Sun Cluster データサービスの計画と管理 (Solaris OS 版)

リソースのプロパティー

この節では、Sun Cluster ソフトウェアで定義されているリソースプロパティーについて説明します。プロパティー値は以下のように分類されます。

「リソースプロパティーの属性」で説明されている Tunable 属性は、次のように、リソースプロパティーを更新できるかどうか、および、いつ更新できるかを示します。

FALSE または NONE

不可

TRUE または ANYTIME

任意の時点 (Anytime)

AT_CREATION

リソースをクラスタに追加するとき

WHEN_DISABLED

リソースが無効なとき

以下にプロパティー名とその説明を示します。

Affinity_timeout (integer)

リソース内のサービスのクライアント IP アドレスからの接続は、この時間 (秒数) 内に同じサーバーノードに送信されます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinityFALSE に設定されている必要があります。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Boot_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Cheap_probe_interval (integer)

リソースの即時障害検証の呼び出しの間隔 (秒数)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

拡張プロパティー

そのリソースのタイプの RTR ファイルで宣言される拡張プロパティー。リソースタイプの実装によって、これらのプロパティーを定義します。拡張プロパティーに設定可能な各属性については、「リソースプロパティーの属性」を参照してください。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

特定のプロパティーに依存

Failover_mode (enum)

リソースが正常に開始または停止できなかった場合、またはリソースモニターが正常ではないリソースを検出し、その結果再起動またはフェイルオーバーを要求する場合に RGM が取る回復アクションを変更します。

NONESOFT、または HARD (メソッドの失敗)

これらの設定は、起動または停止メソッド ( Prenet_startStartMonitor_stop StopPostnet_stop) が失敗した場合にのみフェイルオーバー動作に影響します。リソースが正常に起動すれば、NONESOFT、および HARD は、リソースモニターが scha_control コマンドまたは scha_control() 関数で開始したこれ以降のリソースの再起動またはギブオーバーの動作には影響しません。scha_control(1HA) および scha_control(3HA) のマニュアルページを参照してください。NONE は、前に示した起動または停止メソッドが失敗した場合、RGM は回復アクションを行わないことを示します。SOFT または HARD は、Start または Prenet_start メソッドが失敗した場合、RGM はリソースのグループを別のノードに再配置することを示します。Start または Prenet_start の失敗については、SOFTHARD は同じになります。

停止メソッド (Monitor_stopStop、または Postnet_stop) の失敗の場合、SOFTNONE と同じになります。これらの停止メソッドのいずれかが失敗した場合に、Failover_modeHARD に設定されていれば、RGM はノードを再起動してリソースグループを強制的にオフラインにします。これにより RGM は別のノードでグループの起動を試みることが可能になります。

RESTART_ONLY または LOG_ONLY

起動メソッドまたは停止メソッドが失敗した場合にフェイルオーバー動作に影響する NONESOFT、および HARD とは異なり、RESTART_ONLY LOG_ONLY はすべてのフェイルオーバー動作に影響します。フェイルオーバー動作には、モニター (scha_control) が開始するリソースおよびリソースグループの再起動と、リソースモニター (scha_control) により開始されるギブオーバーが含まれます。RESTART_ONLY は、モニターが scha_control を実行してリソースまたはリソースグループを再起動できることを示します。RGM では、Retry_interval の間に Retry_count 回数だけ再起動を試行できます。Retry_count の回数を超えると、それ以上の再起動は許可されません。Failover_modeLOG_ONLY に設定されている場合、リソースの再起動またはギブオーバーは許可されます。Failover_modeLOG_ONLY に設定することは、Retry_count をゼロに設定した状態で Failover_modeRESTART_ONLY に設定することと同じです。

RESTART_ONLY または LOG_ONLY (メソッドの失敗)

Prenet_startStartMonitor_stop Stop、または Postnet_stop メソッドが失敗した場合、 RESTART_ONLYLOG_ONLYNONE と同じになります。つまり、ノードのフェイルオーバーやリブートはどちらも行われません。

