「パブリックネットワークのワークシート」に次の計画情報を追加してください。
ネットワークアダプタフェイルオーバー (NAFO) グループに代わるインターネットプロトコル (IP) ネットワークマルチパスグループは、パブリックネットワークアダプタの監視とフェイルオーバーを提供し、 ネットワークアドレスリソースの基盤構造です。マルチパスグループは、 2 つ以上のアダプタで構成されている場合に、高い可用性を提供します。1 つのアダプタで障害が発生しても、障害のあるアダプタ上のすべてのアドレスが、マルチパスグループ内の別のアダプタにフェイルオーバーされるからです。このようにして、マルチパスグループのアダプタは、マルチパスグループ内のアダプタが接続するサブネットへのパブリックネットワーク接続を維持します。
次のような状況では、Sun Cluster ソフトウェアをインストールする際に、IP ネットワークマルチパス グループを手作業で構成する必要があります。
Sun Cluster ソフトウェアを Solaris 8 OS にインストールする場合は、IP ネットワークマルチパス グループ内のすべてのパブリックネットワークアダプタを、テスト IP アドレスを使用して、手作業で構成する必要があります。
SunPlex Installer を使用して Sun Cluster ソフトウェアを Solaris 9 または Solaris 10 OS にインストールする場合、いくつか (すべてではない) のパブリックネットワークアダプタを手作業で IP ネットワークマルチパス グループに構成する必要があります。
Sun Cluster ソフトウェアを Solaris 9 または Solaris 10 OS にインストールする場合、SunPlex Installer を使用する場合を除いて、scinstall ユーティリティーはすべてのパブリックネットワークアダプタを自動的に、単一アダプタ IP ネットワークマルチパス グループとして構成します。
マルチパスグループを計画する際は、次の点を考慮してください。
各パブリックネットワークアダプタは、マルチパスグループに属している必要があります。
次の種類のマルチパスグループでは、グループ内の各アダプタにテスト IP アドレスを設定する必要があります。
Solaris 8 OS では、すべてのマルチパスグループで、各アダプタにテスト IP アドレスを設定する必要があります。
Solaris 9 または Solaris 10 OS では、複数のアダプタがあるマルチパスグループでは、(各アダプタに) テスト IP アドレスを設定する必要があります。マルチパスグループにアダプタが 1 つしかない場合は、テスト IP アドレスを設定する必要はありません。
同一マルチパスグループ内のすべてのアダプタ用のテスト IP アドレスは、単一の IP サブネットに属する必要があります。
テスト IP アドレスは高可用性ではないため、通常のアプリケーションでは使用しないようにします。
/etc/default/mpathd ファイルで、TRACK_INTERFACES_ONLY_WITH_GROUPS の値は yes でなければなりません。
マルチパスグループの名前に、必要条件はありません。
IP ネットワークマルチパス 用の Solaris ドキュメントに示されている手続き、ガイドライン、および制限事項のほとんどは、クラスタ環境と非クラスタ環境のどちらであるかにかかわらず同じです。したがって、IP ネットワークマルチパス については、適切な Solaris ドキュメントを参照してください。
Solaris 8 OS の場合は、『IP ネットワークマルチパスの管理』の「ネットワークマルチパスの管理」を参照してください。
Solaris 9 OS の場合は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 28 章「IP ネットワークマルチパスの管理 (手順)」を参照してください。
Solaris 10 OS の場合は、『Solaris のシステム管理 (IP サービス)』の第 30 章「IPMP の管理 (手順)」を参照してください。
また、『Sun Cluster の概要 (Solaris OS 版)』の「IP ネットワークマルチパスグループ」と『Sun Cluster の概念 (Solaris OS 版)』も参照してください。