この章では、Sun Management Center 3.6 製品とそのコンポーネントレイヤ、レイヤ間の関係の概要を説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
Sun Management Center ソフトウェアは、オープンで拡張可能なシステム監視および管理ソリューションです。
Sun Management Center には、次のような機能と特長があります。
ハードウェアとオペレーティングシステムのレベルでシステムを監視、管理します。監視されるハードウェアは、ボード、テープ、電源、ディスクなどです。
ビジネスアプリケーション (取引システム、 経理システム、在庫システム、制御システムなど) を監視します。
オープンでスケーラブルな柔軟性の高いソリューションを通じて、複数の管理ドメインを構成、管理します。これらのドメインは、企業全体にわたる多くのシステムとスパンから構成されます。管理者は、複数のユーザをサポートするために、ソフトウェア構成を一元化することも分散化することも可能です。
このソリューションは、Simple Network Management Protocol (SNMP)、JavaTM 遠隔メソッド呼び出し (RMI)、Hypertext Transfer Protocol (HTTP) などのツールを使用して、Sun 製品やそのサブシステム、コンポーネント、および周辺機器に対する統合的かつ包括的なエンタープライズ規模の管理機能を提供します。
Sun Management Center 製品のバージョン 3.6 では、次の点が大幅に変更されています。
Linux オペレーティングシステム (OS) でエージェントおよびコンソールレイヤが使用可能になりました。エージェントレイヤは、Red Hat, SuSE/JDS Linux カーネルのバージョン 2.4.20 以降で利用できます。付録 F 「Linux エージェントのサポート」 の、Linux エージェントがサポートするモジュール、アドオンおよびコマンドの一覧を参照してください。
Solaris 10 でハードウェアおよびソフトウェアフォルトに効果的に対処できるようになりました。フォルトレポートおよびメッセージアーティクルを表示できます。これについての詳細は、表 11–1 および 「フォルトマネージャモジュール、バージョン 1.0」 を参照してください。
Solaris 10 でホスト上で動作するサービスが監視可能になりました。サービスの詳細を表示したり、サービスを使用可能/使用不可にしたりできます。また、特定のサービスのプロセスを表示することもできます。この詳細は、表 11–1 および 「サービス管理機能モジュール、バージョン 1.0」を参照してください。
Solaris 10 の場合、Sun Management Center をインストールして設定すると、すべてのサービスが Service Management Facility (SMF) サービスとして実行されます。
Sun Management Center から Sun N1TM System Manager サーバ (System Manager) にアクセス可能です。このサーバが管理する一群のプロパティを監視することもできます。この詳細は、表 11–1 および 「Volume System Monitoring モジュール、バージョン 1.0」を参照してください。
Solaris 10 で大域ゾーン内のエージェントが構成可能です。これについての詳細は、『Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド』の「Sun Management Center によるゾーンの監視 (Solaris 10 のみ)」を参照してください。
Solaris 10 で Dynamic Tracing (DTrace) スクリプトが実行可能です。これについての詳細は、『Sun Management Center 3.6 System Reliability Manager ユーザーガイド』を参照してください。
SolarisTM Container Manager 3.6 によるリソース割り当て、サービスのパフォーマンス監視、アカウンティングが可能です。このアドオンのインストールおよび使用方法については、『Solaris Container Manager 3.6 インストールと管理』を参照してください。
SNMPv3 により Sun Management Center エージェントと他社製管理アプリケーションとの安全な通信が可能になりました。
コマンド行インタフェース (CLI) の機能が大幅に拡張されました。詳細は、第 20 章「コマンド行インタフェースの使用」 を参照してください。
Sun Management Center のマニュアルは、製品と一緒にインストールされません。マニュアルは、http://docs.sun.com/app/docs/coll/810.4 から入手できます。
このリリースでは、多数のバグおよび RFE (Request For Enhancement) に対処しています。
Sun Management Center ソフトウェアは、 3 つのコンポーネントレイヤ (コンソール、サーバ、エージェント) で構成されている、マネージャとエージェントのアーキテクチャーに基づく製品です。
