問題の概要:クラスタノードが通信のために 2 つ以上のネットワークアドレスを複数のサブネットに割り当てている場合は、/etc/horcm.conf ファイル内の IP_address を NONE に設定する必要があります。IP_address フィールドは、ネットワークアドレスが同じサブネットに属している場合でも NONE に設定する必要があります。
IP_address フィールドを NONE に設定しないと、リモートプロセス horcmd が稼働し応答している場合でも、Hitachi TrueCopy コマンドが予期しない動作を起こしてタイムアウトエラー ENORMT となる可能性があります。
対処方法:/etc/horcm.conf ファイル内でデフォルトの Hitachi TrueCopy タイムアウト値を変更した場合は、SUNW.GeoCtlTC リソースタイムアウト値を更新します。/etc/horcm.conf のデフォルトの Hitachi TrueCopy タイムアウト値は、3000(10ms) (30 秒) です。
Sun Cluster Geographic Edition 環境で作成される SUNW.GeoCtlTC リソースも、デフォルトのタイムアウト設定は 3000(10ms) です。
/etc/horcm.conf 内で Hitachi TrueCopy のデフォルトのタイムアウト値を変更した場合は、次に述べるアルゴリズムに従ってリソースのタイムアウト値を更新する必要があります。/etc/horcm.conf と Hitachi TrueCopy リソースのデフォルトのタイムアウト値は、必要がないかぎり変更しないでください。
次に示す等式により、Hitachi TrueCopy コマンドがさまざまな要因によりタイムアウトする時間の上限が求められます。
次の等式における単位は秒です。
horctimeout は /etc/horcm.conf に構成されているタイムアウト値に設定します
numhosts はリモートクラスタ上のホストの数に設定します。ペアコマンドの場合、horcmd コマンドは各リモートホストに確認を試みます。
numretries は 2 に設定します。numretries は、horcmd コマンドが各リモートホストにコンタクトを試すべき最大の回数を指定します。
Upper-limit-on-timeout は (horctimeout * numhosts * numretries) に設定します。
たとえば、horctimeout を 30、numhosts を 2、numretries を 2 に設定すると、Upper-limit-on-timeout は 120 になります。
Upper-limit-on-timeout に基づき、次のリソースタイムアウト値を設定する必要があります。ほかのコマンドの処理が行えるように、バッファーとして 60 以上を指定するべきです。
Validate_timeout = Upper-limit-on-timeout + 60 Update_timeout = Upper-limit-on-timeout + 60 Monitor_Check_timeout = Upper-limit-on-timeout + 60 Probe_timeout = Upper-limit-on-timeout + 60 Retry_Interval = (Prote_timeout + Thorough_probe_interval) + 60 |
リソース内のほかのタイムアウトパラメタには、デフォルト値を含める必要があります。
タイムアウト値を変更するには、次の手順を実行してください。
scswitch コマンドを使用して、リソースグループをオフライン状態にします。
scrgadm コマンドを使用して、必要なタイムアウトプロパティーを更新します。
scswitch コマンドを使用し、リソースグループをオンラインにします。