Sun Management Center のコマンド行インタフェース (CLI) は、システムの監視と管理を行う文字方式のコンソールアプリケーションとして、有効な機能を提供します。
低オーバーヘッド – CLI は Java コンソールや Web コンソールのほとんどの機能を提供しますが、ビットマップグラフィックを必要としません。そのため、低帯域接続のシンプルなデータ端末上で稼動することができます。ただし、GUI を必要とする機能 (物理表示、グラフ作成など) は提供されません。
バッチモードプロセス – CLI は基本的なスクリプト機能をサポートしており、バッチモードでファイルからコマンド入力することができます。
設定可能な出力形式 – CLI の出力形式を設定することができます。プレーンテキスト出力は、他のテキストベースのツールと互換性があります。拡張コマンドの場合は、HTML で出力形式を指定します。
ヘルプ– CLI コマンドのオンラインヘルプへは CLI 内からアクセスできます。
CLI で実行可能なタスクは、次のとおりです。
トポロジオブジェクト (ドメイン、グループ、エンティティなど) を作成して、これらのオブジェクトのトポロジ情報を取り出します。
管理オブジェクトのプロパティや属性を取り出して操作します。
Sun Management Center エージェントのモジュールを読み込み、読み込み解除、有効化、無効化します。
Sun Management Center エージェント上で、アラーム処理の設定と実行、アラーム情報の取り出し、アラームの肯定応答と削除などを行ないます。
CLI へは、以下のシステム構成のユーザ端末セッションからアクセスできます。
UNIX® ワークステーション Solaris 8 または Solaris 9 オペレーティングシステム
Windows 98、Windows 2000、Windows NT をサポートする PC
セッションモード – セッションモードは対話型です。いったん Sun Management Center サーバにログインすると、明示的にログアウトするまでコマンドの入力や出力が可能です。
バッチモード – CLI は、サーバに接続して filename 内のコマンドを実行します。filename は、CLI コマンドを持つファイル名です。
この節では、CLI コマンドとパラメータの概要について説明します。
CLI コマンドは、基本コマンドと拡張コマンドの 2 種類に分けられます。
基本コマンド は、他の CLI コマンドの実行環境を変更します。例えば、パラメータ値の設定、コマンドエイリアスの定義、コマンド状態の確認、サーバのログインあるいはログアウトなどが実行できます。基本コマンドは、常にフォアグラウンドで実行します。
拡張コマンド は、管理オブジェクトのトポロジ、プロパティ、属性の問い合わせや変更を行います。 以下は、拡張コマンドが提供する機能です。
トポロジ内の管理オブジェクトを検出する
モジュールを使用可能または使用不可にする
アラームを肯定応答または削除する
拡張コマンドは、デフォルトではバックグラウンドで実行しますが、フォアグラウンドで実行するよう設定できます。
セッションモードは、フォアグラウンドでもバックグラウンドでもコマンドを実行することができます。
フォアグラウンド – コマンドをフォアグラウンドで実行します。この場合、出力先の指定がない限り、コマンド出力は直接画面に送信されます。フォアグラウンドでは、1 度に実行できるコマンドは 1 つだけです。基本 コマンドは、フォアグラウンドでのみ実行可能です。拡張コマンドは、デフォルトではバックグラウンドで実行しますが、フォアグラウンドで実行するよう設定することも可能です。
バックグラウンド – コマンドを、バックグラウンドで非同期に実行します。デフォルトでは、コマンド出力や診断メッセージは画面に送信されません。出力はバッファされ、明示的な要求があると表示されます。UNIX シェルとは異なり、バックグラウンドで 1 度に実行できる拡張コマンドは 1 つだけです。ただし、バックグラウンドで拡張コマンドを実行しながら、フォアグラウンドで複数のコマンドを実行することができます。拡張コマンドは、デフォルトではバックグラウンドで実行しますが、フォアグラウンドで実行するよう指定することも可能です。基本 コマンドはバックグラウンドでは実行できません。
CLI はエイリアスもサポートしています。そのため、より複雑なコマンドやパラメータには省略語や偽名を定義することができます。ユーザ定義のエイリアスは、さまざまな CLI セッションで使用できます。
CLI パラメータは、それぞれ名前と値 がペアになっています。一部のパラメータは CLI 内に最初から組み込まれており、名前と値も予め定義されています。その他のパラメータ (変数) は、ユーザが定義できます。パラメータのなかには有効範囲がグローバルなものがあります。このグローバルパラメータは、特定のセッションにおける CLI コマンドの実行を制御します。これ以外のパラメータは、特定コマンドやコマンドグループに固有です。
CLI は、いくつかの入力機能と出力機能を提供します。
CLI では、CLI コマンドごとにオンラインヘルプが提供されます。ユーザは、GUI を通さずに CLI 内から直接ヘルプにアクセスして、各コマンドの使用方法や関連パラメータリストを入手することができます。