Sun N1 System Manager 1.0 インストールおよび構成ガイド

第 5 章 Sun N1 System Manager ソフトウェアのインストールと設定

この章では、管理サーバーで Sun N1 System Manager ソフトウェアを初めてインストールし、設定する手順を示します。この章の内容は、次のとおりです。

Sun N1 System Manager のインストールの前提条件

N1 プロビジョニングソフトウェアをインストールするには、次の前提条件を満たしている必要があります。

Sun N1 System Manager のインストールには、次の 2 つの方法があります。

ProcedureSun N1 System Manager のインストール ISO イメージをダウンロードし、マウントする

手順
  1. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  2. 省略可能: Sun Download Manager をダウンロードし、インストールします。

    Web ブラウザを使用してサイズの大きなファイルをダウンロードする場合、失敗することがあります。このため、N1 System Manager のインストール ISO イメージファイルをダウンロードする場合は、Sun Download Manager をインストールし、使用することを推奨します。Sun Download Manager のダウンロードおよびインストールの方法については、

    http://www.sun.com/download/sdm/index.xml の URL にアクセスします。

  3. N1 System Manager のインストール ISO イメージを管理サーバーにダウンロードし、展開します。

    http://www.sun.com/download/index.jsp の URL にアクセスします。N1 System Manager のダウンロードリンクに移動し、ISO イメージの zip ファイルをダウンロードします。

    管理サーバーに Linux のグラフィカルユーザーインターフェースがインストールされていない場合は、FTP または NFS を使って管理サーバーにアクセスできるマシンに、インストール ISO イメージをダウンロードします。ダウンロードが完了したら、管理サーバーに ISO イメージをコピーします。

  4. N1 System Manager のインストール ISO イメージの zip ファイルを展開します。

    unzip ISO-image-name.zip」を入力します。ここで ISO-image-name は、ダウンロードした N1 System Manager のインストール ISO イメージの zip ファイルの名前です。

  5. 管理サーバーのインストール ISO イメージのための、マウント先のディレクトリを作成します。

    次に例を示します。


    # mkdir /n1sm-install
    
  6. N1 System Manager のインストール ISO イメージをマウントします。

    mount -o loop, ro /iso_image_name mount_point_directory コマンド構文を使用して、インストール ISO イメージをマウントします。ここで /iso_image_name は、ダウンロードした N1 System Manager のインストール ISO イメージの名前です。また、mount_point_directory は、作成したマウント先のディレクトリです。

    次にあげる条件の場合の例を示します。

    • N1 System Manager のインストール ISO イメージは、/n1sm_linux.iso のように、管理サーバーのルートディレクトリに保存および展開されている。

    • マウント先のディレクトリ /n1sm-install が作成されている。

    この場合、N1 System Manager のインストール ISO イメージは、次のように入力してマウントします。


    # mount -o loop,ro /n1sm_linux.iso /n1sm-install
    
次の手順

次の節で示す手順で Sun N1 System Manager ソフトウェアをインストールします。

Sun N1 System Manager ソフトウェアのインストール

この節では、N1 System Manager ソフトウェアを管理サーバーにインストールする手順を示します。


注意 – 注意 –

管理サーバーは N1 System Manager ソフトウェア専用にします。管理サーバーにほかのアプリケーションをインストールしないでください。


ProcedureN1 System Manager ソフトウェアをインストールする

始める前に

注 –

N1 System Manager ソフトウェアのインストール時間はネットワーク構成によって異なり、最大で 2 時間かかる場合があります。


手順
  1. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  2. N1 System Manager のインストールディレクトリに移動します。

    • 管理サーバーのインストール DVD-ROM から N1 System Manager ソフトウェアをインストールしている場合は、/mnt/cdrom/Linux_x86/Product/installer ディレクトリに移動します。

    • インストール ISO イメージから N1 System Manager ソフトウェアをインストールしている場合は、/mount-point-directory/Linux_x86/Product/installer ディレクトリに移動します。ここで mount-point-directory は、「Sun N1 System Manager のインストール ISO イメージをダウンロードし、マウントする」で作成した N1 System Manager ISO イメージのマウント先です。

      たとえば、ISO イメージを /n1sm-install にマウントしている場合は、/n1sm-install/Linux_x86/Product/installer ディレクトリに移動します。

  3. ./install」と入力します。

    ソフトウェア評価契約が表示されます。

  4. 規約に同意してインストールを継続するかどうかを選択します。

    契約をよく読みます。インストールを継続するには「y」を、インストールを中止するには「n」を入力します。

    インストールを継続すると、インストールプロセスによって必要な Perl モジュールが確認されます。確認が終了したら、N1SM インストーラのメニューが表示され、インストールが開始します。


                    N1SM Installer
    
     1. Check that required RPM packages are present.                [Not Completed]
     2. Install IPMI tool.                                           [Not Completed]
     3. Install Perl modules for user interface.                     [Not Completed]
     4. Install OS provisioning components.                          [Not Completed]
     5. Copy DHCP configuration file.                                [Not Completed]
     6. Install service provisioning components.                     [Not Completed]
     7. Install user interface components.                           [Not Completed]
     8. Install service container components.                        [Not Completed]
     9. Install N1 System Manager.                                   [Not Completed]
    
