Sun N1 System Manager 1.1 管理ガイド

OS ディストリビューションの障害追跡

ここでは、OS の配備が失敗する例、およびその問題を修正する方法を説明します。

ディストリビューションのコピーの失敗

OS ディストリビューションの作成に失敗した場合は、ISO イメージの容量を確認し、また、データが壊れていないことを確かめてください。ジョブの詳細に、次に類似する出力がみられることがあります


bash-3.00# /opt/sun/n1gc/bin/n1sh show job 25
Job ID:   25
Date:     2005-07-20T14:28:43-0600
Type:     Create OS Distribution
Status:   Error (2005-07-20T14:29:08-0600)
Owner:    root
Errors:   1
Warnings: 0

Steps
ID     Type             Start
Completion                 Result
1      Acquire Host     2005-07-20T14:28:43-0600
2005-07-20T14:28:43-0600   Completed
2      Run Command      2005-07-20T14:28:43-0600
2005-07-20T14:28:43-0600   Completed
3      Acquire Host     2005-07-20T14:28:46-0600
2005-07-20T14:28:46-0600   Completed
4      Run Command      2005-07-20T14:28:46-0600
2005-07-20T14:29:06-0600   Error 1

Errors
Error 1:
Description: INFO   : Mounting /images/rhel-3-U4-i386-es-disc1.iso at
/mnt/loop23308
INFO   : Version is 3ES, disc is 1
INFO   : Version is 3ES, disc is 1
INFO   : type redhat ver: 3ES
cp: /var/opt/SUNWscs/data/allstart/image/3ES-bootdisk.img: Bad address
INFO   : Could not copy PXE file bootdisk.img
INFO   : umount_exit: mnt is: /mnt/loop23308
INFO   : ERROR: Could not add floppy to the Distro

Results
Result 1:
Server:   -
Status:   -1
Message:  Creating OS rh30u4-es failed.

Solaris 9 ディストリビューションへのパッチの適用

Linux が稼働する管理サーバーから、サーバーに Solaris 9 OS ディストリビューションを配備できない問題は、通常 NFS マウントの問題が原因です。この問題を解決するには、Solaris 9 OS ディストリビューションの mini-root にパッチを適用する必要があります。ここでは、必要なパッチを適用する手順を説明します。手順は、次の表に示すように、管理サーバーおよびパッチサーバーの構成によって異なります。

表 6–1 Solaris 9 ディストリビューションへのパッチの適用の作業マップ

管理サーバー 

パッチサーバー 

作業 

Red Hat 3.0 u2 

Solaris 9 OS x86 プラットフォーム版 

「Solaris 9 OS x86 パッチサーバーを使用して Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する」

Red Hat 3.0 u2 

Solaris 9 OS SPARC 版 

「Solaris 9 SPARC OS パッチサーバーを使用して Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する」

プロビジョニング可能なサーバー の使用による OS ディストリビューションへのパッチ適用

パッチサーバーを使用して次の作業を行うときは、管理サーバーおよびプロビジョニング可能なサーバーの両方に対して同時に root でアクセスする必要があります。作業の一部では、はじめにプロビジョニング可能なサーバーにパッチを適用し、それから管理サーバーをマウントしてディストリビューションにパッチを適用する必要があります。

ProcedureSolaris 9 OS x86 パッチサーバーを使用して Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する

ここでは、N1 System Manager 内の Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する手順を説明します。この説明の各手順では、パッチサーバーおよび管理サーバーの両方で実行する必要があります。完了するには、2 つの端末ウィンドウを開いて各手順を実行することをお勧めします。ここでは、まずパッチサーバーにパッチを適用し、そのあとディストリビューションにパッチを適用する手順で説明します。

始める前に
手順
  1. Solaris 9 OS x86 パッチサーバーにパッチを適用します。

    1. root としてログインします。


      % su
      password:password
      

      root プロンプトが表示されます。

    2. Solaris 9 パッチサーバーをシングルユーザーモードで再起動します。


      # reboot -- -s
      
    3. シングルユーザーモードでパッチディレクトリに移動します。


      # cd /patch
      
    4. パッチをインストールします。


      # patchadd -M . 117172-17
      # patchadd -M . 117468-02
      

      ヒント –

      マルチユーザーモードに戻るには、Control+D キーを押します。


  2. 管理サーバーでディストリビューションにパッチを適用する準備をします。

    1. root として管理サーバーにログインします。


      % su
      password:password
      

      root プロンプトが表示されます。

    2. /etc/exports ファイルをエディタで開きます。


      # vi /etc/exports
      
    3. /js *(ro,no_root_squash)/js *(rw,no_root_squash) に変更します。

    4. /etc/exports ファイルを保存して閉じます。

    5. NFS を再起動します。


      # /etc/init.d/nfs restart
      
  3. 管理サーバーにコピーしたディストリビューションにパッチを適用します。

    1. root として Solaris 9 パッチサーバーにログインします。


      % su
      password:password
      

      root プロンプトが表示されます。

    2. 管理サーバーをマウントします。


      # mount -o rw management-server-IP:/js/DISTRO_ID /mnt
      
    3. 次のいずれかの操作を行いパッチをインストールします。

      • x86 ディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。


        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117172-17
        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117468-02
        
