Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド

第 6 章 エージェントのインストールと更新、および Microsoft Windows へのインストール

この章では、エージェントをインストールおよび更新する手順を説明します。

この章では、次の内容について説明します。


注意 – 注意 –

es-guiinst を使用して Sun Management Center 3.6 をインストールする前に、「インストール前のチェックリスト」 に示されている作業をすべて完了していることを確認してください。


エージェントのインストールおよび更新イメージの作成

エージェント更新イメージは、Sun Management Center エージェントコンポーネントのみインストールされたシステムでサポートされます。Sun Management Center サーバーまたはコンソール、あるいは 3 つレイヤーのすべてがインストールされたシステムでエージェント更新イメージの適用を試みても、失敗します。Sun Management Center には、エージェント更新イメージを作成するための 3 つのツールが用意されています。エージェント更新イメージを使用して、Sun Management Center エージェントを複数のシステムにインストールしたり、同時に複数のシステムの Sun Management Center エージェントを更新したりできます。スクリプトおよび GUI イメージツールユーティリティを使用して、複数システムの更新に使用可能なパッチ専用の更新イメージを作成することもできます。

es-gui-imagetool および es-imagetool では、特定の Solaris あるいは Linux オペレーティング環境とアドオンを選択できるため、es-makeagent で作成されたインストールイメージよりもサイズがかなり小さくなります。イメージツールを使用して作成したイメージを適用するには、Sun Management Center のJava コンソールにある「ジョブの管理」タスクを使用するか、agent-update.bin 実行可能ファイルを使用します。


注 –

「ジョブの管理」タスクを使用すると、対象マシン上で作業を行うことなく、それらのマシンにエージェント更新イメージを適用できます。agent-update.bin 実行可能ファイルの場合は、直接または ftp を使用して agent-update.bin を対象マシンにコピーし、そのあとでそれらマシン上で agent-update.bin を実行することによって、エージェント更新イメージを適用します。


どの種類のイメージを作成するかは、いくつかの要因に従って決定します。

Sun Management Center 3.6 は、SPARC、x86、および Linux システムにインストールできます。

次に、es-gui-imagetool または es-imagetool を使用してエージェント更新イメージとパッチ専用更新イメージを作成する方法、および es-makeagent を使用してエージェント専用イメージを作成する方法について説明します。

Procedurees-gui-imagetool でエージェント更新イメージを作成する

es-gui-imagetool では、次のいずれか 1 つを含むエージェント更新イメージを作成できます。


注 –

この手順では、Sun Management Center がデフォルトディレクトリの /opt にインストールされていると想定しています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


手順
  1. Sun Management Center 3.6 サーバーマシンに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、Sun Management Center GUI イメージツールを実行します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-gui-imagetool
    

    「ようこそ」画面が表示されます。「次へ」をクリックします。「概要」画面が表示され、指定する必要がある情報が示されます。「次へ」をクリックします。

    「更新イメージコンポーネントの選択」画面が表示されます。

  3. 更新イメージコンポーネントを選択します。

    次の 4 つの選択肢が示されます。

    • ベースエージェントパッケージ

    • アドオンエージェントパッケージ

    • ベースおよびアドオンエージェントのパッケージ

    • ベースおよびアドオンエージェントのパッチのみ


    注 –

    選択したパッケージに必要なパッチは、パッケージを選択する際に自動的に含められます。ベースエージェントのパッチとアドオンエージェントのパッチだけをインストールするには、「ベースおよびアドオンエージェントのパッチのみ」を選択します。


    作成する更新イメージの種類を選択し、「次へ」を クリックします。「インストールファイルソースディレクトリの指定」画面が表示されます。

  4. 有効な Sun Management Center 3.6 ソースディレクトリの名前を指定します。

    インストールソースのデフォルト /<DiskMountDir> /image が表示されます。

    • CD-ROM からインストールする場合は、Sun Management Center 3.6 CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

      有効なソースディレクトリを入力します。 /<DiskMountDir>/image

    • ディスク上にある Sun Management Center 3.6 インストールイメージからインストールする場合は、「参照」をクリックして Sun Management Center インストール disk1/image ディレクトリに移動するか、disk1/image ディレクトリへのパスを「ソースディレクトリ」フィールドに入力します。


      Source Directory: /net/machine/installdir/disk1/image
      

      machine にはインストールイメージを作成するマシンを指定し、installdir には Sun Management Center 3.6 disk1 CD イメージと disk2 CD イメージがあるディレクトリを指定します。インストールイメージの詳細は、「インストールソースの確認」 を参照してください。

    「次へ」をクリックします。

    • 「ベースエージェントパッケージ」または「ベースおよびアドオンエージェントのパッケージ」を選択した場合は、「宛先ディレクトリの指定」画面が表示されます。手順 5 に進みます。

    • 「アドオンエージェントパッケージ」または「ベースおよびアドオンエージェントのパッチのみ」を選択した場合は、「更新イメージ名」画面が表示されます。手順 6に進みます。

  5. Sun Management Center 3.6 インストールの対象ディレクトリを指定します。

    対象ディレクトリは、Sun Management Center 3.6 の SUNWsymon ディレクトリが存在するディレクトリです。このディレクトリが存在しない場合は、作成されます。

    • エージェントがまだインストールされていない場合は、ユーザーが指定するディレクトリに新しいエージェントがインストールされます。

    • 古いバージョンのエージェントが別のディレクトリにすでにインストールされている場合は、ユーザーが指定するディレクトリに新しいエージェントがインストールされます。

    • 同じバージョンのエージェントがすでに別のディレクトリにインストールされており、かつ、適用しようとしている更新イメージに追加のコンポーネント (アドオンなど) が含まれていると、既存のディレクトリ内にある古いエージェントが更新されます。

    次に 1 つの例を示します。

    この例では、ベースエージェントパッケージとアドオンエージェントパッケージの更新イメージを作成済みで、対象ディレクトリとして /opt を指定したと仮定します。また、次の状態にある 5 台のマシンに更新イメージを適用すると仮定します。

    • マシン A では、Sun Management Center 3.0 が /opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン B では、Sun Management Center 3.0 が /export/home/opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン C では、Sun Management Center コンポーネントはインストールされていない。

    • マシン D では、The Sun Management Center 3.5 ベースエージェントだけ /opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン E では、Sun Management Center 3.5 ベースエージェントだけ /export/home/opt/SUNWsymon にインストールされている。

    これらの 5 台のマシンに Sun Management Center 3.6 ベースエージェントパッケージとアドオンエージェントパッケージの更新イメージを適用すると、各マシンは次のように更新されます。

    • マシン A では、Sun Management Center 3.6 エージェントが再インストールされて、ディレクトリ /opt/SUNWsymon にあるバージョン3.0 のエージェントが置き換えられる。

    • マシン B では、Sun Management Center 3.6 エージェントはディレクトリ /opt/SUNWsymon にインストールされる。

    • マシン C では、Sun Management Center 3.6 エージェントは /opt/SUNWsymon ディレクトリにインストールされる。

    • マシン D では、/opt/SUNWsymon ディレクトリにあるベースエージェントが、アドオンパッケージとともに、 バージョン3.6 に更新される。

    • マシン E では、/export/home/opt/SUNWsymon ディレクトリにあるベースエージェントが、アドオンパッケージとともに、 バージョン3.6 に更新される。

    「次へ」をクリックします。「Sun Management Center 更新イメージ名」画面が表示されます。

  6. エージェント更新イメージの名前を指定します。

    更新イメージの種類を反映した更新イメージ名を指定します。たとえば、 SPARC-Base-agentsx86-Base-agentsLinux agents add-onsconfig-readers などです。

    更新イメージは、/var/opt/SUNWsymon/agentupdate/ update-image-name に作成されます。update-image-name の部分が、指定した名前になります。

    「次へ」をクリックします。「OS の選択」画面が表示されます。

  7. 対象マシンのプラットフォーム (Solaris または Linux) のバージョンを選択します。

    イメージツールは、ツールが動作しているマシンのプラットフォームのバージョンに関係なく、Sun Management Center がサポートしているすべてのバージョン用のイメージを作成できます。ここでは、プラットフォームの任意のバージョンを選択することも、すべてのバージョンを選択することもできます。


    注意 – 注意 –

    エージェント更新イメージを作成するときにプラットフォームのバージョンを指定しなかった場合、そのバージョンのプラットフォームのマシンに更新イメージを適用することはできません。


    「次へ」をクリックします。「使用可能な製品の確認」画面が表示されます。

    • 「ベースエージェントパッケージ」または「ベースおよびアドオンエージェントのパッケージ」が選択された場合、イメージツールは、指定されたイメー ジツールにあるベースレイヤーのすべてのコンポーネントが利用可能であるかどうかを確認します。

      イメージソースの確認が終了すると、「SNMP ポート割り当て」画面が表示されます。手順 11 に進みます。

    • 「アドオンエージェントパッケージ」が選択された場合は、「パッケージとパッチの更新用アドオンの選択」画面と「パッチの更新」画面が表示されます。手順 8 に進みます。

    • 「ベースおよびアドオンエージェントのパッチ」が選択された場合は、「パッチの選択」画面が表示されます。手順 9 に進みます。

  8. 「アドオン」を選択します。

    エージェント更新イメージに追加する製品を選択して、「次へ」をクリックします。

    更新イメージに含める製品としてユーザーが選択したアドオン製品の中に、設定に関する応答が必要なものがないか確認されます。手順 10 に進みます。

    • 選択されたアドオン製品のどれも、設定応答が必要ない場合は、「SNMP ポート割り当て」画面が表示されます。手順 11 に進みます。

    • 選択されたアドオン製品で、設定に関する応答が必要な製品がある場合は、「アドオンのセットアップ」画面が表示されます。

  9. パッチを選択します。

    パッチはすべてを選択することも、個別に選択することもできます。

    パッチを選択し終わったら、「次へ」をクリックします。「確認」画面が表示されます。手順 12 に進みます。

  10. アドオンの設定に関する応答を指定します。

    「次へ」をクリックして、選択したアドオン製品の設定に関する質問に答えるよう求められます。「次へ」をクリックします。

    端末ウィンドウが表示され、イメージツールは、エージェント更新で選択されたアドオン製品を順に処理します。このとき、各製品が必要とする応答の入力を求めるメッセージが表示されます。詳細は、各アドオンに付属のマニュアルを参照してください。

    応答の指定が終了すると、「SNMP ポート割り当て 」画面が表示されます。

  11. Sun Management Center エージェントの SNMP ポートを指定します。

    ほとんどの場合、SNMP デーモンに割り当てられてこのデーモンで使用されるデフォルトのポートはポート 161 です。ただし、ほかのプロセスまたはデーモンがこのポート 161 を使用していることがあります。Sun 以外からもSNMP デーモンの代替または機能強化プログラムが提供されており、システムにインストールされていることもあります。Sun Management Center エージェントはそのようなデーモンの 1 つです。また、各対象マシン上の Sun Management Center の設定時に 161 以外のポート番号も指定されている可能性があることにも注意してください。

    ポートが使用されていないかどうかを確認する方法については、「特定のポートが使用中であるかどうかを確認する」を参照してください。


    注意 – 注意 –

    ポート 161 を選択する場合は、各対象マシンでエージェントを再起動する前に各マシンでポート 161 を使用しているプロセスをすべて停止し、無効にする必要があります。各マシンで SNMP デーモンを停止、無効にしても、ポート 161 を使用する実際のプロセスが必ず停止されるわけではありません。ポート 161 を使用する実際のデーモンプロセスを確認するには、すべての /etc/rcN ファイルとすべての /etc/rcN.d ファイルを手動で調べる必要があります (N は 0 から 6 と S)。ポート 161 を使用するプロセスを定義するファイルを見つけたら、そのファイルの名前を変更してプロセスを無効にすることができます。たとえば、次のように指定します。


    /etc/rc3.d# mv S76snmpdx s76snmpdx
    

    対象マシンごとにポート 161 を使用するあらゆるデーモンを無効にする必要があります。


    • 各対象マシンでポート 161 を使用するには、「デフォルトのポート 161 を使用する」を選択して「次へ」をクリックします。「SNMP デーモン snmpdx を停止して無効にする」画面が表示されます。

    • 別のポート番号を割り当てるには、「別のポート番号を指定する」を選択します。

      「ポート ID」フィールドにポート番号を入力し、「次へ」をクリックします。

      更新プロセスは、エージェント更新イメージを対象クライアントに適用するときに、エージェントがすでにインストールされているかどうかをチェックしま す。

      • エージェントがすでにインストールおよび構成されている場合、元のポート割り当てが使用されます。たとえば、以前のエージェントがポート 2261 を使用していた場合は、新しいエージェントにもポート 2261 が割り当てられます。

