Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き

管理サーバーへの RedHat Enterprise Linux OS のインストール

この節では、管理サーバーへの Linux OS のインストールと設定の手順を示します。管理サーバーに N1 System Manager システムソフトウェアをインストールする前に Linux OS をインストールする必要があります。

この節の内容は次のとおりです。

ディスクドライブに関する注意事項

Linux は、パーティションやデータがない空のハードドライブにインストールする必要があります。ハードドライブにデータがある場合は、 Kickstart ファイルを変更して、Linux OS のインストール中にドライブ内のすべてのパーティションが削除されるようにします。詳細は、「 Kickstart ファイルを設定する」を参照してください。

次の表に、管理サーバーのパーティション情報を示します (73G バイトのハードドライブの場合の最小要件)。

表 3–2 Linux の管理サーバーのパーティション

パーティション 

サイズ 

/boot 

102M バイト 

swap 

4096M バイト 

/var 

システムログ用に 1G バイト、およびプロビジョニングを行う各 OS ディストリビューション用に 3G バイト 

残りすべての容量 

ハードドライブが 73G バイトより大きい場合:

Kickstart を使った RedHat Linux OS のインストール

この項では、 Kickstart ファイルの例を示します。また、 Kickstart ファイルを設定し、そのファイルを使って Linux をインストールする手順を示します。

Kickstart ファイルの例

この項では、 Kickstart ファイルの例を 2 つ示します。1 つ目の 例 3–2 の Kickstart ファイルは、Linux のディストリビューション全体をインストールするように設定されています。2 つ目の例 3–3 の Kickstart ファイルは、N1 System Manager に必要な RPM グループだけをインストールするように設定されています。


例 3–2 ディストリビューション全体の Kickstart ファイル

install
 lang en_US.UTF-8
 langsupport --default en_US.UTF-8 en_US.UTF-8
 keyboard us
 mouse genericwheelps/2 --device psaux
 nfs --server 10.0.0.50 --dir /export/images/RHEL3U2
 skipx
 timezone America/Denver
 rootpw --iscrypted $1$Rig3dbXb$OWcv00J/V2WsBGcgx0bmp1
 network --device eth0 --bootproto static --ip 10.0.0.100
 --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.0.254 --nameserver 10.0.0.200
 --hostname sun-ms
 network --device eth1 --bootproto static --ip 192.168.200.254
 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200
 --hostname sun-ms-prov
 network --device eth2 --bootproto static --ip 192.168.100.254
 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200
 --hostname sun-ms-admin
 firewall -disabled
 authconfig -enablemd5 -enableshadow
 bootloader -location=mbr
 clearpart --all -drives=hda
 part /boot --fstype ext3 --size=102 -ondisk=sda
 part / --fstype ext3 --size=1024 --grow -ondisk=sda
 part swap --size=4096 --grow --maxsize=1024 -ondisk=sda
 reboot 
 %packages 
 @ everything
 grub
 kernel
 kernel-smp
 %post
 echo "RHEL3U2 installed `/bin/date`" > /etc/motd
    cat << EOF > /etc/resolv.conf
    nameserver 10.0.0.200
    search Customer.Com
    EOF
    cat << EOF > /etc/hosts
    127.0.0.1         localhost.localdomain  localhost
    10.0.0.100        sun-ms
    192.168.200.254   sun-ms-prov
    192.168.100.254   sun-ms-admin 
    EOF


