Sun Management Center 3.6 System Reliability Manager ユーザーガイド

第 2 章 OS クラッシュダンプアナライザ

この章では、OS クラッシュダンプアナライザモジュールの概要について説明します。

OS クラッシュダンプアナライザモジュールの概要

OS クラッシュダンプアナライザモジュールは、システムのダンプ設定を調べて、OS クラッシュダンプの発生を検知します。

このモジュールは、次の機能を提供します。

OS クラッシュダンプアナライザモジュールは、次の種類のアラームを生成します。

アラームしきい値は、属性エディタで設定できます。属性エディタの詳細は、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』を参照してください。

モジュールのデータ取得には、 dumpadm コマンドを使用します。dumpadm コマンドは、Solaris 2.6 オペレーティング環境では利用できません。このため、設定時に dumpadm ツールが見つからない場合は、savecore ディレクトリの場所の指定が求められます。通常、この場所は /var/crash/system_name です。

OS クラッシュダンプアナライザは「ダンプ構成」と「UNIX/vmcore ファイルリスト」の 2 つの表を表示します。

ダンプ構成テーブルは、次に示す値を表示します。

表 2–1 「ダンプ構成」テーブル

フィールド名 

説明 

ダンプ内容 

次のページに対する値のうち、いずれか可能な値を含みます。 

  • カーネルメモリーのみに対する「Kernel pages」

  • すべてのメモリーページに対する「All pages」

ダンプデバイス 

次の値が利用できます。 

  • ダンプデバイス: /dev/dsk/cNtNdNsN などの絶対パス名で指定される特定のダンプデバイス。

  • スワップ: ダンプデバイスとして特殊なトークンスワップが指定された場合、dumpadm コマンドはアクティブなスワップエントリを調べます。この値は、ダンプデバイスを選択する場合に、最も設定に適したエントリです。

セーブコアディレクトリ 

savecore ディレクトリへのパス。

有効なセーブコア 

有効な場合には「Yes」を表示し、無効な場合には「No」を表示します。 

クラッシュダンプ数 

savecore ディレクトリ内で検知されたクラッシュダンプの数。

「ダンプ構成」テーブルの最初の 4 つのフィールドは、dumpadm コマンドを使用して変更できます。

dumpadm コマンドの構文は次のとおりです。

dumpadm [ -nuy ] [ -c content-type ] [ -d dump-device ] [-m min k | min m |min% ] [ -s savecore-dir ] [ -r root-dir ]

Solaris 2.6 オペレーティング環境では、「ダンプ構成」表の情報が異なります。このオペレーティング環境では、savecore ディレクトリとクラッシュダンプの数のみが表示されます。

「UNIX/vmcore ファイルリスト」テーブルは、各クラッシュダンプの詳細情報を提供します。

表 2–2 「UNIX/ vmcore ファイルリスト」テーブル

フィールド 

説明 

ID 

ファイルの識別子 

vmcore サイズ

vmcore ファイルのサイズ

unix サイズ 

UNIX コアファイルのサイズ 

クラッシュ日付 

クラッシュダンプの発生した日付 

ProcedureOS クラッシュダンプアナライザにアクセスする

手順
  1. OS Crash Dump Analyzer モジュールをロードします。

    モジュールのロード方法については、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』を参照してください。ロードすると、「オペレーティングシステム」カテゴリにモジュールが表示されます。

    ここで連絡先の電子メールアドレスを指定することもできます。手順の詳細は、「電子メールアドレスを指定する」を参照してください。

  2. 階層ウィンドウで「オペレーティングシステム」をダブルクリックします。

  3. 「OS クラッシュダンプアナライザ」をダブルクリックします。

    「OS クラッシュダンプアナライザ」アイコンがコンテンツウィンドウに表示されます。

    「OS クラッシュダンプ」というアイコン。これは図に関する説明です。
  4. コンテンツウィンドウで「OS クラッシュダンプ」アイコンをダブルクリックします。

    「詳細」ウィンドウに「ダンプ構成」テーブルと「UNIX/vmcore ファイルリスト」テーブルが表示されます。

Procedure電子メールアドレスを指定する

この手順では、モジュールをロードしたときに電子メールアドレスが指定されているものと仮定します。モジュールが使用する電子メールアドレスを指定するには、次の手順を実行します。

手順
  1. 階層ウィンドウの「OS クラッシュダンプアナライザ」アイコンでマウスボタン 3 を押します。

    ポップアップメニューが表示されます。

  2. メニューから「モジュールの編集」を選択します。

    「モジュールの編集」ダイアログが表示されます。

  3. 連絡先の電子メールアドレスを指定します。

  4. 「了解 」をクリックします。

Procedureセーブコアのファイルシステムサイズを表示する

手順
  1. OS クラッシュダンプアナライザモジュールが表示されていない場合は、「OS クラッシュダンプアナライザにアクセスする」の説明に従ってモジュールにアクセスしてください。

  2. 階層ウィンドウの「OS クラッシュダンプ」アイコンでマウスボタン 3 を押します。

    ポップアップメニューが表示されます。

  3. 「セーブコアのファイルシステムサイズ」を選択します。

    Sun Management Center の「検索表示」ウィンドウにコマンドの結果が表示されます。

Procedureクラッシュダンプファイルを解析する

手順
  1. OS クラッシュダンプアナライザモジュールが表示されていない場合は、「OS クラッシュダンプアナライザにアクセスする」の説明に従ってモジュールにアクセスしてください。

  2. 「UNIX/vmcore ファイルリスト」テーブルからクラッシュダンプファイルを選択します。

  3. 行内の任意の場所でマウスボタン 3 を押します。

    ポップアップメニューが表示されます。

  4. 「システムクラッシュダンプ解析」を選択します。

    このオプションは、「検索表示」ウィンドウに結果を表示します。この情報には、スタック追跡、プロセス情報、メッセージバッファ、およびその他の詳細が含まれます。

    ファイルが破損している場合、「検索表示」はステータス情報のみが含まれる不完全なレポートを表示します。

  5. (省略可能) 結果を電子メールメッセージで送信したい場合は、行上でマウスボタン 3 を押し、ポップアップメニューから「電子メールによる解析出力」を選択します。