    
    Non-interactive install in progress

    インストールプロセスによって各処理が順番に実行されます。処理が完了したら、処理の状態が「Completed」に更新されます。


    注 –

    RHEL 3.0 AS Update 2、Update 3、または Update 4 以外の RPM をインストールしている場合は、インストールの手順 1 が完了したあとに、N1 System Manager で RPM が機能しない可能性があるという警告が表示される場合があります。該当する RPM の一覧に続いて、検出された RPM の一覧が表示されます。c を押すと、インストールを続行できるという警告が通知されます。このオプションは、ジョブが失敗した場合の現在使用可能なオプション (やり直す場合は t、終了する場合は x) に追加されたものです。

    c を押して N1 System Manager のインストールを続行することを促すプロンプトが表示されます。


    処理に失敗したら、通知が表示され、状態が「Not Completed」のままか、「Partially Run」に変更されます。インストールプロセスを終了し、ログファイル /var/tmp/installer.log.latest で問題の原因を調べます。問題を解決し、インストールプロセスを再び実行します。


    注 –

    RedHat Enterprise Linux AS Update 3 以降のバージョンをインストールしている場合は、手順 9 が完了したあとに、次のメッセージが表示されます。


    This installer has determined that some rpms currently installed on
    this system have later versions than those currently required by N1SM.
    If you encounter any problems related to these substitutions, you might
    need to obtain and install the exact version of the software required
    by the installer before re-installing N1SM.

    付録 B 「Sun N1 System Manager に必要な Linux の RPM」 は、N1 System Manager に必要な RPM とそのバージョン一覧を掲載しています。


    インストールプロセスが完了すると、設定ユーティリティの実行を求めるメッセージが表示されます。


    N1SM installation is complete
    Run the n1gcconfig utility to configure N1SM.
次の手順

次の節、「N1 System Manager システムの設定」に従って N1 System Manager システムを設定します。

N1 System Manager システムの設定

この節では、N1 System Manager システムを設定する手順を示します。


ヒント –

続ける前に、管理サーバー の root アカウントのパスに /opt/sun/n1gc/bin を追加します。


ProcedureSun N1 System Manager システムを設定する

始める前に

「Sun N1 System Manager ソフトウェアのインストール」に従って N1 System Manager ソフトウェアがインストールされている必要があります。

手順
  1. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  2. /usr/bin/n1gcconfig」と入力して設定プロセスを起動します。

    設定プロセスを継続するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。「y」を入力して操作を続けます。

    設定プロセスによってネットワークインタフェースが検出され、表示されてから、プロビジョニングネットワークのインタフェースの指定を求めるメッセージが表示されます。

  3. プロビジョニングネットワークインタフェースのポートを指定します。

    • プロビジョニングネットワークにネットワークインタフェース eth0 を使用するには、「eth0」と入力します。

    • プロビジョニングネットワークにネットワークインタフェース eth2 を使用するには、「eth2」と入力します。

    DHCP サーバーに使用する IP アドレスの範囲を指定するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  4. DHCP サーバーのアドレスを設定するかどうかを選択します。


    注意 – 注意 –

    指定した場合は、IP 範囲を使って N1 System Manager の DHCP サービスが設定されます。プロビジョニング可能なサーバーから、DHCP のサブネット、グループ、またはクライアント句を使って解決していない DHCP 要求を受け取ったとき、管理サーバーによってこの範囲から次の未使用のアドレスが割り当てられます。

    管理サーバーの DHCP サービスを使うには、次の条件を満たしている必要があります。

    • DHCP ブロードキャスト範囲内で、DHCP 応答を期待していないすべてのノードが適切に処理されている。

    • 管理サーバーの IP アドレスが、指定範囲内のどのアドレスとも一致しない。この規則によって、DHCP サーバーが、DHCP クライアント句を使って解決していないクライアントに、重複する IP を割り当てません。

    • 指定範囲が、load group os コマンドの IP パラメータの一部として指定された範囲と重複しない。OS の配備中に割り当てられた静的 IP アドレスが、N1 System Manager の設定中に指定された IP 範囲と重複しない必要があります。この規則によって、管理サーバーの DHCP プロセスが、DHCP クライアント句を使って解決していないプロビジョニング可能なサーバーに、重複する IP アドレスを割り当てません。


    プロビジョニング可能なサーバーに DHCP IP アドレス範囲を設定する必要がない限り、IP アドレスの範囲指定を行わないことを 推奨します。

    • DHCP サーバーに使う IP アドレスの範囲を指定する場合は、「y」を入力します。開始する DHCP IP アドレスの入力を求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進んでください。

