この節では、Sun Cluster 3.1 8/05 で新しく追加された機能と、サポートされている製品について説明します。この節では、このリリースに適用される制限事項についても説明します。
この節では、Sun Cluster 3.1 8/05 で提供された個々の新機能について説明します。
このリリースでは、Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成に関連し、いくつかの改良が行われています。
scinstall ユーティリティーに次のメニューオプションが追加されました。
クラスタの最初のノード、クラスタの 2 番目以降のノードの通常モードインストール、JumpStart によるインストールセットアップ
シングルノードクラスタのインストール
クラスタアップグレード
このリリースでは、scinstall ユーティリティーを使用し、構成処理の一環として定足数デバイスを自動的に選択し、構成できるようになりました。このオプション機能は、定足数デバイスとしての使用が認められた SCSI 共有ストレージデバイスだけを使用する 2 ノードクラスタに使用できます。
次のファイル変更が、Sun Cluster 構成処理の一環として自動的に行われるようになりました。
ファイル名 |
エントリ変更 |
---|---|
/etc/hostname.if |
シングルアダプタ IPMP グループを利用できるように、ノード上で構成されている各パブリックネットワークアダプタのエントリが追加されました。 |
/etc/inet/hosts |
各クラスタノードのエントリが追加されました。 |
/etc/inet/ntp.conf.cluster |
使用されていないプライベートホスト名エントリが削除されました。 |
/etc/nsswitch.conf |
ほとんどのエントリは、リモートサーバールックアップを行う前にローカルの files データベースを参照するように変更されました。 |
/etc/system |
エントリ exclude:lofs が追加されました。 |
この機能向上は、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の第 2 章「Sun Cluster ソフトウェアのインストールと構成」と『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の第 5 章「Sun Cluster ソフトウェアのアップグレード」に記載されているインストール手順とアップグレード手順に反映されています。
3.1 9/04 リリース以降の Sun Cluster ソフトウェアは、共有ストレージだけを対象に Network Appliance NAS (Network-Attached Storage) デバイスをサポートします。Sun Cluster 3.1 8/05 以降の Sun Cluster ソフトウェアは、NAS デバイスを定足数デバイスとしてサポートします。このリリースでは、Sun Cluster で Network Appliance NAS デバイスを次のように配備できるようになりました。
フェンシングサポートを利用できる定足数デバイスとして配備する。
Oracle RAC 対応のアプリケーションまたは Sun Cluster 対応のすべてのアプリケーション (HA-NFS を除く) とともに配備する。
NFSv3 および NFSv4 とともに配備する。
クラスタサイズに制限を設けることなく配備する。
Sun Cluster 環境における NAS デバイスのインストールと保守の詳細については、『Sun Cluster 3.1 With Network-Attached Storage Devices Manual for Solaris OS』を参照してください。Network Appliance NAS デバイスを定足数デバイスとして使用する方法については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の「Network Appliance ネットワーク接続ストレージ (NAS) 定足数デバイスを追加する」を参照してください。
SunPlex Manager の最初のデータ画面に表示される情報が簡略化されました。最初の画面には、Nodes テーブルと Resource Groups テーブルだけが表示されるようになりました。ほかのテーブルは、ブラウザウィンドウの左側にある ナビゲーションツリー で該当するアイテムをクリックしてアクセスできます。
Sun Cluster ソフトウェアは、プライベートインターコネクトとパブリックネットワーク間でアダプタを共有するタグ付き VLAN (Virtual Local Area Network) をサポートします。プライベートインターコネクト用にタグ付き VLAN アダプタを構成する方法については、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「クラスタインターコネクト」を参照してください。
Sun Cluster HA for Solaris Containers データサービスを使用すると、Sun Cluster で制御されている非大域ゾーンでアプリケーションを実行できます。
Sun Cluster の制御下にある非大域ゾーンでアプリケーションを実行できるようにするため、Sun Cluster HA for Solaris Containers は次の処理を行います。
ゾーンの起動と停止を規則正しく行う。これにより、フェイルオーバー構成またはマルチマスター構成で非大域ゾーンを使用できるようになります
ゾーン内のアプリケーションの起動、停止、障害監視をスクリプトまたはコマンドを使用して規則正しく行う
ゾーン内の Solaris Service Management Facility (SMF) サービスの起動、停止、障害監視を規則正しく行う
このデータサービスを使用する予定がある場合は、非大域ゾーンで実行されるアプリケーション用として独自のスクリプトまたは SMF マニフェストを作成する必要があります。
Sun Cluster HA for Solaris Containers データサービスには次の制限が適用されます。
このデータサービスを使用することにより非大域ゾーンで Sun Cluster ソフトウェアの実行が可能になることはありません。
このデータサービスを使用することにより非大域ゾーンで既存のデータサービスの実行が可能になることはありません。
このデータサービスを使用することにより同一ノード上の非大域ゾーン間のフェイルオーバーが可能になることはありません。
このデータサービスの詳細については、『Sun Cluster Data Service for Solaris Containers ガイド』を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアを使用することで、Solaris Service Management Facility (SMF) と統合されたアプリケーションの高可用性を実現できます。SMF サービスの可用性を高めるために Sun Cluster を使用する場合は、Solaris SMF の使用に制限が適用されます。詳細は、『Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)』の「Sun Cluster の制御下で動作するよう Solaris SMF サービスを有効にする」を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアは、64 ビットファミリのマイクロプロセッサチップと AMD 製の互換マイクロプロセッサチップで動作します。
Sun Cluster ソフトウェアは、NFS での Kerberos の使用をサポートします。詳細は、『Sun Cluster Data Service for Network File System (NFS) ガイド (Solaris OS 版)』の「Kerberos V5 を使用した Sun Cluster HA for NFS の保護」を参照してください。
Sun Cluster ソフトウェアは、SPARC プラットフォームにおけるバージョン 10g の Oracle と Oracle Real Application Clusters の使用をサポートします。x86 プラットフォームにおけるバージョン 10g の Oracle と Oracle Real Application Clusters の使用については要件が未定であり、まだサポートされていません。詳細については、次のマニュアルを参照してください。
Sun Cluster 3.1 8/05 リリースには、次の制限が適用されます。
NFSv4 は、Sun Cluster 3.1 8/05 リリースでサポートされていません。
既知の問題点や制限については、「既知の問題点とバグ」を参照してください。