スクリプト起動用ウィンドウモジュールにより、管理機能をエージェントに委託できます。管理機能は、管理スクリプト言語で書かれた管理スクリプトです。スクリプト起動用ウィンドウモジュールは、マルチインスタンスモジュールです。スクリプト起動用ウィンドウモジュールのすべてのインスタンスが、言語およびスクリプト情報について、同じスクリプトリポジトリモジュールにアクセスします。
(Solaris 10 のみ) スクリプト起動用ウィンドウモジュールから DScript を実行できます。
DScript には、連続的に監視するものがあり、そうしたスクリプトの出力は膨大になります。CPU の速度が低下し、Java コンソールがハングアップする可能性があるため、そうしたスクリプトの使用は避けることを推奨します。
次のコードを抜粋して使用すると、任意の DScript に接続して、特定の時間、実行の流れを制御することができます。
tick-1sec
/i++ >= 10/
{
exit(0);
}
上記の例では、DScript が 10 秒間のみ実行され、10 秒後に出力を見ることができます。
スクリプト起動用ウィンドウモジュールには 2 つのテーブルがあります。
起動テーブル – 実行可能なスクリプトとそのパラメータを示します。
結果テーブル – 選択したスクリプトの実行結果を表示できます。
スクリプト起動用ウィンドウモジュールでは、次のようにスクリプトを操作できます。
スクリプトリポジトリモジュールのスクリプトに対して、読み取り、書き込み、および実行が許可されるユーザーを制御します。
管理スクリプトの引数を指定します。
管理スクリプトを開始および終了します。
管理スクリプトの実行を監視し制御します。
管理スクリプトの実行により生成された結果を表示します。
スクリプトの読み取り、書き込み、実行が許可されるユーザーを制御します。
スクリプト起動用ウィンドウモジュールには、次のセキュリティー機能が実装されています。
root は、起動テーブルの LaunchOwner フィールドの一部に登録できません。マシンの root ユーザーがスーパーユーザーとしてスクリプトを実行できるようにするには、マシン上に新しいユーザーを作成してください。そのユーザー名を使用してスクリプトを実行します。
launchOwner は、サーバー上の新しい esscrusers グループの一部でなければなりません。esscrusers だけが起動テーブルで行の作成および変更を行うことができます。
起動所有者 (launchOwner) は、エージェントマシン上の有効なユーザーでなければなりません。ユーザーは、エージェント上の NIS などのサービスによって追加されたローカルユーザーでなければなりません。スクリプトは、起動所有者のアクセス権で実行されます。
スクリプト起動用ウィンドウモジュールを使用するには、スクリプトリポジトリモジュールをロードしておく必要があります。
モジュールをロードします。
詳細は、『Sun Management Center 3.6 ユーザーガイド』を参照してください。スクリプトリポジトリモジュールは、モジュールブラウザウィンドウの「ローカルアプリケーション」から利用可能です。
モジュールブラウザウィンドウで、「ローカルアプリケーション」をダブルクリックします。
「スクリプト起動用ウィンドウ」をダブルクリックします。
起動テーブルと結果テーブルが表示されます。
起動テーブルは、すべてのスクリプトの実行を制御します。この表には、実行可能なスクリプトとそのパラメータの記述が示されています。
起動テーブルのエントリは、スクリプトに引数を付加します。エントリはさらに所有者 (スクリプトを実行するアクセス権に関連付けられた) を定義します。
スクリプトのいくつかのインスタンスは、このテーブル内の単一エントリによって作成されます。このテーブル内のいくつかのエントリは、スクリプトテーブル内の同一スクリプトを指すことがあります。異なる引数と異なるアクセス権で、いくつかの同一スクリプトを実行することができます。スクリプトは、起動所有者のアクセス権でのみ実行できます。
表 5–2 起動テーブルの属性
「スクリプト起動用ウィンドウモジュールにアクセスする」の説明に従って、起動テーブルにアクセスします。
起動テーブルの見出しで、マウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューが表示されます。
「新規行」を選択し、必須パラメータをすべて指定します。
「スクリプト所有者」および「スクリプト名」の値は、この起動ボタンから開始されたスクリプトを指します。
「スクリプト起動用ウィンドウモジュールにアクセスする」の説明に従って、起動テーブルにアクセスします。
起動対象のスクリプト名を表示している行上でマウスボタン 3 を押します。
「スクリプトを起動」を選択します。
スクリプトが起動されます。
「スクリプト起動用ウィンドウモジュールにアクセスする」の説明に従って、起動テーブルにアクセスします。
停止するスクリプトを表示している行上でマウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューが表示されます。
「スクリプトを中止」を選択します。
スクリプトが実行を停止します。
結果テーブルには、現在実行中または最近終了したすべてのスクリプトがリストされます。このテーブルには、次の情報が含まれています。
スクリプトの実行が開始された時刻と終了した時刻
スクリプトの実行が終了した理由
スクリプトの実行結果
スクリプトを実行できる残り時間
結果テーブルの各行に、スクリプトの実行中に渡された引数、スクリプトによって生成された結果、およびスクリプトの終了コードが含まれています。また、結果テーブルは、現在の実行情況、開始と終了のタイムスタンプに関する情報を提供します。
表 5–3 結果テーブルの属性
「スクリプトリポジトリモジュールにアクセスする」の説明に従って、結果テーブルにアクセスします。
結果テーブルで、実行中のスクリプトエントリ上でマウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューが表示されます。
「結果ログを表示」を選択して、選択した実行中のスクリプトに対応する結果ログファイルを表示します。
検索表示ウィンドウが表示されて、結果ログが表示されます。
コマンド行からログファイルにアクセスすることもできます。ログファイルは、/var/opt/SUNWsymon/SysMgmtPack/script-launcher/scripts/ UserName/logs ディレクトリに保存されます。ログファイル名には、実行中のインスタンス名が含まれるため、ユーザーが同じスクリプトを何度か実行した場合に、現行のログファイルがどれか識別できます。
「スクリプトリポジトリモジュールにアクセスする」の説明に従って、結果テーブルにアクセスします。
結果テーブルの行上でマウスボタン 3 を押します。
ポップアップメニューが表示されます。
「行の削除」を選択します。
ダイアログボックスが表示され、削除操作の確認または取り消しを行います。
「はい」をクリックして削除します。
行が削除されると、結果テーブルが自動的に更新されます。