      • エージェントがインストールされており、ポート 161 が使用されていない場合は、ポート 161 がエージェントに割り当てます。

      • エージェントはインストールされていないが、ポート161 が使用されている場合は、指定したポートがエージェントに割り当てられます。

    ここで、ディスク容量が十分あるかどうかが確認されます。

    • イメージを作成するだけの十分な容量がない場合にはそのことが通知され、必要な空き容量が示されます。「取消し」をクリックして更新イメージツールを終了します。更新イメージを作成するには、表示されたサイズ分の空き容量をあらかじめ増やしておく必要があります。

    • ディスク容量が十分な場合は、「確認」画面が表示されます。

  12. 更新イメージに関する選択内容を確認します。

    エージェント更新イメージに含める対象として選択されたコンポーネントの一覧が表示されます。

    • この一覧の内容が正しくない場合は、「戻る」を繰り返しクリックして「パッケージとパッチの更新用アドオンの選択」画面または「更新イメージコンポーネントの選択」画面に戻ってください。目的の画面が表示されたところで、更新イメージに追加する製品を選択し、新しい選択内容を確認します。

    • 一覧の内容に間違いがなければ、「次へ」をクリックします。

      イメージツールは、手順 6で指定されたファイル名を使用して、エージェント更新イメージをディレクトリ /var/opt/SUNWsymon/agentupdate に作成します。

    更新イメージの作成が終わると、そのことを知らせるメッセージが表示されます。「閉じる」をクリックしてシステムプロンプトへ戻ります。

    更新イメージの作成状態は、ログファイル /var/opt/SUNWsymon/install/es-gui-imagetool_ host-name.date-and-time-string. process-idを調べることによって確認できます。

    • host-name は、更新イメージの作成に使用した Sun Management Center 3.6 サーバーの名前です。

    • date-and-time-string は、イメージが作成された年、日付、および時刻です。

    • process-id は、エージェント更新イメージを作成したイメージツールセッションのプロセスID です。

  13. エージェント更新イメージを適用します

    この時点で、対象マシンにエージェント更新イメージを適用できます。

Procedure es-imagetool でエージェント更新イメージを作成する

es-imagetool では、次のいずれか 1 つを含むエージェント更新イメージを作成できます。


注 –

この手順では、Sun Management Center がデフォルトディレクトリの /opt にインストールされていると想定しています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


手順
  1. Sun Management Center 3.6 サーバーマシンに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、Sun Management Center コマンド行イメージツールを実行します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-imagetool
    
  3. 更新するコンポーネントを選択します。

    更新イメージに追加するコンポーネントを選択するように求めるメッセージが表示されます。例を示します。


    Select the components you want to add to the update-image.
    
    Do you want to upgrade components of Base Agent? [y|n|q] y
    Do you want to install/upgrade components of Addons? [y|n|q] y
    

    y と入力して更新イメージにコンポーネントを追加するか、あるいは n と入力して更新イメージからコンポーネントを除外します。

    有効なソースディレクトリを指定するように求めるメッセージが表示されます。

  4. 有効な Sun Management Center 3.6 ソースディレクトリの名前を指定します。

    • CD からインストールする場合は、Sun Management Center 3.6 インストール CD 1 のイメージディレクトリのパスを入力します。次に例を示します。


      Enter a valid source directory: /<DiskMountDir>/image
      
    • ディスク上の Sun Management Center 3.6 インストールイメージからインストールする場合は、イメージディレクトリ disk1/image のパスを入力します。次に例を示します。


      Enter a valid source directory: /net/machine/installdir/disk1/image
      

      machine にはインストールイメージを作成するマシンを指定し、installdir には Sun Management Center 3.6 disk1 CD イメージと disk2 CD イメージが入ったディレクトリを指定します。インストールイメージの詳細は、「インストールソースの確認」 を参照してください。

      • プロンプト「ベースエージェントのコンポーネントをアップグレードしますか」に y と答えると、インストール対象ディレクトリの指定を求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進みます。

      • プロンプト「ベースエージェントのコンポーネントをインストールまたは アップグレードしますか」に n と答え、プロンプト「アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレードしますか」に y と答えると、インストール対象ディレクトリの指定を求めるメッセージが表示されます。手順 6 に進みます。

  5. Sun Management Center 3.6 インストールの対象ディレクトリの名前を指定します。

    対象ディレクトリは、Sun Management Center 3.6 の SUNWsymon ディレクトリが存在するディレクトリです。このディレクトリが存在しない場合は、作成されます。

    • エージェントがまだインストールされていない場合は、ユーザーが指定するディレクトリに新しいエージェントがインストールされます。

    • 古いバージョンのエージェントがすでに別のディレクトリにインストールされている場合は、ユーザーが指定するディレクトリに新しいエージェントがインストールされます。

    • 別のディレクトリにすでに同じバージョンのエージェントがインストールされている場合で、適用しようとしているアップデートに新しいソフトウェアが含まれるときは、既存のディレクトリ内でエージェントが更新されます。

    次に 1 つの例を示します。

    この例では、ベースエージェントパッケージとアドオンエージェントパッケージの更新イメージを作成済みで、対象ディレクトリとして /opt を指定したと仮定します。また、次の状態にある 5 台のマシンに更新イメージを適用すると仮定します。

    • マシン A では、Sun Management Center 3.0 が /opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン B では、Sun Management Center 3.0 が /export/home/opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン C では、Sun Management Center コンポーネントはインストールされていない。

    • マシン D では、The Sun Management Center 3.5 ベースエージェントだけ /opt/SUNWsymon にインストールされている。

    • マシン E では、Sun Management Center 3.5 ベースエージェントだけ /export/home/opt/SUNWsymon にインストールされている。

    これらの 5 台のマシンに Sun Management Center 3.6 ベースエージェントパッケージとアドオンエージェントパッケージの更新イメージを適用すると、各マシンは次のように更新されます。

    • マシン A では、Sun Management Center 3.6 エージェントが再インストールされて、ディレクトリ /opt/SUNWsymon にあるバージョン 3.0 のエージェントが置き換えられる。

    • マシン B では、Sun Management Center 3.6 エージェントはディレクトリ /opt/SUNWsymon にインストールされる。

    • マシン C では、Sun Management Center 3.6 エージェントは /opt/SUNWsymon ディレクトリにインストールされる。

    • マシン D では、/opt/SUNWsymon ディレクトリにあるベースエージェントが、アドオンパッケージとともに、 バージョン 3.6 に更新される。

    • マシン E では、/export/home/opt/SUNWsymon ディレクトリにあるベースエージェントが、アドオンパッケージとともに、 バージョン 3.6 に更新される。

    エージェント更新イメージの名前を指定するように求めるメッセージが表示されます。

  6. エージェント更新イメージの名前を指定します。

    エージェント更新イメージの名前に、その種類を反映した名前を指定して (たとえば、Ultra60agent、SPARC-baseagent、x86–baseagent、Linux agent など) を指定して、Return キーを押します。

    更新イメージは、 /var/opt/SUNWsymon/agentupdate/update-image-name に作成されます。update-image-name の部分が、指定した名前になります。

    対象マシンのプラットフォーム (Solaris または Linux) のバージョンを選択します。

    イメージツールは、ツールが動作しているマシンのプラットフォームのバージョンに関係なく、Sun Management Center がサポートしているすべてのバージョン用のイメージを作成できます。ここでは、Solaris の任意のバージョンを選択することも、すべてのバージョンを選択することもできます。

  7. 対象マシンが使用しているプラットフォームのバージョンを選択します。

    サポートされているバージョンが表示され、すべてのバージョンを選択するか問い合わせがあります。

    • 対象マシンにすべての Solaris および Linux バージョンが含まれる場合は、y と答えます。

      使用できるアドオン製品がチェックされます。手順 8 に進みます。

    • 対象マシンに含まれないバージョンがある場合は、n と答えます。

      Solaris および Linux の各バージョンが表示され、そのバージョンのイメージを作成するか問い合わせがあります。対象マシンに応じて、y または n と答えます。次に例を示します。


      Do you want to select ALL OS versions ? [y|n|q] n
      
      Do you want to create images for sparc-sun-Solaris_2.6 ? [y|n|q] n
      Do you want to create images for sparc-sun-Solaris_7 ?   [y|n|q] n
      Do you want to create images for sparc-sun-Solaris_8 ?   [y|n|q] y
      Do you want to create images for sparc-sun-Solaris_9 ?   [y|n|q] n
      Do you want to create images for sparc-sun-Solaris_10 ?  [y|n|q] y
      Do you want to create images for i386-sun-Solaris_9 ?    [y|n|q] n
      Do you want to create images for i386-sun-Solaris_10 ?   [y|n|q] y
      Do you want to create images for i686-sun-Linux_2.4 ?    [y|n|q] y
      Do you want to create images for i686-sun-Linux_2.6 ?    [y|n|q] n
      

      注意 – 注意 –

      エージェント更新イメージを作成するときに Solaris のバージョンを指定しなかった場合、そのバージョンの Solaris のマシンに更新イメージを適用することはできません。


    • 手順 3 で「ベースエージェントのコンポーネントをアップグレード」だけを選 択した場合は、手順 9 に進みます。

    • 手順 3 で「アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレード」を選択した場合は、アドオン製品がチェックされ、エージェントを更新できる製品の一覧が表示されます。手順 8 に進みます。

  8. 更新するエージェントアドオン製品を選択します。

    使用できるアドオン製品が示され、そのアドオン製品ごとに、インストールするかどうか問い合わせがあります。y と答えて更新イメージにアドオンソフトウェアを追加するか、あるいは n と答えてイメージからアドオンソフトウェアを除外します。

    アップグレードするアドオン製品の選択が完了したところで、Sun Management Center エージェントポートを指定するように求めるメッセージが表示されます。

  9. Sun Management Center エージェントのポートを指定します。

    ほとんどの場合、SNMP デーモンに割り当てられてこのデーモンで使用されるデフォルトのポートはポート 161 です。ただし、他のプロセスまたはデーモンがこのポート 161 を使用していることがあります。Sun 以外からも SNMP デーモンの代替または機能強化プログラムが提供されており、システムにインストールされていることもあります。Sun Management Center エージェントはそのようなデーモンの 1 つです。各対象マシンで Sun Management Center が設定された時に別のポート番号が指定された可能性もあります。


    注意 – 注意 –

    ポート 161 を選択する場合は、各対象マシンでエージェントを再起動する前に各マシンでポート 161 を使用しているプロセスをすべて停止し、無効にする必要があります。各マシンで SNMP デーモンを停止、無効にしても、ポート 161 を使用する実際のプロセスが必ず停止されるわけではありません。ポート 161 を使用する実際のデーモンプロセスを確認するには、すべての /etc/rc N ファイルとすべての /etc/rcN.d ファイルを手動で調べる必要があります (N は 0 から 6 と S)。ポート161 を使用するプロセスを定義するファイルを見つけたら、そのファイルの名前を変更してプロセスを無効にすることができます。たとえば、次のように指定します。


    /etc/rc3.d# mv S76snmpdx s76snmpdx
    

    対象マシンごとにポート 161 を使用するデーモンを無効にする必要があります。


    Return キーを押して各対象マシンでポート 161 を使用するように指定するか 、あるいは別のポート番号を入力します。

    • 手順 3 で「ベースエージェントのコンポーネントをアップグレード」だけを選択した場合は、十分なディスク容量があるかどうかがチェックされます。十分な容量がある場合は、エージェント更新イメージが作成されます。

      イメージを作成するだけの十分な容量がない場合にはそのことが通知され、必要な空き容量が示されます。イメージツールが終了します。更新イメージを作成するには、表示されたサイズ分の空き容量をあらかじめ増やしておく必要があります。

    • 手順 3 で「アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレード」 を選択していた場合は、ユーザーがエージェント更新イメージ向けに選択したアドオン製品の中に、設定に関する応答が必要なものがあるかどうかがチェックされ ます。

      選択されている製品の中に設定に関する応答を必要とするものがある場合、イメージツールプロセスは更新対象のアドオン製品を順に処理します。このとき、各製品が必要とする応答を入力するよう求められます。詳細は、各アドオンに付属のマニュアルを参照してください。

      アドオン製品の設定に関する応答の指定が終了すると、ディスク容量がチェックされます。十分な容量がある場合は、エージェント更新イメージが作成されます。

      イメージを作成するだけの十分な容量がない場合にはそのことが通知され、必要な空き容量が示されます。イメージツールが終了します。更新イメージを作成するには、表示されたサイズ分の空き容量をあらかじめ増やしておく必要があります。

