sigbcmd(1M)
名前 | 形式 | 注意 | 機能説明 | オプション | 使用例 | 環境 | 注意事項
名前
- sigbcmd- SSP からドメインへのコマンドの送信
形式
-
sigbcmd [-svif] [-t retries] [-p proc] cmd
sigbcmd [-vif] [-t retries] -p proc -r
注意
このコマンドは購入先の技術者のみが使用します。このコマンドを間違って使用すると、ドメインの活動を妨げ、予期しないエラーを引き起こします。場合によっては、オペレーティングシステムに重大な障害が発生することもあります。
機能説明
sigbcmd は SSP ユーティリティーであり、次のような処理を実行します : 環境変数 SUNW_HOSTNAME によって指定された Sun Enterprise 10000 ドメインへ特定のコマンド (cmd) を送る。メールボックスの状態を表示する (-s)。プロセッサのメールボックスのフラグをリセットして、空白にする (-r)。cmd が応答を予期している場合、ドメインからその応答を取り出す。
sigbcmd はシグニチャーブロックのメールボックスインタフェースを使用してカーネルと通信し、コマンドを実行します。このメールボックスは BBSRAM に常駐しています。
オプション
- cmd
-
ドメインへ送られるコマンドを表す ASCII 名です。現時点でサポートされているコマンドは、obp (ドメインを OBP に入れます) と panic (ドメインをパニックにします) です。
注 -オプション -f を使用しない限り、panic または obp コマンドを IDN ドメインに送信することはできません。それらのコマンドを送信するには、まず domain_unlink(1M) を使用してドメインのリンクを解除する必要があります。
- -s
-
メールボックスの現在の状態 (flag、cmd、data フィールド) を表示します。データフィールドについては、最初の 32 バイト (SIGB_MBOX_SIZE/2) だけが表示されます。
- -v
-
冗長 (verbose) モードで実行し、デバッグ情報を出力します。デフォルトは簡潔 (terse) モードです。
- -i
-
コマンドを実行するかどうかをユーザーに問い合わせます。デフォルトでは問い合わせません。
- -f
-
メールボックスのフラグを無視して、実行を強制します。-f が設定されていない場合は (デフォルト)、メールボックスでなにかが検出されても (すなわち、flag != SIGB_MBOX_EMPTY)、sigbcmd はメールボックスコマンドを書き出しません。-f が指定されていれば、どのような場合でもメールボックスコマンドが書き出されます。このオプションは、IDN に対する実行を強制します。ただし、IDN ドメインがパニックになると、クラスタがアービトレーション停止することがあります。
- -r
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-p proc で指定されたターゲットプロセッサのメールボックスのフラグをリセットし、空白にします。
- -t retries
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応答が予期されている場合、メールボックスを読み取り、指定された回数だけその応答を探します。retries は整数値です。読み取りと読み取りの間には、1 秒間のポーズが入ります。応答が見つからないときは、エラーメッセージが表示されます。retries のデフォルトは 10 であり、探索には約 10 秒かかります。
- -p proc
-
指定したプロセッサをコマンドのターゲットとします。デフォルトでは、現在使用できるプロセッサ (通常はブートプロセッサ) が選択されます。
sigbcmd はコマンドを 1 つだけ実行して終了します。したがって、-r、-s、cmd の各オプションは相互に排他的であり、同時に指定することはできません。同時に複数のオプションを指定すると、-r、-s、cmd の優先順位に従って 1 つだけが使用されます。
使用例
例 1 OBP へ移動します。
ターゲットのドメインを OBP に入れます。
sigbcmd -p 4 obp |
例 2 コマンドを送信します。
プロセッサ 4 に domain panic コマンドを送ります。ユーザーからの肯定応答を待ってから、コマンドを送ります。
sigbcmd -i -p 4 panic |
環境
環境変数 SUNW_HOSTNAME が該当ドメイン名に設定されている必要があります。
注意事項
このコマンドは、ドメインのオペレーティングシステムの整合性が保たれており、(NMI レベル 15 割り込みを通じて) メールボックスコマンドの受け入れが可能であることを前提とします。
このユーティリティーは権限チェックを行わないことに注意してください。
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