Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド

第 5 章 旧バージョンの SyMON および Sun Management Center のアップグレード (Solaris プラットフォーム)

この章では、単一のマシン上で、Solstice SyMON 1.x、Sun Enterprise SyMON 2.x、Sun Management Center 2.x、および Sun Management Center 3.0 ソフトウェアを Sun Management Center 3.6 にアップグレードする方法について説明します。

この章では、次の内容について説明します。


注 –

SyMON または Sun Management Center のデータを移行しない場合は、Sun Management Center 3.6 をインストールする前に、既存の SyMON または Sun Management Center ソフトウェアをアンインストールする必要があります。既存のデータを保存しないで SyMON または Sun Management Center ソフトウェアをアンインストールする場合は、付録 A 「SyMON とSun Management Center のアンインストール」を参照してください。


アップグレードの考慮事項

どのバージョンでも Sun Enterprise SyMON または Sun Management Center ソフトウェアからアップグレードするには、まず、サーバーレイヤーとコンソールレイヤーをアップグレードしておく必要があります。

表 4–1 に示すように、Sun Management Center 3.6 サーバーとコンソールは旧バージョンの Sun Management Center エージェントと Sun Enterprise SyMON 2.0.1 エージェントをサポートします。したがって、 Sun Management Center エージェントは、ユーザーの事情に合わせてアップグレードできます。

Sun Management Center 3.6 で提供されている高度な監視/管理機能を利用するためには、すべての Sun Management Center ソフトウェアコンポーネントをバージョン 3.6 にアップグレードする必要があります。


注 –

アップグレードでは、以前のインストールで使用していたものと同じポート番号を使用する必要があります。これは、エージェントのアップグレードとサーバーのアップグレードのどちらにも該当します。


Solstice SyMON 1.x または Sun Enterprise SyMON 2.x ソフトウェアからのアップグレード

Sun Enterprise SyMON 1.x または Sun Enterprise SyMON 2.x からのアップグレードの場合は、Sun Management Center 3.6 にアップグレードする前に、Sun Management Center 2.1 または 2.1.1 にアップグレードしておく必要があります。アップグレード手順については、『Sun Management Center 2.1 Software User's Guide』の「Upgrading from Sun Enterprise SyMON 2.x to Sun Management Center 2.1 Software」を参照してください。


注意 – 注意 –

SyMON 1.x または 2. x の規則を変更していた場合は、Sun Management Center 3.6 をインストールする前に、それら規則をバックアップしておいてください。3.6 のインストールと設定プロセスでは、SyMON 1. x または 2.x ファイルが上書きされることがあります。イベント規則を変更した場所に応じて、/etc/opt/SUNWsymon ディレクトリか /opt/SUNWsymon/etc ディレクトリ、またはその両方のディレクトリをバックアップしておいてください。


Sun Management Center 2.1 または Sun Management Center 2.1.1 へのアップグレードを完了すると、「Sun Management Center 2.1 または 2.1.1 からのアップグレード」 の手順に従って Sun Management Center 3.6 にアップグレードできます。

Solstice SyMON 1.x および Sun Enterprise SyMON 2.x ソフトウェアは、同じサーバー上では Sun Management Center 3.6 ソフトウェアと共存できません。 Sun Management Center セッションは、複数のサーバーまたはサーバーコンテキストで稼働させることができます。サーバーコンテキストの詳細は、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』「Sun Management Center のアーキテクチャー」を参照してください。

Sun Management Center 2.1 または 2.1.1 からのアップグレード

Sun Management Center 2.x サーバーのデータを移行して、Sun Management Center 3.6 で使用する場合は、後述するように、移行ユーティリティを使用します。

Sun Management Center 2.x サーバーのデータを移行しない場合は、Sun Management Center 3.6 をインストールする前に、Sun Management Center 2.x を事前にアンインストールします。Sun Management Center 2.x のアンインストールは、「Sun Management Center 2.x のアンインストール」 の手順に従ってください。


注 –

Sun Management Center 2.x から Sun Management Center 3.6 へのエージェントの移行またはアップグレードの場合、移行ユーティリティを実行する必要はありません。エージェントのアップグレード手順については、「エージェントのインストールおよび更新イメージの作成」および 「エージェント専用インストールイメージ、エージェント更新イメージ、およびパッチ専用イメージの適用」を参照してください。


ProcedureSun Management Center 2.x サーバーからアップグレードする

手順
  1. Sun Management Center 2. x サーバーがインストールされているマシンに、スーパーユーザーとしてログインします。

  2. Sun Management Center 3.6 用にシステムの準備をします (第 4 章「Sun Management Center のアップグレードまたはインストールの準備」を参照)。

  3. http://www.sun.com/sunmanagementcenter/ から tar ファイル sunmc_2x_server_upgrade.tar をダウンロードします。