    更新イメージ作成が作成されると、そのことを知らせるメッセージが表示されます。更新イメージの作成状態は、ログファイル /var/opt/SUNWsymon/install/es-imagetool_ host-name.date-and-time-string. process-id を調べることによって確認できます。

    • host-name は、更新イメージの作成に使用した Sun Management Center 3.6 サーバーの名前です。

    • date-and-time-string は、イメージが作成された年、日付、および時刻です。

    • process-id は、エージェント更新イメージを作成したイメージツールセッションのプロセスID です。

    この時点で、対象マシンにイメージを適用できます。

Procedureイメージツールでパッチ専用イメージを作成する

Sun Management Center に固有のパッチは、http://www.sun.com/sunmanagementcenter にある Sun Management Center の Web サイトで定期的にリリースされます。Sun Management Center では、パッチ専用イメージを作成して、複数のエージェントマシンに適用できます。

手順
  1. Sun Management Center 3.6 サーバーマシンに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. ダウンロードする Sun Management Center パッチを格納するディレクトリを作成します。

    作成したディレクトリに移動します。パッチをダウンロードする Solaris オペレーティング環境のバージョンごとにディレクトリを作成します。

    たとえば、/sunmcpatches というディレクトリを作成していて、サポートされている Solaris のバージョンごとにパッチ専用更新イメージを作成すると仮定します。この場合は、次のようにしてディレクトリを作成します。


    # mkdir /sunmcpatches
    # cd /sunmcpatches
    /sunmcpatches # mkdir Solaris_2.6 Solaris_7 Solaris_8 Solaris_9
    

    各ディレクトリは、示された名前を使用して作成する必要があります。

  3. ダウンロード用に提供されている Sun Management Center パッチを確認します。

    ブラウザを開いて、http://www.sun.com/sunmanagementcenter に移動します。「Patches and Support」リンクをクリックします。

    ページ下部に表示される利用可能なパッチのリストを調べます。パッチ番号を参照できるように、このページを印刷しておきます。

  4. SunSolve にログインします。

    「ログイン」ボタンをクリックすると、ログイン画面が表示されます。この画面に SunSolve の ID およびパスワードを入力します。

    SunSolve のID を持っていない場合は、「Register」ボタンをクリックして、SunSolve の ID を取得してください。

  5. Solaris の各バージョンのパッチをダウンロードします。

    Solaris の各バージョンに対応するパッチ番号をクリックします。

    「SunSolve Online」 Web ページが表示されます。

    1. ダウンロードするパッチ番号を入力して、「Find Patch 」をクリックします。

      パッチの説明が表示されます。

      サポートされている Solaris のバージョンをメモします。1 つのパッチを複数のバージョンの Solaris に適用する場合は、Solaris のバージョンごとにパッチをダウンロードする必要があります。

    2. 「HTTP」または「FTP」のどちらかのダウンロードリンクをクリックして、パッチをダウンロードします。

      「Save As」画面が表示されます。

      手順 2 で作成した、該当する Solaris のバージョンごとの ディレクトリにパッチを保存します。

      たとえば、パッチが 111222-33 が Solaris 8 および Solaris 9 に適用可能で、ルートディレクトリ sunmcpatches Solaris_8 および Solaris_9 サブディレクトリを作成していたと仮定します。この場合は、 /sunmcpatches/Solaris_8/sunmcpatches/Solaris_9 の両方にパッチをダウンロードします。

    複数のパッチをダウンロードする場合は、「Back」をクリックして、「SunSolve Online」Web ページに戻ります。上記の 2 つの手順を繰り返して、選択した各パッチをダウンロードします。

    パッチのダウンロードが完了したら、次の手順に進みます。

  6. パッチファイルを展開します。

    パッチファイルをダウンロードした各ディレクトリに移動して、ファイルを展開します。

    たとえば、パッチ 111222.33 とパッチ 111222.34 をディレクトリ /sunmcpatches/Solaris_8 にダウンロード済みで、パッチ 111222.33 用のパッチファイルが 111222.33.tar.Z、パッチ 111222.34 用のパッチファイルが 111222.34.zip であると仮定します。 この場合、次のようにしてパッチファイルを展開します。


    /sunmcpatches # cd Solaris_8
    /sunmcpatches/Solaris_8 # ls
    111222-33.tar.Z        111222-34.zip
    /sunmcpatches/Solaris_8 # zcat 111222-33.tar.Z | tar xvf -
    x 111222-33, 0 bytes, 0 tape blocks
    x 111222-33/installpatch, 119239 bytes, 233 tape blocks
       .
       .
       .
    x 111222-33/README.111222-33, 136444 bytes, 267 tape blocks
    /sunmcpatches/Solaris_8 # unzip 111222-34.zip
    Archive: 111222-34.zip
       creating: 111222-34/
    ..inflating: 111222-34/prepatch
       .
       .
       .
      inflating: 111222-34/README.111222-34
    /sunmcpatches/Solaris_8 # ls -p
    111222-33/     111222-33.tar.Z.....111222-34/     111222-34.zip

    パッチ専用イメージは、グラフィカルツールの es-gui-imagetool (手順 8 を参照)、またはコマンド行ツールの es-imagetool (手順 9 を参照) のどちらでも作成できます。

  7. ダウンロードしたパッチファイルを別のディレクトリに移動します。

    ダウンロードした、圧縮形式のパッチファイルは、必要に応じて、別のディレクトリに移動するか、削除します。

  8. es-gui-imagetool を使用して、パッチ専用イメージを作成します。


    注 –

    この手順は、Sun Management Center サーバーがデフォルトのディレクトリ /opt にインストールされていることを前提にしています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


    1. /opt/SUNWsymon/sbin/es-gui-imagetool コマンドを入力します。

      「ようこそ」 画面が表示されます。「次へ」をクリックします。「概要」画面が表示されます。「次へ」をクリックします。

      「更新イメージコンポーネントの選択」画面が表示されます。

    2. 「ベースおよびアドオンエージェントのパッチのみ」を選択します。

      「次へ」をクリックします。

      「インストールファイルソースディレクトリの指定」画面が示されます。

    3. パッチファイルのソースディレクトリを指定します。

      手順 2 で作成したパッチディレクトリの名前を入力するか、「参照」をクリックして、ディレクトリに移動して選択します。

      「次へ」をクリックします。「更新イメージ名」画面が表示されます。

    4. パッチ専用イメージの名前を指定します。

      パッチ専用イメージの名前には、更新イメージの種類を反映した名前 (base-and-addon-patches など) を指定します。

      イメージは、/var/opt/SUNWsymon/agentupdate/ update-image-name に作成されます。 update-image-name の部分が、指定した名前になります。

      「次へ」をクリックします。「OS の選択」画面が表示されます。

    5. 対象マシンが使用している Solaris バージョンを選択します。

      イメージツールは、ツールが動作しているマシンの Solaris のバージョンに関係なく、Sun Management Center がサポートしているすべてのバージョン用のイメージを作成できます。ここでは、Solaris の任意のバージョンを選択することも、すべてのバージョンを選択することもできます。


      注意 – 注意 –

      パッチ専用イメージを作成するときに Solaris のバージョンを指定しなかった場合、そのバージョンの Solaris マシンにパッチを適用することはできません。


      「次へ」をクリックします。「パッチの確認」画面が表示されます。利用できるパッチのチェックが完了すると、「パッチの選択」画面が表示されます。

    6. パッチ専用更新イメージに追加するパッチを選択します。

      パッチはすべてを選択することも、個別に選択することもできます。

      パッチを選択し終わったら、「次へ」をクリックします。イメージツールによって、ディスク容量がチェックされます。

      • イメージを作成するだけの十分な容量がない場合にはそのことが通知され、必要な空き容量が示されます。「取消し」をクリックして、イメージツールを終了します。パッチ専用イメージを作成するには、表示されたサイズ分の空き容量をあらかじめ増やしておく必要があります。

      • ディスク容量が十分な場合は、「確認」画面が表示されます。

    7. 「更新イメージ作成のために選択したパッチ」の確認を行います。

      パッチ専用イメージ用に選択されたパッチとSolaris のバージョンの一覧が表示されます。

      • 一覧の内容が正しくない場合は、「戻る」を2 回クリックしてSolaris のバージョン選択画面に戻るか、「戻る」を1 回クリックして「パッチの選択」画面に戻ります。パッチ専用イメージに追加するパッチと Solaris のバージョンを選択して、選択内容を確認します。

      • 一覧の内容に間違いがなければ、「次へ」をクリックします。

        イメージツールは、手順 d で指定されたファイル名を使用し、/var/opt/SUNWsymon/agentupdate ディレクトリにパッチ専用イメージを作成します。

      更新イメージの作成が終わると、そのことを知らせるメッセージが表示されます。「閉じる」をクリックしてシステムプロンプトへ戻ってください。

      更新イメージの作成状態は、ログファイル /var/opt/SUNWsymon/install/es-gui-imagetool_ host-name.date-and-time-string. process-idを調べることによって確認できます。

      • host-name は、更新イメージの作成に使用した Sun Management Center 3.6 サーバーの名前です。

      • date-and-time-string は、イメージが作成された年、日付、および時刻です。

      • process-id は、エージェント更新イメージを作成したイメージツールセッションのプロセスID です。

    8. パッチ専用イメージを適用します。

      この時点で、対象マシンにイメージを適用できます。

  9. es-imagetool を使用して、パッチ専用イメージを作成します。


    注 –

    この手順は、Sun Management Center サーバーがデフォルトのディレクトリ /opt にインストールされていることを前提にしています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


    1. /opt/SUNWsymon/sbin/es-imagetool コマンドを入力します。

      ベースエージェントのコンポーネントをアップグレードするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。n を入力して、Return キーを押します。

      アドオンのコンポーネントをインストールまたはアップグレードするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。n を入力して、Return キーを押します。

      パッチをインストールするかどうか問い合わせるメッセージが表示されます。 y を入力して、Return キーを押します。

      パッチ専用のソースディレクトリの入力が求められます。

    2. パッチファイルのソースディレクトリを指定します。

      手順 2 で作成したパッチディレクトリの名前を入力して、Return キーを押します。

      パッチ専用イメージの名前を指定するよう求められます。

    3. パッチ専用イメージの名前を指定します。

      パッチ専用イメージの名前には、更新イメージの種類を反映した名前 (base-and-addon-patches など) を指定します。

      イメージは、/var/opt/SUNWsymon/agentupdate/ update-image-name に作成されます。 update-image-name の部分が、指定した名前になります。

      Return キーを押します。サポートされているSolaris のバージョンの一覧が表示されます。

    4. 対象マシンが使用している Solaris バージョンを選択します。

      イメージツールは、ツールが動作しているマシンの Solaris のバージョンに関係なく、Sun Management Center がサポートしているすべてのバージョン用のイメージを作成できます。ここでは、Solaris の任意のバージョンを選択することも、すべてのバージョンを選択することもできます。


      注意 – 注意 –

      パッチ専用イメージを作成するときに Solaris のバージョンを指定しなかった場合、そのバージョンの Solaris マシンにパッチを適用することはできません。


      • すべての Solaris バージョンを選択する場合は、y を入力します。

      • 特定の Solaris バージョンだけ選択する場合は、n を入力します。

        Solaris のバージョンごとに、選択するかどうかを確認するメッセージが表示されます。表示された Solaris のバージョンを選択する場合は y 、除外する場合は n を入力します。

      Return キーを押します。選択されたSolaris のバージョンに利用できるパッチの一覧が表示されます。

    5. パッチ専用更新イメージに追加するパッチを選択します。

      そのパッチごとに、選択を求めるメッセージが表示されます。

      パッチ専用イメージにパッチを追加する場合は y、除外する場合は n を入力します。

      パッチの選択が終了したら、Return キーを押します。イメージツールによって、ディスク容量がチェックされます。

      • イメージを作成するだけの十分な容量がない場合にはそのことが通知され、必要な空き容量が示されます。イメージツールを終了するには、q を入力します。パッチ専用イメージを作成するには、表示されたサイズ分の空き容量をあらかじめ増やしておく必要があります。

      • 十分な空きディスク容量がある場合、パッチ専用イメージは、手順 c で指定されたファイル名を使用して、/var/opt/SUNWsymon/agentupdate ディレクトリに作成されます。

      更新イメージの作成状態は、ログファイル /var/opt/SUNWsymon/install/es-imagetool_host-name .date-and-time-string.process-id を調べることによって確認できます。