コンソールレイヤは、管理タスクを開始するためのユーザインタフェース (Java コンソール、Web コンソール、コマンド行インタフェース (CLI) ) を提供します。
サーバ (マネージャ) は、管理アプリケーションを実行したり、エージェントに要求を送信するなど、ユーザに代わって管理タスクを遂行します。
管理ノード上で動作するエージェントは、管理情報にアクセスし、ローカルリソースを監視したり、マネージャ要求に応答したりします。
次の図は 3 つのコンポーネントレイヤを示したものです。
次に、Sun Management Center の主要レイヤとその機能について説明します。
Sun Management Center のコンソールレイヤ (Java コンソール、Web コンソール、CLI) は、ユーザとSun Management Center ソフトウェアの他のコンポーネントレイヤとを結ぶインタフェースです。これにより、 同一の Sun Management Center サーバで、複数のユーザをサポートする複数のコンソールを持つことができます。コンソールの機能は、次のとおりです。
管理オブジェクトのビジュアル表示 (ホスト、ネットワークなど)
管理オブジェクトに関連する属性とプロパティの操作 (アラームしきい値の作成など)
管理タスクの起動 (動的再構成など)
サーバレイヤは、コンソールを通じて要求を受け付け、その要求を適切なエージェントに渡します。そして、エージェントからの応答を中継して、コンソールに渡します。
たとえば、ホストにアクセスしているユーザ数の情報を要求すると、サーバレイヤはコンソールからこの要求を受け取って、該当ホストのエージェントに送信します。次にエージェントが要求に対する答えをサーバに返し、サーバがその情報をコンソールに転送します。
同様にあるホスト上でエラー状態が生成されると、該当ホストのエージェントからサーバに通知され、サーバからコンソールにアラームとして転送されます。
さらにサーバレイヤは、コンソールに対して、エージェントとのインタフェース接続に必要なセキュリティ保護されたエントリーポイントを提供します。
図 1–2 で示しているように、サーバレイヤには次のコンポーネントが含まれています。
Sun Management Center サーバ
Sun Management Center Web サーバ
トポロジマネージャ
トラップハンドラ
構成マネージャ
イベントマネージャ
サーバコンポーネントは、サーバレイヤの中核となる構成要素で、2 つのマルチスレッドサーバ (Java サーバ、Web サーバ) から構成されています。これらのサーバは、Sun Management Center ユーザの多種多様なデータ要求を処理することが可能です。
トポロジマネージャは、ユーザ管理ドメインの管理や管理オブジェクトトポロジの配列などを行います。
トラップハンドラは、一元化された SNMP トラップのレセプターとしてトラップを記録し該当コンポーネントに転送します。さらに、すべてのアラーム通知を受信する役割を果たします。
構成マネージャは、サーバとエージェントに対するセキュリティ機能を提供します。
イベントマネージャは、エージェントからイベント情報を受け取ります。これらのイベントが引き金となって出されたアラームは、コンソールに転送されます。
エージェントレイヤは、Sun Management Center ソフトウェアが管理するノード上のオブジェクトに関する情報を監視、収集し、それらオブジェクトを管理します。サーバレイヤは、SNMP 経由のエージェントレイヤとの対話を通じて、管理オブジェクトにアクセスします。
スケーラブルで拡張性に優れた SNMP ベースの Sun Management Center エージェントは、特定のシステム局面やアプリケーションの健全性と性能に対応したモジュールを読み込むことで、オブジェクト (ハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーションなど) の監視と管理を行います。エージェントは、特定のシステム局面やアプリケーションの健全性と性能に対応したモジュールを読み込むことで、オブジェクト (ハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーションなど) を監視、管理します。
エージェントは、規則を使用して管理オブジェクトの状態を判断します。たとえば、規則で状態が真になると、ソフトウェアは自動的にアラームを生成し、規則に従ってアクションを起こします。
サーバレイヤとエージェントレイヤは、ともに Sun Management Center サーバコンテキストとして参照されます。ユーザは、特定のサーバコンテキストにログインしてコンソールを起動します。ログインサーバに情報を送信するエージェントの管理オブジェクトは、同一のサーバコンテキストに属しています。
管理オブジェクトは、同一サーバコンテキストまたは 遠隔サーバコンテキストに属します。遠隔サーバコンテキストの管理オブジェクトは、異なるサーバに情報を送信します。一方、同一サーバコンテキストの管理オブジェクトは、ご使用のコンソールに接続されたサーバホストに情報を送信します。