例 3–3 必要な RPM だけの Kickstart ファイル

install
 lang en_US.UTF-8
 langsupport --default en_US.UTF-8 en_US.UTF-8
 keyboard us
 mouse genericwheelps/2 --device psaux
 nfs --server 10.0.0.50 --dir /export/images/RHEL3U2
 skipx
 timezone America/Denver
 rootpw --iscrypted $1$Rig3dbXb$OWcv00J/V2WsBGcgx0bmp1
 network --device eth0 --bootproto static --ip 10.0.0.100
 --netmask 255.255.255.0 --gateway 10.0.0.254 --nameserver 10.0.0.200
 --hostname sun-ms
 network --device eth1 --bootproto static --ip 192.168.200.254
 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200
 --hostname sun-ms-prov
 network --device eth2 --bootproto static --ip 192.168.100.254
 --netmask 255.255.255.0 --gateway --nameserver 10.0.0.200
 --hostname sun-ms-admin
 firewall -disabled
 authconfig -enablemd5 -enableshadow
 bootloader -location=mbr
 clearpart --all -drives=hda
 part /boot --fstype ext3 --size=102 -ondisk=sda
 part / --fstype ext3 --size=1024 --grow -ondisk=sda
 part swap --size=4096 --grow --maxsize=1024 -ondisk=sda
 reboot 
 %packages -resolvedeps
 @ office
 @ engineering-and-scientific
 @ editors
 @ system-tools
 @ base-x
 @ web-server
 @ development-tools
 @ printing
 @ text-internet
 @ legacy-network-server
 @ gnome-desktop
 @ admin-tools
 @ server-cfg
 @ mail-server
 @ ftp-server
 @ network-server
 @ graphical-internet
 @ compat-arch-support
 grub
 kernel
 kernel-smp
 %post
 echo "RHEL3U2 installed `/bin/date`" > /etc/motd
    cat << EOF > /etc/resolv.conf
    nameserver 10.0.0.200
    search Customer.Com
    EOF
    cat << EOF > /etc/hosts
    127.0.0.1         localhost.localdomain  localhost
    10.0.0.100        sun-ms
    192.168.200.254   sun-ms-prov
    192.168.100.254   sun-ms-admin 
    EOF

Procedure Kickstart ファイルを設定する

手順
  1. NFS または HTTP を使って管理サーバーにアクセス可能なマシンにログインします。

  2. Linux の Kickstart の設定ファイルを作成します。

    例 3–2 に示したディストリビューション全体の Kickstart ファイルまたは例 3–3 に示した必要な RPM だけの Kickstart ファイルのどちらを使用するかを選択します。選択した設定データをコピーしてファイルにペーストします。ファイルの名前は「n1gc-ks.cfg」などとします。


    注 –

    必要な RPM だけの Kickstart ファイルを選択した場合は、追加の RPM を手動でイントールする必要があります。インストール方法については、「N1 System Manager に必要な RPM を CD-ROM からインストールする」を参照してください。


  3. 環境に応じて Kickstart インストールファイルを設定します。

    • 動的 IP アドレスを使う場合は、次の構文を使って、 Kickstart ファイル内の各 network 文を置換します。

      network --device ethx --bootproto dhcp

      ここで ethx はポート、たとえば eth0 です。

    • 静的 IP アドレスを使う場合は、network 文を次のように変更します。

      • ip を Ethernet ポートの IP アドレスに置き換えます。

      • nameserver を組織内ネームサーバーの IP アドレスに置き換えます。複数のネームサーバーを使う場合は、各ネームサーバーの IP アドレスをコンマで区切ります。次に例を示します。--nameserver 110.112.113.11,110.112.113.22

      • hostname を管理サーバーの名前に置き換えます。

      必要な場合は、ETH ポートで静的 IP アドレスと動的 IP アドレスを組み合わせて使用することができます。選択したアーキテクチャーに従って、ネットワーク設定を変更します。

  4. Kickstart ファイルをサーバー上の NFS または HTTP のディレクトリに保存します。

次の手順

RedHat Linux の手動インストール

この項では、管理サーバーに Linux を手動でインストールする手順を示します。

この項では、次の内容について説明します。

ProcedureRedHat Linux を手動でインストールする

手順
  1. RedHat Linux インストール CD-ROM の 1 枚目を N1 System Manager 管理サーバーの DVD ドライブに挿入し、システムを再起動します。

    boot: プロンプトで、テキストまたはグラフィカルユーザーインタフェースを使ったインストールを開始します。

    • グラフィカルインタフェースを使ってインストールするには、Return キーを押します。

    • テキストインタフェースを使ってインストールするには、「text」と入力します。

    メッセージに従って環境を設定します。言語、キーボード、マウスのタイプを設定する画面が表示されます。必要な情報を指定します。

  2. パーティション情報の設定では、「自動パーティション設定」を選択します。

    Linux のパーティションをすべて削除するか、パーティションをすべて削除するか、パーティションをすべて残すかを選択する画面が表示されます。「システムのすべてのパーティションを削除」を選択します。パーティションの値が表示されます。