      • host-name は、更新イメージの作成に使用した Sun Management Center 3.6 サーバーの名前です。

      • date-and-time-string は、イメージが作成された年、日付、および時刻です。

      • process-id は、エージェント更新イメージを作成したイメージツールセッションのプロセス ID です。

    6. パッチ専用イメージを適用します。

      この時点で、対象マシンにイメージを適用できます。

Procedurees-makeagent でエージェント専用インストールイメージを作成する


注 –

この手順は、Sun Management Center サーバーがデフォルトのディレクトリ /opt にインストールされていることを前提にしています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


手順
  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. Sun Management Center 3.6 CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

  3. /opt/SUNWsymon/sbin/es-makeagent コマンドを入力します。

    インストール用のソースファイルのディレクトリを入力するように求められます。

  4. ソースディレクトリを入力します。


    (SPARC) /<DiskMountDir>/image/SunOS/sparc

    (x86) /<DiskMountDir>/image/SunOS/i386

    (Linux) /<DiskMountDir>/image/Linux

    エージェント専用インストールイメージを作成する対象ディレクトリを指定するように求められます。

  5. 対象ディレクトリの名前を入力します。

    このディレクトリが存在しない場合、作成するかどうか問い合わせがあります。y を入力すると、ディレクトリが作成され、 n または q を入力すると、終了してシステムプロンプトが表示されます。

    ここで指定するディレクトリには、スーパーユーザーの書き込み権が必要です。

    次に例を示します。


    # enter the target directory: /es-makeagent-image
    Directory /es-makeagent-image does not exist
    Do you want to create it (y|n|q) y
    

    es-makeagent スクリプトは、ここで指定したディレクトリの下にサブディレクトリ disk1disk2 を作成して、必要なファイルをコピーします。

    Sun Management Center 3.6 installation CD 1 of 2 からのファイルのコピーが完了すると、その CD がドライブから排出され、Sun Management Center 3.6 installation CD 2 of 2 を挿入するか、disk2 のソースディレクトリを指定するよう求められます。

    1. Sun Management Center installation CD 1 of 2 を取り出します。

      Sun Management Center CD 2 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

    2. CD-ROM ドライブの LED が消えたら、Return キーを押します。

      es-makeagent は残りのファイルを CD からコピーします。

      指定したディレクトリからエージェント専用インストールイメージを利用できることが通知されます。同時に、このエージェントをローカルマシンにインストールするためのコマンドも表示されます。


    ヒント –

    対象ディレクトリを NFS マウントして、ネットワーク上のマシンからアクセスできるようにします。「CD イメージを作成する」手順 12 を参照してください。


  6. eject コマンドを入力して、CD を取り出します。

    これで、次のどの方法を使用しても、Sun Management Center 3.6 エージェントをインストールできます。


    注 –

    エージェント専用インストールイメージには tar ファイルも含まれているため、このファイルを ftp でほかのエージェントマシンに転送し、各エージェントマシン上で展開しても、インストールイメージを作成できます。展開したインストールイメージのディレクトリには、サブディレクトリdisk1disk2 が含まれます。各エージェントマシン上で展開したイメージから (エージェントを) インストールするには、disk1/sbin ディレクトリに移動して、es-inst コマンドを使用します。 es-inst による Sun Management Center のインストール」を参照してください。


エージェント専用インストールイメージ、エージェント更新イメージ、およびパッチ専用イメージの適用

次の手順では、「ジョブの管理」タスクと agent-update.bin 実行可能ファイルを使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールまたは更新する方法を説明します。また、es-inst -a コマンドを使用してエージェント専用インストールイメージをインストールする方法についても説明します。


注 –

JumpStart ソフトウェアを使用して Solaris オペレーティング環境とエージェントをインストールする方法については、「JumpStart によるエージェントのインストール」を参照してください。


Procedure「ジョブの管理」タスクを使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールする

Sun Management Center 3.0 エージェントをアップグレードする場合は、agent-update.bin 実行可能ファイルを使用してエージェント更新イメージを適用します (agent-update-bin を使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールまたは更新する」 を参照)。「ジョブの管理」タスクは、既存の Sun Management Center 3.6 エージェントをアップグレードする際に使用します。

手順
  1. 次のどちらかのイメージツールを使用して、エージェント更新イメージを作成します。

  2. Sun Management Center コンソールを起動し、正当な権限を持つ Sun Management Center ユーザーとしてコンソールにログインします。

    「Solaris プラットフォームでコンソールを起動する方法」を参照してください。

  3. 「ツール」-> 「ジョブの管理」を選択します。

    「ジョブの管理」ウィンドウが表示されます。

    「ジョブの管理」ウィンドウを使用すると、複数のホストにエージェントを同時に伝播できます。「ジョブの管理」機能の詳細は、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』を参照してください。

  4. マルチエージェントアップグレードタスクを作成します。


    注 –

    対象ホストに Sun Management Center エージェントがインストールされていて、動作していることを確認します。


    1. アップグレードの対象ホストを選択し、続いてグループを作成します。

    2. タスクの種類として「エージェント更新」を選択します。

      アップグレード操作の対象となる適切なイメージ名を選択します。この名前は、es-imagetool または es-gui-imagetool を使用して作成したイメージの名前にする必要があります。

      詳細は、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』「エージェント更新タスクを作成する」を参照してください。

    「ジョブの管理」ウィンドウには、ジョブの状態として、ジョブ全体の成功または失敗だけが表示されます。このため、エージェントのアップグレードが 1 つでも失敗すると、グループ内の残りのエージェントのアップグレードがすべて成功しても、「失敗」と表示されます。ジョブ一覧の横にある「ログの表示」をクリックすると、個々のアップグレードの状態をチェックできます。

    ジョブの進行中にアップグレードの途中の状態を表示するには、「ログ表示」タブをクリックして、「InstallServer.log」をクリックします。

Procedureagent-update-bin を使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールまたは更新する

次に示すように、対象マシンの /tmp ディレクトリのディスク容量要件は、更新イメージの内 容によって異なります。

seed-file を使用して、セキュリティシードおよび SNMP コミュニティ文字列を自動的に指定する場合、seed-file は次の形式である必要があります。


ES_SECURITY_SEED=<seed> 
ES_SNMPV1_STRING=<string>

seed および string は、Sun Management Center サーバーをインストールしたときに実際に指定されたシードとコミュニティ文字列です。ES_SNMPV1_STRING の値を省略した場合は、デフォルトの SNMP 値が使用されます。この場合、ファイルは次のようになります。


ES_SECURITY_SEED=<seed>
ES_SNMPV1_STRING=<string>
手順
  1. Sun Management Center サーバーマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のどちらかのイメージツールを使用して、エージェント更新イメージを作成します。

  3. Sun Management Center サーバーから各対象マシンのルートディレクトリに、該当する agent-update.bin をダウンロードします。

    • (SPARC の場合) /opt/SUNWsymon/base/bin/sparc-sun-solaris/agent-update.bin

    • (x86 の場合) /opt/SUNWsymon/base/bin/i386-sun-solaris/agent-update.bin

    • (Linux の 場合) /opt/SUNWsymon/base/bin/i686-sun-Linux/agent-update.bin

    Sun Management Center を /opt 以外のディレクトリにインストールした場合は、上記のパス中の /opt の部分を installdir で置き換えます。installdir は、上記で指定したディレクトリです。この手順は対象マシンごとに行う必要があります。

    agent-update.bin を各対象マシンにダウンロードし終ったら、対象マシンごとにログインして、次の 4 つの手順を繰り返す必要があります。

  4. 対象マシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  5. ダウンロードした agent-update.bin が存在するディレクトリに移動します。

  6. 次のコマンドを入力します。


    ./agent-update.bin -s server -r http-port -p image-name [-f seed-file]

    各パラメータの意味は次のとおりです。

    • server は、手順 1 でログインしたサーバーです。

    • http-port は、Sun Management Center Web サーバーのポートです。

    • image-name は、手順 2 で作成したエージェント専用イメージの名前です。

    • seed-file は、セキュリティシードと SNMP 文字列を含むファイルです。このオプションを利用することによって、コマンドの実行後にエージェントのインストールが自動的に行われるようにすることができます。seed-file はスーパーユーザーの所有で、セキュリティ対策として、スーパーユーザーにのみ読み取り/書き込みアクセスが許可されている必要があります。ファイルがこれらの要件を満たしていない場合、スクリプトは終了します。

    たとえば Sun Management Center サーバー名が Production1 で、Web サーバーポートが 8080、エージェント更新イメージの名前が sparc-baseagent であると仮定します。この場合は、次のように入力します。


    # ./agent-update.bin -s Production1 -r 8080 -p sparc-baseagent
    
  7. セキュリティシードと SNMPv1 コミュニティ文字列を指定します。

    エージェント更新プロセスによって、セキュリティシードと SNMPv1 コミュニティ文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。

    • このセキュリティシードは、Sun Management Center のサーバーとエージェントを設定するときに指定したものと同じである必要があります。

      「Sun Management Center の設定」手順 b で指定したセキュリティシードとパスワードを入力します。パスワードを再入力して、確認します。

    • この SNMPv1 コミュニティ文字列は、Sun Management Center のサーバーとエージェントを設定するときに指定したものと同じである必要があります。

      独自のコミュニティ文字列を指定していた場合、必ず、「Sun Management Center の設定」手順 c で指定した文字列と同じ文字列を入力してください。デフォルトコミュニティ文字列の public を使用した場合は、Return キーを押します。

    以上で情報の入力が終了し、マシンに対して更新が適用されます。

    更新プロセスが完了したら、対象マシンの /var/opt/SUNWsymon/log/agent-update.log ファイルを調べて、更新の状態をチェックします。

Procedurees-inst -a を使用して、エージェント専用インストールイメージからエージェントをインストールする

手順
  1. エージェント専用のインストールイメージを作成します (es-makeagent でエージェント専用インストールイメージを作成する」を参照)。

  2. エージェントをインストールするマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  3. エージェント専用インストールイメージがある disk1/sbin ディレクトリに移動します。

    たとえば、 appserver というマシンのディレクトリ /export/agentsource にエージェント専用インストールイメージを作成した場合は、次のように入力します。


    # cd /net/appserver/export/agentsource/disk1/sbin
    
  4. ./es-inst -a コマンドを入力して、Sun Management Center エージェントをインストールします。

    対象ディレクトリの指定を求めるメッセージが表示されます。

  5. Sun Management Center をインストールするディレクトリの名前を指定します。

    デフォルトの場所は /opt です。

    Sun Management Center ソフトウェアは、必要となる最小のディスク容量が確保できれば、システム上の任意の位置にインストールできます。デフォルトの場所の /opt を使用する場合は、Return キーを押します。/opt 以外のディレクトリにインストールする場合は、そのディレクトリ名を入力します。


    ヒント –

    マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量は、コマンド df -ak で表示できます。


    使用可能なアドオンの有無がチェックされます。

  6. Sun Management Center アドオン製品を選択します。

    各アドオン製品の名前が表示され、その製品をインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。


    注 –

    インストールされるのは、選択されたアドオンのエージェントコンポーネントだけです。


    製品をインストールする場合は y、インストールしない場合は n を入力します。

    アドオン製品を 1 つも選択しなかった場合は、継続するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。y と入力してスクリプトの実行を継続します。ディスク容量がチェックされます。手順 8 に進みます。

    アドオンが選択された場合は、その選択内容が表示されます。

  7. 選択内容を確認します。

    継続する場合は y、選択をし直す場合は n を入力します。

    ディスク容量がチェックされます。

  8. ディスク容量を確認します。

    インストールプロセスは、選択されたアドオンのエージェントとエージェントコンポーネントをインストールするのに十分なディスク容量があるかどうかをチェックします。

    • 十分な容量がある場合、エージェントがインストールされ、設定を実行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 10 に進みます。

    • ディスク容量が十分でない場合は、代わりとなるファイルシステムを指定するように求められます。空き容量と、必要となる容量が表示されます。

  9. 十分なディスク容量のある別のファイルシステムの名前を指定します。

    別のファイルシステムの入力を求めるプロンプトで、空き領域を十分に確保できるファイルシステムとディレクトリの名前を入力します。


    ヒント –

    マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量を表示するには、Sun Management Center をインストールするマシンの端末ウィンドウで、df -ak と入力します。


    ディスク容量がもう一度チェックされます。十分な容量がある場合は、エージェントがインストールされ、設定を実行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  10. エージェントを設定するかどうかを決定します。

