Sun Cluster Data Service for Sun Grid Engine ガイド (Solaris OS 版)

Sun Grid Engine のインストールと構成

次の手順では、Sun Cluster HA for Sun Grid Engine で使用できるように Sun Grid Engine をインストールするための特別な要件だけを説明します。Sun Grid Engine のインストールと構成についての詳細は、Sun Grid Engine のマニュアルを参照してください。

Sun Grid Engine をクラスタで実行できるようにするには、論理ホスト名を使用するように Sun Grid Engine を変更する必要があります。

ProcedureSun Grid Engine をインストールおよび構成するには

開始する前に、グリッド内にあるすべてのホストにホスト名があることを確認します。グリッド内にあるホストの種類ごとに、ホスト名のリストを個別に作成します。

手順
  1. Sun Grid Engine をインストールするクラスタノードのスーパーユーザーになります。

  2. Sun Grid Engine ディストリビューションファイルをインストールします。tar.gz 形式または pkgadd 形式を選択する必要があります。

    『N1 Grid Engine 6 インストールガイド』『N1 Grid Engine 6 インストールガイド』「配布ファイルをワークステーションに読み込む方法」に示されている操作説明に従ってください。


    注 –

    pkgadd 形式を選択する場合には、Sun Grid Engine パッケージが登録されているノードに Sun Grid Engine ソフトウェアのパッチをインストールする必要があります。


  3. SGE_ROOT 環境変数に、「ノードとディスクの準備」で作成した Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリを設定します。


    # SGE_ROOT=sge-root-dir 
    # export SGE_ROOT
    
  4. Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリに移動します。


    # cd sge-root-dir
    
  5. Sun Grid Engine マスターホストをインストールするスクリプトを起動します。


    # ./install_qmaster
    
  6. 画面のプロンプトに従って、次の情報を指定または確認します。

    • Sun Grid Engine 管理ユーザーの名前

    • SGE_ROOT 環境変数の値

    • TCP ポート番号

    • 構成する Sun Grid Engine セルの名前

    • スプールディレクトリのパス

    • 正しいファイルアクセス権の設定

    • ドメイン名サービス (DNS) ドメインの詳細

  7. classic スプール DB を使用するか Berkley DB を使用するかを確認されたら、Berkely DB スプールサーバーの使用は選択しないでください。

    classic スプール方式を選択するか、あるいは local spooling による Berkley DB を選択してください。

  8. プロンプトが表示されたら、Sun Grid Engine のグループ ID として使用する範囲を指定します。

    十分なグループ ID を確実に割り当てることができるように、約 100 個のグループ ID を指定します (たとえば、20000 から 20100)。

  9. 画面のプロンプトに従って、次の情報を指定または確認します。

    • 実行デーモンのスプールディレクトリのパス

    • 問題の報告を受信するユーザーの電子メールアドレス

    • 構成パラメータの確認

  10. ブート時に Sun Grid Engine を起動するスクリプトをインストールするかどうかをたずねられたら、no で回答します。

    ブート時に Sun Grid Engine を起動するスクリプトをインストールするかどうかを尋ねられます。


    We can install the startup script that will
    start qmaster/scheduler at machine boot (y/n) [y] >> n  
    

    Sun Cluster HA for Sun Grid Engine が障害監視と自動障害回復を確実に提供できるようにするには、Sun Grid Engine を Sun Cluster だけから起動する必要があります。

  11. 画面のプロンプトに従って、次の情報を指定または確認します。

    • 実行ホスト、管理ホスト、および発行ホストのリストを指定します。

    • シャドウホストは使用しないでください。

    • スケジューラプロファイルを選択します。

ProcedureSun Grid Engine をクラスタで実行するには

手順
  1. Sun Grid Engine をホストするクラスタノードのスーパーユーザーになります。

  2. Sun Cluster HA for Sun Grid Engine リソースが含まれるフェイルオーバーリソースグループを作成します。

    リソースグループには「構成計画に関する質問」の質問で回答したリソースグループを使用します。


    # scrgadm -a -g sge-rg \
     -y Pathprefix=sge-root-dir
    
    -g sge-rg

    作成するリソースグループの名前は sge-rg です。

    -y Pathprefix= sge-root-dir

    Sun Cluster HA for NFS が管理情報とステータス情報の保持に使用する、クラスタファイルシステム上のディレクトリを指定します。このディレクトリは、「ノードとディスクの準備」で作成した Sun Grid Engine ファイルシステムのルート用のディレクトリである必要があります。

  3. Sun Grid Engine 論理ホスト名のリソースを、手順 2 で作成したフェイルオーバーリソースグループに追加します。


    # scrgadm -a -L -j sge-lh-rs \
    -g sge-rg \
    -l hostlist
    
    -j sge-lh-rs

    作成しているリソースの名前が sge-lh-rs であることを指定します。

    -g sge-rg

    手順 2 で作成したフェイルオーバーリソースグループに論理ホスト名リソースを追加することを指定します。

    -l hostlist

    論理ホスト名リソースによって利用可能になるホスト名をコンマ区切りリストで指定します。