    1. tar ファイルを展開します。


      # tar xvf sunmc_2x_server_upgrade.tar
      
    2. ファイル sunmc_2x_server_upgrade_README.txt に示されている移行方法に目を通し、移行作業を行います。

      移行ユーティリティは、Sun Management Center 2.x のデータを /var/opt/SUNWsymon/2x ディレクトリに保存します。

  4. Sun Management Center 2.x ソフトウェアをアンインストールします。

    /opt/SUNWsymon/sbin/es-uninst コマンドを入力して、Return キーを押します。


    注意 – 注意 –

    Sun Management Center 2.x のディレクトリは削除しないでください。Sun Management Center 2.x のアンインストールプロセスは、Sun Management Center 2. x ソフトウェアを削除するだけで、Sun Management Center 2.x のデータは削除しません。


  5. 必要に応じて Solaris オペレーティング環境をアップグレードします。

    Sun Management Center 2.x サーバーからのアップグレードの場合は、Solaris 8 または Solaris 9 の開発環境がマシンで動作している必要があります。詳細は、「必須パッケージ」を参照してください。


    注意 – 注意 –

    Solaris バージョン 8 または Solaris バージョン 9 にアップグレードする必要がある場合は、必ず Solaris のアップグレードを行なってください。Solaris を新規インストールすると、ハードディスクが再フォーマットされるため、Sun Management Center 2.x の構成データが削除されます。このため、Solaris を新規インストールすると、Sun Management Center 2.x の構成データを Sun Management Center 3.6 に移行できなくなります。


    1. ディレクトリ /var/opt/SUNWsymon/2x とこのディレクトリのサブディレクトリを別のマシンまたはバックアップデバイスにバックアップします。

    2. Solaris オペレーティング環境をアップグレードします。

      手順については Solaris マニュアルを参照してください。

    3. 必要に応じて、/var/opt/SUNWsymon/2x ディレクトリとそのサブディレクトリをマシンに復元します。

  6. Sun Management Center 3.6 をインストールします。

    Sun Management Center 3.6 のインストールには、Sun Management Center 3.6 のグラフィカルユーザーインタフェースコマンドの es-guiinst、またはコマンド行スクリプト es-inst のいずれかを使用します。

    エクスポートされた Sun Management Center 2.x データが検出されたことと、そのデータが新しいリリースに移行されることを知らせるメッセージが表示されます。

Sun Management Center 3.0 からのアップグレード

以降で説明するように、Sun Management Center 3.6 には、Sun Management Center 3.0 のサーバーとエージェントをアップグレードする方法がいくつかあります。

サーバーのアップグレード

Sun Management Center 3.0 サーバーを Sun Management Center 3.6 にアップグレードするには、次のいずれかの方法を使用します。

Sun Management Center 3.6 インストールプロセスは、インストールされている既存の 3.0 を検出して、Sun Management Center 3.0 のes-uninst コマンド行スクリプトを実行します。Sun Management Center の es-uninst スクリプトでは、Sun Management Center 3.0 のデータを保存するかどうかを選択できます。

Sun Management Center 3.0 のデータを保存していると、Sun Management Center 3.6 のインストール後、Sun Management Center 3.6 の設定プロセスが、保存されている Sun Management Center 3.0 のデータを検出して、このデータを Sun Management Center 3.6 に移行するかどうかを選択することできます。

ProcedureSun Management Center 3.0 からアップグレードする


注 –

この手順は、Sun Management Center サーバーがデフォルトのディレクトリ /opt にインストールされていることを前提にしています。別のディレクトリにインストールした場合は、/opt の部分をそのディレクトリ名に置き換えてください。


手順
  1. Sun Management Center 3.0 サーバーがインストールされているマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. Sun Management Center のすべてのプロセスを停止します。

    コマンド es-stop -A を入力します。Sun Management Center のすべてのプロセスが停止するのを待ちます。

  3. Sun Management Center 3.6 用にシステムの準備をします (第 4 章「Sun Management Center のアップグレードまたはインストールの準備」を参照)。

  4. 必要に応じて Solaris オペレーティング環境をアップグレードします。

    Sun Management Center 3.0 サーバーからのアップグレードの場合は、Solaris 8 または Solaris 9 の開発環境がマシンで動作している必要があります。詳細は、「必須パッケージ」を参照してください。


    注意 – 注意 –

    Solaris バージョン 8 または Solaris バージョン 9 にアップグレードする必要がある場合は、必ず Solaris のアップグレードを行なってください。Solaris を新たにインストールするとハードディスクが再フォーマットされ、Sun Management Center 3.0 構成データが削除されます。この結果、Sun Management Center 3.0 構成データを Sun Management Center 3.6 に移行できなくなります。