データサービスに対する Failover_mode 設定の影響

Failover_mode の各設定がデータサービスに及ぼす影響は、データサービスが監視されているかどうか、およびデータサービスが Data Services Development Library (DSDL) に基づいているかどうかによって決まります。

  • データサービスが監視されるのは、データサービスが Monitor_start メソッドを実装し、リソースの監視が有効になっている場合です。RGM は、リソースそれ自体を起動した後で Monitor_start メソッドを実行することにより、リソースモニターを起動します。リソースモニターはリソースが正常であるかどうかを検証します。検証が失敗した場合、リソースモニターは、scha_control() 関数を呼び出すことで再起動またはフェイルオーバーを要求する場合があります。DSDL ベースのリソースの場合、検証によりデータサービスの部分的な障害 (機能低下) または完全な障害が明らかになる場合があります。部分的な障害が繰り返し蓄積されると、完全な障害になります。

  • データサービスが監視されないのは、データサービスが Monitor_start メソッドを提供しないか、リソースの監視が無効になっている場合です。

  • DSDL ベースのデータサービスには、Agent Builder や GDS により開発されたデータサービス、または DSDL を直接使用して開発されたデータサービスが含まれます。HA Oracle など一部のデータサービスは、DSDL を使用せずに開発されています。

NONESOFT、または HARD (検証の失敗)

Failover_modeNONESOFT、または HARD に設定され、データサービスが監視対象の DSDL ベースのサービスであり、また検証が完全に失敗した場合、モニターは scha_control () 関数を呼び出してリソースの再起動を要求します。検証が失敗し続ける場合、リソースは Retry_interval 期間内の Retry_count の最大回数まで再起動されます。Retry_count の再起動数に到達した後も検証が再び失敗した場合、モニターは別のノードに対してリソースのグループのフェイルオーバーを要求します。

Failover_modeNONESOFT、または HARD に設定され、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスである場合、検出される唯一の障害はリソースのプロセスツリーの故障のみです。リソースのプロセスツリーが故障すると、リソースが再起動されます。

データサービスが DSDL ベースのサービスではない場合、再起動またはフェイルオーバー動作は、リソースモニターがどのようにコード化されているかによって決まります。たとえば Oracle リソースモニターは、リソースまたはリソースグループを再起動するか、リソースグループのフェイルオーバーを行うことで回復します。

RESTART_ONLY (検証の失敗)

Failover_modeRESTART_ONLY に設定され、データサービスが監視対象の DSDL ベースのサービスである場合、検証が完全に失敗すると、リソースは Retry_interval の期間内に Retry_count の回数再起動されます。ただし、Retry_count の回数を超えると、リソースモニターは終了し、リソースの状態を FAULTED に設定して、状態メッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。

Failover_modeRESTART_ONLY に設定され、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスである場合、プロセスツリーが故障すると、リソースは再起動されません。

監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_modeRESTART_ONLY に設定されている場合、リソースまたはリソースグループは、Retry_interval の期間内に Retry_count の回数だけ scha_control() 関数の呼び出しにより再起動できます。リソースモニターが Retry_count を超えると、再起動の試みは失敗します。モニターが scha_control() 関数を呼び出してフェイルオーバーを要求する場合、その要求も同様に失敗します。

LOG_ONLY (検証の失敗)

Failover_mode がデータサービスに対して LOG_ONLY に設定されている場合、すべての scha_control() はリソースまたはリソースグループの再起動を要求するか、除外されているグループのフェイルオーバーを要求します。データサービスが DSDL ベースである場合、検証が完全に失敗した場合メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。検証が Retry_interval の期間内に Retry_count の回数以上完全に失敗した場合、リソースモニターは終了し、リソースの状態を FAULTED に設定して、状態メッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点で監視はまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上監視対象外になります。

Failover_modeLOG_ONLY に設定されていて、データサービスが監視対象外の DSDL ベースのサービスであり、プロセスツリーが故障した場合、メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。