    選択した Sun Management Center エージェントとそのアドオン製品の設定に進む場合は、 y を入力します。この場合は、「Sun Management Center を設定する」の手順に従ってください。

    あとで設定を実行することを選択した場合、そのマシンのエージェントは設定するまで実行できません。エージェントの設定には、 es-guisetup または es-setup を使用します。

JumpStart によるエージェントのインストール

この節では、Solaris JumpStart サーバーを構成および使用して、大量のシステムに Sun Management Center 3.6 ベースエージェントと Solaris 8 または 9 オペレーティング環境をインストールおよび設定する方法について説明します。

JumpStart の概念

JumpStart ソフトウェアを使用すると、Solaris オペレーティング環境を複数のシステムに自動的にインストールまたはアップグレードできます。さらに、インストール前後の作業も実行できるので、Sun Management Center などの追加のソフトウェアもインストールおよび設定できます。

Solaris JumpStart ソフトウェアはクライアントサーバーアプリケーションで、次のコンポーネントから構成されます。

また、プロトタイプマシンという別のマシンも必要になります。このマシンには、JumpStart 終了スクリプトに必要な Sun Management Center のインストールおよび設定応答ファイルが生成されます。Solstice SyMON 1.x か Sun Enterprise SyMON 2.x、Sun Management Center 2.x、Sun Management Center 3.0 のいずれかがプロトタイプマシンにインストールされている場合は、プロトタイプマシンからその SyMON または Sun Management Center ソフトウェアを削除します。SyMON または Sun Management Center ソフトウェアのアンインストール手順については、SyMON または Sun Management Center ソフトウェアのインストールマニュアルを参照してください。旧バージョンの Sun Management Center の構成データを保存しないでください。

JumpStart ソフトウェアの詳細は、『Solaris 9 9/04 インストールガイド』を参照してください。

必要なシステムサービス

JumpStart ソフトウェアは次のシステムサービスを必要とします。

表 6–1 JumpStart ソフトウェアが必要とするシステムサービス

サービス 

目的 

ネットワークファイルシステム (NFS) デーモン mountd および nfsd

Solaris オペレーティングシステムのイメージファイルの共有 

rarp

IP アドレスの検出 

bootp

共有ファイルシステムのホスト定義と場所 

tftp

ブートサーバーからインストールクライアントへの Solaris 初期ブートカーネルの転送  

JumpStart プロセスの概要

Sun Management Center 3.6 ベースエージェントの配備は、インストールクライアントで実行される JumpStart 終了スクリプトによって行われます。JumpStart が Solaris オペレーティング環境をインストールしたあと、JumpStart 終了スクリプトは Sun Management Center インストール応答ファイルの内容にもとづいて、ベースエージェントをインストールクライアントにインストールします。

終了スクリプトはまた、インストールクライアントがリブートしたあとに Sun Management Center 設定応答ファイルの内容にもとづいてベースエージェントを設定できるように、インストールクライアントを準備します。

Sun Management Center 応答ファイルは、Sun Management Center 3.6 コマンド行インストールおよび設定プロセス中、別の (つまり、プロトタイプの) システム上で生成されます。その後、応答ファイルは JumpStart プロファイルディレクトリにコピーされます。インストールおよび設定応答ファイルは、必要に応じて、JumpStart プロファイルディレクトリに直接作成してもかまいません。

JumpStart はインストールクライアントのファイルシステムを /a パーティションにマウントします。次に、JumpStart 終了スクリプトは、Sun Management Center コマンド es-inst -R /a -T /a/target-directory を実行して、Sun Management Center ベースエージェントをインストールします。ここで、target-directory は、エージェントがインストールされるインストールクライアント上のディレクトリの名前です。es-inst コマンドとパラメータの詳細は、es-inst のオプション」を参照してください。

終了スクリプトはまた、インストールクライアントがリブートしたあとに rc3.d ファイルを作成します。この rc3.d ファイルは、設定応答ファイルを使用して、Sun Management Center ベースエージェントを設定します。ベースエージェントの設定が完了すると、rc3.d ファイルは削除されます。終了スクリプトからの出力は /var/sadm/system/logs/finish.log に保存されます。

終了スクリプトのセキュリティについて

Sun Management Center の設定中、セキュリティキーを生成するためのパスワードと SNMP コミュニティ文字列を指定します。セキュリティを確保するため、セキュリティキーとコミュニティ文字列は Sun Management Center の設定応答ファイルに格納しないでください。

Sun Management Center ベースエージェントをインストールクライアントに正常にインストールおよび設定するには、「Sun Management Center の設定」手順 b でセキュリティキーを生成するときに使用したパスワードと同じパスワードを指定する必要があります。また、SNMP コミュニティ文字列も、「Sun Management Center の設定」手順 c で指定したものと同じものを指定する必要があります。これは、次のどちらの方法を使用しても、行うことができます。

上記 2 つの方法の JumpStart 終了スクリプトの例については、「JumpStart 終了スクリプトを作成する」を参照してください。

JumpStart の設定と使用

JumpStart ソフトウェアを設定して、Solaris オペレーティング環境および Sun Management Center ベースエージェントを 1 つまたは複数のインストールクライアントにインストールするために必要な主要手順を次に示します。

上記手順がすべて完了すると、JumpStart サーバーを使用して、Solaris オペレーティング環境および Sun Management Center ベースエージェントを 1 つまたは複数のイン ストールクライアントに新規インストールできます。

この節の手順は、次のことを前提にしています。

ProcedureJumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する

手順
  1. JumpStart インストールサーバーと Solaris オペレーティング環境のイメージを作成します。

    1. JumpStart インストールサーバーとして使用するマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

    2. Solaris installation CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

    3. CD-ROM の Tools ディレクトリに移動します。


      # cd /<DiskMountDir>/Solaris_2.8/Tools
      
    4. Solaris オペレーティング環境のインストールイメージを作成します。

      ./setup_install_server /install-server-directory コマンドを入力します。ここで、install-server-directory はインストールイメージを提供するときに使用するディレクトリです。次に例を示します。


       
      # ./setup_install_server /export/home/JumpStart/Solaris_8 
      Verifying target directory... 
      Calculating the required disk space for the Solaris_8 product
      Copying the CD image to disk...
      Install Server setup complete
    5. (省略可能) Solaris オペレーティング環境の補助製品を JumpStart インストールサーバーに追加します。

      Solaris installation CD 2 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入し、CD-ROM の Tools ディレクトリに移動します。

      ./add_to_install_server /install-server-directory コマンドを入力します。ここで、install-server-directory はインストールイメージを提供するときに使用するディレクトリです。次に例を示します。


      # cd /<DiskMountDir>/s0/Solaris_8/Tools
      # ./add_to_install_server /export/home/JumpStart/Solaris_8
      
  2. JumpStart プロファイルディレクトリをサーバー上に作成します。


    # mkdir /export/home/JumpStart/jumpstart
    
  3. Solaris installation CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

  4. CD-ROM のディレクトリ Solaris_2.8/Misc/jumpstart_sample から JumpStart プロファイルディレクトリの /export/home/JumpStart/jumpstart に JumpStart のサンプルをコピーします。次に例を示します。


    # cd /<DiskMountDir>/s0/Solaris_2.8/Misc
    # cp -r jumpstart_sample/* /export/home/JumpStart/jumpstart
    
  5. ネットワークファイルシステム (NFS) デーモン mountd を停止します。


    # /etc/init.d/nfs.server stop
    
  6. JumpStart ディレクトリを NFS 共有します。

    インストールクライアントが JumpStart サーバー上のファイルにアクセスできるようにするには、JumpStart ディレクトリを NFS 共有する必要があります。/etc/dfs/dfstab ファイルに次の行を追加し、保存して閉じます。

    share -F nfs -o ro,anon=0 /export/home/JumpStart

  7. ネットワークファイルシステム (NFS) デーモン mountd を起動します。


    # /etc/init.d/nfs.server start
    

ProcedureJumpStart インストールサーバーにベースエージェントイメージを作成する

手順
  1. JumpStart インストールサーバーを作成したマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. CD-ROM ドライブに Sun Management Center 3.6 Installation CD 1 of 2 を挿入します。

    / <DiskMountDir>/sbin ディレクトリに移動します。

  3. ./es-makeagent コマンドを入力して、Sun Management Center ベースエージェントイメージを作成します。

    インストールファイルのソースディレクトリとエージェントイメージの対象ディレクトリの入力を求めるメッセージが表示されます。

    (SPARC ) ソースディレクトリは /<DiskMountDir>/image/sunOS/sparc です。

    (x86) ソースディレクトリは /<DiskMountDir> /image/sunOS/i386 です。

    (Linux) ソースディレクトリは /<DiskMountDir>/image/Linux です。

    対象ディレクトリは、JumpStart インストールサーバー上でエージェントイメージが作成されるディレクトリです (例: /export/home/JumpStart/AgentImage)。


    注 –

    指定した対象ディレクトリが存在しない場合、このディレクトリを作成するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。y を入力して、ディレクトリを作成します。


    次に例を示します。


    # ./es-makeagent
    Installation files source directory: /<DiskMountDir>/image
    Please enter the target directory: /export/home/JumpStart/AgentImage
    

    注 –

    イメージ作成プロセスは、完了するまでに 30 分以上かかることがあります。


  4. アドオンエージェントを除外します。

    アドオンエージェントコンポーネントを作成しない場合は、エージェントイメージの Addons ディレクトリの名前を変更します。


    # cd /export/home/JumpStart/AgentImage/disk1/image
    # ls -p
    Addons/     PE/         Patches/    Webserver/  db/
    # mv Addons Addons-temp
    

ProcedureSun Management Center 3.6 インストール応答ファイルと設定応答ファイルを生成する

手順
  1. Sun Management Center ベースエージェントをインストールおよび設定するマシンを選択して、スーパーユーザーとしてログインします。

    このマシンはプロトタイプになります。


    ヒント –

    Sun Management Center がインストールされていないマシンを選択してください。このようなマシンがない場合は、プロトタイプマシンから SyMON または Sun Management Center ソフトウェアをアンインストールします。アンインストールの方法については、SyMON または Sun Management Center ソフトウェアのインストールマニュアルを参照してください。旧バージョンの Sun Management Center の構成データを保存しないでください。


  2. CD-ROM ドライブに Sun Management Center 3.6 Installation CD 1 of 2 を挿入します。

    / <DiskMountDir>/sbin ディレクトリに移動します。

  3. Sun Management Center のインストール応答ファイルと設定応答ファイルを格納するディレクトリをマシンに作成します。

    次に例を示します。


    # mkdir /response-files
    
  4. Sun Management Center インストール応答ファイルを生成します。

    インストール応答ファイルを生成するには、./es-inst -C /response-file-dir/ install-response-file.cfg コマンドを使用して、ベースエージェントをインストールする必要があります。各表記の意味は次のとおりです。

    • response-file-dir は、応答ファイルを格納するディレクトリです。

    • install-response-file は応答ファイルの名前です。

    次に例を示します。


    # ./es-inst -C /response-files/install.cfg
    

    Sun Management Center をインストールするディレクトリを指定するように求めるメッセージが表示されます。

    1. Sun Management Center をインストールするディレクトリの名前を指定します。

      対象ディレクトリの指定を求めるメッセージが表示されます。デフォルトの場所は /opt です。

      Sun Management Center ソフトウェアは、必要となる最小のディスク容量が確保できれば、システム上の任意の場所にインストールできます。/opt 以外のディレクトリにインストールする場合は、そのディレクトリ名を入力してください。


      ヒント –

      マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量は、コマンド df -ak で表示できます。


      本稼働環境と開発環境のどちらをインストールするかを問い合わせるメッセージが表示されます。

    2. 1 を入力して本稼働環境を選択し、Return キーを押します。


      注意 – 注意 –

      「(2) 開発環境(DE)」を選択しないでください。オプション 2 は Sun Management Center ベース製品全体をインストールします。


      インストールする Sun Management Center コンポーネントを選択するよう求められます。

    3. エージェントコンポーネントだけを選択します。

      サーバーコンポーネントをインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されたら、 n を入力します。

      エージェントコンポーネントをインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されたら、 y を入力します。

      コンソールコンポーネントをインストールするかどうかを問い合わせるメッセージが表示されたら、 n を入力します。


      3 component(s) are available for your selection:
        Do you want to install the Server component (y|n|q) n
        Do you want to install the Agent component (y|n|q) y
        Do you want to install the Console component (y|n|q) n
      