    1. すべての Sun Management Center 3.0 ディレクトリをバックアップします。


      ヒント –

      Sun Management Center 3.0 ディレクトリを別のマシンまたはバックアップデバイスにバックアップするには、ufsdump を使用します。usfdump はシンボリックリンクも保存します。


      デフォルトでは、Sun Management Center 3.0 ソフトウェアは、/opt/SUNWsymon/var/opt/SUNWsymon、および/etc/opt/SUNWsymon ディレクトリにインストールされています。

      • Sun Management Center 3.0 ソフトウェアがデフォルト以外の場所にインストールされている場合は、/var/opt/SUNWsymon/install にある Sun Management Center 3.0 のインストールログを調べて、Sun Management Center 3.0 ソフトウェアがインストールされている場所を確認します。

      • /var/opt/SUNWsymon/install にインストールログがないか、/var/opt/SUNWsymon が存在しない場合は、ソフトウェアがインストールされている場所を特定する必要があります。

        Sun Management Center ソフトウェアは、install-path/SUNWsymon のパスでインストールされます。install-path は親ディレクトリです。

        たとえば、Sun Management Center 3.0 のコアソフトウェアが /export/applications/SUNWsymon にインストールされた仮定 すると、 /export/applicationsinstall-path に該当します。

      Sun Management Center 3.0 ソフトウェアがインストールされている場所を特定するには、次の手順でシステムからすべての SUNWsymon ディレクトリを検索します。

      1. pkgparam SUNWescom BASEDIR コマンドを入力して、Sun Management Center 3.0 のベースディレクトリを特定します。次に例を示します。


        # pkgparam SUNWescom BASEDIR
        /system/opt
      2. find / -name "SUNWsymon" -print コマンドを入力して、Sun Management Center の構成ディレクトリを探します。

    2. Solaris オペレーティング環境をアップグレードします。

      手順については Solaris マニュアルを参照してください。

    3. 必要に応じて、Sun Management Center 3.0 のディレクトリをマシンに復元します。

  5. 次のいずれかの方法で、Sun Management Center 3.0 サーバーを Sun Management Center 3.6 にアップグレードします。

3.5 から 3.5 Update 1 または 3.5 Update 2 へのアップグレード

Sun Management Center 3.5 から Sun Management Center 3.5 Update 1 または Update 2 へのアップグレード手順は、Sun Management Center 3.0 から Sun Management Center 3.5 へのアップグレード手順に似ています。

Sun Management Center 3.0 から Sun Management Center 3.5 Update 1 にアップグレードすることもできます。

Sun Management Center 3.5 が稼働しているホストで、次の手順を行います。

  1. 3.5 Update 1 のソースイメージから es-inst を実行します。

    インストールウィザードによって、自動的にアンインストールウィザードが起動されます。このスクリプトは Sun Management Center 3.5 をアンインストールして、そのデータを保存するかどうかを問い合わせます。

  2. データを保存する場合は、y を入力します。

    Sun Management Center 3.5 のコンポーネントがアンインストールされたあと、Update1 用の新しいパッケージがインストールされます。次に、設定に進みます。前の手順でデータを保存している場合、データを移行するかどうか問い合わせがあります。

  3. データを移行する場合は、 y を入力します。

    これでアップグレード手順は終わりです。

3.5 Update 1 または Update 2 から 3.6 へのアップグレード

Sun Management Center 3.5 Update 1 または Update 2 から Sun Management Center 3.6 へのアップグレード手順は、Sun Management Center 3.5 から Sun Management Center 3.5 update 1 または 2 へのアップグレード手順に似ています。

Sun Management Center 3.0 から Sun Management Center 3.6 にアップグレードすることもできます。

Sun Management Center 3.5 が稼働しているホストで、次の手順を行います。

  1. 3.6 のソースイメージから es-inst を実行します。

    インストールウィザードによって、自動的にアンインストールウィザードが起動されます。このスクリプトは Sun Management Center 3.5 Update 1 または 2 をアンインストールして、そのデータを保存するかどうかを問い合わせます。

  2. データを保存する場合は、y を入力します。

    Sun Management Center 3.5 Update 1 または 2 のコンポーネントがアンインストールされたあと、3.6 の新しいパッケージがインストールされます。次に、設定に進みます。前の手順でデータを保存している場合、データを移行するかどうか問い合わせがあります。

  3. データを移行する場合は、 y を入力します。

    これでアップグレード手順は終わりです。

エージェントのアップグレード

Sun Management Center 3.0 エージェントを Sun Management Center 3.6 にアップグレードするには、次のいずれか方法を使用します。