アップグレードするすべてのクラスタノードで、すべてのアップグレード手順が完了していることを確認します。
1 つのノードから、クラスタのアップグレードの状態を検査します。
# scversions |
次の表から、手順 1 からの出力メッセージにリストされた操作を実行します。
出力メッセージ |
操作 |
---|---|
Upgrade commit is needed. |
手順 4 に進みます。 |
Upgrade commit is NOT needed. All versions match. |
手順 6 に進みます。 |
Upgrade commit cannot be performed until all cluster nodes are upgraded. Please run scinstall(1m) on cluster nodes to identify older versions. |
「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリングアップグレードを実行する」に戻って、残りのクラスタノードをアップグレードします。 |
Check upgrade cannot be performed until all cluster nodes are upgraded. Please run scinstall(1m) on cluster nodes to identify older versions. |
「Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアのローリングアップグレードを実行する」に戻って、残りのクラスタノードをアップグレードします。 |
すべてのノードがクラスタに参加し直したあと、1 つのノードからクラスタのアップグレードをコミットします。
# scversions -c |
アップグレードをコミットすることにより、クラスタが新しいソフトウェアのすべての機能を利用できます。新しい機能はアップグレードのコミットを実行した後にだけ利用できます。
1 つのノードから、クラスタアップグレードのコミットが成功したことを確認します。
# scversions Upgrade commit is NOT needed. All versions match. |
共通エージェントコンテナのセキュリティーファイルをすべてのクラスタノードにコピーします。
この手順によって、共通エージェントコンテナのセキュリティーファイルがすべてのクラスタノードで同じであり、コピーされたファイルが正しいファイルアクセス権を保持することが保証されます。
各ノードで、Sun Java Web Console エージェントを停止します。
# /usr/sbin/smcwebserver stop |
各ノードで、セキュリティーファイルエージェントを停止します。
# /opt/SUNWcacao/bin/cacaoadm stop |
1 つのノードで、/etc/opt/SUNWcacao/ ディレクトリに移動します。
phys-schost-1# cd /etc/opt/SUNWcacao/ |
/etc/opt/SUNWcacao/security/ ディレクトリの tar ファイルを作成します。
phys-schost-1# tar cf /tmp/SECURITY.tar security |
/tmp/SECURITY.tar ファイルを、その他の各クラスタノードにコピーします。
/tmp/SECURITY.tar ファイルのコピー先である各ノードで、セキュリティーファイルを抽出します。
/etc/opt/SUNWcacao/ ディレクトリにすでに存在するすべてのセキュリティーファイルは上書きされます。
phys-schost-2# cd /etc/opt/SUNWcacao/ phys-schost-2# tar xf /tmp/SECURITY.tar |
クラスタの各ノードから /tmp/SECURITY.tar ファイルを削除します。
セキュリティーリスクを回避するため、tar ファイルの各コピーは削除する必要があります。
phys-schost-1# rm /tmp/SECURITY.tar phys-schost-2# rm /tmp/SECURITY.tar |
各ノードで、セキュリティーファイルエージェントを起動します。
phys-schost-1# /opt/SUNWcacao/bin/cacaoadm start phys-schost-2# /opt/SUNWcacao/bin/cacaoadm start |
各ノードで、Sun Java Web Console エージェントを起動します。
phys-schost-1# /usr/sbin/smcwebserver start phys-schost-2# /usr/sbin/smcwebserver start |
構成が Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager ソフトウェアの二重メディエータを使用する場合は、メディエータの構成を復元します。
メディエータホストの追加先のディスクセットの所有権を持つノードを指定します。
# metaset -s setname |
ディスクセット名を指定します。
どのノードも所有権を持っていない場合は、ディスクセットの所有権を取得します。
# scswitch -z -D setname -h node |
マスター権を変更します。
ディスクセットの名前を指定します。
ディスクセットの主ノードとなるノードの名前を指定します。
メディエータを再作成します。
# metaset -s setname -a -m mediator-host-list |
ディスクセットに追加します。
追加するノードの名前をディスクセットのメディエータホストとして指定します。
製品メディアで提供されないデータサービスをアップグレードした場合は、それらのデータサービスの新しいリソースタイプを登録します。
データサービスの付属マニュアルに従ってください。
(省略可能) 各リソースグループとデバイスグループを元のノードに切り替えます。
# scswitch -z -g resource-group -h node # scswitch -z -D disk-device-group -h node |
スイッチを実行します。
切り替えるリソースグループを指定します。
切り替え先のノードの名前を指定します。
切り替えるデバイスグループを指定します。
すべてのアプリケーションを再起動します。
ベンダーのマニュアルにある指示に従ってください。
リソースを新しいリソースタイプバージョンに移行します。
Solaris 10 OS 用の Sun Cluster HA for NFS データサービスにアップグレードする場合は、新しいリソースタイプバージョンに移行する必要があります。詳細については、『Sun Cluster Data Service for Network File System (NFS) ガイド (Solaris OS 版)』の「SUNW.nfs リソースタイプのアップグレード」を参照してください。
ほかのすべてのデータサービスでは、この手順は任意です。
コマンド行を使用する手順については、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「リソースタイプの更新」を参照してください。代わりに、scsetup ユーティリティーの「リソースグループ」メニューを使用して同じ作業を実行することもできます。このプロセスには、以下の作業が含まれます。
新しいリソースタイプの登録
該当リソースの新しいバージョンのリソースタイプへの移行
リソースタイプの拡張プロパティーを関連データサービスのマニュアルで指定されたとおりに変更
SPARC ベースのシステムを持っており、Sun Management Center を使用してクラスタを監視している場合は、 「SPARC: Sun Cluster モジュールソフトウェアを Sun Management Center 用にアップグレードする」に進みます。
そうでない場合は、クラスタのアップグレードは完了です。