Sun Management Center 3.6.1 インストールと構成ガイド

エージェントレイヤーのリソース

高度な管理および 監視機能を確立するには、ネットワーク内のすべての管理対象ノードに Sun Management Center 3.6.1 エージェントをインストールする必要があります。Sun Management Center エージェントは、Solaris バージョン 7、Solaris バージョン 8、Solaris バージョン 9、Solaris バージョン 10 のいずれかが動作するすべての SPARC プラットフォームワークステーションおよびサーバーでサポートされます。Sun Management Center エージェントはまた、Solaris オペレーティングシステム (Solaris 9 または Solaris 10) の x86 プラットフォーム版もあり、Linux でも使用できます。

x86 エージェントの制限事項


注 –

Linux エージェントにも、同じ制限が適用されます。


X86 構成リーダーを除くx86 エージェント は、特定のハードウェア専用のアドオンをサポートしません。x86 エージェントのホストの「詳細」ウィンドウの「モジュールブラウザ」タブには、「オペレーティングシステム」、「ローカルアプリケーション」、および「遠隔システム」カテゴリがあります。x86 プラットフォームでは、物理表示、論理表示、ハードウェア診断モジュール、および構成リーダーモジュールは利用できません。

Java コンソールウィンドウでは、すべての x86 プラットフォームが同じ x86 アイコンになります。たとえば、Sun Cobalt LX50 とSun Fire V60x という異なる 2 つの x86 プラットフォームでもアイコンは同じです。

検出機能、ジョブの管理機能、または PRM アドオンを使用すると、フィルタでプラットフォームの種類を選別することができます。x86 プラットフォームで選別するには、プラットフォームオプションとして x86 を選択します。

Performance Reporting Manager (PRM) アドオンの場合、システムレポートとハードウェア構成レポートは利用できません。

CPU リソース

Sun Management Center エージェントがホストシステムに与える演算負荷は、最低限のものです。演算負荷は、定期的なデータ収集、アラーム規則の処理、アラーム予告、アラームアクションの実行、クライアント要求の処理といった通常の管理オペレーションによって引き起こされます。

負荷の量は、データの収集の頻度、収集されるデータ量、検出されるアラームの数、ユーザー要求の数などに比例します。したがって、消費される CPU リソースの割合は、システムに読み込まれるモジュールの数と種類、これらのモジュールの構成、およびホストシステムの演算能力によって決まります。

総合的なモジュールセットが読み込まれた、管理処理の多いローエンドマシンの場合でも、エージェントは CPU リソースのごく一部しか消費しません。

次の表に、各システムにおけるエージェントの CPU と RAM の概算使用率を示します。x86 エージェントについての情報もあります。

表 C–1 各システムにおけるエージェントの CPU と RAM の概算使用率

 

 

CPU 使用率 (CPU Usage) 

RAM 使用率 

 

 

 

サーバーの種類 

構成 (「重い」または「軽い」) 

最大 

最小 

平均 

平均サイズ 

平均常駐サイズ 

Sun Blade 100 

軽い 

0.10% 

0.00% 

0.21% 

8.77M バイト 

7.02M バイト 

Sun Fire 280R 

軽い 

0.10% 

0.00% 

0.10% 

10.47M バイト 

8.49M バイト 

Sun Blade 2000 

軽い 

0.20% 

0.00% 

0.05% 

8.89M バイト 

7.06M バイト 

Sun Fire 880 

軽い 

0.00% 

0.00% 

0.00% 

8.97M バイト 

7.31M バイト 

Sun Blade 100 

重い 

1.20% 

0.50% 

0.79% 

14.83M バイト 

12.99M バイト 

Sun Fire 280R 

重い 

2.60% 

0.10% 

0.81% 

16.22M バイト 

13.92M バイト 

Sun Blade 2000 

重い 

0.30% 

0.20% 

0.20% 

14.45M バイト 

12.76M バイト 

Sun Fire 880 

重い 

4.40% 

0.10% 

0.88% 

16.15M バイト 

14.41M バイト 

軽い構成は、次のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

重い構成は、次のモジュールが読み込まれたエージェントをベースとしています。

  • 構成リーダー

  • 状態モニター

  • カーネルリーダー

  • MIB-II 計測

  • ディレクトリサイズモニタリング

  • ファイル走査

  • Hardware Diagnostics Suite

  • スクリプト起動用ウィンドウ

  • HP JetDirect

  • エージェント統計情報

  • MIB-II プロキシモニタリング

  • その他の各種モジュール (カスタムモジュールなど)

構成が重いサーバーは、必要以上の規模となる可能性があります。マシンのサイズが大きいほど一般にプロセッサとディスクが増え、ハードウェア構成が大きくなります。これらの構成では、大規模マシンで動作するエージェントのメモリー消費量が多大なものとなります。

仮想メモリー要件

エージェントが使用する仮想メモリーは、いくつかの要因によって決まります。とりわけ重要なのは、読み込まれる管理モジュールの数と、それらのモジュールによって監視される情報の量です。1 つのエージェントに多数のモジュールを読み込む場合は、必要となるメモリーが増えます。同様に、大規模ディスクアレイを始めとする拡張性の高い資産を抱えるホストを管理するエージェントの場合、より多くの仮想メモリーを必要とします。これは、エージェントを通して渡される管理情報の量が増えるためです。