    • IP アドレスの範囲を指定しない場合は、「n」を入力します。

      ネームサーバーを設定するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 7 に進んでください。

  5. DHCP サーバーに使う開始 IP アドレスを入力します。


    注意 – 注意 –

    各プロビジョニング可能なサーバーのサービスプロセッサに割り当てられている IP アドレスと重複しない IP アドレスを選択します。この手順で指定する IP アドレスの範囲がプロビジョニング可能なサーバーの Ethernet ポートに割り当てられます。


    終了する IP アドレスの入力を求めるメッセージが表示されます。

  6. DHCP サーバーに使う終了 IP アドレスを入力します。

    ネームサーバーを設定するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  7. ネームサーバーを設定するかどうかを選択します。

    • ネームサーバーを設定する場合は、「y」を入力します。ネームサーバーのアドレスの入力を求めるメッセージが表示されます。手順 8に進んでください。

    • ネームサーバーを設定しない場合は、「n」を入力します。SMTP サーバーでイベント通知を設定するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 10 に進んでください。

  8. ネームサーバーを設定します。

    ネームサーバーの IP アドレスをスペースで区切って入力します。次に例を示します。


    129.111.111.11 129.111.111.22

    検索する接尾辞の一覧の入力を求めるメッセージが表示されます。

  9. 検索ドメインを指定します。

    DNS と DHCP の検索に使うドメインの名前をスペースで区切って入力します。次に例を示します。


    location-one.company.com location-two.company.com location-three.company.com

    SMTP サーバーでイベント通知を設定するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  10. SMTP でイベント通知を設定するかどうかを選択します。

    • SMTP サーバーを設定する場合は、「y」を入力します。SMTP サーバーの名前または IP アドレスの入力を求めるメッセージが表示されます。手順 11 に進んでください。

    • SMTP サーバーを設定しない場合は、「n」を入力します。ログの設定を変更するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。手順 12 に進んでください。

  11. SMTP サーバーの名前または IP アドレスを指定します。

    SMTP サーバーの完全修飾名または IP アドレスを入力します。次に例を示します。


    smtp.mycompany.com

    または


    129.111.222.33

    ログの設定を変更するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  12. ログの設定を変更します。

    • ログを設定する場合は「y」を入力します。ログの設定に関する情報が表示されます。手順 13 に進んでください。

    • ログを設定しない場合は「n」を入力します。設定プロセスによって、システム設定の変更内容が表示されます。手順 15 に進んでください。

  13. ログを設定します。

    Return キーを押してデフォルトの「ALL」を使用するか、指定内容を入力します。topic.severity の値の入力を求めるメッセージが表示されます。

  14. トピック重要度の値を指定します。

    次のいずれかの操作を行います。

    • Return キーを押してデフォルト値の 0 を使用します。

    • 次のように別の重要度値 (0 〜 7) を入力します。

      • 0 = 不明

      • 1 = その他

      • 2 = 情報

      • 3 = 警告

      • 4 = マイナー

      • 5 = メジャー

      • 6 = 重大

      • 7 = 致命的

    • 重要度の指定を中止するには「q」を入力します。ログの設定は行われません。

    ジョブのタイムアウトの設定を変更するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  15. ジョブのタイムアウトの設定を変更するかどうかを選択します。

    一部の OS ディストリビューションは非常に大きく、サーバーのプロビジョニングを行うときにデフォルトの時間よりも長い時間を要する場合があります。大きな OS ディストリビューションのプロビジョニングを行う場合は、タイムアウト値を延長します。

    • ジョブのタイムアウトの設定を変更する場合は、「y」を入力します。

      ジョブのタイムアウト値の説明が表示されます。別のタイムアウト値を入力します。

    • ジョブのタイムアウトの設定を変更しない場合は、「n」を入力します。

    サーバー起動時に N1 System Manager (N1SM) を起動するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  16. サーバー起動時に N1 System Manager システムを起動するかどうかを選択します。

    • サーバー起動時に N1 System Manager システムを起動するには、「y」を入力します。

    • 管理サーバーの再起動後に N1 System Manager システムを手動で起動する場合は、「n」を入力します。N1 System Manager を起動するには、コマンド「service n1gcinit start」を入力します。


      注意 – 注意 –

      コマンド「service n1gcinit start」を実行して N1 System Manager を起動するには、N1 System Manager の設定が適切に完了している必要があります。


    設定プロセスによって、システム設定の変更内容が表示されます。設定を適用するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  17. 設定を確認します。

    • 設定を適用するには、「y」を入力します。

      Enter キーを押して N1 System Manager を起動します。

    • 設定が正しくない場合は、「n」を入力します。

      N1 System Manager が正常に機能するには、設定をやり直し、適用する必要があります。設定プロセスが終了し、システムプロンプトが表示されます。N1 System Manager を設定するには、n1gcconfig コマンドを再び実行します。

次の手順

次の節に従って、N1 System Manager システムを実稼働させる準備を行います。

本稼働の準備

N1 System Manager の準備を行うには、『Sun N1 System Manager 1.0 管理ガイド』に従って、次の作業を行います。