この節では、管理サーバーへの Linux のインストールと設定の手順を示します。管理サーバーに N1 System Manager システムソフトウェアをインストールする前に Linux をインストールする必要があります。
この節の内容は次のとおりです。
Linux は、パーティションやデータがない空のハードドライブにインストールする必要があります。ハードドライブにデータがある場合は、 Kickstart ファイルを変更して、Linux のインストール中にドライブ内の古いパーティションが削除されるようにします。詳細は、「 Kickstart ファイルを設定する」を参照してください。
次の表に、管理サーバーのパーティション情報を示します (72G バイトのハードドライブの場合の最小要件)。
表 3–2 Linux の管理サーバーのパーティション
パーティション |
M バイト |
---|---|
/boot |
102 |
/ |
69530 |
swap |
4096 |
ハードドライブが 72G バイトより大きい場合:
swap に割り当てる容量は変更しません。
上記の容量を /boot に割り当てます。
残りの容量を / に割り当てます。ルートファイルシステムには、プロビジョニングを行う OS ディストリビューションが保存されます。
プロビジョニングを行うディストリビューションごとに 3G バイトの容量を割り当てます。必要な場合は、管理サーバーのハードドライブの容量を増やしてから作業を継続します。
この項では、 Kickstart ファイルの例を示します。また、 Kickstart ファイルを設定し、そのファイルを使って Linux をインストールする手順を示します。この項では、次の内容について説明します。
この項では、 Kickstart ファイルの例を 2 つ示します。1 つ目の Kickstart ファイルは、Linux のディストリビューション全体をインストールするように設定されています。2 つ目の Kickstart ファイルは、N1 System Manager に必要な RPM グループだけをインストールするように設定されています。
install lang en_US.UTF-8 langsupport --default en_US.UTF-8 en_US.UTF-8 keyboard us mouse genericwheelps/2 --device psaux nfs --server 10.0.0.50 --dir /export/images/RHEL3U2 skipx timezone America/Denver rootpw --iscrypted $1$Rig3dbXb$OWcv00J/V2WsBGcgx0bmp1 network --device eth0 --bootproto static --ip 10.0.0.100 --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.0.254 --nameserver 10.0.0.200 --hostname sun-ms network --device eth1 --bootproto static --ip 192.168.200.254 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200 --hostname sun-ms-prov network --device eth2 --bootproto static --ip 192.168.100.254 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200 --hostname sun-ms-admin firewall -disabled authconfig -enablemd5 -enableshadow bootloader -location=mbr clearpart --all -drives=hda part /boot --fstype ext3 --size=102 -ondisk=sda part / --fstype ext3 --size=1024 --grow -ondisk=sda part swap --size=4096 --grow --maxsize=1024 -ondisk=sda reboot %packages @ everything grub kernel kernel-smp %post echo "RHEL3U2 installed `/bin/date`" > /etc/motd cat << EOF > /etc/resolv.conf nameserver 10.0.0.200 search Customer.Com EOF cat << EOF > /etc/hosts 127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 10.0.0.100 sun-ms 192.168.200.254 sun-ms-prov 192.168.100.254 sun-ms-admin EOF
install lang en_US.UTF-8 langsupport --default en_US.UTF-8 en_US.UTF-8 keyboard us mouse genericwheelps/2 --device psaux nfs --server 10.0.0.50 --dir /export/images/RHEL3U2 skipx timezone America/Denver rootpw --iscrypted $1$Rig3dbXb$OWcv00J/V2WsBGcgx0bmp1 network --device eth0 --bootproto static --ip 10.0.0.100 --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.0.254 --nameserver 10.0.0.200 --hostname sun-ms network --device eth1 --bootproto static --ip 192.168.200.254 