Sun Cluster Data Service for Solaris Containers ガイド

Sun Cluster HA for Solaris Containers のインストールと構成に関する計画

ここでは、Sun Cluster HA for Solaris Containers のインストールと構成の計画について説明します。

構成に関する制限事項

以降の項で説明する構成の制限は Sun Cluster HA for Solaris Containers だけに適用されます。


注意 – 注意 –

これらの制限事項を守らないと、データサービスの構成がサポートされない場合があります。


ゾーンネットワークアドレスに関する制限事項

ゾーンのネットワークアドレスの構成は、必要な高可用性のレベルによって決まります。HA なし、IPMP を使用した HA、および IPMP と SUNW.LogicalHostName を使用した HA から選択できます。

ゾーンのネットワークアドレス構成の選択は、ゾーンブートリソースの一部の構成パラメータに影響します。詳細は、「Sun Cluster HA for Solaris Containers の登録と構成」を参照してください。

フェイルオーバーゾーンに関する制限事項

フェイルオーバー構成のゾーンのゾーンパスは、高可用性ローカルファイルシステム上に存在する必要があります。ゾーンは、ゾーンが存在可能な各クラスタノード上で構成する必要があります。

ゾーンは一度に 1 つのノード上でのみアクティブになり、ゾーンのアドレスは一度に 1 つのみ plumb されます。ゾーンがクラスタ内のどの場所に存在するかに関係なく、アプリケーションクライアントはゾーンのアドレスを介してゾーンに到達できます。

マルチマスターゾーンに関する制限事項

マルチマスター構成のゾーンのゾーンパスは、各ノードのローカルディスク上に存在する必要があります。ゾーンは、ゾーンのマスターとなることができる各ノード上で、同じ名前を使用して構成する必要があります。

マルチマスター構成内で動作するよう構成されている各ゾーンにも、ゾーン固有のアドレスが必要です。このような構成におけるアプリケーションの負荷均衡は、通常、外部にあるロードバランサにより実現されます。このロードバランサは、各ゾーンのアドレスに対して構成する必要があります。アプリケーションクライアントは、ロードバランサのアドレスを介してゾーンに到達できます。

ゾーンのゾーンパスに関する制限事項

Sun Cluster HA for Solaris Containers が管理するゾーンのゾーンパスは、広域ファイルシステム上に存在することができません。

/etc/name_to_major のメジャーデバイス番号に関する制限事項

共有デバイスの場合、Sun Cluster では、メジャーデバイス番号とマイナーデバイス番号は、クラスタ内のすべてのノードで同一である必要があります。ゾーンにデバイスが必要である場合、ゾーンのホストとなるすべてのクラスタノード上で、メジャーデバイス番号が /etc/name_to_major 内で同じになるようにします。

構成に関する要件

ここで説明する構成の制約は Sun Cluster HA for Solaris Containers だけに適用されます。


注意 – 注意 –

これらの要件を満たしていないデータサービス構成は、サポートされない場合があります。


Sun Cluster HA for Solaris Containers コンポーネント間の依存関係

次の表に、Sun Cluster HA for Solaris Containers コンポーネント間の依存関係を示します。

表 2 Sun Cluster HA for Solaris Containers コンポーネント間の依存関係

コンポーネント 

依存関係 

ゾーンブートリソース 

SUNW.HAStoragePlus - フェイルオーバー構成では、ゾーンのゾーンパスは、SUNW.HAStoragePlus リソースにより管理される高可用性ファイルシステム上に存在する必要があります。

SUNW.LogicalHostName - この依存関係が必要であるのは、ゾーンのアドレスが SUNW.LogicalHostName リソースにより管理される場合のみです。

ゾーンスクリプトリソース 

ゾーンブートリソース 

ゾーン SMF リソース 

ゾーンブートリソース 

これらの依存関係は、Sun Cluster HA for Solaris Containers を登録および構成するときに設定されます。詳細は、「Sun Cluster HA for Solaris Containers の登録と構成」を参照してください。

ゾーンのスクリプトリソースと SMF リソースはオプションです。これらを使用すると、ゾーンのスクリプトリソースと SMF リソースの複数のインスタンスを、ゾーンブートリソースと同じリソースグループ内に配備できます。さらに、より複雑な依存関係が必要である場合は、r_properties(5) および rg_properties(5) のマニュアルページで、高度な依存関係とアフィニティーの設定を参照してください。

Sun Cluster HA for Solaris Containers のパラメータファイルディレクトリ

Sun Cluster HA for Solaris Containers のブートコンポーネントとスクリプトコンポーネントは、パラメータファイルでデータサービスに構成情報を渡す必要があります。これらのファイル用のディレクトリを作成する必要があります。ディレクトリ位置は、ゾーンのホストとなるノード上で使用できる必要があり、ゾーンのゾーンパス内に存在してはいけません。ディレクトリは、大域ゾーンからのみアクセス可能である必要があります。コンポーネントのリソースが登録された時点で、各コンポーネントのパラメータファイルは自動的に作成されます。