      インストールプロセスによってアドオンコンポーネントがチェックされ、アドオン製品を選択することを求めるメッセージが表示されます。

    4. アドオンコンポーネントを選択しないでください。

      アドオンを選択するように求めるメッセージが表示されたら、すべてのアドオンについて、n を入力します。


      Select the products you want to install:
          Advanced System Monitoring (y|n|q) n
          Service Availability Manager (y|n|q) n
          Performance Reporting Manager (y|n|q) n
          Sun Fire Platform Administration (y|n|q) n
          Monitoring and Management of A5x00 and T3 devices (y|n|q) n
          System Reliability Manager (y|n|q) n
          Workgroup Server (y|n|q) n
      

      処理を続行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。y を入力して操作を続けます。

    5. ディスク容量をチェックします。

      Sun Management Center ベースエージェントのインストールに必要なディスク容量があるかチェックされます。

      • 十分な容量がある場合は、ベースエージェントがインストールされます。

      • ディスク容量が十分でない場合は、代わりとなるファイルシステムを指定するように求められます。空き容量と、必要となる容量が表示されます。


        ヒント –

        マシン上の各ファイルシステムの使用済み容量と空き容量を表示するには、Sun Management Center エージェントをインストールするマシンの端末ウィンドウで、df -ak と入力します。


      エージェントのインストールが完了したら、設定を実行するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。


      注意 – 注意 –

      設定を実行しないでください。n を入力して、終了します。インストールプロセス内で設定を実行すると、JumpStart 終了スクリプトに必要な Sun Management Center 設定応答ファイルが作成されません。


  5. /opt/SUNWsymon/sbin ディレクトリに移動します。

    Sun Management Center を別のディレクトリにインストールした場合は、その /install-dir/SUNWsymon/sbin ディレクトリに移動します。install-dir は、手順 4 で指定したディレクトリです。

  6. Sun Management Center 3.6 設定応答ファイルを生成します。

    Sun Management Center 設定応答ファイルを生成するには、./es-setup -C /response-file-dir /setup-response-file.cfg コマンドを使用して、ベースエージェントを設定する必要があります。

    • response-file-dir は、応答ファイルを格納するディレクトリです。

    • setup-response-file は応答ファイルの名前です。

    次に例を示します。


    # ./es-setup -C /response-files/setup.cfg
    

    セキュリティキーを生成するためのシードの入力を求めるメッセージが表示されます。

    1. セキュリティキーを生成します。

      Sun Management Center プロセス間の通信には、暗号化されたセキュリティキーが必要です。このセキュリティキーは、ユーザーが指定したパスワードシードにもとづいて生成されます。このシードは、空白文字を含まない 1 文字〜 8 文字の長さである必要があります。8 文字を超えるエントリは 8 文字に切り捨てられます。


      注意 – 注意 –

      セキュリティシードは、単一のサーバーコンテキストでインストールするすべてのマシンで同じものを使用する必要があります。


      「Sun Management Center の設定」手順 b で Sun Management Center サーバーを設定したときに指定したパスワードシードと同じパスワードシードを入力します。

      パスワードシードの入力を求められたら、再度入力します。


      注 –

      セキュリティを確保するため、パスワードシードは Sun Management Center 設定応答ファイルには格納されません。パスワードシードを指定する方法としては、JumpStart 終了スクリプト内にハードコードする方法と、JumpStart 終了スクリプトを使用して、インストールクライアント上で実行したときに入力を求める方法があります。どちらの方法も、「JumpStart 終了スクリプトを作成する」で説明しています。


      SNMPv1 コミュニティ文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。

    2. SNMPv1 コミュニティセキュリティ文字列を指定します。

      SNMPv1 コミュニティ文字列はセキュリティのために必要です。デフォルトでは、public に設定されます。セキュリティを上げるには、独自の文字列を指定します。


      注意 – 注意 –

      SNMPv1 コミュニティ文字列は、単一 (同一) のサーバーコンテキストでインストールするすべてのマシンで同じものを使用する必要があります。


      「Sun Management Center の設定」手順 c で Sun Management Center サーバーを設定したときに指定したコミュニティ文字列と同じ文字列を入力します。

      • デフォルトコミュニティ文字列の public を使用する場合は、SNMPv1 コミュニティ文字列の入力を求められたときに Return キーを押します。

      • 独自のコミュニティ文字列を指定した場合は、Sun Management Center サーバーを設定したときに指定したものと同じコミュニティ文字列を指定します。


      注 –

      セキュリティを確保するため、コミュニティ文字列は Sun Management Center 設定応答ファイルには格納されません。コミュニティ文字列を指定する方法としては、JumpStart 終了スクリプト内にハードコードする方法と、JumpStart 終了スクリプトを使用して、インストールクライアント上で実行したときに入力を求める方法があります。どちらの方法も、「JumpStart 終了スクリプトを作成する」で説明しています。


      Sun Management Center サーバーのホスト名の入力を求めるメッセージが表示されます。

    3. Sun Management Center サーバーのホスト名を指定します。

      Sun Management Center サーバーがインストールされているマシン名を入力します。

      設定プロセスによって、SNMP ポートが使用中かどうかが検査されます。

      • SNMP ポート 161 が使用されていない場合は、Sun Management Center エージェントを起動するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 e に進みます。

      • SNMP ポート 161 が使用されている場合は、SNMP ポート番号を指定するように求めるメッセージが表示されます。

    4. SNMP ポートの衝突を解決します。

      「Sun Management Center の設定」手順 f で Sun Management Center サーバーを設定したときに指定したポート番号と同じ番号を入力します。

    5. Sun Management Center エージェントを起動します。


      注意 – 注意 –

      ネットワークがネットワークアドレス変換 (NAT) を使用している場合は、n を入力して、Sun Management Center を起動せずに設定を終了します。Sun Management Center を起動する前に、「NAT サポートを有効にする」で説明している es-config コマンド行ユーティリティを使用して、NAT 用にマシンを構成します。


      • この時点で Sun Management Center ベースエージェントを起動する場合は、 y を入力します。

        設定スクリプトは、es-start -A を使用してエージェントを起動します。es-start コマンドについては、es-start によるコンポーネントの起動」を参照してください。

        Sun Management Center コンソールの起動方法については、「コンソールの起動」を参照してください。

      • Sun Management Center をあとで起動する場合は、n を入力します。このマシンで Sun Management Center エージェントを起動する準備ができたら、第 8 章「Sun Management Center の起動と停止」を参照してください。

  7. インストール応答ファイルと設定応答ファイルを JumpStart プロファイルサーバーにコピーします。

    以前の手順例で、Sun Management Center インストール応答ファイルの install.cfg は、プロトタイプマシンのディレクトリ /response-files に作成されています。また、Sun Management Center 設定応答ファイルの setup.cfg/response-files ディレクトリに作成されています。

    ここでは、JumpStart プロファイルサーバーの名前が bootserver01 で、マシン bootserver01 の JumpStart プロファイルディレクトリが /export/home/JumpStart/jumpstart であると仮定します。また、プロトタイプマシンからの JumpStart プロファイルディレクトリへの書き込みアクセスが有効になっていると仮定します。この条件で、プロトタイプマシンから Jumpstart マシンの JumpStart プロファイルディレクトリに応答ファイルをコピーするには、次のように入力します。


    # cd /response-files
    # cp install.cfg /net/bootserver01/export/home/JumpStart/jumpstart
    # cp setup.cfg /net/bootserver01/export/home/JumpStart/jumpstart
    
  8. JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  9. 「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。

  10. Sun Management Center インストール応答ファイルをエディタで開きます。

    JumpStart が使用できるように、インストール応答ファイルを編集する必要があります。インストール応答ファイルは、手順 4 で指定した名前のファイルです。インストール応答ファイルに次の変更を加えます。

    • SOURCE_DIRECTORY の値を /a/mnt/disk1/image に変更します。/a/mnt/disk1/image は、JumpStart 終了スクリプトで指定した $MNTDIR の値に対応しています。

    • TARGET_DIRECTORY の値を /a/target_directory に変更します。ここで、target_directory は、Sun Management Center ベースエージェントがインストールされている各インストールクライアント上にあるディレクトリです。

    • SETUP_NOW パラメータの値をゼロに変更します。SETUP_NOW パラメータの値をゼロに設定すると、Sun Management Center ベースエージェントをインストールしたとき、各インストールクライアント上で Sun Management Center 設定が自動的に実行されなくなります。

    次の例は、編集を終了したあとの基本的な Sun Management Center インストール応答ファイルの例です。

    SUNMC_VERSION=3.6
    ENVIRONMENT=1
    SOURCE_DIRECTORY=/a/mnt/disk1/image
    TARGET_DIRECTORY=/a/opt
    OSVERS=8
    PRTOUT= Sun Microsystems sun4u PCI (UltraSPARC-II 450MHz)
    LAYER.SERVER=0
    LAYER.AGENT=1
    LAYER.CONSOLE=0
    SETUP_NOW=0

    ベースエージェントはプラットフォームに依存しないため、PRTOUT パラメータの値は重要ではありません。ただし、JumpStart には、このパラメータが存在している必要があります。PRTOUT パラメータは削除しないでください。

  11. Sun Management Center 設定応答ファイルをエディタで開きます。

    JumpStart が使用できるように、設定応答ファイルを編集する必要があります。設定応答ファイルは、手順 6 で指定した名前のファイルです。次のことを確認し、必要な場合は、設定応答ファイルに変更を加えます。

    • SUNMC_SERVER パラメータに指定されているサーバー名が Sun Management Center 3.6 サーバーマシンの名前であることを確認します。

    • START_SUNMC パラメータの値が 1 に設定されていることを確認します。START_SUNMC パラメータの値を 1 に設定すると、ベースエージェントを設定したあと、Sun Management Center ベースエージェントが起動するようになります。

    • agent_OPTIONAL_PORT パラメータが存在し、かつ、その値に有効なポート番号または文字列 DEFAULT が割り当てられていることを確認します。

    • 次に示すサンプルの設定応答ファイルのすべてのパラメータが存在することを確認します。

    次の例は、JumpStart 編集前後の Sun Management Center 設定応答ファイルの例です。どちらの例でも、bootserver01 は Sun Management Center サーバーマシンの名前です。


例 6–1 JumpStart 編集前の設定応答ファイル

SUNMC_SERVER=bootserver01
agent_OPTIONAL_PORT=1161
START_SUNMC=1


例 6–2 JumpStart 編集後の設定応答ファイル

DISABLE_SNMPDX_DAEMON=1
STOP_SNMPDX=1
SUNMC_SERVER=bootserver01
agent_OPTIONAL_PORT=1161
START_SUNMC=1

この例の行 DISABLE_SNMPDX=1 は、SNMP デーモンを無効にします。行 STOP_SNMPDX=1 は、SNMP デーモンを停止します。行 SUNMC_SERVER=bootserver01 は、ベースエージェントの Sun Management Center サーバーホストが bootserver01 という名前のマシンであることを示します。行 agent_OPTIONAL_PORT=1161 は、エージェントにポート 1161 を割り当てます。行 START_SUNMC=1 は、ベースエージェントの設定が完了したときにベースエージェントを起動することを意味します。


ProcedureJumpStart プロファイルを作成する

手順
  1. JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。

  3. JumpStart プロファイルは、Sun Management Center ベースエージェントをインストールするインストールクライアントの種類ごとに作成します。

    JumpStart プロファイルを作成するには、このディレクトリのサンプルから適切なサンプルのプロファイルをコピーするか、次の例をテンプレートとして使用します。作成した各 JumpStart プロファイルを JumpStart プロファイルサーバーディレクトリに保存して、作成した各プロファイルの名前を記録します。


    注意 – 注意 –

    サンプルのプロファイルを実際のプロファイルとして使用しないでください。JumpStart の要件に適合するようにプロファイルを編集します。この詳細は、『Solaris 9 インストールガイド』の「プロファイルの作成」を参照してください。


    次の例は、JumpStart プロファイルの例です。1 番目の例は、Solaris オペレーティング環境の新規インストール用のプロファイルです。2 番目の例は、Solaris オペレーティング環境のアップグレード用のプロファイルです。


例 6–3 JumpStart プロファイル例: Solaris オペレーティング環境の新規インストール用

#
# all_9000_t0+swap
#
install_type    initial_install
system_type     standalone
partitioning    explicit
#
filesys         c0t0d0s1        2024    swap
filesys         c0t0d0s0        6120    /
filesys         c0t0d0s7        free    /export/home
#
cluster         SUNWCall 
package         SUNWabe             delete
cluster         SUNWCapache         delete
cluster         SUNWCdhcp           delete
cluster         SUNWClux            delete
cluster         SUNWCfct            delete
cluster         SUNWCnet            delete
package         NSCPcom             delete


