この章では、Sun N1 System Manager 1.0 の機能とコンポーネントの概要を示します。
次の内容について説明します。
Sun N1 System Manager は、単一のブラウザユーザーインタフェースを使ってラック単位またはその他のグループ単位の分散型サーバーを管理できるシステム管理ツールです。Sun N1 System Manager のブラウザインタフェースには、コマンド行インタフェース (CLI) が組み込まれています。また、別個の CLI も使用できます。
Sun N1 System Manager システム (N1 System Manager) を使用し、次のことができます。
N1 System Manager を使用してネットワーク内でプロビジョニング可能なサーバーを検出する
プロビジョニング可能なサーバーを管理する
プロビジョニング可能なサーバーにオペレーティングシステムとアプリケーションソフトウェアのプロビジョニングを行う
プロビジョニング可能なサーバーのファームウェアとパッチを管理する
プロビジョニング可能なサーバーの健全性を監視する
プロビジョニング可能なサーバーの設定、回復、交換を自動化する
サーバー利用率を高める
ユーザーが認識できるハードウェアの停止時間を短縮する
N1 System Manager とプロビジョニング可能なサーバーのイベントを記録する
次の図に、N1 System Manager の主なハードウェアコンポーネントを示します。
管理サーバーは、N1 System Manager ソフトウェアをインストールし、実行する Linux サーバーです。管理サーバーは、Sun Fire™ V20z 以降のサーバーである必要があります。
プロビジョニング可能なサーバーは、N1 System Manager によって検出されたサーバーです。プロビジョニング可能なサーバーは、Sun Fire V20z サーバーまたは Sun Fire V40z サーバーのいずれかです。最大 32 台の V20z プロビジョニング可能なサーバーを 1 台のラックに設置できます。また、最大 1,000 台のプロビジョニング可能なサーバーを N1 System Manager で管理できます。
管理サーバーへの組織内ネットワーク接続によってデータネットワークにアクセスでき、したがって、組織内ネットワークからプロビジョニング対象のサーバーにアクセスが可能です。100 Mbps 以上の Ethernet 接続が必要です。1,000 Mbps (1 Gbps) を推奨します。
管理ネットワークは、管理サーバーと、プロビジョニング可能なサーバーのサービスプロセッサ (SP) のポート間の通信経路です。管理サーバーが、サーバーの検出、ファームウェアのパッチ適用、およびプロビジョニング可能なサーバーへの管理データの送信に使われます。
管理ネットワークは、管理サーバーからアクセスでき、データネットワークからアクセスできないプライベートネットワークである必要があります。100 Mbps 以上の Ethernet 接続が必要です。
プロビジョニングスイッチとネットワークは、管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバーの間のデータ通信経路です。プロビジョニングネットワークは、管理サーバーによって、プロビジョニング可能なサーバーのオペレーティング環境とアプリケーション環境の設定とプロビジョニング、プロビジョニング可能なサーバーの OS リソースの監視、プロビジョニング可能なサーバーへの OS のアップデートの適用に使われます。
プロビジョニングネットワークは、管理サーバーからアクセス可能なプライベートネットワークである必要があります。データネットワークからプロビジョニングネットワークにはアクセス可能であってはいけません。1 Gbps 以上の Ethernet 接続が必要です。
プロビジョニングネットワークの要件は、次のとおりです。
管理サーバーにインストールされている DHCP サーバーが、プロビジョニングネットワーク内の唯一の DHCP サーバーである必要があります。
DHCP リレーはサポートされていません。
プロビジョニング可能なサーバーの接続は、管理サーバーと同じスイッチにある必要があります。
データネットワークは、管理サーバーを経由してプロビジョニング可能なサーバーを社内ネットワークに接続します。
データネットワークから N1 System Manager のネットワークにはアクセス可能であってはいけません。1 Gbps 以上の Ethernet 接続が必要です。