Sun Enterprise 10000 SSP 3.5 リファレンスマニュアル

blacklist(4)

名前

blacklist- 起動されないシステムリソースのリスト

機能説明

$SSPVAR/etc/platform_name/blacklist は ASCII ファイルです。システム管理者 (またはスーパーユーザー) はこのファイルを使用して、ホストシステムの設定を SSP から制限することができます。このファイルには、POST が起動時に使用することができないコンポーネントがリストされています。 POST は blacklist ファイルを読み取ってから、システムを起動するための準備を行い、テストに成功したコンポーネントだけを OBP に渡します。blacklist にリストされているコンポーネントは、OBP には渡されません。

blacklist ファイルには、以下の規則が適用されます。

キーワードでは大文字と小文字が区別されません。
# で始まる行部分はコメントとみなされます。
0x で始まる場合を除き、数字はすべて 10 進数で指定されます。0x で始まる数字は 16 進数です。ただし、[a - f] または [A - F] のいずれかで指定されたボード番号は 16 進数とみなされます。
各行にはキーワードが 1 つだけ存在します。
同じキーワードを複数の行で使用することができます。
各キーワードには 1 つまたは複数の引数を使用することができます。引数は整数値で表され、各整数値はピリオドで区切られます。

キーワード

下記のすべての値の範囲は境界値を含みます。

-sysbd board

: 指定したシステムボードをテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数です。

-proc board.pmod

: 指定したシステムボード内の指定したプロセッサをテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、pmod は 0 〜 3 の整数です。

-abus abus

: 指定したアドレスバスをテストまたは設定しません。abus は 0 〜 3 の整数です。すべてのシステムボードについて、対応する CIC ASIC がブラックリストに入れられます。下記のキーワード cic を参照してください。

-dbus dbus

: 144 ビットのデータルータのうち、指定した 72 ビットハーフをテストまたは設定しません。dbus は 0 または 1 の整数です。すべてのシステムボード上にあるローカルデータルータについて、対応するハーフ部分がブラックリストに入れられます。下記のキーワード ldpath を参照してください。

-ioc board.ioctl

: 指定したシステムボード上の指定した入出力コントローラをテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、ioctl は 0 または 1 です。

-scard board.ioctl.slot

指定したシステムボード上の指定した入出力コントローラ内にある指定した入出力アダプタをテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、ioctl は 0 または 1、 slot は 0 〜 3 の整数です。

注 -

scard の 0〜3 の範囲の整数は、ブラックリストファイルで構文的に正しい値を表わします。この値により入出力モジュールを将来追加することが可能になります。サポートされるモジュールタイプは、現時点では入出力コントローラ 1 台に対し、2 枚の SBus カード、1 枚の PCI カードのいずれかです。ブラックリスト内の存在しない scard は単に無視されます。

-mem board

: 指定したシステムボード上のメモリーをテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数です。

-mgroup board.group

: 指定したシステムボード上の、指定した DIMM メモリーのグループをテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、group は 0 〜 3 の整数です。

-mlimit board.group.MBytes

: 指定したシステムボード上の指定した DIMM グループのメモリー設定を指定した値に制限します (実際の値よりも小さく制限します)。board は 0 〜 15 の整数、group は 0 〜 3 の整数、MBytes は 64 または 256 です。このキーワードはベンチマークを実行するときに有用です。たとえば、実際には 32 MB の DIMM (256 MB グループ) を搭載しているマシンで、8 MB の DIMM (64 MB グループ) のメモリーをシミュレートするような場合です。256 MB のメモリーグループを搭載した 1 枚のボードと、それぞれ 64 MB のメモリーグループを搭載した 4 枚のボードとでは動作が異なるため、こうした詳細な制御が必要になります。

-cplane half_centerplane

: Sun Enterprise 10000 のセンタープレーンのうち、指定したハーフ部分をテストまたは設定しません。センタープレーンハーフには、2 つのアドレスバスと 72 ビットのグローバルデータルータが備わっています。half_centerplane は 0 または 1 です。このコマンドの意味は、当該センタープレーンハーフのバスに対して abus と dbus の両方のコマンドを指定した場合と同じです。

pc board.pc

: 指定したシステムボード上の指定したポートコントローラ ASIC をテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、pc は 0、1、2 のいずれかです。

xdb board.xdb

: 指定したシステムボード上の指定したデータバッファー ASIC をテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、xdb は 0 〜 3 の整数です。

cic board.cic

: 指定したシステムボード上の指定したコヒーレントインタフェースコントローラ ASIC をテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、cic は 0 〜 3 の整数です (cic は該当するボードのアドレスバスに対応します)。

ldpath board.dbus

: 指定したシステムボード上の 144 ビットのローカルデータルータのうち、指定した 72 ビットハーフをテストまたは設定しません。board は 0 〜 15 の整数、dbus は 0 または 1 の整数です。

使用例

例 1 ブラックリストファイルの例

# Sun Microsystems, Inc.
sysbd 3 5 0xA    # システムボード 3、5、10 を使用不可にする
sysbd 3 5 A      # システムボード 3、5、10 を使用不可にする
PROC 4.0 6.2     # システムボード 4 のプロセッサ 0 および
                 # システムボード 6 のプロセッサ 2 を使用不可にする
ScarD 3.0.1      # システムボード 3 の入出力コントローラ 0 に
                 # 装着されている入出力アダプタ 1 を使用不可にする
mem 2            # システムボード 2 のメモリーをすべて使用不可にする
mlimit 0xE.2.64
                 # システムボード 14 の DIMM グループ 2 の
                 # 使用を 64 MB に制限する
cIc 1.2          # システムボード 1 の CIC ASIC 2 を使用不可にする

blacklist(4)

名前

機能説明

キーワード

使用例

例 1 ブラックリストファイルの例

関連項目