問題の概要: Sun Cluster 3.1 8/05 ソフトウェアは、Solaris 10 OS の 2005 年 3 月リリースへのアップグレードをサポートしません。このリリースへのアップグレードを試みると、/etc/path_to_inst ファイルが壊れる可能性があります。このファイル破壊が起きると、一般にノードは正常に起動されません。壊れたファイルには、同じデバイス名 (物理デバイス名に接頭辞 /node@nodeid が含まれる点を除く) の一部が繰り返し現れます。次に例を示します。
… "/node@nodeid/physical_device_name" instance_number "driver_binding_name" … "/physical_device_name" instance_number "driver_binding_name" |
さらに、主要な Solaris サービスの一部 (ネットワーキングやファイルシステム監視など) が開始に失敗したり、サービスの構成が不正であると伝えるメッセージがコンソールに出力されたりする可能性があります。
対処方法: 次の手順を使用します。
次に、Solaris 10 ソフトウェアへのアップグレードで /etc/path_to_inst ファイルの破壊が起きた場合の回復手順を示します。
この手順では、Sun Cluster 構成から Solaris 10 OS の 2005 年 3 月リリースへのアップグレードに関連したほかの問題の解決は行われません。
この手順は、Solaris 10 OS の 2005 年 3 月リリースへアップグレードされているノードごとに行なってください。
ノードの起動を行うことができない場合、ネットワークまたは CD-ROM からノードを起動してください。ノードが立ち上がったところで、fsck コマンドを実行し、パーティションの 1 つ (/a など) にローカルファイルシステムをマウントしてください。手順 2 では、/etc ディレクトリのパスにローカルファイルシステムマウントの名前を指定してください。
ノード上で、スーパーユーザーになるか、あるいは同等の役割を取得します。
/etc ディレクトリに移動します。
# cd /etc |
path_to_inst ファイルが壊れているかどうかを確認します。
path_to_inst ファイルが壊れている場合には、次の文字が存在します。
物理デバイス名の先頭に /node@nodeid が示されたエントリブロックが含まれる。
同じエントリの一部が、接頭辞 /node@nodeid を除いた状態で再度出現する。
ファイルがこのような構成になっていない場合には、問題がほかに存在します。この手順を継続しないでください。サポートが必要な場合は、製品の購入先に問い合わせてください。
path_to_inst ファイルが手順 3 で説明されているように壊れている場合は、次のコマンドを実行します。
# cp path_to_inst path_to_inst.bak # sed -n -e "/^#/p" -e "s,node@./,,p" path_to_inst.bak > path_to_inst |
path_to_inst ファイルを調べ、ファイルが修復されたかを確認します。
修復されたファイルは、次のように変更されています。
すべての物理デバイス名から接頭辞 /node@nodeid が削除されている。
どの物理デバイス名もエントリが重複していない。
path_to_inst ファイルのアクセス権が読み取り専用であることを確認します。
# ls -l /etc/path_to_inst -r--r--r-- 1 root root 2946 Aug 8 2005 path_to_inst |
非クラスタモードで再構成リブートを行います。
# reboot -- -rx |
影響を受けたクラスタノードをすべて修復したあと、『Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)』の「ローリング以外の アップグレードの前に依存ソフトウェアをアップグレードする」に移動し、アップグレード処理を継続します。