「統計」表示画面には、アプリケーションの全体的なパフォーマンスおよびシステム資源利用方法などのデータが表示されます (図 2-9 を参照) 。一方、「ヒストグラム」、「累計」、「アドレス空間」表示形式は、関数やページなどのプログラムコンポーネントごとに区分けされたデータを提示します。「統計」表示画面が提供する情報は、予想した見積りと実際の数値とを比較したい場合などに便利です。
「統計」表示画面の生成に必要な情報は、データの収集処理中、常時標本コレクタによって生成されるため、この表示画面に情報を表示するために、特別なデータの種類を指定する必要はありません。「統計」表示画面には、以下の情報が表示されます。
表 2-8 標本アナライザの「統計」表示画面に表示される情報
副ページフォルト数 |
物理的な I/O 活動を必要としないページフォルトの数 |
主ページフォルト数 |
物理的な I/O 活動を必要とするページフォルトの数 (数が非ゼロの場合、「概要」表示画面には、テキストページあるいはデータページフォルトの待ち時間が表示されます) |
プロセススワップ数 |
処理がメインメモリ外にスワップされる回数 |
入力ブロック数 |
非キャラクタあるいは特殊ファイル上でシステムコール read( ) が実行される回数 |
出力ブロック数 |
非キャラクタあるいは特殊ファイル上でシステムコール write( ) が実行される回数 |
送信メッセージ数 |
ソケットを越えて送信されるメッセージ数 |
受信メッセージ数 |
ソケットから受信されるメッセージ数 |
処置されたシグナル数 |
配信または受信されるシグナル数 |
自発的コンテキストスイッチ数 |
分配された時間が完了する前に、処理が自発的にプロセッサを放棄して、利用可能な資源を待つために起こるコンテキストスイッチの回数 |
非自発的コンテキストスイッチ数 |
優先順位がより高い処理が実行可能になるか、現在の処理が分配された時間を超過してしまったために起こるコンテキストスイッチの回数 |
システムコール数 |
システムコールの総数 |
I/O 文字数 |
読み取りおよび書き込みコールによって、キャラクタデバイスまたはファイル間で転送されるキャラクタ数 |
ワーキングセット合計サイズ(ページ) |
アドレス空間の総サイズ (ページ単位) |
ワーキングセット最大サイズ(ページ/標本) |
アドレス空間の最大サイズ (標本あたりのページ数) |
ワーキングセット最小サイズ(ページ/標本) |
アドレス空間の最小サイズ (標本あたりのページ数) |
ワーキングセット平均サイズ(ページ/秒) |
アドレス空間の平均サイズ (標本あたりのページ数) |
テキストのワーキングセット合計サイズ(ページ) |
テキストアドレス空間の総サイズ (ページ単位) |
テキストのワーキングセット最大サイズ(ページ/標本) |
テキストアドレス空間の最大サイズ (標本あたりのページ数) |
テキストのワーキングセット最小サイズ(ページ/標本) |
テキストアドレス空間の最小サイズ (標本あたりのページ数) |
テキストのワーキングセット平均サイズ(ページ/秒) |
テキストアドレス空間の平均サイズ (標本あたりのページ数) |
非テキストのワーキングセット合計サイズ(ページ) |
非テキストアドレス空間の総サイズ (ページ単位) |
非テキストのワーキングセット最大サイズ(ページ/標本) |
非テキストアドレス空間の最大サイズ (標本あたりのページ数) |
非テキストのワーキングセット最小サイズ(ページ/標本) |
非テキストアドレス空間の最小サイズ (標本あたりのページ数) |
非テキストのワーキングセット平均サイズ(ページ/秒) |
非テキストアドレス空間の平均サイズ (標本あたりのページ数) |
アドレス空間データが収集されている場合のみ、ワークセットサイズは非ゼロになります。
「統計」表示画面に含める標本は、以下の 3 通りの方法で選択できます。
「標本の範囲」テキストフィールドに標本番号を直接入力する。各番号はカンマで区切り (例 : 1,3,6)、範囲はハイフンによって指定 (例 : 1-6)する。
「概要」表示画面上で、対象となる標本が含まれるカラムを選択する。
「概要」表示画面上で、「表示」メニューから「すべてを選択」または 「選択解除」を選択して、実験データの全標本を含めるかまたは除外する。