監視対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_modeLOG_ONLY に設定されている場合、すべての scha_control() 要求はリソースまたはリソースグループを再起動するか、グループの障害をフェイルオーバーします。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

NONE

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Fini_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Init_timeout ( integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Load_balancing_policy (string)

使用する負荷均衡ポリシーを定義する文字列。このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Load_balancing_policy には次の値を設定できます。

Lb_weighted (デフォルト)。Load_balancing_weights プロパティーで設定されているウエイトに従って、さまざまなノードに負荷が分散されます。

Lb_sticky。スケーラブルサービスの指定のクライアント (クライアントの IP アドレスで識別される) は、常に同じクラスタノードに送信されます。

Lb_sticky_wild。ワイルドスティッキーサービスの IP アドレスに接続する Lb_sticky_wild で指定されたクライアントの IP アドレスは、IP アドレスが到着するポート番号とは無関係に、常に同じクラスタノードに送られます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

Lb_weighted

調整:

AT_CREATION

Load_balancing_weights (string_array)

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。形式は、「weight@node, weight@node」になります。weight は指定のノード (node) に対する負荷分散の相対的な割り当てを示す整数になります。ノードに分散される負荷の割合は、すべてのウエイトの合計でこのノードのウエイトを割った値になります。たとえば 1@1,3@2 は、ノード 1 が負荷の 1/4 を受け取り、ノード 2 が負荷の 3/4 を受け取ることを指定します。デフォルトの空の文字列 ("") は、一定の分散を指定します。明示的にウエイトを割り当てられていないノードのウエイトは、デフォルトで 1 になります。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は ANYTIME になります。このプロパティーを変更すると、新しい接続時にのみ分散が変更されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

空の文字列 (“”)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Monitor_check_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Monitor_start_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Monitor_stop_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Monitored_switch (enum)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってモニターを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。Disabled に設定されている場合、リソースの監視は停止されますが、リソースそれ自体はオンラインのままになります。監視が再度有効になるまで、Monitor_start メソッドは呼び出されません。リソースが、モニターのコールバックメソッドを持っていない場合は、このプロパティーは存在しません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Network_resources_used (string_array)

リソースが使用する論理ホスト名または共有アドレスネットワークリソースのリスト。スケーラブルサービスの場合、このプロパティーは別のリソースグループに存在する共有アドレスリソースを参照する必要があります。フェイルオーバーサービスの場合、このプロパティーは同じリソースグループに存在する論理ホスト名または共有アドレスを参照します。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Scalable が RTR ファイルで宣言されていない場合、Network_resources_used は RTR ファイルで明示的に宣言されていない限り使用できません。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は AT_CREATION になります。


注 –

このプロパティーを CRNP 向けに設定する方法については、SUNW.Event(5) のマニュアルページを参照してください。


カテゴリ:

条件付き/必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

各クラスタノード上の Num_resource_restarts (integer )

このプロパティーを直接設定することはできません。このプロパティーは、RGM によって、このノード上のこのリソースに対して過去 n 秒以内に行われたscha_controlResource_restart、またはResource_is_restarted の呼び出し回数に設定されます。n はリソースの Retry_interval プロパティーの値です。このリソースが scha_control ギブオーバーを実行した場合は常に、ギブオーバーが成功または失敗したかに関わらず、リソースの再起動カウンタは RGM によってゼロ (0) にリセットされます。

リソースタイプが Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、この型のリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

各クラスタノード上の Num_rg_restarts (integer)

このプロパティーを直接設定することはできません。このプロパティーは、RGM によって、リソースを含むリソースグループに対してリソースがこのノード上で過去 n 秒以内に行った scha_control Restart の呼び出し回数に設定されます。n は、リソースの Retry_interval プロパティーの値です。リソースタイプが Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、このタイプのリソースには Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。

カテゴリ:

説明を参照

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

On_off_switch (enum)

