Sun Cluster Geographic Edition のシステム管理

Procedureパートナーシップを作成する方法

始める前に

2 つのクラスタ間にパートナーシップを作成するには、次の条件が満たされているかをまず確認する必要があります。


注 –

複数のパートナーシップの作成または参加処理を行う場合、ほかのパートナーシップによって使用されているポート番号を使用しないでください。tcp_udp 要求はすべて RPC サーバーを経由し、ローカルクラスタに定義されているポート番号を持つリモートクラスタ上に tcp_udp_resp が作成されます。未使用のポート番号を使用し、そのポート番号が IANA (Internet Assigned Numbers Authority) に登録されていないことを確認してください。

Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアは、XML ファイルからの読み取りは行わず、CCR テーブル内のポートを使用します。このため、ポート番号を変更する場合は、パートナーシップを削除することによって構成をリセットし、手動で XML 情報を更新する必要があります。


手順
  1. クラスタノードの 1 つにログインします。

    この手順を行うには、Geo Management RBAC 権利プロファイルがユーザーに割り当てられている必要があります。RBAC の詳細は、「Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアと RBAC」を参照してください。

  2. デフォルトのポートが現在別のアプリケーションで使用されている場合や、1 つのクラスタに対して複数のパートナーシップを作成する場合は、ポート番号を次のように変更します。

    1. パートナーシップが存在する場合は、そのパートナーシップから離脱します。


      # geops leave-partnership paris-newyork-ps
    2. クラスタの全ノードで、/etc/opt/SUNWcacao/modules/com.sun.cluster.agent.geocontrol.xml ファイルの tcp_udp.port の値を変更し、パートナーシップで使用するポートを指定します。

      デフォルトポートを使用できるのは 1 つのハートビートだけです。あるパートナーシップのハートビートがデフォルトポートを使用している場合は、他方のパートナーシップのハートビートは特定のポートを指定して作成する必要があります。このファイルには、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェア以外のアプリケーションで使用されていないポートを指定する必要があります。

      クラスタを複数のパートナーシップに参加させる場合は、必ず他方のパートナーと異なるポート番号になるようにしてください。

    3. クラスタの全ノードで、共通エージェントコンテナを再起動します。


      # /opt/SUNWcacao/bin/cacaoadm restart
  3. パートナーシップを作成します。


    # geops create -c remote-partner-cluster-name [-h heartbeat-name] \
    [-p property-setting [-p...]] partnership-name
    
    -c remote-cluster-name

    パートナーシップに参加するリモートクラスタの名前を指定します

    この名前は、リモートクラスタ上の Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャーで使用されている論理ホスト名と一致します。

    -h heartbeat-name

    パートナークラスタが使用できる状態か監視するためにパートナーシップ内で使用されるカスタムハートビートを指定します

    このオプションを省略した場合、Sun Cluster Geographic Edition のデフォルトのハートビートが使用されます。

    カスタムハートビートは特殊な用途向けであり、構成時には注意が必要です。使用中のシステムでカスタムハートビートを使用する必要がある場合は、Sun の技術担当者に問い合わせてください。カスタムハートビートの構成方法については、第 12 章「ハートビートの管理」を参照してください。

    このオプションで指定するカスタムハートビートの構成は、geops コマンドを実行する前に済ませておく必要があります。


    注 –

    カスタムハートビートが存在する場合、パートナーシップを作成している間、デフォルトのハートビートは使用されません。パートナーシップでデフォルトのハートビートを使用するには、geops create コマンドの実行前にカスタムハートビートを削除する必要があります。


    -p property-setting

    文字列 property=value の形式でパートナーシップのプロパティーを設定します

    Description プロパティーを使用してパートナーシップの説明を指定します。

    ハートビート喪失通知は、Notification_emailaddrs プロパティーと Notification_actioncmd プロパティーを使用して構成できます。ハートビート喪失通知を構成する方法の詳細については、「ハートビート喪失通知の構成」を参照してください。

    設定できるプロパティーについての詳細は、付録 A 「Sun Cluster Geographic Edition の標準プロパティー」を参照してください。

    partnership-name

    パートナーシップの名前を指定します

    Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでサポートされる名前と値については、付録 B 「Sun Cluster Geographic Edition エンティティーに使用できる名前と値」を参照してください。

    geops コマンドについては、geops(1M)> のマニュアルページを参照してください。

  4. パートナーシップが作成されたことと、そのパートナーシップの状態を確認します。


    # geoadm status

例 5–1 パートナーシップの作成

次に、cluster-paris 上でパートナーシップ paris-newyork-ps を作成する例を示します。


# geops create -c cluster-newyork -p Description=Transatlantic \
-p Notification_emailaddrs=sysadmin@companyX.com paris-newyork-ps 
# geoadm status