デフォルトでは、Sun Management Center ソフトウェアは同一サーバコンテキストのオブジェクトを管理 し、遠隔サーバコンテキストのオブジェクトは監視 するだけです。「管理」と「監視」の正確な定義については、用語集を参照してください。サーバコンテキストとセキュリティの詳細は、「Sun Management Center の遠隔サーバアクセス」を参照してください。
次の項目は、Sun Management Center ソフトウェアを理解するための基本的な概念です。
管理ドメイン
管理情報ベース (MIB)
モジュール
アラームと規則
このマニュアルでは、「ドメイン」は Sun Management Center の管理ドメインを指します。したがって、他の Sun 製品やドキュメントで使用される「ドメイン」と混同しないようにしてください。詳細は、第 2 章「Sun Management Center の管理ドメインの使用」を参照してください。
管理ドメインは、ユーザが監視や管理の対象とするリソース (キャンパス全体、個々のビルディング、ホスト、ネットワーク、サブネット、リンクなど) の集合を階層化したものです。各管理ドメインを構成するこれらのリソースは、他のリソースと連結して管理ドメイン内でグループを形成します。これらの各グループは、新たにリソースグループを追加して、複数レベルに階層化された管理ドメインを構成することができます。
ユーザは、ビジネスニーズに基づいて 1 つまたは複数の管理ドメインを作成できます。たとえば、すべての実験装置を包含した実験管理ドメインや、経理で使用する全システムを包含した経理管理ドメインなどを作成することが可能です。
Sun Management Center ソフトウェアは、管理ドメインとメンバーをビジュアル表示します。図 1–4 はその例です。
次の例では、ホスト Payroll2 は、Payroll Servers 1 管理ドメイン内の Building B グループに属しています。
Linux ホストは、一般的な Linux アイコンで示されます。ゾーンエージェントは、中央に Z 記号の入った一般的なアイコンで示されます。
管理情報ベース (MIB) は、エージェントからアクセスできるデータを表す階層型のデータベーススキーマです。Sun Management Center エージェントは 、MIB を使用して遠隔からアクセス可能なデータを格納します。
ほとんどのエージェントと異なり、Sun Management Center エージェントでは、単一のプログラムに広範囲の各種機能を含むモノリシックコードに MIB が実装されていません。そうではなく、Sun Management Center ソフトウェアは各エージェントごとにモジュールと呼ばれるいくつかのコンポーネントを使用します。各モジュールは、それぞれ独自の MIB を実装しています。したがって、すべてのモジュールとその MIB を合計したものが Sun Management Center のエージェント MIB となります (次の図を参照)。
Sun Management Center モジュールは、システム、アプリケーション、ネットワークデバイスなどのリソースを監視、管理します。モジュールには、特定のシステムコンポーネントを個別に監視するために、カーネル監視用、プリンタ監視用、プロセス監視用などがあります。モジュールの基本的な役割は、これらのリソースを監視して、エラー状態が発生したりパフォーマンス調整が必要な場合に、アラームを通じてこれらの情報をユーザに通知することです。アラームの詳細は、「アラームと規則」を参照してください。
各モジュールは、1 つまたは複数の監視可能なプロパティを持っています。たとえば、インストール時に読み込まれるデフォルトモジュールのうちの Kernel Reader は、カーネルプロパティを監視します。これ以外にも、ユーザ統計、ディスク統計、ファイルシステムの使用状況などのプロパティがあります。
モジュールは動的に追加したり削除したりできます。これにより、ユーザのニーズに応じて、各エージェント (オブジェクト) に読み込まれたモジュールをカスタマイズすることが可能です。
アラームは異常イベントの通知です。Sun Management Center ソフトウェアは、さまざまな重要度のアラームを使用してユーザシステムを監視します。これらのアラームを生成するしきい値はモジュールで定義されます。ユーザは、単純アラームの基準となるしきい値を設定できます。
たとえばカーネルリーダモジュールのプロパティのうちのユーザセッション数にしきい値を設定する場合、7 以上のユーザセッションで重大アラーム、5 または 6 のユーザセッションで警告アラームを生成するように指定することが可能です。
アラーム条件はデフォルト設定されています。ユーザは、単純な rCompare (比較) 規則に基づくような単純アラームのしきい値を独自に設定したり定義することができます。
複合規則もまたアラームを生成します。たとえば、ディスクが 75% 以上ビジー状態で平均キュー長が 10 エントリ以上になり、待ち行列が増加し続けると、複合規則は警告アラームを生成します。この場合、規則は 3 つの条件から成り立っています。
ディスクのビジー度 (%)
平均キュー長
待ち行列
単純規則とは異なり、これらの複合規則は事前に定義されており変更できません。したがって、ユーザが複合アラームのしきい値を設定することはできません。