例 6–4 JumpStart プロファイル例: Solaris オペレーティング環境のアップグレードインストール用

install_type    upgrade

ProcedureJumpStart 終了スクリプトを作成する

手順
  1. JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。

  3. JumpStart 終了スクリプトを作成します。

    「終了スクリプトのセキュリティについて」に目を通します。実際のセキュリティ要件に応じて、次の終了スクリプト例のいずれかをガイドラインとして使用して、終了スクリプトを JumpStart プロファイルディレクトリに作成します。

    1 番目の例は、パスワードシードとコミュニティ文字列をハードコードした終了スクリプトです。2 番目の例は、実行時にパスワードシードとコミュニティ文字列の入力を求める終了スクリプトです。

    終了スクリプトは、base_agent_finish.sh のように sh 拡張子を付けて保存します。


例 6–5 終了スクリプト例: セキュリティパスワードシードとコミュニティ文字列のハードコード

#!/bin/sh
#
# Program type      : Unix bourne shell script
# Description       : Standard finish script for installing and 
#                     setting up Sun Management Center core agent
#
#
#
ROOTDIR=${ROOTDIR:-/a}               # Root directory for new OS
MNTDIR=${ROOTDIR}/mnt
LOGDIR=${ROOTDIR}/var/tmp/sunmcfinish
SI_CONFIG_DIR=${SI_CONFIG_DIR:-/export/home/JumpStart/jumpstart}
INSTALL_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/install.cfg
SETUP_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/setup.cfg
#
#
# Begin Main Program
#
#
umask 022
mkdir -p $LOGDIR
#
# Copy the install and setup response file to target system
#
cp ${INSTALL_RESP} $LOGDIR
cp ${SETUP_RESP} $LOGDIR
#
# mount Sun Management Center image
#
mount -F nfs bootserver01:/export/home/JumpStart/AgentImage $MNTDIR
[ $? -ne 0 ] && exit 1
# 
# run es-inst with -a -R -T and -A options
# skip the next line for Flash Archive based deployment
# Do not use the -T option if you have specified the TARGET_DIRECTORY 
# tag in install.cfg
#
${MNTDIR}/disk1/sbin/es-inst -a -R /a -T /a/opt -A ${LOGDIR}/install.cfg
#
# Clean up any rc script with the same name if present
#
test -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart && \
rm -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart
rm -f /etc/init.d/SunMCJumpStart
#
# Place rc script in rc3.d and init.d to do setup
# Remember to access es-setup based on the target directory location
#
echo "Creating rc script..."
cat > ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart << EOF
#!/sbin/sh
#
rm /etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart /etc/init.d/SunMCJumpStart
SECURITY_SEED=abc123
SNMPV1_STRING=private
export SECURITY_SEED SNMPV1_STRING
/opt/SUNWsymon/sbin/es-setup -e -A /var/tmp/sunmcfinish/setup.cfg
EOF
cp ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart \
     ${ROOTDIR}/etc/init.d/SunMCJumpStart
exit 0


例 6–6 終了スクリプト例: セキュリティパスワードシードとコミュニティ文字列を実行時に入力

#!/bin/sh
#
# Program type      : Unix bourne shell script
# Description       : Standard finish script for installing and 
#                     setting up Sun Management Center core agent
#
#
#
ROOTDIR=${ROOTDIR:-/a}               # Root directory for new OS
MNTDIR=${ROOTDIR}/mnt
LOGDIR=${ROOTDIR}/var/tmp/sunmcfinish
SI_CONFIG_DIR=${SI_CONFIG_DIR:-/export/home/JumpStart/jumpstart}
INSTALL_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/install.cfg
SETUP_RESP=${SI_CONFIG_DIR}/setup.cfg
#
#
# Begin Main Program
#
#
umask 022
mkdir -p $LOGDIR
#
# Copy the install and setup response file to target system
#
cp ${INSTALL_RESP} $LOGDIR
cp ${SETUP_RESP} $LOGDIR
#
# mount Sun Management Center image
#
mount -F nfs bootserver01:/export/home/JumpStart/AgentImage $MNTDIR
[ $? -ne 0 ] && exit 1
#
# Read secure inputs from user who invoked boot net - install
#
echo "Enter Security seed:"
read SECURITY_SEED
echo "Enter SNMP string:"
read SNMPV1_STRING
#
# run es-inst with -a -R -T and -A options
# skip the next line for Flash Archive based deployment
# Do not use the -T option if you have specified the TARGET_DIRECTORY 
# tag in install.cfg
#
${MNTDIR}/disk1/sbin/es-inst -a -R /a -T /a/opt -A ${LOGDIR}/install.cfg
#
# create a temporary es-setup script to use the secure information 
# read earlier
# Remember to access es-setup based on the target directory location 
#
FILE2=/a/opt/SUNWsymon/sbin/es-setup
FILE=/a/opt/SUNWsymon/sbin/es-setup.jumpstart
mv $FILE2 $FILE
count=`wc -l $FILE`
count=`echo $count | cut -d' ' -f1`
ncount=$count
count_enter=`expr $ncount - 3`
while [ $ncount -gt 0 ] ; do
   k=`tail -$ncount $FILE | head -1`
   if [ $ncount -eq $count_enter ]
   then
       echo $k >> $FILE2
       echo "SECURITY_SEED=$SECURITY_SEED" >> $FILE2
       echo "SNMPV1_STRING=$SNMPV1_STRING" >> $FILE2
   else
       echo $k >> $FILE2
   fi
   ncount=`expr $ncount - 1`
done
chmod +x $FILE2
#
# Clean up any rc script with the same name if present
#
test -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart && \
rm  -f ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart \
rm -f /etc/init.d/SunMCJumpStart
#
# Place rc script in rc3.d and init.d to do setup and cleanup 
# Remember to access es-setup based on the target directory location
# 
echo "Creating rc script..."
cat > ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart << EOF
#!/sbin/sh
#
rm /etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart /etc/init.d/SunMCJumpStart
/opt/SUNWsymon/sbin/es-setup -e -A /var/tmp/sunmcfinish/setup.cfg
mv /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup.jumpstart /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup
EOF
cp ${ROOTDIR}/etc/rc3.d/S80SunMCJumpStart \
   ${ROOTDIR}/etc/init.d/SunMCJumpStart
exit 0

ProcedureJumpStart ルールファイルを作成する

手順
  1. JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。

  3. JumpStart ルールファイルを作成します。

    次のサンプルのルールファイルをテンプレートとして使用して、JumpStart プロファイルディレクトリにルールファイルを作成します。


例 6–7 ルールファイル例

#
# rule keywords and rule values   begin script   profile    finish  script 
# ------------------------------  ------------   -------    --------------
  
# This rule matches one system: 
#
hostname bootserver01            -         basic_prof  base_agent_finish.sh 
 
 
# This is a complex rule:
#
network 192.43.34.0 && ! model \ 
 SUNW,SPARCstation-20                 -         net_prof         - 
 
 
# This rule applies to all 
# SUNW,SPARCstation-LX:
#
model SUNW,SPARCstation-LX            -         lx_prof     complete.sh
 
 
# Another complex rule:
#
network 193.144.2.0 && karch i86pc   init.sh    IA_prof     done.sh
 
#
# You can use system attributes like RAM size and architecture to 
# classify targets:
#
memsize 16-32 && arch i386           -          prog_prof        -
 
 
# rules are matched top-down. If nothing matches, this rule will apply:
#
any                  -               -         generic_prof     -

ProcedureJumpStart ファイルの妥当性を検査する

手順
  1. JumpStart プロファイルディレクトリを作成したマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 「JumpStart インストールサーバーとプロファイルディレクトリを作成する」手順 2 で作成した JumpStart プロファイルディレクトリに移動します。

  3. ./check と入力して、JumpStart ファイルの妥当性を検査します。


    # ./check  
    Validating rules... 
    Validating profile basic_prof... 
    Validating profile net_prof... 
    Validating profile lx_prof... 
    Validating profile IA_prof... 
    Validating profile prog_prof... 
    Validating profile any_machine... 
    The custom JumpStart configuration is ok. 
    # cat rules.ok 
    hostname bootserver01          -         basic_prof      base_agent_finish.sh 
    network 192.43.34.0 && ! model \ 
     SUNW,SPARCstation-20                    -         net_prof        - 
    model SUNW,SPARCstation-LX             -         lx_prof         complete.sh
    network 193.144.2.0 && karch i86pc       init.sh   IA_prof         done.sh
    memsize 16-32 && arch i386               -         prog_prof       -      
    any -                                    -         generic_prof    -

ProcedureJumpStart サーバーにインストールクライアント情報を追加する

手順
  1. JumpStart サーバーにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. Solaris installation CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

    CD-ROM の Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /<DiskMountDir>/s0/Solaris_2.8/Tools
    
  3. 各インストールクライアントのシステム識別情報を確認します。

    JumpStart サーバーは、各インストールクライアントに関する次の情報を必要とします。

    • 名前

    • Ethernet アドレス

    • IP アドレス

    • アーキテクチャ

    各インストールクライアントにログインし、次のように arp および uname コマンドを使用して、インストールクライアントの Ethernet アドレス、IP アドレス、名前、およびアーキテクチャを表示します。


    > arp clienthost
    clienthost (111.222.123.124) at 8:0:80:e4:23:eb permanent published
    > uname -a
    SunOS clienthost 5.9 Generic_112233-01 sun4u sparc SUNW

    上記の例では、clienthost がインストールクライアントで、その Ethernet アドレスが 8:0:80:e4:23:eb、IP アドレスが 111.222.123.124、アーキテクチャが sun4u です。

  4. 各インストールクライアントのシステム識別情報を JumpStart サーバーに追加します。

    インストールクライアント情報を JumpStart サーバーに追加するには、次のように add_install_client コマンドを使用します。


    add_install_client \
    -c JumpStart_profile_server:path_to_configuration_directory \
    -s JumpStart_install_server:path_to_operating_environment_image \
    -p JumpStart_profile_server:path_to_SYSIDCFG_file \
    -e install_client_ethernet_address \
    -i install_client_IP_address \
    install_client_name install_client_architecture
    

    たとえば、システムが次のように構成されていると仮定します。

    • マシン bootserver01 は JumpStart ブートサーバー兼プロファイルサーバー兼インストールサーバー

    • マシン bootserver01 上の JumpStart 構成ディレクトリは /export/home/JumpStart/jumpstart

    • マシン bootserver01 上の JumpStart オペレーティング環境イメージディレ クトリは /export/home/JumpStart/Solaris_8

    • システム識別構成ファイルの sysidcfg は JumpStart 構成ディレクトリの /export/home/JumpStart/jumpstart 内に存在

    • インストールクライアントの Ethernet アドレスは 8:0:80:e4:23:eb で、IP address アドレスは 111.111.123.124

    • インストールクライアントの名前は clienthost で、インストールクライアントのアーキテクチャは sun4u

    このインストールクライアント clienthost を追加するには、次のように add_install_client コマンドを使用します。


    # ./add_install_client -c bootserver01:/export/home/JumpStart/jumpstart \
      -s bootserver01:/export/home/JumpStart/Solaris_9 \
      -p bootserver01:/export/home/JumpStart/jumpstart \
    -e 8:0:80:e4:23:eb -i 111.111.123.124 \
      clienthost sun4u 
      Adding Ethernet number for clienthost to /etc/ethers
      making /tftpboot
      enabling tftp in /etc/inetd.conf
      starting rarpd
      starting bootparamd
      updating /etc/bootparams
      copying inetboot to /tftpboot

    インストールクライアントのシステム情報を JumpStart サーバーに追加すると、次の手順で説明するように、JumpStart を使用して、Solaris オペレーティング環境と Sun Management Center ベースエージェントをインストールできます。

    add_install_client コマンドとオプションの詳細は、add_install_client(1m) のマニュアルページを参照してください。

  5. 各インストールクライアントをブートします。

    1. クライアントマシンにシングルユーザーモードで、スーパーユーザーとしてログインします。

    2. OK プロンプトで、boot net - install コマンドを入力します。

      次に例を示します。


      {2} ok boot net - install
      

      JumpStart サーバーからクライアントシステムをブートします。JumpStart プロファイルに指定された Solaris オペレーティング環境がインストールされます。Solaris オペレーティング環境のインストールが完了すると、Sun Management Center 3.6 ベースエージェントがインストールされ、インストールクライアントがリブートします。