      • SPARC ディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。


        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117171-17
        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117175-02
        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 113318-20
        

        注 –

        最初のパッチのインストールでは、部分エラーが発生します。このエラーは無視してください。


    4. 管理サーバーをマウント解除します。


      # unmount /mnt
      
  4. 管理サーバーで NFS を再起動します。

    1. /etc/exports ファイルをエディタで開きます。


      # vi /etc/exports
      
    2. /js *(rw,no_root_squash)/js *(ro,no_root_squash) に変更します。

    3. NFS を再起動します。


      # /etc/init.d/nfs restart
      

      NFS が再起動します。

      これで、Solaris 9 OS SPARC ディストリビューションはターゲットサーバーに配備する準備ができました。

  5. Solaris 9 OS x86 ディストリビューションを修正します。

    1. /js/<distro_id>/Solaris_9/Tools/Boot/boot/solaris に移動します。


      # cd /js/<distro_id>/Solaris_9/Tools/Boot/boot/solaris
      
    2. bootenv.rc リンクを作成し直します。


      # ln -s ../../tmp/root/boot/solaris/bootenv.rc .
      

      これで、Solaris 9 OS x86 ディストリビューションはターゲットサーバーに配備する準備ができました。

注意事項

別のディストリビューションにパッチを適用する場合は、 /patch/117172-17 ディレクトリをいったん削除して、unzip 117172-17.zip コマンドを使ってディレクトリを作成し直さなければならないことがあります。最初のディストリビューションにパッチを適用すると、patchadd コマンドによって、次の patchadd コマンドの実行で問題を起こすディレクトリに変更が加えられます。

ProcedureSolaris 9 SPARC OS パッチサーバーを使用して Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する

ここでは、N1 System Manager 内の Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する手順を説明します。この説明の各手順では、プロビジョニング可能なサーバーおよび管理サーバーで実行する必要があります。完了するには、2 つの端末ウィンドウを開いて各手順を実行することをお勧めします。ここでは、まずプロビジョニング可能なサーバーにパッチを適用し、そのあとディストリビューションにパッチを適用する手順で説明します。

始める前に
手順
  1. Solaris 9 OS SPARC マシンをセットアップし、パッチを適用します。

    1. スーパーユーザーで Solaris 9 マシンにログインします。


      % su
      password:password
      
    2. Solaris 9 マシンをシングルユーザーモードで再起動します。


      # reboot -- -s
      
    3. シングルユーザーモードでパッチディレクトリに移動します。


      # cd /patch
      
    4. パッチをインストールします。


      # patchadd -M . 117171-17
      # patchadd -M . 117175-02
      # patchadd -M . 113318–20
      

      ヒント –

      マルチユーザーモードに戻るには、Control+D キーを押します。


  2. 管理サーバーにコピーしたディストリビューションにパッチを適用します。

    1. スーパーユーザーで Solaris 9 マシンにログインします。


      % su
      password:password
      
    2. 管理サーバーをマウントします。


      # mount -o rw management-server-IP:/js/DISTRO_ID /mnt
      
    3. 次のいずれかの操作を行いパッチをインストールします。

      • Solaris OS x86 ソフトウェアディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。


        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117172-17
        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117468-02
        
      • Solaris OS SPARC ソフトウェアディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。


        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117171-17
        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117175-02
        # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 113318-20
        

        注 –

        最初のパッチのインストールでは、部分エラーが発生します。このエラーは無視してください。


    4. 管理サーバーをマウント解除します。


      # unmount /mnt
      
  3. 管理サーバーで NFS を再起動します。

    1. /etc/exports ファイルをエディタで開きます。


      # vi /etc/exports
      
    2. /js *(rw,no_root_squash)/js *(ro,no_root_squash) に変更します。

    3. NFS を再起動します。


      # /etc/init.d/nfs restart
      

      NFS が再起動します。

      これで、Solaris 9 OS SPARC ディストリビューションはターゲットサーバーに配備する準備ができました。

  4. Solaris 9 OS x86 ディストリビューションを修正します。

    1. /js/<distro_id>/Solaris_9/Tools/Boot/boot/solaris に移動します。


      # cd /js/<distro_id>/Solaris_9/Tools/Boot/boot/solaris
      
    2. bootenv.rc リンクを作成し直します。


      # ln -s ../../tmp/root/boot/solaris/bootenv.rc .
      

      これで、Solaris 9 OS x86 ディストリビューションはターゲットサーバーに配備する準備ができました。

注意事項

別のディストリビューションにパッチを適用する場合は、 /patch/117172-17 ディレクトリをいったん削除して、unzip 117172-17.zip コマンドを使ってディレクトリを作成し直さなければならないことがあります。最初のディストリビューションにパッチを適用すると、patchadd コマンドによって、次の patchadd コマンドの実行で問題を起こすディレクトリに変更が加えられます。