アラームが生成されると、メインコンソールウィンドウおよびアラームアクション (電子メールメッセージの送信、スクリプトの起動など) を通じてユーザに通知されます。また、アラーム状態の発生を別の方法で通知するカスタマイズプログラムを作成することも可能です。
アラームの詳細は、第 12 章「アラームの管理」を参照してください。規則の詳細は、付録 D 「Sun Management Center ソフトウェアの規則」を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアには、次の監視機能と管理機能が用意されています。
ここでは、ユーザ環境の管理と監視をサポートする機能について説明します。
Sun Management Center エージェントは、ホストシステムの主要データを積極的に抽出することで独自に機能します。これらのエージェントは、監視データの現在の状況に対する SNMP get 要求を通じてポーリングできます。
エージェントは、監視リソースのデータを収集すると、そのリソースに設定されたアラームしきい値と照合して、データがアラーム条件を構成するかどうかを判断します。監視データがアラームしきい値と一致すると、エージェントはアラーム条件に応じたアクションを起こします。エージェントは非同期メッセージ (SNMP トラップ) をサーバに送信し、サーバは監視データの状態の変化を通知します。
Sun Management Center のセキュリティ機能は、ユーザやグループのログインおよびアクセス制御権の認証を行います。これにより、管理ドメイン、グループ、ホスト、モジュールの各レベルでセキュリティ (アクセス権) を設定することが可能です。
ユーザは、各種のアクセス権を設定してアクセスを制御することができます。たとえば、あるユーザグループにはホスト上のプロパティの表示と変更を許可し、別のグループにはホストの確認のみを許可することが可能です。Sun Management Center のセキュリティに関する一般的な情報は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。
Sun Management Center のセキュリティ機能へは、コンソール内の属性エディタまたは CLI からアクセスすることができます。属性エディタの詳細は、第 10 章「データプロパティ属性の監視」を参照してください。CLI の詳細は、第 20 章「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。
ここでは、固有の管理機能と監視機能について説明します。これらの機能へはコンソールからアクセスできますが、一部の機能については CLI からもアクセス可能です。
Sun Management Center には検出機能が用意されています。この機能は、監視や管理の対象となる Sun Management Center のネットワークリソースを自動的に検索します。ユーザは、いくつかの値 ( IP 範囲、ホスト名、読み込まれたモジュール、オペレーティングシステム、ハードウェアタイプ、これらを組み合わせた値) に基づいて、検出条件を設定することができます。詳細は、第 4 章「検出マネージャによるトポロジデータベースへのオブジェクト追加」を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアには、表示や監視、対話を行うための Java インタフェースおよび Web インタフェースが用意されています。ユーザは、複数のコンソールウィンドウを介して、さまざまな場所にわたる複数の管理ドメインを監視することができます。Java コンソールの詳細は、第 5 章「Sun Management Center におけるオブジェクト管理」を参照してください。Web コンソールの詳細は、第 15 章「Web コンソールによるオブジェクトの管理」を参照してください。
Web コンソールは、Java コンソールで使用可能な機能のサブセットを提供します。このマニュアルで説明するほとんどの機能は Java コンソールで使用可能です。ただし、Web コンソール固有の情報については特別に明記しています。
Sun Management Center ソフトウェアには、次の表示が用意されています。
階層表示とトポロジ表示 (各管理ドメインごと)
階層表示とコンテンツ表示 (各オブジェクトごと)
ユーザは、階層表示で管理ドメインまたはホストをナビゲートして、該当オブジェクトを検索することができます。トポロジ表示とコンテンツ表示は、階層で選択されたオブジェクトのメンバーを表示します。
管理ドメインの場合、階層表示とトポロジ表示はメインコンソールウィンドウに表示されます。また、管理ドメインのトポロジ表示は、バックグラウンドを追加したり、管理ドメイン内のオブジェクトをリンクしたりして、カスタマイズすることが可能です。
オブジェクトの場合、階層表示とコンテンツ表示は「詳細」ウィンドウに表示されます。「詳細」ウィンドウは一連のタブから構成されており、指定オブジェクトのタイプによって使用可能なタブが異なります。次は、典型的なホストオブジェクトに対して表示されるタブの例です。
情報
モジュールブラウザ
アラーム
ログ表示
アプリケーション
ハードウェア
