Sun Cluster Geographic Edition の概要

地理的に分散したクラスタのトポロジ

パートナーシップにより、クラスタ間の通信とハートビートが確立されます。1 つのクラスタは、複数のパートナーシップに加わることができます。保護グループにより、パートナークラスタ間のデータ複製が確立されます。各パートナーシップには、複数の保護グループを構成できます。各保護グループは、パートナークラスタ間でさまざまなデータを複製します。

次に、クラスタ間の関係を表す、地理的に分散したトポロジの図を示します。

図 3–3 地理的に分散したトポロジ

図は、クラスタ間の関係を表す、地理的に分散したトポロジを示しています。

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでは、パートナークラスタ間のハートビートを使用して、1 つのクラスタに複数のパートナーシップを構成できます。たとえば、ジュネーブ - ロンドン - ローマ - ベルリンと結ぶトポロジでは、ジュネーブに中央クラスタを置き、この中央クラスタによってロンドン、ローマ、ベルリンにあるクラスタとの 3 つの個別のパートナーシップを形成できます。これらのパートナーシップは、ロンドンとジュネーブ、ローマとジュネーブ、およびベルリンとジュネーブのクラスタペア間で、双方向のインターネット接続を必要とします。これらのパートナーシップにより、ジュネーブにあるクラスタは、ハートビートを交換し、ロンドン、ベルリン、およびローマに置かれたクラスタの障害を検出できます。

ロンドン、ローマ、およびベルリンにある主クラスタが、ジュネーブにあるクラスタ (二次クラスタ) にデータを複製できるよう、各パートナーシップには保護グループがあります。

次の図に、クラスタ間の関係を示す、地理的に分散したトポロジを示します。

図は、クラスタ間の関係を示す、地理的に分散したトポロジを示しています。

パリとニューヨーク間のトポロジには、2 つの保護グループとパートナーシップを形成する 2 つのクラスタが存在します。各クラスタは、一方の保護グループの主クラスタで、もう一方の保護グループの二次クラスタです。パートナーシップには、クラスタ間管理とハートビート用に、2 つのクラスタ間の双方向インターネット接続が必要です。これらの 2 つのクラスタには、2 つの保護グループのデータ複製をサポートするために、データ複製リンクが必要です。

ジュネーブ - ロンドン - ローマ - ベルリンと結ぶトポロジでは、ジュネーブにあるクラスタが、3 つの保護グループの主クラスタになることができます。ただし、ジュネーブにあるクラスタには、アプリケーションリソースグループによって提供されるすべてのサービスを実行するための適切なプロビジョニングが必要です。

たとえば、保守のためにローマにあるクラスタが停止された場合には、ローマ - ジュネーブの保護グループに対し、制御されたスイッチオーバーを使用することで、ジュネーブにあるクラスタが新しい主クラスタになることができます。ジュネーブにあるクラスタは、ローマ - ジュネーブの保護グループの新しい主クラスタとして、ローマ - ジュネーブの保護グループのアプリケーションリソースグループによって提供されるサービスをホストします。同時に、ジュネーブにあるクラスタは、ロンドンとベルリンにあるクラスタの二次クラスタとして動作します。

同様に、パートナークラスタが不意に消失した場合には、パリ - ニューヨークトポロジでは、一方のクラスタが両方の保護グループに対する主クラスタとしてテイクオーバーを行うことができます。