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200 --hostname sun-ms-prov network --device eth2 --bootproto static --ip 192.168.100.254 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200 --hostname sun-ms-admin firewall -disabled authconfig -enablemd5 -enableshadow bootloader -location=mbr clearpart --all -drives=hda part /boot --fstype ext3 --size=102 -ondisk=sda part / --fstype ext3 --size=1024 --grow -ondisk=sda part swap --size=4096 --grow --maxsize=1024 -ondisk=sda reboot %packages -resolvedeps @ office @ engineering-and-scientific @ editors @ system-tools @ base-x @ web-server @ development-tools @ printing @ text-internet @ legacy-network-server @ gnome-desktop @ admin-tools 0.@ server-cfg @ ftp-server @ network-server @ graphical-internet @ compat-arch-support grub kernel kernel-smp %post echo "RHEL3U2 installed `/bin/date`" > /etc/motd cat << EOF > /etc/resolv.conf nameserver 10.0.0.200 search Customer.Com EOF cat << EOF > /etc/hosts 127.0.0.1 localhost.localdomain localhost 10.0.0.100 sun-ms 192.168.200.254 sun-ms-prov 192.168.100.254 sun-ms-admin EOF
NFS または HTTP を使って管理サーバーにアクセス可能なマシンにログインします。
Linux の Kickstart の設定ファイルを作成します。
例 3–2 に示したディストリビューション全体の Kickstart ファイルまたは例 3–3 に示した必要な RPM だけの Kickstart ファイルのどちらを使用するかを選択します。選択した設定データをコピーしてファイルにペーストします。ファイルの名前は「n1gc-ks.cfg」などとします。
必要な RPM だけの Kickstart ファイルを選択した場合は、追加の RPM を手動でイントールする必要があります。インストール方法については、「Sun N1 System Manager に必要な RPM をCD-ROM からインストールする 」を参照してください。
環境に応じて Kickstart インストールファイルを設定します。
動的 IP アドレスを使う場合は、次の構文を使って、 Kickstart ファイル内の各 network 文を置換します。
network --device ethx --bootproto dhcp
ここで ethx はポート、たとえば eth0 です。
静的 IP アドレスを使う場合は、network 文を次のように変更します。
ip を Ethernet ポートの IP アドレスに置き換えます。
nameserver を組織内ネームサーバーの IP アドレスに置き換えます。複数のネームサーバーを使う場合は、各ネームサーバーの IP アドレスをコンマで区切ります。次に例を示します。--nameserver 110.112.113.11,110.112.113.22
hostname を管理サーバーの名前に置き換えます。
必要な場合は、ETH ポートで静的 IP アドレスと動的 IP アドレスを組み合わせて使用することができます。選択したアーキテクチャーに従って、ネットワーク設定を変更します。
Kickstart ファイルをサーバー上の NFS または HTTP のディレクトリに保存します。
作成した Kickstart ファイルを使って、管理サーバーに Linux をインストールします。
SPARC のプロビジョニング可能なサーバーを管理する場合は、FTP を有効にします。FTP を有効にする方法については、「管理サーバーでの FTP の有効化」を参照してください。
SPARC のプロビジョニング可能なサーバーを管理しない場合は、/etc/hosts ファイルを更新します。更新方法については、「/etc/hosts ファイルの更新」を参照してください。
この項では、管理サーバーに Linux を手動でインストールする手順を示します。
この項では、次の内容について説明します。
RedHat Linux インストール CD-ROM の 1 枚目を N1 System Manager 管理サーバーの DVD ドライブに挿入し、システムを再起動します。
boot: プロンプトで、テキストまたはグラフィカルユーザーインタフェースを使ったインストールを開始します。
グラフィカルインタフェースを使ってインストールするには、Return キーを押します。
テキストインタフェースを使ってインストールするには、「text」と入力します。
メッセージに従って環境を設定します。言語、キーボード、マウスのタイプを設定する画面が表示されます。必要な情報を指定します。
パーティション情報の設定では、「自動パーティション設定」を選択します。
Linux のパーティションをすべて削除するか、パーティションをすべて削除するか、パーティションをすべて残すかを選択する画面が表示されます。「システムのすべてのパーティションを削除」を選択します。パーティションの値が表示されます。
表示された値を、表 3–2 に示す必要な値と比較します。
パーティションの値が一致する場合は、「Next」を選択します。
