この手順は、Sun Cluster のアップグレードを完了するときに実行します。最初に、アップグレードにより新しいバージョンを受け取るすべてのリソースタイプを登録します。2 番目にリソースが使用する新しいバージョンのリソースタイプを使用する該当リソースを変更します。3 番目に、リソースを再度有効にします。最後に、リソースグループをオンラインに戻します。
「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリング以外のアップグレードを確認する」のすべての手順が完了していることを確認します。
製品メディアで提供されないデータサービスをアップグレードした場合は、それらのデータサービスの新しいリソースタイプを登録します。
Sun Cluster HA for SAP liveCache を Sun Cluster 3.0 用のバージョンから Sun Cluster 3.1 用のバージョンにアップグレードした場合は、/opt/SUNWsclc/livecache/bin/lccluster 構成ファイルを変更してください。
liveCache リソースをホストするノードでスーパーユーザーになります。
新しい /opt/SUNWsclc/livecache/bin/lccluster ファイルを /sapdb/LC_NAME/db/sap/ ディレクトリにコピーします。
データサービスの以前の構成からすでに存在している lccluster ファイルを上書きします。
この /sapdb/LC_NAME/db/sap/lccluster ファイルを、『Sun Cluster Data Service for SAP liveCache ガイド (Solaris OS 版)』の「Sun Cluster HA for SAP liveCache を登録して構成する」で説明しているとおりに構成します。
構成が Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager ソフトウェアの二重列メディエータを使用する場合は、 メディエータの構成を復元します。
メディエータホストの追加先のディスクセットの所有権を持つノードを指定します。
# metaset -s setname |
ディスクセット名を指定します。
どのノードも所有権を持っていない場合は、ディスクセットの所有権を取得します。
# scswitch -z -D setname -h node |
マスター権を変更します。
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットの主ノードとなるノードの名前を指定します。
メディエータを再作成します。
# metaset -s setname -a -m mediator-host-list |
ディスクセットに追加します。
追加するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。
メディエータを使用するクラスタ内の各ディスクセットで、これらの手順を繰り返します。
SPARC: VxVM をアップグレードした場合は、すべてのディスクグループをアップグレードしてください。
リソースを新しいリソースタイプバージョンに移行します。
Solaris 10 OS 用の Sun Cluster HA for NFS データサービスにアップグレードする場合は、新しいリソースタイプバージョンに移行する必要があります。詳細については、『Sun Cluster Data Service for Network File System (NFS) ガイド (Solaris OS 版)』の「SUNW.nfs リソースタイプのアップグレード」を参照してください。
ほかのすべてのデータサービスでは、この手順は任意です。
コマンド行を使用する手順については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「リソースタイプの更新」を参照してください。代わりに、scsetup ユーティリティーの「リソースグループ」メニューを使用して同じ作業を実行することもできます。このプロセスには、以下の作業が含まれます。
新しいリソースタイプの登録
該当リソースの新しいバージョンのリソースタイプへの移行
リソースタイプの拡張プロパティーを関連データサービスのマニュアルで指定されたとおりに変更
任意のノードで、scsetup(1M) ユーティリティーを起動します。
# scsetup |
すべての無効リソースを再度有効にします。
「リソースグループメニュー」から、メニュー項目「リソースを有効化または無効化」を選択します。
有効にするリソースを選択し、プロンプトの指示に従います。
無効にした各リソースで、手順 b を繰り返します。
すべてのリソースが再び有効になったら、 q を入力して「リソースグループメニュー」に戻ります。
各リソースグループをオンラインに戻します。
すべてのリソースグループがオンラインに戻ったら、scsetup ユーティリティーを終了します。
q を入力して各サブメニューを取り消すか、Ctrl-C を押してください。
SPARC ベースのシステムを持っており、Sun Management Center を使用してクラスタを監視している場合は、「SPARC: Sun Cluster モジュールソフトウェアを Sun Management Center 用にアップグレードする」に進みます。
そうでない場合は、クラスタのアップグレードは完了です。
リソースタイプの将来のバージョンにアップグレードする方法については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「リソースタイプの更新」を参照してください。