Sun N1 System Manager 1.1 の概要

N1 System Manager の保守作業

この節では、これまでの節で説明した作業を終了した後で、N1 System Manager を使って行うことができる主な作業の概要を示します。プロビジョニング可能なサーバーが検出されたら、次の各項に示す作業を行うことができます。

サーバーへのファームウェアアップデートのインストール

プロビジョニング可能なサーバー上のファームウェアの更新は、主要な管理作業の 1 つです。プロビジョニング可能なサーバーに初めてファームウェアアップデートをインストールする作業は、次の 2 つのステップに分かれます。

  1. N1 System Manager にファームウェアアップデートをインポートします。プロビジョニング可能なサーバーにファームウェアアップデートをインストールするには、N1 System Manager が、そのアップデートにシステムアクセスできる必要があります。

    create firmware コマンドを使用し、Web サイト、または 管理サーバーからアクセス可能なファイルシステムからファームウェアアップデートをインポートできます。ファームウェアにアップデートをインポートすると、ブラウザインタフェースの「ショートカット」にそのアップデートを表示したり、show firmware コマンドで確認したりできます。

  2. 適切なプロビジョニング可能なサーバーにファームウェアアップデートをインストールします。この操作には、ブラウザインタフェースか load serverload group コマンドを使用します。

詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド』「ファームウェア SP、BIOS、および ALOM アップデートの管理」を参照してください。

プロビジョニング可能なサーバーへの OS のインストール

N1 System Manager の核となる機能の 1 つに、単一のインタフェースから複数のプロビジョニング可能なサーバーに OS をインストールする機能があります。プロビジョニング可能なサーバーに初めて OS をインストールする作業は、次の 3 つのステップに分かれます。

  1. プロビジョニング可能なサーバーに OS ディストリビューションをインストールするには、N1 System Manager が、そのディストリビューションにシステムアクセスできる必要があります。N1 System Manager に OS のバイナリ (OS ディストリビューション) をインポートします。create os コマンドを使用すると、実際の OS インストール CD-ROM や DVD、または ISO イメージから OS をインポートできます。インポートすると、show os コマンドを使用し、N1 System Manager 上で使用可能な OS ディストリビューションを表示できます。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド』「OS ディストリビューションの管理」を参照してください。

  2. OS プロファイルは、インストールする OS コンポーネントや、OS とともにインストールする追加ファイルおよびプログラム、root パスワードやディスクのパーティション分割などの構成情報を指定します。OS ディストリビューションのインストール方法を指定するテンプレートである、OS プロファイルを作成します。OS プロファイルを使用して、サーバーグループに対し、一貫したインストールや構成ができます。サーバーのインストール方法の相違に応じて、1 つ以上の OS プロファイルを作成できます。


    注 –

    OS ディストリビューションを新しく作成すると、その OS ディストリビューションと同じ名前の OS プロファイルが、デフォルトで自動的に作成されます。


    ブラウザインタフェースには、OS プロファイルの作成手順を案内するウィザードが用意されています。また、コマンド行から OS プロファイルを作成することもできます。どちらの場合も、OS プロファイルを作成すると、ブラウザインタフェースの「ショートカット」の下にそのプロファイルを表示したり、show osprofile コマンドで確認したりできます。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド』「OS プロファイルを作成する」を参照してください。

  3. ブラウザインタフェースには、プロビジョニング可能なサーバーへの OS ディストリビューションのインストール手順を案内するウィザードが用意されています。OS プロファイルを使用し、単一のサーバーまたはサーバーグループに OS ディストリビューションをインストールします。load server コマンドまたは load group コマンドを使用することもできます。

    詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド』「OS プロファイルの配備による OS ディストリビューションのインストール」を参照してください。

特定の OS についてステップ 1 を行い、ステップ 2 にある適切な OS プロファイルを作成した後は、OS のインストールは、複数のサーバーであっても 1 つのステップで行えるようになります。

プロビジョニング可能なサーバーへの OS アップデートのインストール

プロビジョニング可能なサーバーに OS をインストールしたら、N1 System Manager で OS アップデートをインストールできます。OS アップデートは、プロビジョニング可能なサーバーの OS によって異なり、Solaris のパッケージやパッチ、または RedHat の RPM から構成されます。サーバーに初めて OS アップデートをインストールする作業は、次の 2 つのステップに分かれます。

  1. プロビジョニング可能なサーバーに OS アップデートをインストールするには、N1 System Manager が、そのアップデートにシステムアクセスできる必要があります。N1 System Manager に OS アップデートをインポートします。

    create update コマンドを使用して、OS アップデートを Web サイトから、または管理サーバー上のアクセス可能なファイルシステムからインポートします。OS アップデートをインポートすると、ブラウザインタフェースの「ショートカット」の下にそのアップデートを表示したり、show update コマンドで確認したりできます。

  2. 適切なプロビジョニング可能なサーバーに OS アップデートをインストールします。この操作には、ブラウザインタフェースか load serverload group コマンドを使用します。

詳細は、『Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド』「パッケージ、パッチ、および RPM の管理」を参照してください。

N1 System Manager ジョブの監視

ジョブは、N1 System Manager で主なアクションを行うたびに 1 つ作成されます。ジョブのログを使用して、現在実行中のアクションのステータスを監視したり、ジョブが終了したかどうかを確認したりできます。ジョブの監視は、1 つ以上のプロビジョニング可能なサーバーへの OS ディストリビューションのインストールなど、完了するまでに長い時間がかかることがある N1 System Manager のアクションに特に有用です。

ジョブは、ブラウザインタフェースの「ジョブ」タブあるいは show job コマンドで監視できます。ブラウザインタフェースの場合は、ページ最上部のフレームにある「実行中のタスク」欄に実行中のジョブ数が表示されます。

ジョブの管理と監視については、『Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド』「ジョブの管理」を参照してください。

プロビジョニング可能なサーバーの監視

N1 System Manager には、ハードウェアの健全性属性や OS リソースの使用状況属性、ファイルシステム、ネットワーク接続を監視する機能があります。監視対象の OS リソースの使用状況属性については、ポーリング間隔やしきい値を変更できます。単一のアクセスポイントから、すべてのプロビジョニング可能なサーバーのステータスを監視できます。


注 –

デフォルトでは、サーバーが検出されると、ハードウェアの健全性が監視されます。サーバーの OS リソースの使用状況を表示するには、監視を有効にする必要があります。


監視については、『Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド』の第 5 章「サーバーの監視」を参照してください。