    表示された値を、表 3–2 に示す必要な値と比較します。

    • パーティションの値が一致する場合は、「Next」を選択します。

    • パーティションの値が一致しない場合は、表 3–2 に従って値を更新します。

  3. ブートローダーの設定では、「GRUB」を選択します。

  4. Ethernet ポートの設定では、IP アドレス、ネットマスク、ゲートウェイの値を次のように割り当てます。

    1. ETH0 は、組織内ネットワークに接続して、外部から管理サーバーにアクセスできるように設定します。

    2. ETH1 は、プロビジョニングネットワークに接続するように設定します。

      ETH1 は、ETH0 と同じブロードキャストドメイン内にある必要があります。IP アドレスは、プロビジョニング可能なサーバーの ETH0 インタフェースと同じブロードキャストドメイン内にある必要があり、また数百台のプロビジョニング可能なサーバーをサポートするように設定できます。

    3. ETH2 は、すべてのプロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサインタフェースのポート (SP0) に接続するように設定します。

      ネットマスクとゲートウェイの値は、管理ネットワークへのアクセスを許可する値である必要があります。


      注 –

      管理サーバーに別個の ETH2 ギガビット NIC カードを設置していない場合は、ETH0 1 枚だけで ETH0 と ETH2 の機能を使うことができます。ETH0 は、プロビジョニング可能なサーバーの管理プロセッサインタフェースに対し、相互にアクセスできるように設定する必要があります。


  5. ファイアウォールの設定では、「なし」を選択します。

    追加言語サポート、タイムゾーン、root パスワードの順で設定する画面が表示されます。必要な情報を指定します。

  6. デフォルトのパッケージをインストールするか、インストールするパッケージをカスタマイズするかの設定では、「インストールするパッケージのカスタマイズ」を選択します。

  7. N1 System Manager システムに必要なパッケージを選択します。

    • Office

    • Engineering and Scientific

    • Editors

    • System Tools

    • X-Windows (base-x)

    • Web Server

    • Development Tools

    • Legacy Software Development

    • Printing

    • Text-based Internet

    • Legacy Network Server

    • Gnome Desktop

    • Administration Tools

    • Server Configuration

    • FTP Server

    • Mail Server

    • Network Server

    • Graphical-based Internet

    • Compatibility Architecture Support (グラフィカルインストール) または Legacy Software Development (テキストインストール)

    パッケージの選択が終了したら、インストールを継続します。Linux のインストールが終了したら、グラフィック、モニターのタイプ、画面解像度などを設定する画面が表示されてから、システムが再起動されます。その後、起動情報を設定する画面が表示されます。

  8. システムの情報メッセージに従います。

    設定が終了したら、ログイン画面が表示されます。

  9. root でログインします。

次の手順

ProcedureN1 System Manager に必要な RPM を CD-ROM からインストールする

管理サーバーにRedHat Enterprise Linux 3.0 AS または ES Update 2 がインストールされている場合は、N1 System Manager に必要な追加の RPM もインストールする必要があります。

手順
  1. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  2. RedHat インストール CD-ROM から、次の RPM をインストールします。

    • perl-CGI-2.81-88.4.i386.rpm

    • anaconda-runtime-9.1.2-2.RHEL.i386.rpm

    • perl-DBI-1.32-5.i386.rpm

    • perl-DBD-Pg-1.21-2.i386.rpm

    • rh-postgresql-7.3.6-1.i386.rpm

    • rh-postgresql-server-7.3.6-1.i386.rpm

    • imap-2002d-8.i386.rpm

    インストール CD-ROM 内での各 RPM の場所は、RedHat Linux のバージョンによって異なります。

    RPM のインストール中に「DSA signature:nokey」という警告が表示されます。この警告メッセージが表示されるのは、RPM に DSA セキュリティー署名がないからです。「DSA signature:nokey」という警告はすべて無視してもかまいません。

次の手順

次の項の説明に従って、国際対応の Perl モジュールをダウンロードし、インストールします。

国際対応の Perl モジュールのインストール

ここでは、国際対応の Perl モジュールをダウンロードしてインストールする手順を説明します。

Procedure国際対応の Perl モジュールをダウンロードし、インストールする

手順
  1. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  2. Web ブラウザを開き、perl-5.8.3-16.i386.rpm ファイルをダウンロードするサイトにアクセスします。

  3. perl-5.8.0-88.4.i386.rpm ファイルを管理サーバー上のディレクトリにダウンロードします。

  4. 端末ウィンドウで、RPM ファイルの保存先ディレクトリに移動します。

  5. rpm -i perl-5.8.3–16.i386.rpm」と入力して Perl モジュールをインストールします。

次の手順

管理サーバーで FTP を有効にします。次の節を参照してください。