この節では、Sun Management Center 3.5 にアップグレードする前に行なっておく必要がある、T3 デバイスを準備する手順と、既存の Sun Management Center 2.x または Sun Management Center 3.x インストールから T3 デバイス構成情報を削除する手順について説明します。
Sun Management Center 3.5 にアップグレードするまえに、T3 デバイス構成情報を既存の Sun Management Center インストールから削除しておく必要があります。
Sun Management Center T3 アドオンをインストールおよび設定するまえに、Sun Management Center アドオン Monitoring and Management of A5x00 and T3 Devices がインストールされる予定のシステム上で /etc/hosts ファイルと /etc/ethers ファイルを変更しておく必要があります。
以下の作業は、『Sun StorEdge T3 Disk Tray Installation, Operation, and Service Manual』で説明している方法で T3 ストレージデバイスのインストールと構成が終了していることを想定しています。
Sun Management Center アドオン Monitoring and Management of A5X00 and T3 Devices がインストールされるマシン上で /etc/hosts ファイルと /etc/ethers ファイルがすでに更新されている場合は、T3 アドオンのインストールと設定を開始できます。
各 T3 ストレージデバイスの IP アドレスと Ethernet アドレスを確認します。
端末ウィンドウを開いて、コマンド arp t3-device-name を入力します。ここで、t3-device-name は T3 ストレージデバイスの名前です。例えば、
# arp T3-001 T3-001 (10.100.20.300) at 1:2:30:ab:ba:45 permanent published |
上記例では、10.100.20.300 は T3 ストレージデバイス T3-001 の IP アドレスで、1:2:30:ab:ba:45 はその Ethernet アドレスです。
ネットワーク上の T3 デバイスごとに手順 1 を繰り返します。
各 T3 の IP アドレス、Ethernet アドレス、および名前を記録したところで、次の手順に進みます。
Sun Management Center アドオン Monitoring and Management of A5X00 and T3 Devices をインストールする予定があるマシンにスーパーユーザとしてログインします。
このマシンは、Sun Management Center サーバをインストールするマシンか、あるいは専用のプラットフォームエージェントサーバとして割り当てたマシンのどちらかです。
/etc/hosts ファイルに、各 T3 の IP アドレスと名前を記録します。
たとえば、3 台の T3 デバイスがネットワークに接続されている状況で、arp コマンドを使用して、各 T3 デバイスの IP アドレスと Ethernet アドレスを確認し、情報を次のように記録したと想定します。
storage-t3–1 |
172.16.100.10 |
0:20:f2:0:59:48 |
storage-t3–2 |
172.16.100.11 |
0:20:f2:0:5f:40 |
storage-t3–3 |
172.16.100.12 |
0:20:f2:0:7f:a8 |
この場合、サーバの /etc/hosts ファイル内のエントリは次のようになります。
172.16.100.10 storage-t3–1 172.16.100.11 storage-t3–2 172.16.100.12 storage-t3–3
/etc/ethers ファイルに、各 T3 ストレージデバイスの Ethernet アドレスと名前を記録します。
/etc/ethers ファイルがまだ存在しない場合は、このファイルを作成します。
手順 4 に示された例を使用すると、サーバの /etc/ethers ファイル内のエントリは次のようになります。
0:20:f2:0:59:48 storage-t3–1 0:20:f2:0:5f:40 storage-t3–2 0:20:f2:0:7f:a8 storage-t3–3
T3 デバイス名の一部としてドメイン名を含める場合は、そのドメイン名が /etc/hosts ファイルと /etc/ethers ファイルで同一であることを確認してください。エントリは大文字と小文字の区別をする必要があります。
たとえば、/etc/hosts ファイルに次の行が含まれるとします。
0:20:f2:0:59:48 storage-t3–1.sun.com
/etc/ethers ファイルには次の行も含まれます。
0:20:f2:0:59:48 storage-t3–1.Sun.Com
この例では、Sun Management Center 設定ツールを使用して T3 ストレージデバイスを設定することはできません。これは、ドメイン名の大文字と小文字の使い分けが異なるためです。
Monitoring and Management of A5x00 and T3 Devices アドオンで T3 ストレージデバイスを監視および管理している場合、Sun Management Center 2.x または Sun Management Center 3.x をアンインストールする前に、T3 デバイス構成情報を削除しておく必要があります。es-uninst コマンドは T3 デバイス構成情報を削除しません。
Sun Management Center 2.x または Sun Management Center 3.x のサーバをインストールする予定があるマシンにスーパーユーザとしてログインします (su - root と入力します)。
Sun Management Center エージェントを停止します。
コマンド/opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -a を入力します。
アンインストール前スクリプトを実行して、T3 デバイス構成情報を削除します。
コマンド /opt/SUNWsymon/addons/storage/sbin/pre-uninst.sh を入力します。
T3 による syslog メッセージの送信を停止するか確認するメッセージが表示されます。y を入力します。続いて、T3 デバイスのルート (スーパーユーザ) パスワードの入力を求めるメッセージが表示されます。パスワードを入力します。
T3 デバイスが T3 モジュールから削除されたことを伝えるメッセージが表示されます。
Sun Management Center 3.5 をインストールする前に pre-uninst.sh スクリプトを実行していない場合、T3 構成情報を手作業で削除してから新しい Sun Management Center 3.5 インストールを設定する必要があります。
pre-uninst.sh スクリプトの実行後に Sun Management Center 2.x または Sun Management Center 3.x のインストールを変更したくない場合は、コマンド /opt/SUNWsymon/es-setup -F を入力して、T3 デバイスを設定し直します。