Sun WorkShop 入門

ターゲットの並列構築

大規模なソフトウェア開発プロジェクトは、それぞれ独立した多数のモジュールで構成されるのが一般的です。これらのモジュールは、それぞれ分散させて並列的に構築することができます。dmake ユーティリティでは、ネットワークを介して分散した複数のマシン上で、ターゲットの並列構築を行うことができます。この並列構築により、大規模な開発プロジェクトを構築するのに必要な時間が大幅に省けます。

dmake では、構築の対象となるターゲットを中心に、このターゲットに関連する依存関係を調べ、同期の取れていない依存部分の構築を行います。依存関係の構築とは、依存関係の中に含まれている部分を構築することでもあります。dmake はジョブを分散させた後、対象となるすべてのターゲットを起動します。構築の対象となるすべてのターゲットが終了すると、dmake は構築の対象以外のターゲットを起動します。デフォルトの場合、入れ子構造になった dmake の呼び出しは同時には実行されません。ただし、この設定は変更可能です (詳細については、「並列性を制限する 」を参照してください)。

dmake では複数のターゲットが同時並行で構築されるので、各構築プロセスの出力も同時に生成されます。各コマンドからの出力が混乱しないように、dmake では各構築の出力を個別に収集します。また dmake は、各コマンドを実行する前に、そのコマンドの内容を表示します。実行したコマンドが出力、警告、またはエラーを生成すると、dmake ユーティリティは該当するコマンドの出力全体を表示します。後から開始したコマンドが先行するコマンドよりも先に終了することもあるので、出力の順序が予想と異なる場合があります。