「ログ表示」、「アプリケーション」、「ハードウェア」の各タブについては、このあとの節で概要を説明します。「詳細」ウィンドウの詳細は、第 6 章「管理オブジェクトの詳細表示」を参照してください。
「ログ表示」タブは、ホストに関するメッセージ (エラーメッセージなど) を表示します。
「アプリケーション」タブは、指定したホストまたはノード上で稼働するプロセスを表示して、詳細な情報を選択するときに使用します。また、カスタムアプリケーションまたはサン以外のアプリケーションがインストール済みの場合も、該当アプリケーションで実行中のプロセスの詳細を表示することができます。表示は常時更新されます。
「ハードウェア」タブは、ホストの正面、背面、側面を写真のようにリアルに表示する物理表示機能を提供します。ユーザは、ホストのコンポーネントを個別にクリックして、コンポーネントの詳細を確認することができます。たとえば、サーバボードをクリックすると、そのボードの詳細 (CPU、メモリ、ボート温度など) を確認できます。
物理表示は、一部のハードウェアプラットフォームにのみ使用可能です。
Sun Management Center ソフトウェアは、ホストのハードウェア構成全体を表示する論理表示機能も備えています。この機能も物理表示と同様に、該当するコンポーネントを個別にクリックして詳細を表示します。
論理表示は、一部のハードウェアプラットフォームにのみ使用可能です。
トポロジのインポート機能とエクスポート機能は、トポロジデータベースを XML マークアップを使用する ASCII ファイルからインポートしたり、同ファイルにエクスポートしたりします。これらの機能を使用して、簡単に Sun Management Center サーバから他のサーバへ管理ドメインを移動したり、サーバの情報をバックアップしたりすることができます。詳細は、第 19 章「トポロジ情報のインポートとエクスポート」を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアは、数値を持つすべての監視データプロパティの二次元グラフを作成することができます。詳細は、第 9 章「データプロパティのグラフ表示」を参照してください。
「属性エディタ」ウィンドウでは、管理オブジェクトタイプを個別に選択して、単一エージェントの管理プロパティを表示することができます。Sun Management Center は、カスタマイズ表示やダッシュボードを作成するためのデータ表示機能も提供します。このカスタマイズ表示では、別々の Sun Management Center ホストに読み込まれた Sun Management Center の各種モジュールに属するプロパティを個別表示している画面を統合することができます。詳細は、第 14 章「データ表示」を参照してください。
「ジョブの管理」ウィンドウでは、トポロジオブジェクトの固定ジョブを作成することができます。この機能を使用すると、複数エージェント (グループ) でも単一エージェントと同じように簡単に管理することができます。「ジョブの管理」ウィンドウでは、ジョブに含めるオブジェクト、実行するタスク、ジョブの実行スケジュールなどを定義します。詳細は、第 13 章「グループ関連ジョブの管理」を参照してください。
MCP サポートは、個々のエージェント構成の固定スナップショットを作成するための機能です。MCP サポートとジョブの管理機能を組み合わせることにより、エージェント構成を複数のエージェントに簡単に割り当てることができます。詳細は、「構成タスクを作成する」を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアには、次の 2 つの環境が用意されています。
本稼働環境
開発者環境
本稼働環境は、ハードウェア (サブシステム、コンポーネント、周辺機器など) の管理と監視を行うアクティブな環境です。
一方、開発者環境は、Sun Management Center ソフトウェア用に開発したモジュールをテスト (デモンストレーション) するための環境です。開発者環境は、本稼働環境と似ていますが、その唯一の目的は Sun Management Center モジュールの開発にあります。
Sun Management Center 3.6 のインストールについては、『Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド』を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアのインストール後は、さまざまなウィンドウ間を移動したり機能をテストしたりする時間をとってください。これにより、Sun Management Center ソフトウェアの理解が深まり、システム監視のための効果的なカスタマイズが可能となります。
ここでは、Sun Management Center ソフトウェアの設定と使用に関して推奨される方法について、典型的なタスクの概要と実行順も含めて説明します。各タスクの手順はこのマニュアルのなかで詳しく説明していますが、実際にはユーザのビジネスニーズに応じて変化します。
次の作業手順は、ユーザが実際の監視環境を設定する前に、ソフトウェアの機能を一通り習得していることを想定しています。
Sun Management Center ソフトウェアをインストールします。ソフトウェアの構成とインストールの詳細は、『Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド』を参照してください。
