1


概要

この章では、SMS 1.4.1 ソフトウェアの再インストールとアップグレードに関連する事項について説明します。インストールとアップグレードの方法については、これ以降の章で説明します。


SC 上の SMS 1.4.1 ソフトウェア

SMS 1.4.1 ソフトウェアの各バージョンは、Solaris 9 と Solaris 8 の両方のオペレーティング環境で使用可能です。各バージョンには違いがあり、対応するオペレーティング環境でのみ動作するように設計されています。

SMS のパッケージは、システムコントローラ (SC) 上の 2 台のディスクで、それぞれ約 18 GB のディスク容量を使用します。次の表に、SMS ソフトウェアに必要なディスク容量をパーティション別に示します。

表 1-1 SMS ソフトウェアに必要なパーティション別のディスク容量

パーティション

ディスク容量

0 /(root)

8 GB

1 /swap

2 GB

4 OLDS/LVM データベース (metadb)

10 MB

5 OLDS/LVM データベース (metadb)

10 MB

7 /export/install

8 GB


SMS では、メタデバイス状態データベースの各コピーのミラーリング専用に、10 MB 以上の容量のパーティションを 2 つ作成する必要があります。

SMS 1.4.1 ソフトウェアに必要な条件

SMS の Solaris 8 バージョンを使用するには、次の条件を満たす必要があります。



caution icon

注意 - Sun Fire Interconnect を使用していて、Java 1.2.2 がインストールされていないか、またはデフォルトのディレクトリにインストールされていない場合、SMS はロードされません。





注 - Java 1.2.2 のインストール後、SMS を停止して再起動してください。



SMS の Solaris 9 バージョンを使用するには、次の条件を満たす必要があります。



caution icon

注意 - Sun Fire Interconnect を使用していて、Java 1.2.2 がインストールされていないか、またはデフォルトのディレクトリにインストールされていない場合、SMS はロードされません。





注 - Java 1.2.2 のインストール後、SMS を停止して再起動してください。



デフォルトの停止シーケンス

SMS 1.3 以降では、システムを停止するためのデフォルトのシーケンスが、従来の STOP-A から次のように変更されています。

[Return][~][CTRL-B]

このように変更されたのは、より確実にフェイルオーバーを行うためです。これは Solaris 8 で導入された新機能で、ハングしているシステムを強制的に停止できるようになり、同時にランダムなキー入力によるシステムの意図せぬ停止も効果的に避けられます。



注 - このキーシーケンスが使えるのは、コンソールとして機能しているシリアルデバイスだけです。システム本体に接続されているキーボードでは使えません。それぞれのキー入力の間には 0.5 秒以上の間隔をおきます。さらに、シーケンス全体は 5 秒以内に入力し終える必要があります。



ソフトウェアの組み合わせ

次の図は、Solaris 8 と Solaris 9 オペレーティング環境において SMS ソフトウェアをアップグレードできるパスを示します。

SMS のアップグレードパスを示した図。

SMS のアップグレードパス

SMS 1.1 は現在サポートされていません。SMS 1.3 から SMS 1.4 へアップグレードできないことにも注意してください。同等のアップグレードとして SMS 1.3 から SMS 1.4.1 への移行は可能です。

SMS 1.4 から SMS 1.4.1 へのアップグレードは永続的な移行となります。つまり、ひとたび SMS 1.4.1 にアップグレードすると、SMS 1.4 に戻すことはできません。

Solaris 8 オペレーティング環境で SMS ソフトウェアをアップグレードするときは、図 1-2 に示す手順に従ってください。Solaris 9 オペレーティング環境で SMS ソフトウェアをアップグレードするときは、図 1-3 に示す手順に従ってください。

図 1-2 SMS のアップグレード方法 - Solaris 8

Solaris 8 オペレーティング環境での SMS のアップグレード方法を示した図。

図 1-3 SMS のアップグレード方法 - Solaris 9

Solaris 9 オペレーティング環境での SMS のアップグレード方法を示した図。

注 - Solaris 9 用 SMS の 1.4.1 リリースを、smsversion で SMS 1.1 や SMS 1.2_s8、 SMS 1.3_s8 に戻すことはできません。これらのリリースに戻すには、オペレーティング環境を Solaris 8 の適切なリリースに戻す必要があります。



従来のリリースの SMS のマニュアルには、SMS を Sun Fire ハイエンドシステムにインストールする手段として、Javatrademark Web Start GUI を使って pkgadd コマンドを実行するように記載されていました。SMS 1.3 で smsinstallsmsupgrade という 2 つのスクリプトが新しく導入され、インストールとアップグレードが簡単かつスムーズに行えるようになりました。その結果、Web Start と pkgadd は推奨対象から外され、マニュアルにも記述されなくなりました。このマニュアルに記載されている方法以外では SMS 1.4.1 のインストールやアップグレードグレードは行わないでください。ほかの方法を使うと、SMS を正しく設定できなかったり、一部の機能が失われる可能性があります。

SMS 1.4.1 では、CP1500 ボードと CP2140 ボードを混在させて SC に構成することはできません。言い換えると、一方の SC で CP1500 ボードを使用し、他方の SC で CP2140 ボードを使用することはできません。両方の SC で同じタイプのボードを使用しなければなりません。

その他の必要なマニュアルと情報

以下の章では、再インストールとアップグレードの作業手順の概要を示します。これらの作業を実際に行うときには、他のマニュアルやファイルに記載されている情報が必要になります。再インストールやアップグレードを開始する前に、次に挙げる各マニュアル、そのプリンタ出力、およびパッチを必ず用意してください。

Solaris 9 ご使用にあたって』、『Solaris 9 Sun ハードウェアマニュアル (補足)』、『System Management Services (SMS) 1.4.1 ご使用にあたって』および sunsolve.sun.com では、各種のトピックに関する最新情報や、最新のニュースおよびパッチ情報を得ることができます。



注 - インストールの途中や、ほかの SC で Open Boot PROM プロンプトが表示されているとき、および SMS を実行していないときには、プラットフォームのログに「SC clocks NOT phase locked」というメッセージが出力されることがあります。このメッセージは無視してかまいません。



例の表記法

このマニュアル中の例では、以下の表記が使用されます。

プロンプト

意味

sc0:#

SC0 上のスーパーユーザー、最初のメイン SC

sc1:#

SC1 上のスーパーユーザー、最初のスペア SC

domain_id:#

ドメイン上のスーパーユーザー

sc_name:sms-user:>

SC 上のユーザープロンプト

sms-user は、SC にログインしている管理者、オペレータ、構成者、または保守担当者の user-name です。

domain_id:sms-user:>

ドメイン上のユーザープロンプト

sms-user は、ドメインにログインしている管理者、オペレータ、構成者、または保守担当者の user-name です。