クラスタ管理者が管理ユーティリィティーを使ってリソースを有効または無効にすると、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。無効に設定されている場合、リソースはオフラインにされ、再度有効にされるまでコールバックは実行されません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Port_list (string_array)

サーバーが待機するポートの番号リストです。各ポート番号の後ろには、スラッシュ (/) とそのポートが使用しているプロトコルが続きます (たとえば、Port_list=80/tcp または Port_list=80/tcp6,40/udp6)。プロトコルには、次のものを指定できます。

  • tcp (TCP IPv4)

  • tcp6 (TCP IPv6)

  • udp (UDP IPv4)

  • udp6 (UDP IPv6)

Scalable プロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合、RGM は自動的に Port_list を作成します。それ以外の場合、このプロパティーは RTR ファイルで明示的に宣言されていないかぎり使用できません。

Apache 用にこのプロパティーを設定する方法は、『Sun Cluster Data Service for Apache ガイド (Solaris OS 版)』を参照してください。

カテゴリ:

条件付き/必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Postnet_stop_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Prenet_start_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

R_description (string)

リソースの簡単な説明。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空の文字列

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies (string_array)

Resource_dependencies リソースが強い依存関係を持っている同じグループまたは異なるグループ内のリソースのリスト。このリソースを起動するためには、リストのすべてのリソースがオンラインになっていなければなりません。このリソースとリスト内のリソースの 1 つが同時に起動する場合、RGM は、リスト内のリソースが起動するまで待機してから、このリソースを起動します。このリソースの Resource_dependenciesリスト内のリソースが起動しない場合、このリソースはオフラインのままになります。リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであるか、START_FAILED 状態であるために、このリソースのリスト内のリソースが起動しない可能性があります。起動に失敗した異なるリソースグループのリソースに対する依存関係により、このリソースがオフラインのままである場合、このリソースのグループは PENDING_ONLINE_BLOCKED 状態に入ります。

このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。ただし、このリソースがオンラインのままであったり、停止に失敗した場合でも、異なるリソースグループに属するリストのリソースは停止されます。このリソースが先に無効にならなければ、リスト内のリソースは無効にできません。

同じリソースグループ内では、デフォルトとして、アプリケーションリソースがネットワークアドレスリソースに対して暗黙的に強いリソース依存性を持っています。詳細については、「 リソースグループのプロパティー」Implicit_network_dependencies を参照してください。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに、依存関係順に実行されます。異なるリソースグループでは、依存しているリソースは、依存されているリソースが Prenet_start および Start を完了するまで待機してから、Prenet_start を実行します。依存されているリソースは、依存しているリソースグループが Stop および Postnet_stop を完了するまで待機してから、Stop を実行します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_restart (string_array)

Resource_dependencies_restart リソースが再起動の依存関係を持っている、同じグループまたは異なるグループ内のリソースのリスト。

このプロパティーの動作は Resource_dependencies とよく似ていますが、1 点例外があります。再起動の依存関係リスト内にある任意のリソースが再起動した場合、このリソースは再起動されます。リスト内のリソースがオンラインに戻ったあと、RGM はこのリソースを再起動します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_dependencies_weak (string_array)

Resource_dependencies_weak リソースが弱い依存関係を持っている、同じグループまたは異なるグループ内のリソースのリスト。弱い依存関係は、メソッド呼び出しの順序を決定します。RGM は、このリスト内のリソースの Start メソッドを呼び出してから、このリソースの Start メソッドを呼び出します。そして、RGM は、このリソースの Stop メソッドを呼び出してから、このリスト内のリソースの Stop メソッドを呼び出します。リスト内のリソースが始動に失敗したりオフラインのままであっても、リソースは起動されます。