パーティションの値が一致しない場合は、表 3–2 に従って値を更新します。
ブートローダーの設定では、「GRUB」を選択します。
Ethernet ポートの設定では、IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイの値を次のように割り当てます。
ETH0 は、組織内ネットワークに接続し、外部から管理サーバーにアクセスできるように設定します。
ETH1 は、プロビジョニングネットワークに接続するように設定します。
ETH1 は、ETH0 と同じブロードキャストドメイン内にある必要があります。IP アドレスは、プロビジョニング可能なサーバーの ETH0 インタフェースと同じブロードキャストドメイン内にある必要があり、また数百台のプロビジョニング可能なサーバーをサポートするように設定できます。
ETH2 は、すべてのプロビジョニング可能なサーバーのサービスプロセッサインタフェースの SP0 ポートに接続するように設定します。
ネットマスクとゲートウェイの値は、管理ネットワークへのアクセスを許可する値である必要があります。
管理サーバーに別個の ETH2 ギガビット NIC カードを設置していない場合は、ETH0 1 枚だけで ETH0 と ETH2 の機能を使うことができます。ETH0 は、プロビジョニング可能なサーバーのサービスプロセッサインタフェースに対し、相互にアクセスできるように設定する必要があります。
ファイアウォールの設定では、「なし」を選択します。
追加言語サポート、タイムゾーン、root パスワードの順で設定する画面が表示されます。必要な情報を指定します。
デフォルトのパッケージをインストールするか、インストールするパッケージをカスタマイズするかの設定では、「インストールするパッケージのカスタマイズ」を選択します。
N1 System Manager システムに必要なパッケージを選択します。
次のパッケージを選択します。
Office
Engineering and Scientific
Editors
System Tools
X-Windows (base-x)
Web Server
Development Tools
Legacy Software Development
Printing
Text-based Internet
Legacy Network Server
Gnome Desktop
Administration Tools
Server Configuration
FTP Server
Network Server
Graphical-based Internet
Compatibility Architecture Support (グラフィカルインストール) または Legacy Software Development (テキストインストール)
パッケージの選択が終了したら、インストールを継続します。Linux のインストールが終了したら、グラフィック、モニターのタイプ、画面解像度などを設定する画面が表示されてから、システムが再起動されます。その後、起動情報を設定する画面が表示されます。
システムの情報メッセージに従います。
設定が終了したら、ログイン画面が表示されます。
root でログインします。
Sun N1 System Manager システムに必要な追加 RPM をインストールします。インストール方法については、「Sun N1 System Manager に必要な RPM をCD-ROM からインストールする 」を参照してください。
N1 System Manager ソフトウェアをインストールする前に、次の作業を行う必要があります。
N1 System Manager システムに必要な追加 RPM を Linux インストール CD-ROM からインストールします。
国際対応の Perl RPM をダウンロードし、インストールします。
必要な場合は、簡体字中国語の Perl モジュールをダウンロード、make、およびインストールします。
Java 実行環境をダウンロードし、インストールします。
/etc/hosts ファイルを更新します。
N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。
RedHat インストール CD-ROM から、次の RPM をインストールします。
perl-CGI-2.81-88.4.i386.rpm
anaconda-runtime-9.1.2-2.RHEL.i386.rpm
perl-DBI-1.32-5.i386.rpm
perl-DBD-Pg-1.21-2.i386.rpm
rh-postgresql-7.3.6-1.i386.rpm
rh-postgresql-server-7.3.6-1.i386.rpm
インストール CD-ROM 内での各 RPM の場所は、RedHat Linux のバージョンによって異なります。
RPM のインストール中に「DSA signature:nokey」という警告が表示されます。この警告メッセージが表示されるのは、RPM に DSA セキュリティー署名がないからです。「DSA signature:nokey」という警告はすべて無視してもかまいません。
次の手順に従って、国際対応の Perl モジュールをダウンロードし、インストールします。
この項では、Sun N1 System Manager に必要な追加 RPM のインストール手順を示します。この項では、次の内容について説明します。
Web ブラウザを開き、perl-5.8.3-16.i386.rpm ファイルをダウンロードするサイトにアクセスします。
perl-5.8.0-88.4.i386.rpm ファイルを管理サーバー上のディレクトリにダウンロードします。
端末ウィンドウで、RPM ファイルの保存先ディレクトリに移動します。
「rpm -i perl-5.8.3–16.i386.rpm」と入力して Perl モジュールをインストールします。
簡体字中国語ロケールでインストールしている場合は、簡体字中国語の Perl モジュールをダウンロード、make、およびインストールします。
簡体字中国語以外のロケールでインストールしている場合は、「管理サーバーでの FTP の有効化」に進んでください。