Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド

Sun Management Center サーバと Performance Reporting Manager アドオン

Sun Management Center の Performance Reporting Manager (PRM) アドオンを使用すると、Sun Management Center エージェントが監視している任意のデータプロパティに関して、その履歴的な傾向を追跡したり、レポートを生成したりできます。PRM アドオンは大量のデータを収集および処理できるので、Sun Management Center サーバのサイジング要件に大きな影響を与える可能性があります。

PRM アドオンの影響は、図 C–1の PRM 部分に示されています。一般的に、管理作業と PRM が追跡するデータプロパティの総数が増えるほど、Sun Management Center サーバが管理できるエージェント数は減ります。

PRM アドオンを持つ Sun Management Center サーバの要件を判断するには、2 つの手順が必要です。

  1. PRM アドオンがインストールされている Sun Management Center サーバが管理するエージェントの総数にもとづいて、図 C–1の PRM 部分を参照しながら、必要なマシンのクラスを判断します。

  2. 収集したい PRM データプロパティのおおよその数にもとづいて、次の節を参照しながら、適切な PRM 構成を判断します。

PRM 構成の種類

Sun Management Center 設定中、PRM 構成の中から 1 つの種類を選択するように確認するメッセージが表示されます。次の表に、PRM 構成の種類を示します。「アーキテクチャ」列は、表 C–4に示したマシンのアーキテクチャを指します。

表 C–5 PRM 構成の種類の要件

PRM 構成の種類 

ディスク容量 

PRM データプロパティの総数 

エージェント数の例 

エージェントごとのデータプロパティ数の例 

アーキテクチャ 

小型 PRM 

5G バイト 

50,000 

100 

300 

小 

 

 

 

400 

100 

通常 

中型 PRM 

12G バイト 

150,000 

300 

300 

中 

 

 

 

500 

300 

大 

 

 

 

750 

200 

超大型 PRM 

大型 PRM 

24G バイト 

240000 

600 

300 

大 

 

 

 

750 

300 

超大型 PRM 

通常、Sun Management Center の小型サーバは小型 PRM 構成に使用されます。中型サーバは中型 PRM 構成に使用されます。そして、大型サーバと超大型サーバは大型 PRM 構成に使用されます。Sun Management Center の超大型サーバは小型 PRM や 中型 PRM にも使用できます。ただし、利用できるディスク容量や予想される PRM データ収集要件によって条件は変わります。

PRM サーバの構成例

次の表に、アーキテクチャの種類ごとに管理できるエージェント数の例を示します。この例では、各エージェントが PRM ごとに平均 300 個のデータプロパティを収集しているとことを想定します。「1 時間ごとのデータ収集」列は、(1 時間ごとに) データを収集するのに必要なおおよその時間を示します。「夜間処理」列 は、収集したデータを処理するのに必要なおおよその時間を示します。データを収集および処理するのに必要な時間は、サーバのハードウェア、サーバの活動、およびデータベース内の PRM データ数によって変わります。

表 C–6 サーバの例: 管理対象となるエージェント数

アーキテクチャ 

エージェント数 

PRM データプロパティの総数 

PRM 構成の種類 

1 時間ごとのデータ収集 

夜間処理 

小 

100 

30,000 

小 

2 分 

1 から 2 時間 

中 

300 

90,000 

中 

7 分 

3 から 4 時間 

大 

600 

180,000 

大 

7 分 

3 から 6 時間 

超大 

750 

225,000 

大 

6 分 

3 から 6 時間 

Performance Reporting Manager レポートの生成

さまざまなエージェント数、データプロパティ数、およびレポート期間 (4 時間から 1 か月など) を指定することによって、さまざまなレポートを生成できます。

通常のレポートを生成するには、数秒から数分かかります。実際にかかる時間は、次の要因によって変わります。

たとえば、 Performance Reporting Manager アドオンが構成されている中型の Sun Management Center サーバでは、比較的簡単なレポート (1 つのエージェントの 5 つのデータプロパティを 24 時間調べたレポート) を生成するには約 20 秒かかります。より複雑なレポート (5 つのエージェントの 5 つのデータプロパティを 7 日間調べたレポート) を生成するには約 10 分かかります。


注 –

ここで、Performance Reporting Manager アドオンが構成されている中型の Sun Management Center サーバとは、450 MHz の UltraSPARC II CPU x 2 、1G バイトの RAM、および 1G バイトのスワップ領域を持つ Ultra-80 のことであることを想定します。また、Ultra-80 は Performance Reporting Manager 用に 300 個のエージェントを監視しており、エージェントごとに 300 個のデータプロパティを収集していることを想定します。


Performance Reporting Manager レポートのスケジューリング

レポートを生成するのに 30 分以上もかかってしまう場合、午前 4:00 から午前 8:00 までの間にレポートを実行するようにスケジュールすることが推奨されます。大きなレポートを午前 4:00 以降に実行するようにスケジュールすることによって、通常の営業時間における Sun Management Center サーバの負荷を下げることができます。また、 通常は午前 12:00 から午前 4:00 までの間にスケジュールされる Sun Management Center の夜間作業と Performance Reporting Manager の作業が競合する可能性も下げることができます。