この章では、Sun N1 System Manager 1.1 の機能とコンポーネントの概要を示します。
Sun N1 System Manager は、単一のブラウザユーザーインタフェースを使って、ラック単位またはその他のグループ単位の水平型サーバーを管理できるシステム管理ツールです。Sun N1 System Manager のブラウザインタフェースには、コマンド行インタフェース (CLI) が組み込まれています。また、別個の CLI も使用できます。
Sun N1 System Manager システム (N1 System Manager) では、次の作業を行うことができます。
N1 System Manager を使用してネットワーク内でプロビジョニング可能なサーバーを検出する
プロビジョニング可能なサーバーを管理する
プロビジョニング可能なサーバーにオペレーティングシステムとアプリケーションソフトウェアのプロビジョニングを行う
プロビジョニング可能なサーバーのファームウェアとパッチを管理する
プロビジョニング可能なサーバーの健全性を監視する
プロビジョニング可能なサーバーの設定、回復、交換を自動化する
サーバー利用率を高める
ユーザーが認識できるハードウェアの停止時間を短縮する
N1 System Manager とプロビジョニング可能なサーバーのイベントを記録する
次の図に、N1 System Manager の主なハードウェアコンポーネントを示します。
各コンポーネントの説明を次の一覧に示します。
管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバー
管理サーバーは、N1 System Manager ソフトウェアをインストールし、実行する Solaris または Linux のサーバーです。
管理サーバーの DHCP サービスによって、プロビジョニングネットワークを経由したオペレーティングシステムとアップデートのロード、およびプロビジョニングサーバーのオペレーティング環境の実行時の監視のために、プロビジョニング可能なサーバーに IP アドレスが割り当てられます。
プロビジョニング可能なサーバーは、N1 System Manager によって検出されたサーバーです。最大 32 台のプロビジョニング可能なサーバーを 1 つのラックに設置できます。また、数百台のプロビジョニング可能なサーバーを N1 System Manager で管理できます。
管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバーには、次のマシンを使用できます。
SPARC 版:Sun NetraTM 240、および Sun FireTM V210、V240、V440
x86 版:Sun Fire X4100 と X4200、および Sun Fire V20z と V40z
管理サーバーへの組織内ネットワーク接続によってデータネットワークへのアクセスが提供されます。したがって、組織内ネットワークからプロビジョニング対象のサーバーにアクセスが可能です。
100 Mbps 以上の Ethernet 接続が必要です。1,000 Mbps (1 Gbps) を推奨します。
管理ネットワークは、管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサポート間の通信経路です。管理サーバーは、管理ネットワークを使用して、サーバーの検出、プロビジョニング可能なサーバーのファームウェアのアップデート、およびプロビジョニング可能なサーバーのハードウェアの管理と監視を行います。
管理ネットワークは、管理サーバーからアクセスでき、データネットワークからアクセスできないプライベートネットワークである必要があります。100 Mbps 以上の Ethernet 接続が必要です。
管理スイッチは、各プロビジョニング可能なサーバーの管理ポートへの接続を可能にし、 VLAN プログラミング可能なスイッチである必要があります。
データとプロビジョニングのスイッチにより、管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバー間における、プロビジョニングネットワークおよびデータネットワーク接続を可能にします。プロビジョニングとデータのスイッチは、VLAN プログラミング可能なスイッチである必要があります。
1 Gbps 以上の Ethernet 接続が必要です。
プロビジョニングネットワークの要件は、次のとおりです。
プロビジョニングネットワークは、管理サーバーによって、プロビジョニング可能なサーバーのオペレーティング環境とアプリケーション環境の設定とプロビジョニング、プロビジョニング可能なサーバーの OS リソースの監視、プロビジョニング可能なサーバーへの OS のアップデートの適用に使われます。
DHCP プロトコルの使用、および OS のプロビジョニングの帯域幅の要件を満たすため、プロビジョニングネットワークをデータネットワークから切り離さなければならない場合があります。
データネットワークによって、管理サーバーを経由してプロビジョニング可能なサーバーが組織内ネットワークに接続されます。エンドユーザーがプロビジョニング可能なサーバーにアクセスできるように、組織内 DHCP サービスによってプロビジョニング可能なサーバーに IP アドレスが割り当てられます。
データネットワークから N1 System Manager のネットワークにはアクセス可能であってはいけません。
次の図に、本稼働環境の例を示します。この環境では、データネットワークとプロビジョニングネットワークが別々の VLAN にあり、複数の VLAN 割り当てを使ってエンドユーザーがアクセスするデータネットワークが構成されています。