この節では、Sun Cluster 構成のルートディスクのカプセル化を解除する方法について説明します。
この作業は、ルートディスクのカプセル化を解除する場合に行なってください。
次の作業を実行します。
ルートディスク上に、Solaris ルートファイルシステムだけが存在することを確認してください。Solaris ルートファイルシステムとは、ルート (/)、スワップ、広域デバイス名前空間、/usr、/var、/opt、/home です。
Solaris ルートファイルシステム以外のファイルシステムがルートディスクに存在する場合は、それらのファイルシステムをバックアップしたあとで、ルートディスクから削除します。
カプセル化を解除するノード上でスーパーユーザーになります。
すべてのリソースグループとデバイスグループをノードから移動させます。
# scswitch -S -h from-node |
すべてのリソースグループとデバイスグループを退避させます。
リソースグループまたはデバイスグループを移動させるノード名を指定します。
# clinfo -n |
このノードの広域デバイスファイルシステムのマウントを解除します (N は、手順 3 で戻されたノード ID 番号です)。
# umount /global/.devices/node@N |
/etc/vfstab ファイルを表示し、どの VxVM ボリュームが広域デバイスファイルシステムに対応しているかを確認します。
# vi /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options # #NOTE: volume rootdiskxNvol (/global/.devices/node@N) encapsulated #partition cNtXdYsZ |
ルートディスクグループから、広域デバイスファイルシステムに対応する VxVM ボリュームを削除します。
# vxedit -g rootdiskgroup -rf rm rootdiskxNvol |
広域デバイスファイルシステムには、広域デバイス用のデバイスエントリ以外のデータを格納しないでください。VxVM ボリュームを削除すると、広域デバイスファイルシステム内のデータはすべて削除されます。ルートディスクのカプセル化を解除した後は、広域デバイスエントリに関連するデータだけが復元されます。
ルートディスクのカプセル化を解除します。
コマンドからのシャットダウン要求を受け付けないでください。
# /etc/vx/bin/vxunroot |
詳細については、VxVM のマニュアルを参照してください。
format(1M) コマンドを使用して、512M バイトのパーティションをルートディスクに追加して、広域デバイスファイルシステム用に使用できるようにします。
/etc/vfstab ファイルに指定されているように、ルートディスクのカプセル化の解除が行われる前に広域デバイスファイルシステムに割り当てられたものと同じスライスを使用してください。
手順 8 で作成したパーティションにファイルシステムを設定します。
# newfs /dev/rdsk/cNtXdYsZ |
ルートディスクの DID 名を確認します。
# scdidadm -l cNtXdY 1 phys-schost-1:/dev/rdsk/cNtXdY /dev/did/rdsk/dN |
/etc/vfstab ファイルで、広域デバイスファイルシステムのエントリにあるパス名を、手順 10 で特定した DID パスに置き換えます。
元のエントリの例を次に示します。
# vi /etc/vfstab /dev/vx/dsk/rootdiskxNvol /dev/vx/rdsk/rootdiskxNvol /global/.devices/node@N ufs 2 no global |
DID パスを使用する変更後のエントリの例を次に示します。
/dev/did/dsk/dNsX /dev/did/rdsk/dNsX /global/.devices/node@N ufs 2 no global |
広域デバイスファイルシステムをマウントします。
# mount /global/.devices/node@N |
クラスタの任意のノードから、任意の raw ディスクと Solstice DiskSuite または Solaris Volume Manager デバイス用のデバイスノードを使用して広域デバイスファイルシステムを生成し直します。
# scgdevs |
次の再起動時に VxVM デバイスが作成し直されます。
ノードを再起動します。
# reboot |
クラスタの各ノードでこの手順を繰り返し、それらのノードのルートディスクのカプセル化を解除します。