この章では、Sun N1 System Manager 1.2 の機能とコンポーネントの概要を示します。
Sun N1 System Manager は、単一のブラウザユーザーインタフェースを使って、ラック単位またはその他のグループ単位の水平型サーバーを管理できるシステム管理ツールです。Sun N1 System Manager のブラウザインタフェースには、コマンド行インタフェース (CLI) が組み込まれています。同じコマンド行インタフェースを、管理サーバーの UNIX シェルから実行することもできます。
Sun N1 System Manager システム (N1 System Manager) では、次の作業を行うことができます。
N1 System Manager を使用してネットワーク内でプロビジョニング可能なサーバーを検出する
プロビジョニング可能なサーバーを管理する
プロビジョニング可能なサーバーにオペレーティングシステムのプロビジョニングを行う
プロビジョニング可能なサーバーのファームウェアとパッチを管理する
プロビジョニング可能なサーバーの健全性を監視する
プロビジョニング可能なサーバーの設定、回復、交換を自動化する
サーバー利用率を高める
ユーザーが認識できるハードウェアの停止時間を短縮する
N1 System Manager とプロビジョニング可能なサーバーのイベントを記録する
次の図に、N1 System Manager の主なハードウェアコンポーネントを示します。
上の図は、N1 System Manager 構成の一例です。詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』の「構成例」を参照してください。
各コンポーネントの説明を次の一覧に示します。
管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバー
管理サーバーは、N1 System Manager ソフトウェアをインストールし、実行する Solaris または Linux のサーバーです。
管理サーバーの DHCP サービスによって、プロビジョニングネットワークで使用される IP アドレスがプロビジョニング可能なサーバーに割り当てられます。管理サーバーは、プロビジョニングネットワークを使用して、プロビジョニング可能なサーバーにオペレーティングシステムやアップデートをロードします。
サポートされているプロビジョニング可能なサーバーの一覧については、『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』の「管理サーバーの要件」を参照してください。
プロビジョニング可能なサーバーは、N1 System Manager によって検出されたサーバーです。最大 32 台のプロビジョニング可能なサーバーを 1 つのラックに設置できます。また、数百台のプロビジョニング可能なサーバーを N1 System Manager で管理できます。
サポートされているプロビジョニング可能なサーバーの一覧については、『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』の「プロビジョニング可能なサーバーの要件」を参照してください。
プロビジョニングネットワークとデータネットワークのスイッチへの組織内ネットワーク接続によって、組織内ユーザーはデータネットワークを介してプロビジョニング対象のサーバーにアクセスできます。
100 Mbps 以上の Ethernet 接続が必要です。1,000 Mbps (1 Gbps) を推奨します。
管理ネットワークは、管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサポート間の通信経路です。管理サーバーは、管理ネットワークを使用して、サーバーの検出、プロビジョニング可能なサーバーのファームウェアのアップデート、およびプロビジョニング可能なサーバーのハードウェアの管理と監視を行います。
管理ネットワークは、管理サーバーからアクセスでき、データネットワークからアクセスできないプライベートネットワークである必要があります。100 Mbps 以上の Ethernet 接続が必要です。
管理ネットワークスイッチは、プロビジョニング可能な各サーバーの管理ポートへの接続を可能にします。管理ネットワークスイッチは、VLAN プログラミング可能なスイッチであるべきです。
データとプロビジョニングのスイッチにより、管理サーバーとプロビジョニング可能なサーバー間における、プロビジョニングネットワークおよびデータネットワーク接続が可能になります。プロビジョニングとデータのスイッチは、VLAN プログラミング可能なスイッチである必要があります。
プロビジョニングネットワークとデータネットワークの要件は、次のとおりです。
プロビジョニングネットワークは、管理サーバーによって、プロビジョニング可能なサーバーのオペレーティング環境とアプリケーション環境の設定とプロビジョニング、プロビジョニング可能なサーバーの OS リソースの監視、プロビジョニング可能なサーバーへの OS のアップデートの適用に使われます。1 Gbps 以上の Ethernet 接続が必要です。
DHCP プロトコルが使われ、また OS のプロビジョニングに対する帯域幅の要件があるので、プロビジョニングネットワークはデータネットワークから切り離す必要があります。
データネットワークによって、管理サーバーを経由してプロビジョニング可能なサーバーが組織内ネットワークに接続されます。エンドユーザーがプロビジョニング可能なサーバーにアクセスできるように、組織内 DHCP サービスによってプロビジョニング可能なサーバーに IP アドレスが割り当てられます。
データネットワークから N1 System Manager のネットワークにはアクセス可能であってはいけません。
次の図に、本稼働環境の例を示します。この環境では、データネットワークとプロビジョニングネットワークが別々の VLAN にあり、複数の VLAN 割り当てを使ってエンドユーザーがアクセスするデータネットワークが構成されています。