この章の内容は次のとおりです。
モジュールデータプロパティーは、Sun Management Center モジュールの追加情報を提供します。属性エディタは、次のプロパティー監視条件をカスタマイズします。
定義済みアラームのしきい値を設定する。
アラーム状況発生に対する処理を指定する。
画面上のデータ更新間隔を変更する。
履歴データポイントのログファイルの作成スケジュールを定義する。
属性エディタのウィンドウ上部には、パネルの切り替え可能な 1 つまたは複数のタブが表示されます。これらのタブは、指定したオブジェクトによって異なります。使用可能なタブと説明は、次の項目を参照してください。
情報 – 「属性エディタの「情報」タブ」
アラーム – 「属性エディタの「アラーム」タブ」
処理 – 「属性エディタの「処理」タブ」
再表示 – 「属性エディタの「再表示」タブ」
履歴 – 「属性エディタの「履歴」タブ」
「情報」パネルは、選択したオブジェクトの追加情報を表示します。オブジェクトによって固有情報も異なります。
「アラーム」タブでは、単純アラームに関連するデータプロパティーに対してのみアラー ムしきい値を設定できます。単純アラームは rCompare 規則を使用します。詳細は、付録 D 「Sun Management Center ソフトウェアの規則」を参照してください。単純アラームについては、表 10–1 を参照してください。
単純アラームは、監視データプロパティーがしきい値より大きいか小さいか、あるいはしきい値と一致するかしないかが基準となります。一方、複合アラームは一連の条件が真になると発生します。Sun Management Center におけるアラームの定義、肯定応答、使用についての詳細は、第 12 章「アラームの管理」を参照してください。
アラームしきい値を設定するためには、適切なセキュリティー (アクセス権) が必要です。詳細は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティー」を参照してください。
次の表は、監視プロパティーの一般的な単純アラーム制限を示したものです。アラーム制限は、「パラメータの説明」フィールドに表示されます。ユーザーは、選択したデータプロパティーに対して、これらのアラーム制限のうち 1 つまたは複数のしきい値を設定することができます。
表 10–1 Sun Management Center ソフトウェアの一般的な単純アラーム制限
アラーム制限 |
説明 |
---|---|
重大しきい値 (>) |
値がこのフィールドの制限を超えると、重大 (赤色) アラームが発生する。 |
警告しきい値 (>) |
値がこのフィールドの制限を超えると、警告 (黄色) アラームが発生する。 |
注意しきい値 (>) |
値がこのフィールドの制限を越えると、注意 (青色) アラームが発生する。 |
重大しきい値 (<) |
値がこのフィールドの制限を下回ると、重大 (赤色) アラームが発生する。 |
警告しきい値 (<) |
値がこのフィールドの制限を下回ると、警告 (黄色) アラームが発生する。 |
注意しきい値 (<) |
値がこのフィールドの制限を下回ると、注意 (青色) アラームが発生する。 |
指定期間だけアラームが発生する。たとえば day_of_week=fri と入力した場合、金曜日にアラーム条件が存在する場合にのみ発生し、火曜日にアラーム条件が存在しても発生しない。 |
「処理」タブは、現在のデータプロパティーに対するアラーム処理が定義可能な場合にのみ表示されます。「処理」パネルを使用して、アラーム発生時のアクションを事前に定義することができます。
定義可能なアクションには、電子メールの送信や /var/opt/SUNWsymon/bin ディレクトリに格納されたスクリプトの実行などがあります。これらのスクリプトは、root アクセス権で実行します。
たとえば、「直前 5 分間の負荷平均」のデータプロパティーに重大アラームが発生したら必ずシステム管理者に電子メールを送信する、というアクションを定義することができます。
図 10–1 で示しているように、次のインスタンスに対して固有の処理を定義することができます。
特定のアラーム重大度 (重大、警告、注意、不確定) が発生した場合
アラームが閉じた場合
アラーム状態に何らかの変更が生じた場合
「処理」ボタンの右側のチェックボックスで、アラーム処理を自動実行するか手動実行するか指定できます。デフォルトでは、あらゆる処理が自動実行で設定されます。
「処理」ボタンをクリックすると、「処理の選択」ウィンドウが表示されます。このウィンドウでは、記録されたアラームアクションを作成または変更することができます。次のいずれかのアクションを実行できます。
電子メールの送信
スクリプトの実行
アラームの消去
アラーム処理の定義の詳細は、「アラーム処理を登録する」を参照してください。
「再表示」パネルでは、指定したオブジェクトの再表示間隔を設定できます。再表示間隔は、Sun Management Center エージェントが監視プロパティーを抽出する間隔です。
ただし、再表示間隔は一部のデータプロパティーでしか変更できません。
再表示間隔の設定については、「再表示間隔を設定する」を参照してください。
「履歴」パネルでは、監視プロパティーの古いデータを保存することができます。たとえば、「サンプリング間隔」フィールドの定義に従って、データポイントの履歴を 120 秒ごとに記録することができます。記録した情報は、次のいずれか一方の場所に格納できます。
ディスクファイル
ディスクファイルには 2 種類 (循環、テキスト) あり、ともに /var/opt/SUNWsymon/log ディレクトリに置かれます。
メモリーキャッシュ
情報をメモリーキャッシュに格納する場合、「最大サイズ」(サンプル) フィールドに保存するデータポイント数を指定する必要があります。
