Sun Management Center 3.6 インストールと構成ガイド

Sun Management Center サーバーと Performance Reporting Manager アドオン

Sun Management Center の Performance Reporting Manager (PRM) アドオンを使用すると、Sun Management Center Center エージェントが監視している任意のデータプロパティに関して、その履歴的な傾向を追跡したり、レポートを生成したりできます。PRM アドオンは大量のデータを収集および処理できるので、Sun Management Center サーバーのサイジング要件に大きな影響を与える可能性があります。

PRM アドオンの影響は、図 C–1 の PRM 部分に示されています。一般的に、管理作業と PRM が追跡するデータープロパティの総数が増えるほど、Sun Management Center サーバーが管理できるエージェント数は減ります。

PRM アドオンを持つ Sun Management Center サーバーの要件を判断するには、2 つのステップが必要です。

  1. 図 C–1 を参照しながら、PRM アドオンがインストールされている Sun Management Center サーバーが管理するエージェントの総数にもとづいて、必要なマシンのクラスを判断します。

  2. 収集する PRM データプロパティのおおよその数にもとづいて、適切な PRM 構成を判断します (次項を参照)。

PRM 構成の種類

Sun Management Center の設定では、次の表に示す PRM 構成の種類のから 1 つを選択することができます。「アーキテクチャ」列は、表 C–4 に示したマシンのアーキテクチャを指します。

表 C–5 PRM 構成の種類の要件

PRM 構成の種類 

ディスク容量 

PRM プロパティの総数 

エージェント数の例 

エージェント当たりのプロパティ数の例 

アーキテクチャ 

小型 PRM 

5G バイト 

50,000 

100 

300 

小 

 

 

 

400 

100 

中 

中型 PRM 

12G バイト 

150,000 

300 

300 

中 

 

 

 

500 

300 

大 

 

 

 

750 

200 

超大 

大型 PRM 

24G バイト 

240,000 

600 

300 

大 

 

 

 

750 

300 

超大 

通常、Sun Management Center の小型サーバーは小型 PRM 構成に使用されます。中型サーバーは中型 PRM 構成に使用されます。そして、大型サーバーと超大型サーバーは大型 PRM 構成に使用されます。Sun Management Center の超大型サーバーは小型 PRM や中型 PRM にも使用できますが、利用できるディスク容量や予想される PRM データ収集要件によって条件は変わります。

PRM サーバーの構成例

次の表に、アーキテクチャの種類ごとに管理できるエージェント数の例を示します。この例では、各エージェントが PRM ごとに平均 300 個のデータプロパティを収集するとを仮定しています。 「1 時間ごとのデータ収集」列は、(1 時間ごとに) データを収集するのに必要な概算時間を示しています。「夜間処理」列は、収集したデータを処理するのに必要な概算時間を示しています。データを収集および処理するのに必要な時間は、サーバーのハードウェア、サーバーの活動、およびデータベース内の PRM データ数によって変わります。

表 C–6 サーバーの例: 管理対象のエージェント数

アーキテクチャ 

エージェント数 

PRM プロパティの総数 

PRM 構成の種類 

1 時間当たりデータ収集 

夜間処理 

小 

100 

30,000 

小 

2 分 

1 〜 2 時間 

中 

300 

90,000 

中 

7 分 

3 〜 4 時間 

大 

600 

180,000 

大 

7 分 

3 〜 6 時間 

超大 

750 

225,000 

大 

6 分 

3 〜 6 時間 

Performance Reporting Manager レポートの生成

さまざまなエージェント数、データプロパティ数、およびレポート期間 (4 時間から 1 か月など) を指定することによって、さまざまなレポートを生成できます。

通常のレポートは、生成するには数秒から数分かかります。実際にかかる時間は、次の要因によって変わります。

たとえば、Performance Reporting Manager アドオンが構成されている中型の Sun Management Center サーバーで、比較的簡単なレポート、たとえば 1 つのエージェントの 5 つのデータプロパティを 24 時間調べたレポートを生成するには、約 20 秒かかります。より複雑なレポート、たとえば、5 つのエージェントの 5 つのデータプロパティを 7 日間調べたレポートになると、生成するのに約 10 分かかります。


注 –

ここで、Performance Reporting Manager アドオンがインストールされている中型の Sun Management Center サーバーとは、450 MHz の UltraSPARC II CPU x 2 、1G バイトの RAM、および 1G バイトのスワップ領域を持つ SunFire-280R を想定しています。また、この SunFire-280R は Performance Reporting Manager 用に 300 個のエージェントを監視しており、エージェントごとに 300 個のデータプロパティを収集するものとします。


Performance Reporting Manager レポートのスケジューリング

レポートを生成するのに 30 分以上もかかる場合、午前 4:00 から午前 8:00 までの間にレポートを実行するようにスケジュールする方が賢明です。大きなレポートの生成を午前 4:00 以降に実行するようにスケジュールすることによって、通常の営業時間におけるSun Management Center サーバーの負荷を下げることができます。また、そうすることによって、通常、午前 12:00 から午前 4:00 までの間にスケジュールされる Sun Management Center の夜間作業と Performance Reporting Manager の作業が競合する可能性を少なくすることもできます。