このリソースとその Resource_dependencies_weak リスト内のリソースが同時に起動する場合、RGM は、リスト内のリソースが起動するまで待機してから、このリソースを起動します。リスト内のリソースが起動しない場合 (たとえば、リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内のリソースが START_FAILED 状態である場合)、このリソースは起動します。このリソースの Resource_dependencies_weak リスト内のリソースが起動すると、このリソースのリソースグループは一時的に PENDING_ONLINE_BLOCKED 状態に入ることがあります。リストのすべてのリソースが起動した時点、または起動に失敗した時点で、このリソースは起動し、そのグループは再度 PENDING_ONLINE 状態になります。

このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。このリソースがオンラインのままであったり、停止に失敗した場合でも、リストのリソースは停止されます。リストのリソースを無効にするためには、このリソースをまず無効にする必要があります。

同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。Postnet_stop メソッドは Stop メソッドよりあとに、依存関係順に実行されます。異なるリソースグループでは、依存しているリソースは、依存されているリソースが Prenet_start および Start を完了するまで待機してから、Prenet_start を実行します。依存されているリソースは、依存しているリソースグループが Stop および Postnet_stop を完了するまで待機してから、Stop を実行します。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

空のリスト

調整:

ANYTIME

Resource_name (string)

リソースインスタンスの名前です。この名前はクラスタ構成内で一意にする必要があります。リソースが作成されたあとで変更はできません。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Resource_project_name (string)

リソースに関連付けられた Solaris プロジェクト名。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースをオンラインにすると、このプロジェクト名を持つ関連プロセスを起動します。このプロパティーが指定されなかった場合、リソースを含むリソースグループの RG_project_name プロパティーからプロジェクト名が決定されます (rg_properties(5) のマニュアルページを参照)。どちらのプロパティーも指定されなかった場合、RGM は事前定義済みのプロジェクト名 default を使用します。指定されたプロジェクト名は、プロジェクトデータベースに存在する必要があります (projects(1) のマニュアルページ、および『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』を参照)。

このプロパティーは Solaris 9 以降でサポートされます。


注 –

このプロパティーへの変更は、リソースが次回起動されるときに有効になります。


カテゴリ:

任意

デフォルト:

Null

調整:

ANYTIME

各クラスタノード上の Resource_state (enum)

RGM が判断した各クラスタノード上のリソースの状態。使用可能な状態は、ONLINEOFFLINESTART_FAILEDSTOP_FAILEDMONITOR_FAILEDONLINE_NOT_MONITOREDSTARTING、および STOPPING です。

ユーザーはこのプロパティーを構成できません。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Retry_count (integer)

起動に失敗したリソースをモニターが再起動する回数です。Retry_count を超えると、特定のデータサービス、および Failover_mode プロパティーの設定に応じて、モニターは次のいずれかのアクションを実行します。

  • リソースが障害状態であったとしても、リソースグループが現在の主ノード上にとどまることを許可する

  • 別のノードヘのリソースグループのフェイルオーバーを要求する

このプロパティーは RGM によって作成されます。このプロパティーは RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。


注 –

このプロパティーにマイナスの値を指定すると、モニターは無限回リソースの再起動を試みます。


カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

上記を参照

調整:

WHEN_DISABLED

Retry_interval (integer)

失敗したリソースを再起動するまでの秒数。リソースモニターは、このプロパティーと Retry_count を組み合わせて使用します。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし (上記を参照)

調整:

WHEN_DISABLED

Scalable (boolean)

リソースがスケーラブルであるかどうか、つまり、リソースが Sun Cluster ソフトウェアのネットワーキング負荷分散機能を使用するかどうかを表します。

このプロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合は、そのタイプのリソースに対して、RGM は、次のスケーラブルサービスプロパティーを自動的に作成します。Affinity_timeout Load_balancing_policyLoad_balancing_weightsNetwork_resources_usedPort_listUDP_affinity、および Weak_affinity。これらのプロパティーは、RTR ファイル内で明示的に宣言されない限り、デフォルト値を持ちます。RTR ファイルで宣言されている場合、Scalable のデフォルトは TRUE です。

RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されている場合、AT_CREATION 以外の Tunable 属性の割り当ては許可されません。

RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されていない場合、このリソースはスケーラブルではないため、このプロパティーを調整することはできません。RGM は、スケーラビブルサービスプロパティーをいっさい設定しません。ただし、Network_resources_used および Port_list プロパティーは、RTR ファイルで明示的に宣言できます。これらのプロパティーは、スケーラブルサービスでも非スケーラブルサービスでも有用です。

このリソースプロパティーを Failover リソースタイププロパティーと組み合わせて使用する方法の詳細については、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

AT_CREATION

各コールバックメソッドの Start_timeout ( integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各クラスタノード上の Status (enum)

リソースモニターにより scha_resource_setstatus コマンドまたは scha_resource_setstatus() 関数で設定されます。指定可能な値は、OKdegradedfaultedunknown、および offline です。リソースがオンラインまたはオフラインになったとき、RGM は自動的に Status 値を設定します ( Status 値をリソースのモニターまたはメソッドが設定していない場合)。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

各クラスタノード上の Status_msg (string)

リソースモニターによって、Status プロパティーと同時に設定されます。リソースがオンラインまたはオフラインにされると、RGM は自動的にこのプロパティーを空文字列でリセットします。ただし、このプロパティーがリソースのメソッドによって設定される場合を除きます。

カテゴリ:

照会のみ

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

各コールバックメソッドの Stop_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Thorough_probe_interval (integer)

高オーバーヘッドのリソース障害検証の呼び出し間隔 (秒)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合にかぎり、クラスタ管理者は使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。

RTR ファイル内に Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は WHEN_DISABLED になります。

カテゴリ:

条件付き

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

Type (string)

このリソースがインスタントであるリソースタイプ。

カテゴリ:

必須

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

NONE

Type_version (string)

現在このリソースに関連付けられているリソースタイプのバージョンを指定します。このプロパティーは RTR ファイル内に宣言できません。したがって、RGM によって自動的に作成されます。このプロパティーの値は、リソースタイプの RT_version プロパティーと等しくなります。リソースの作成時、Type_version プロパティーはリソースタイプ名の接尾辞として表示されるだけで、明示的には指定されません。リソースを編集すると、Type_version プロパティーが新しい値に変更されることがあります。

このプロパティーの調整については、次の情報から判断されます。

  • 現在のリソースタイプのバージョン

  • RTR ファイル内の #$upgrade_from ディレクティブ

カテゴリ:

説明を参照

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

説明を参照

UDP_affinity (boolean)

このプロパティーが TRUE に設定されている場合、指定のクライアントからの UDP トラフィックはすべて、現在クライアントのすべての TCP トラフィックを処理している同じサーバーノードに送信されます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinityFALSE に設定されている必要があります。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED

各コールバックメソッドの Update_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

各コールバックメソッドの Validate_timeout (integer)

RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。特定のリソースタイプに関して、タイムアウトのプロパティーは RTR ファイルで宣言されているメソッドに対してのみ定義されます。

カテゴリ:

条件付き/任意

デフォルト:

RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3600 (1 時間)

調整:

ANYTIME

Weak_affinity (boolean)

このプロパティーが TRUE に設定されている場合、このプロパティーにより弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になります。弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になっている場合、特定のクライアントからの接続は、次の場合を除き、同じサーバーノードに送信されます。

  • たとえば、障害モニターが再起動したとき、リソースがフェイルオーバーまたはスイッチオーバーしたとき、あるいは、ノードが障害の後にクラスタに参加し直したときにサーバーのリスナーが起動する場合。

  • クラスタ管理者により管理アクションが実行されたため、スケーラブルリソースの Load_balancing_weights が変更された場合。

弱いアフィニティーはメモリーの消費とプロセッササイクルの点で、デフォルトの形式よりもオーバーヘッドを低く抑えられます。

このプロパティーは、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。

このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。

カテゴリ:

任意

デフォルト:

デフォルトなし

調整:

WHEN_DISABLED