      インストールクライアントのリブートが完了すると、JumpStart 終了スクリプトの指定にしたがって、Sun Management Center ベースエージェントが設定されます。この JumpStart 終了スクリプトは、JumpStart ルールファイルに指定されたルールによって各インストールクライアントに割り当てられています。セキュリティパスワードシードと SNMP コミュニティ文字列を終了スクリプトにハードコードしている場合は、ベースエージェントが自動的に設定されます。パスワードシードと SNMP コミュニティ文字列を終了スクリプトにハードコードしていない場合、インストールクライアントごとにベースエージェント設定プロンプトに応答する必要があります。

マルチ IP マシンにおけるサーバーとエージェントの構成

この節では、マルチ IP マシン上で Sun Management Center 3.6 のサーバーとエージェントを構成する方法について説明します。

サーバーの構成

複数の IP インタフェースを持つシステムにインストールする場合、デフォルトでは、Sun Management Center 3.6 サーバーは、すべての IP インタフェース上ですべてのエージェントをサポートするように構成されます。

esmultiip コマンドを使用すると、IP インタフェースを削除または追加したり、その一覧を表示したりできます。esmultiip コマンドの構文は次のとおりです。

esmultiip [-lh] | [ < -a | -d > Host-IP ]

次の表は、esmultiip コマンドのパラメータの説明です。

表 6–2 esmultiip のオプション

オプション 

パラメータ 

定義 

 

 

複数の IP インタフェースが存在する場合に、Sun Management Center サーバーでマルチ IP 機能を有効にします。 

-h

 

esmultiip のオプションの一覧を表示します。

-l

 

Sun Management Center サーバーのアクティブな IP インタフェースの全一覧を表示します。 

-a

Host-IP

IP アドレス Host-IP に対応するホスト名をサーバーのアクティブな IP インタフェースの一覧に追加します。

-d

Host_IP

IP アドレス Host-IP に対応するホスト名をサーバーのアクティブな IP インタフェースの一覧から削除します。


注 –

次の手順では、Sun Management Center サーバーがマルチ IP マシンのディレクトリ /opt にインストールされていると仮定しています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


ProcedureSun Management Center サーバーに IP インタフェースを追加する

手順
  1. マルチ IP のサーバーマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. Sun Management Center の現在アクティブな IP インタフェースの一覧を表示します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l コマンドを入力します。次に例を示します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l
    Multi IP configured with active interfaces "10.1.2.111"
  3. マシン上にあるすべての IP インタフェースの一覧を表示します。

    ifconfig -a コマンドを入力します。次に例を示します。


    # ifconfig -a
    lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
    hme0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 10.1.2.111 netmask ffffff00 broadcast 10.1.2.255
            ether 8:0:20:a8:7a:c9 
    hme1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 129.1.2.222 netmask ffffff00 broadcast 129.199.199.255
            ether 8:0:20:a8:7a:c9 

    上記の例に示すように、Sun Management Center サーバーが使用するのは、IP アドレス 10.1.2.111 の IP インタフェース hme0 だけです。

  4. IP インタフェースを追加します。

    ここでは、IP アドレス 129.1.2.222 の IP インタフェース hme1 を追加すると仮定します。このためには、/opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -a 129.1.2.222 とコマンドを入力します。

    これで、この IP インタフェースが Sun Management Center サーバーのアクティブなインタフェースの一覧に追加されます。

ProcedureSun Management Center サーバーから IP インタフェースを削除する

手順
  1. マルチ IP のサーバーマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. Sun Management Center の現在アクティブな IP インタフェースの一覧を表示します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l コマンドを入力します。次に例を示します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l
    Multi IP configured with active interfaces "10.1.2.111 129.1.2.222"
  3. IP インタフェースを削除します。

    ここでは、IP アドレス 129.1.2.222 の IP インタフェース hme1 を削除すると仮定します。このためには、/opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -d 129.1.2.222 コマンドを入力します。

    これで、この IP インタフェースが Sun Management Center サーバーのアクティブなインタフェースの一覧から削除されます。

エージェントの構成

マルチ IP マシンで、Sun Management Center 3.6 エージェントとサーバーが異なる IP インタフェースを使用するように構成されている場合、そのマルチ IP マシン上の Sun Management Center エージェントとサーバーは通信できません。

サーバーと同じ IP インタフェースを使用するようにエージェントの構成を変更する必要があります。


注 –

次の手順では、Sun Management Center エージェントがマルチ IP マシンのディレクトリ /opt にインストールされていると仮定しています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


Procedureマルチ IP マシン上の Sun Management Center エージェントを構成する

手順
  1. マルチ IP エージェントマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. エージェントが使用している IP アドレスを確認します。

    uname -n コマンドを入力して、マシン名を表示します。


    # uname -n
    u60-01

    エージェントは、uname -n で報告されたマシン名に割り当てられている IP アドレス上で動作するように構成されています。この例では、エージェントはマシン名 u60–01 に割り当てられている IP インタフェース上で動作するように構成されています。

  3. IP インタフェースのアドレスを確認します。

    cat /etc/hosts コマンドを入力して、各 IP アドレスに割り当てられているマシン名を表示します。

    次に例を示します。


    # uname -n
    SunOS u60-01-ip2 5.8 Generic_108528-07 sun4u sparc SUNW
    # cat /etc/hosts
    127.0.0.1       localhost
    10.1.2.111      u60-01      loghost
    10.2.3.222      u60-01-ip2

    上記の例では、uname-n によって u60–01 が示され、この u60–01 は IP インタフェース 10.1.2.111 に割り当てられています。

    Sun Management Center エージェントが別の IP インタフェースで動作するように構成する場合は、次の手順で説明するように、その IP インタフェースに使用するように エージェントを割り当て直します。

  4. エージェントが動作している場合は、エージェントを停止します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -A コマンドを入力します。

    Sun Management Center のすべてのプロセスが停止します。

  5. マシン名を、目的のインタフェースが割り当てられているマシン名に変更します。

    ここでは、エージェントが現在使用している IP インタフェース 10.1.2.111 がマシン名 u60–01 に割り当てられていると仮定します。マシン名 u60–01-ip2 に割り当てられている IP インタフェース 10.2.3.222 を使用するようにエージェントの割り当て直します。

    IP インタフェース 10.2.3.222 を使用するようにエージェントの割り当てを変更するには、uname -S u60–01–ip2 コマンドを入力します。

  6. エージェントを設定します。

    エージェントが新しい IP インタフェース割り当てを使用できるには、エージェントをもう一度設定する必要があります。

    /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup -F コマンドを入力します。

    セキュリティキーシードの入力を求めるメッセージが表示されます。

    1. Sun Management Center セキュリティキーを指定します。

      「Sun Management Center の設定」手順 b で Sun Management Center を設定したときに指定したセキュリティシードパスワードと同じパスワードを入力します。 もう一度パスワードを入力します。

      SNMPv1 コミュニティ文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。

    2. SNMPv1 コミュニティ文字列を指定します。

      「Sun Management Center の設定」手順 c で Sun Management Center を設定したときに指定したコミュニティ文字列と同じ文字列を入力します。デフォルトコミュニティ文字列の public を使用した場合は、Return キーを押します。

      server-host-name が Sun Management Center サーバーとして構成されたことを示すメッセージが表示されます。server-host-name はサーバーがインストールされているマシンの名前です。

      • 表示されたサーバー名が正しい場合は、y を入力します。

      • 表示されたサーバー名が正しくない場合は、n を入力します。Sun Management Center ホスト名の入力を求めるメッセージが表示されます。

        サーバーがインストールされているマシンの名前を指定します。

      エージェントが新しい IP アドレスを使用するように設定されます。


      注 –

      任意のアドオンエージェントコンポーネントをインストールしていた場合、アドオンコンポーネントも設定するように求めるメッセージが表示されます。


    エージェントの構成が完了したら、エージェントを再起動できます。

  7. サーバーを再起動します。

    /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -A コマンドを入力します。

Microsoft Windows への Sun Management Center 3.6 のインストール

Microsoft Windows 上にインストールできるのは、Sun Management Center コンソールと、一部のアドオンのコンソールコンポーネントだけです。コンソールが稼働するためには、Solaris ネットワークまたは UNIX ネットワークから Microsoft Windows マシンにアクセスできると同時に、Windows マシンからもネットワークに対してアクセスできる状態である必要があります。


注意 – 注意 –

Microsoft Windows に Sun Management Center 3.6 をインストールする前に、「Java 環境変数とパス」で説明しているように、Java 環境変数とパスが設定されていることを確認してください。JDK のバージョン 1.3.1 か 1.4、1.4.1 のいずれかがインストールされて構成されていない場合、インストールは失敗します。

Microsoft Windows 98 に Sun Management Center 3.6 をインストールする場合は、「Microsoft Windows 98 のスワップ領域と環境領域」で説明しているように、最小限必要なスワップ領域と環境領域を設定していることを確認してください。


ProcedureMicrosoft Windows 上に Sun Management Center 3.6 をインストールする

手順
  1. administrator、または管理者権限を持つユーザーとしてログインします。

  2. Windows エクスプローラを実行します。

  3. README ファイルの内容に目を通します。

    CD-ROM からインストールする場合は、CD-ROM ドライブに Sun Management Center Disk 1 of 2 を挿入します。Windows エクスプローラを 使用して、/install/windows_install_readme.txt ファイルのある場所に移動して、ファイルを開きます。

    Sun Management Center の CD イメージからインストールする場合は、Windows エクスプローラを使用して、/net/machine-name/cd-imagedir /disk1/install/windows_install_readme.txt がある場所に移動して、ファイルを開きます。

  4. Windows エクスプローラを使用して /install/install.bat に移動し、このファイルをダブルクリックします。

  5. 「ようこそ」ウィンドウが表示されます。

    表示された情報が存在するか確認し、「次へ」をクリックしてください。

    「インストール先のディレクトリの指定」ウィンドウが表示されます。

  6. インストールディレクトリを指定します。

    Sun Management Center をインストールするディレクトリを指定するように求めるメッセージが表示されます。デフォルトの場所は C:\Program Files\SUNWsymon です。Sun Management Center 3.6 コンソールは、必要となる最小のディスク容量が確保できるかぎり、システム上の任意の位置にインストールできます。

    「次へ」をクリックして、デフォルトの C:\Program Files\SUNWsymon を使用するか、ブラウズして、使用するディレクトリを選択し、「次へ」をクリックします。

    • ディレクトリが存在する場合は、「アドオン製品の選択」ウィンドウが表示されます。

    • ディレクトリが存在しない場合は、そのことが知らされるとともに、ディレクトリを作成するかどうかの問い合わせが表示されます。

      「作成」をクリックします。ウィンドウが閉じます。

      「インストール先のディレクトリの指定」ウィンドウで「次へ」をクリックします。

      「アドオン製品の選択」ウィンドウが表示されます。

  7. インストールするアドオンを選択し、「次へ」をクリックします。

    「ディスク空間のチェック」ウィンドウが表示されます。

    • Sun Management Center をインストールするだけの十分なディスク容量があると、「確認」ウィンドウが表示されます。

    • 十分なディスク容量がない場合は、ほかのディレクトリを指定するか、ほかのディレクトリをブラウズして選択するように求めるメッセージが表示されます。

      ディスク容量のチェックが再度行われます。ディレクトリに十分な容量がない場合、十分な容量を確保できるディレクトリを指定するように求めるメッセージが再度表示されます。指定したディレクトリに十分な容量がある場合は、「確認」ウィンドウが表示されます。

  8. インストールについての選択内容を確認します。

    選択内容の一覧が表示されます。

    • 選択内容を確認します。一覧の内容が正しい場合は、「次へ」をクリックして Sun Management Center のインストールを開始します。

    • 一覧の内容が正しくない場合は、「戻る」をクリックして「アドオン製品の選択」ウィンドウに戻り、インストールしたい製品をもう選択し直します。

    「インストールしています」画面が表示されます。

  9. インストールプロセスを終了します。

    約 50% の終了が進捗バーに示されたところで、CD 1 のインストールが終了したことが通知され、次の CD を挿入することを求める指示が表示されます。

    最初の CD を取り出し、Sun Management Center Disk 2 of 2 を挿入します。CD-ROM ドライブの回転が終わるのを待ってから「次へ」をクリックします。

    インストールが完了すると、インストールされた製品の一覧が表示されます。「閉じる」をクリックします。

参照

以上の操作で Microsoft Windows に対するインストール処理は終了します。Microsoft Windows システム上の Sun Management Center コンソールには、設定と構成は必要ありません。この時点で、「Microsoft Windows でコンソールを起動する」に示されている方法で Sun Management Center コンソールを起動できます。