この節では、不注意からアップグレード中にストレージ構成が変更された場合に実行する修復手順を説明します。
Sun Cluster コマンドの実行など、ストレージトポロジに対する変更は、クラスタを Solaris 9 ソフトウェアにアップグレードする前に行なってください。ただし、アップグレード中にストレージトポロジが変更された場合は、次の手順を実行します。この手順では、新しいストレージ構成が正しいことと、再構成されなかった既存のストレージは誤って変更されないことを保証します。
ストレージトポロジが間違っていないことを確認します。変更されている可能性を示すフラグ付きデバイスが、実際に変更されているデバイスにマップされていないかどうかを確認します。デバイスが変更されていない場合、誤ったケーブル接続など、偶発的な構成変更の可能性を調べて修正します。
確認されていないデバイスに接続するノードでスーパーユーザーになります。
未確認のデバイスを手動で更新します。
# scdidadm -R device |
指定した device で、修復手順を実行します。
詳細については、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
DID ドライバを更新します。
# scdidadm -ui # scdidadm -r |
デバイス ID の構成テーブルをカーネルに読み込みます。
DID ドライバを初期化します。
データベースを再構成します。
残りのアップグレード作業に戻ります。
ローリング以外のアップグレードの場合は、手順 3 「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリング以外のアップグレードを実行する」に進みます。
ローリングアップグレードの場合は、手順 4 「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリングアップグレードを実行する」に進みます。
アップグレード中に、ストレージのケーブル接続が誤って変更された場合、次の手順を実行して、ストレージ構成を正しい状態に戻します。
この手順では、物理ストレージが実際に変更されていないことを前提とします。物理ストレージデバイスまたは論理ストレージデバイスが変更または置換された場合は、代わりに、「アップグレード中のストレージの再構成に対処する」の手順に従います。
ストレージトポロジを元の構成に戻します。変更の可能性を示すフラグが付いたデバイスの構成を、ケーブル接続も含め検査します。
スーパーユーザーで、クラスタ内の各ノードで DID ドライバを更新します。
# scdidadm -ui # scdidadm -r |
デバイス ID の構成テーブルをカーネルに読み込みます。
DID ドライバを初期化します。
データベースを再構成します。
詳細については、scdidadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
手順 1 で scdidadm コマンドがなんらかのエラーメッセージを返した場合は、必要に応じてストレージ構成をさらに修正して、手順 1 を繰り返します。
残りのアップグレード作業に戻ります。
ローリング以外のアップグレードの場合は、手順 3 「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリング以外のアップグレードを実行する」に進みます。
ローリングアップグレードの場合は、手順 4 「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリングアップグレードを実行する」に進みます。