問題の概要: フェイルオーバーまたは scswitch を使用してデータサービスをノードに配置する前に NFS ファイルシステムが存在しているかどうかを確認することはできません。ノードに NFS ファイルシステムが存在しない場合、そのノードに対してスイッチオーバーまたはフェイルオーバーを行うと、データサービスが失敗して、手動での介入が必要になります。そのノードに対してフェイルオーバーまたはスイッチオーバーを行う前にファイルシステムの実行可能性をチェックする手段として HAStoragePlus などのメカニズムが必要です。
対処方法: NAS ファイラを使用するファイルシステム (/etc/vfstab にエントリとして指定される) は、Sun Cluster ソフトウェアの制御外でマウントされます。つまり、Sun Cluster ソフトウェアはどのような問題も認識することがありません。万一ファイルシステムが使用不能になった場合、START や STOP などのデータサービスメソッドの実行時に一部のデータサービス (Sun Cluster HA for Oracle など) は停止します。
これらのメソッドの停止が原因で起きる可能性がある状況はいくつかあります。
HA-Oracle などのようなデータサービスリソースは、そのアプリケーション (Oracle) バイナリが利用できないと STOP_FAILED 状態になる可能性があります。
データサービスは、その起動が正常に行われるかあるいは利用できるすべてのノードで起動が失敗するまで、代替ノードへのフェイルオーバーを試み続ける可能性があります。
これらの問題を避けるには、次のいずれかの手順を実行します。
フェイルオーバーファイルシステムまたはクラスタファイルシステムにアプリケーションバイナリを配置します。続いて、このファイルシステムを表す HAStoragePlus リソースを構成し、このリソースに対するアプリケーションの依存性を記録します。ファイルシステムが使用できない場合、システムがアプリケーションの起動を試みることはありません。
ローカルルートファイルシステムに、アプリケーションバイナリを配置します。ローカルルートファイルシステムが使用できない場合、ノードはクラスタに加わることができず、システムがそのノード上でアプリケーションの起動を試みることもありません。