一般に、デフォルトの管理モジュールセットが読み込まれたベースエージェントはサイズが 10MB 未満であり、物理メモリー内に常駐させる必要があるのは、10MB のうちのわずか 50 から 60%です。

ハードウェア固有モジュールの可用性

Sun Management Center 管理モジュールのほとんどは、Sun Management Center エージェントを使用したあらゆる SPARC プラットフォームシステム間で移植できます。しかし、ハードウェア固有の高度な Sun Management Center モジュールの中には一部の Sun ハードウェアでサポートされていないものがあります。たとえば、プラットフォームに付属の Config-Reader モジュールや動的再構成 (DR) モジュールはそのハードウェアプラットフォームを管理する高度な機能を提供しますが、それらのモジュールの機能が Sun 製品ファミリ内のあらゆるハードウェアシステムに適用できるとはかぎりません。

次の表に、各ハードウェア プラットフォームにおける Sun Management Center 管理モジュールの可用性を簡単に示します。

表 C–2 ハードウェア固有モジュールの可用性

ハードウェア 

Config-Reader モジュール 

動的再構成 (DR) モジュール 

その他のすべての Sun Management Center モジュール 

SPARCStation 1/2/5/10/20 

不可 

不可 

可 

Sun Ultra 1/450 

可 

不可 

可 

Sun Enterprise 5/10/150、Sun Fire 280R、Sun Fire V480 

可 

不可 

可 

SPARCserver 1000/1000E 

可 

不可 

可 

SPARCcenter 2000/2000E 

可 

不可 

可 

Sun StorEdge A5x00/T3 

可 

不可 

可 

Netra T1120 〜 1125/T1400 〜 T1405 

可 

不可 

可 

Sun Blade 100/1000/1500/2500 

可 

不可 

可 

Sun Fire 3800/4800/4810/6800/V210/ V240/V250/V440/V880/E25K/E20K/E6900/E4900 

可 

可 

可 

管理モジュールのリソース

管理モジュールのリソース要件は、以下の要因によって決まります。

次の表に、Sun Management Center 管理モジュールのリソース影響について概要を示します。

表 C–3 Sun Management Center 管理モジュールのシステムに対する影響

モジュール 

影響 

エージェント統計情報

フットプリントと CPU 負荷にわずかな増大を引き起こす 

構成リーダー

管理対象ノードのハードウェア構成の複雑さに応じて CPU とメモリーを使用する 

データロギングレジストリ

ログ化されるデータ値の量に応じて、フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

ディレクトリサイズモニタリング

監視対象のディレクトリの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視対象となるディレクトリの数とそれらのディレクトリ内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

動的再構成 

フットプリントに対する影響がわずかであり、再構成処理を実施する場合のみ CPU を利用する 

ファイルモニタリング

監視対象となるファイルの数に応じて、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視されるファイルの数とそれらのファイル内の処理に応じて、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

ファイル走査 (システムログ)

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

状態モニター

リソースに対する影響が比較的小さい 

HP JetDirect

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

IPV6 計測

ネットワークインタフェースの数に応じ、CPU 負荷のわずかな増大と、 低から中程度のフットプリント増大を引き起こす 

カーネルリーダー

管理対象であるファイルシステムや CPUなどのシステムリソースの数と、この情報の更新頻度に応じ、CPU とメモリーに影響を与える。Simple Kernel Reader よりも多くのリソースを消費する 

カーネルリーダー (簡易) 

CPU とメモリーにわずかな影響を与える 

MIB-II 計測

ネットワークインタフェースの数、経路テーブル、ARP テーブル、および関連するシステムテーブルのサイズに応じ、わずかな CPU 負荷と低から中程度のフットプリント増大を引き起こす 

MIB-II プロキシモニタリング 

プロキシで監視された SNMP エージェントの MIB サイズに応じ、中程度のフットプリント増大を引き起こす。プロキシで監視された SNMP エージェント内の管理対象オブジェクトの数に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

MIB-II システム (簡易)

CPU 負荷はほとんど起きず、フットプリントはシステムインタフェース、IP 転送、および IP アドレステーブルのサイズに応じてごくわずか増大する 

NFS ファイルシステム

ホストマシンにマウントされているネットワークファイルシステムの数に応じてフットプリントのわずかな増大を引き起こす。CPU 負荷はわずかである 

NFS 統計情報

フットプリントのわずかな増大と低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

プリントスプーラ

フットプリントと CPU 負荷のわずかな増大を引き起こす 

Solaris プロセス評価

監視対象のプロセスの数に応じ、フットプリントのわずかな増大を引き起こす。監視対象のプロセスの数とプロセスの開始と停止の頻度に応じ、低から中程度の CPU 負荷を引き起こす 

Sun StorEdge A5x00 アレイ、Sun StorEdge T3 アレイ

ストレージデバイスのサイズに応じ、フットプリントと負荷の中程度の増大を引き起こす