選択した監視プロパティーのグラフを開いて、履歴データをグラフ表示することができます。メモリーキャッシュを指定した場合、グラフは履歴データで表示されます。
属性エディタには、さまざまなアクティビティのサポート機能が用意されています。ただし、一部のアクティビティは 属性エディタ以外の機能も使用します。ここでは、単純な 属性エディタ専用機能の実行方法 (履歴ログ間隔や再表示間隔の定義など) について説明します。アラーム関連機能についての詳細は、第 12 章「アラームの管理」を参照してください。
属性エディタは特定のデータプロパティー値ごとに開くことができます。また、一部のデータプロパティーについては、値列の属性エディタにアクセスすることも可能です。詳細は、「データプロパティー列の属性エディタを開く」を参照してください。
トポロジ表示または階層表示をナビゲートして、データプロパティーテーブルにアクセスします。
テーブルの値領域にカーソルを置いて、次のいずれかの方法を実行します。
マウスボタン 1 を押して、ポップアップメニューから「属性エディタ」を選択する。
「属性」アイコンをクリックする。
「属性エディタ」ウィンドウに選択したデータプロパティーの固有情報が表示されます。このとき表示されるタブは、選択したデータプロパティーによって異なります。
特定のデータプロパティーのアラームしきい値を定義する方法については、「アラームの管理と制御」および 「アラームの管理例」を参照してください。
特定のデータプロパティー値の代わりにデータプロパティー列を指定して、その列のすべての値の属性を定義することができます。たとえば、CPU 使用状況テーブルで「% CPU ユーザー時間率」列の属性エディタを開くと、すべての CPU のアラームしきい値と処理を定義することができます。これに対し、特定の % CPU ユーザー時間率値 (CPU 1 に適用される値など) の属性エディタを開いた場合、定義したアラームしきい値や処理は、その CPU だけにしか適用されません。
トポロジ表示または階層表示をナビゲートして、データプロパティーテーブルにアクセスします。
対象となる列の列見出しをクリックします。
次のいずれかの方法で、属性エディタにアクセスします。
マウスボタン 1 を押して、ポップアップメニューから「属性エディタ」を選択する。
「属性」アイコンをクリックする。
「属性エディタ」ウィンドウに選択したデータ列の固有情報が表示されます。特定のデータ列のアラームしきい値を定義する方法については、「アラームの管理と制御」および 「アラームの管理例」を参照してください。
再表示間隔は、エージェントがデータを取得する頻度を秒単位で示します。次の例は、システム負荷統計情報モジュールのプロパティーに対する再表示間隔の設定例です。
「詳細」ウィンドウの「モジュールブラウザ」タブをクリックします。
階層 (ツリー) 表示の「オペレーティングシステム」アイコンの横にある開くアイコンをクリックします。
オペレーティングシステムモジュールが表示されます。
「カーネルリーダ」アイコンの横の開くアイコンをクリックします。
カーネルリーダのプロパティーが表示されます。
「システム負荷統計情報」アイコンをダブルクリックします。
「システム負荷統計情報」のプロパティーテーブルが表示されます。
「直前 5 分間の負荷平均」のテーブルセルを選択します。
「属性」ボタンをクリックします。
「属性エディタ」ウィンドウが表示されます。
「再表示」タブボタンをクリックします。
「再表示」パネルが表示されます。
「再表示間隔」フィールドに値を秒で入力するか、「拡張」ボタンをクリックします。
たとえば、300 秒は 5 分のことです。
再表示間隔を適用して「属性エディタ」ウィンドウを閉じるには、「了解」ボタンをクリックします。
これで「システム負荷統計情報のデータ」が 5 分ごとに取得されます。
より大きな再表示間隔を指定すると、エージェントが消費する CPU サイクルが減少します。
履歴情報を設定するデータプロパティーの 属性エディタを開きます。
たとえば、次の手順で「直前 5 分間の負荷平均」の 属性エディタにアクセスします。
「履歴」タブをクリックします。
履歴パネルが表示されます。
「サンプリング間隔」フィールドに値を秒で入力するか、「拡張」ボタンをクリックします。
たとえば、2 分ごとに履歴データポイントを収集する場合は、「サンプリング間隔」フィールドに 120 を入力します。
「ディスクファイルに履歴を保存」または「メモリーキャッシュに履歴を保存」を指定します。
履歴をディスクファイルとして保存する場合は、次のようにします。
ファイルタイプを、循環またはテキストで指定します。
循環ファイルは、ライン長が 1000 で予め定義されています。ファイルに書き込まれるデータ容量がこの長さを超えると、ファイルは書き込みを最初から上書きします。
フラットテキストのライン長は、定義されていません。情報は、ユーザーがプロセスを停止するかディスク容量が超過するまで、フラットファイルの最後に付加されます。データを格納する目的で履歴ファイルを保持する場合は、この機能を使用してください。
テキストファイルの場合は、「テキストファイル名」フィールドにファイル名を入力します。
テキストファイルのファイル名を指定しないと、データは自動的に /var/opt/SUNWsymon/log/agent_default.history ファイルに保存されます。
また、ファイル名に特殊文字 (/ や # など) を含めることはできません。
履歴をメモリーキャッシュに保存する場合は、履歴データポイント数を「最大サイズ」 (サンプル) フィールドに入力します。
たとえば、このフィールドに 1000 を入力すると、最新の 1000 データポイントだけがメモリーキャッシュに格納され、これより古いデータポイントは消去されます。これらのデータポイントはグラフ化できます。詳細は、「監視データプロパティーのグラフを作成する」を参照してください。
履歴ファイルの変更を適用して「履歴」パネルを閉じるには、「了解 」ボタンをクリックします。