Sun Management Center ソフトウェアを使用するユーザおよび権限を確認します (「アクセス制御の使用」を参照)。セキュリティの一般的な情報については、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。
Sun Management Center コンソールを起動します。コンソールは、ネットワークの管理と監視を行なうためのグラフィカルインタフェースを提供します。端末ウィンドウから Java コンソールを起動する場合は、次のコマンドを入力します。/opt/SUNWsymon/sbin/es-start - c. 詳細は、第 5 章「Sun Management Center におけるオブジェクト管理」を参照してください。Web コンソールにアクセスする場合は、Web ブラウザに該当する URL を入力します。詳細は、第 15 章「Web コンソールによるオブジェクトの管理」を参照してください。
ソフトウェアで管理と監視対象するネットワークオブジェクト群を定義します (「管理ドメインを作成する」を参照)。
Sun Management Center データベースの管理ドメインに、サーバやルーターなどのネットワークオブジェクトを追加します。ドメインに手動でオブジェクトを作成する方法については、第 3 章「手動によるトポロジデータベースへのオブジェクト追加」を参照してください。検出マネージャを使用してドメインを生成する方法については、第 4 章「検出マネージャによるトポロジデータベースへのオブジェクト追加」を参照してください。
コンソールウィンドウをよく理解して、階層表示やトポロジ表示をナビゲートしま す (第 5 章「Sun Management Center におけるオブジェクト管理」または第 15 章「Web コンソールによるオブジェクトの管理」を参照)。
管理オブジェクトの詳細を表示します (第 6 章「管理オブジェクトの詳細表示」および第 7 章「管理オブジェクト情報の表示」を参照)。特定のデータプロパティの表示方法の詳細は、第 8 章「データプロパティの監視」、第 9 章「データプロパティのグラフ表示」、および第 10 章「データプロパティ属性の監視」を参照してください。
モジュール機能を追加または削除することにより、監視機能をカスタマイズしま す (第 11 章「モジュールの管理」を参照)。製品で使用可能なモジュールについては、付録 C 「Sun Management Center ソフトウェアのモジュール」を参照してください。
アラームを生成する条件と対応する処理を定義します (第 12 章「アラームの管理」を参照)。アラームに関する定義済み規則については、付録 D 「Sun Management Center ソフトウェアの規則」を参照してください。
ユーザ定義のオブジェクトグループの管理機能と監視機能を作成します (第 13 章「グループ関連ジョブの管理」を参照)。
ご使用のハードウェア固有の情報については、補足資料を参照してください。
このマニュアルでは、Sun Management Center 3.6 製品で使用可能な基本機能および最新機能について説明します。ただし、ご使用の環境で使用可能な機能には、追加のソフトウェアモジュールや固有のハードウェア情報が含まれる場合があります。
Sun Management Center は、複数のハードウェアプラットフォームをサポートしています。サポートしているハードウェアプラットフォームの詳細は、『Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド』の「サポートされるプラットフォーム」を参照してください。
このマニュアルでは、サポートする全ハードウェアプラットフォーム共通のソフトウェア機能について説明します。プラットフォーム別の情報は、http://docs.sun.com で提供しているプラットフォーム別の補足マニュアルに記載されています。
Sun Management Center ソフトウェアでご使用のマシンを管理、監視する方法を完全に理解するために、 このマニュアルと該当するハードウェア補足情報の両方をお読みください。
Sun Management Center 環境は、いくつかの製品によって機能を強化できます。詳細については、関連マニュアルを参照してください。
『Sun Management Center 3.5 Update 2 Performance Reporting Manager User's Guide』
『Sun Management Center 3.6 System Reliability Manager ユーザーガイド』
『Sun Management Center 3.5 Service Availability Manager ユーザーガイド』
『Solaris Container Manager 3.6 インストールと管理』
ハードウェア別のマニュアルまたはプラットフォーム補足情報
製品 CD には、Sun Management Center 3.6 のマニュアルは含まれていません。http://docs.sun.com で、英文マニュアルおよびその他言語のマニュアルを入手できます。