の原因になる可能性があります。LOFS を有効にしたあとで、Sun Cluster HA for NFS を高可用性ローカルファイルシステムに追加することを選択した場合は、次のうちの 1 つを行う必要があります。
クラスタの各ノードの /etc/system ファイルに exclude:lofs エントリを戻して、各ノードをリブートします。この変更によって、LOFS は無効になります。
automountd デーモンを無効にします。
高可用性ローカルファイルシステムの一部であり、Sun Cluster HA for NFS によってエクスポートされるファイルをすべて、オートマウンタマップから除外します。この方法では、LOFS と automountd デーモンの両方を有効にしたままにできます。
ループバックファイルシステムの詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』(Solaris 8) または『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』(Solaris 9 または Solaris 10) を参照してください。
ここでは、scinstall を使用して 2 ノードクラスタ schost で構成作業を完了したときに、ログに記録される scinstall 進行状況メッセージの例を示します。このクラスタは、 scinstall の「通常」モードを使用することによって、phys-schost-1 からインストールされます。もう一つのクラスタノードは phys-schost-2 です。アダプタ名は qfe2 と qfe3 です。定足数デバイスの自動選択は有効です。
インストールと構成 ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.24747 「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-1"」で実行しています … done 「/globaldevices」用のテストを「phys-schost-2」で実行しています … done インストール状態を検査しています … done Sun Cluster ソフトウェアは「phys-schost-1」にすでにインストールされています。 Sun Cluster ソフトウェアは「phys-schost-2」にすでにインストールされています。 クラスタトランスポート構成の検出を開始します。 次の接続が見つかりました: phys-schost-1:qfe2 switch1 phys-schost-2:qfe2 phys-schost-1:qfe3 switch2 phys-schost-2:qfe3 クラスタトランスポート構成の検出を終了しました。 sccheck を「phys-schost-1」上で開始しました。 sccheck を「phys-schost-2」上で開始しました。 sccheck が終了しました。「phys-schost-1」にエラーまたは警告はありません。 sccheck が終了しました。「phys-schost-2」にエラーまたは警告はありません。 ダウンロードファイルを削除しています … done 「phys-schost-2」を構成しています … done 「phys-schost-2」を再起動しています … done 「phys-schost-1」を構成しています … done 「phys-schost-1を再起動しています … ログファイル - /var/cluster/logs/install/scinstall.log.24747 リブートしています … |
データサービスをインストールする予定の場合は、インストールするデータサービスと使用している Solaris OS のバージョンに適合する手順に進んでください。
Sun Cluster 2 of 2 CD-ROM (Sun Java System データサービス) |
Sun Cluster Agents CD (それ以外のすべてのデータサービス) |
|||
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手続き |
Solaris 8 または 9 |
Solaris 10 |
Solaris 8 または 9 |
Solaris 10 |
「Sun Cluster フレームワークとデータサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Java ES installer)」 |
X | |||
X | ||||
X |
X |
|||
X |
それ以外の場合は、次の適切な手順に進みます。
単一ノードクラスタをインストールした場合は、クラスタの確立は完了しています。「クラスタの構成」に進んで、ボリューム管理ソフトウェアをインストールし、クラスタを構成します。
複数ノードクラスタをインストールして、自動定足数構成を選択した場合は、インストール後の設定は完了しています。「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。
複数ノードクラスタをインストールして、自動定足数構成を拒否した場合は、インストール後の設定を実行します。「定足数デバイスを構成する」に進みます。
scinstall 処理の完了後は、プライベートネットワークアドレスやネットマスクを変更できません。別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、ノードがインストールモードのままの場合は、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する」の手順に従います。次に、「Sun Cluster フレームワークとデータサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Java ES installer)」の手順を実行してから、この節の手順を実行して、 ソフトウェアをインストールし直し、正しい情報でノードを構成します。