Sun N1 System Manager 1.2 インストールおよび構成ガイド

第 2 章 Sun N1 System Manager ソフトウェアとプロビジョニング可能なサーバーの管理エージェントのアップグレード

この章では、N1 System Manager 1.1 の管理サーバーを、N1 System Manager 1.2 にアップグレードする手順、およびプロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントをバージョン 1.2 にアップグレードする手順を説明します。

次の内容について説明します。

Sun N1 System Manager 1.2 へのアップグレード

ここでは、管理サーバーを N1 System Manager 1.1 から N1 System Manager 1.2 にアップグレードして、ALOM 電子メール警告を設定する手順を説明します。

次の内容について説明します。

ProcedureSun N1 System Manager ソフトウェアをアップグレードする

始める前に

N1 System Manager 1.1 インストールのバックアップを行います。『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「N1 System Manager のデータベースおよび構成ファイルのバックアップと復元」を参照してください。

手順
  1. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  2. N1 System Manager のプロセスをすべて終了します。

    端末ウィンドウで「/etc/init.d/n1sminit stop」と入力します。「N1 services stopped」というメッセージを確認してから続行します。

  3. N1 System Manager のソースがあるディレクトリに移動します。

    N1 System Manager の DVD からインストールする場合は、次のディレクトリに移動します。

    • Solaris SPARC の管理サーバーの場合


      # cd /cdrom/n1_system_mngr/Solaris_sparc/Product/installer
      
    • Solaris x86 の管理サーバーの場合


      # cd /cdrom/n1_system_mngr/Solaris_x86/Product/installer
      
    • Linux x86 の管理サーバーの場合


      # cd /cdrom/n1_system_mngr/Linux_x86/Product/installer
      

    N1 System Manager のインストール ISO イメージからインストールする場合は、パス名の /cdrom を、マウントポイントのディレクトリ名に置き換えます。

  4. ./install -u と入力してアップグレードインストールプロセスを起動します。

    ソフトウェア評価規約が表示されます。

  5. 規約に同意してインストールを継続するかどうかを選択します。

    規約をよく読みます。インストールを継続するには「y」を、インストールを中止するには「n」を入力します。

    アップグレードを継続すると、アップグレードスクリプトによって必要な Perl モジュールが確認されます。このプロセスが完了すると、アップグレードプロセスによって、管理サーバー上のコンポーネントのバージョンが、N1 System Manager 1.1 のインストールメディアのアプリケーションのバージョンと照合されます。そのあと、N1SM インストーラのアップグレードメニューが表示され、最新のコンポーネントとアップグレードできるコンポーネントが一覧表示されます。

    次に示すように、N1SM アップグレードのメニューと、アップグレードされるコンポーネントの一覧の表示内容は、管理サーバーにインストールされているオペレーティングシステムによって異なります。

    • Solaris 10 の管理サーバー


                N1SM Upgrade (version 1.1 to 1.2 on SunOS)
      
       1. Install IPMI tool.                            [Upgrade Available]
       2. Install JDK 1.5.                              [Up To Date]
       3. Install service provisioning components.      [Up To Date]
       4. Install OS provisioning components.           [Upgrade Available]
       5. Install user interface components.            [Upgrade Available]
       6. Install service container components.         [Upgrade Available]
       7. Install N1 System Manager.                    [Upgrade Available]
      
      
      Non-interactive install in progress
      
      Executing current step:  Install OS packages...
    • Linux の管理サーバー


                      N1SM Upgrade (version 1.1 to 1.2 on Linux)
      
       1. Install IPMI tool.                            [Upgrade Available]
       2. Install JDK 1.5.                              [Up To Date]
       3. Install Python.                               [Up To Date]
       4. Install service provisioning components.      [Up To Date]
       5. Install OS provisioning components.           [Upgrade Available]
       6. Install user interface components.            [Upgrade Available]
       7. Install service container components.         [Upgrade Available]
       8. Install N1 System Manager.                    [Upgrade Available]
      
      
      Non-interactive upgrade in progress.
      
      Executing current step:  Install IPMI tool...

    インストールプロセスによって各処理が順番に実行されます。処理が完了すると、処理の状態が、[Up to Date] に変わります。

    手順に失敗するとそのことが通知され、処理の状態は [Upgrade Available] のままか、[Partially Run] に変わります。インストールプロセスを終了し、ログファイル /var/tmp/installer.log.latest で問題の原因を調べてください。問題が解決したら、アップグレードプロセスを再び実行します。

    アップグレードプロセスが完了すると、すべての実行中の N1 System Manager プロセスが停止し、再起動します。そのあと、N1SM のアップグレードプロセスが完了したことを通知するメッセージが表示されます。続いて、次のようなメッセージが表示されます。


    Please use "n1smconfig -A" to configure email alerts for ALOM and to
    configure your management interface.
     
     
    Please use "/opt/sun/n1gc/bin/agentupgrade" to upgrade the agents on
    provisionable servers with OS deployments.
    bash-3.00#

    インストールプロセスが終了します。

次の手順

ALOM 電子メール警告の設定をします。次の「ALOM 電子メール警告の設定を構成する」に進みます。

ProcedureALOM 電子メール警告の設定を構成する

手順
  1. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  2. n1smconfig -A と入力して、ALOM 電子メール警告の設定を構成します。

    電子メール警告を送信するには、適切な設定が必要であることを示す通知が表示され、既存の値が表示されます。電子メール警告の設定を変更するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  3. 電子メール警告の設定を変更するかどうかを選択します。

    • 表示されている設定を受け入れる場合は「n」を入力します。電子メール警告の構成プロセスが終了し、システムプロンプトに戻ります。

    • 電子メール警告の設定を変更する場合は、「y」を入力します。

      電子メール警告のユーザー名の入力を求めるメッセージが表示されます。

  4. 電子メール警告のユーザー名を指定します。

    『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』「メールサービスのためのシステムファイルとアカウントを設定する」の手順で決定したアカウント名を入力します。

    次に例を示します。n1smadmin

    電子メールの警告フォルダの指定を求めるメッセージが表示されます。

  5. 電子メール警告を保存する電子メールのフォルダを指定します。

    たとえば、inbox のように、警告アカウント用の電子メールフォルダの名前を入力します。

    電子メールプロトコルの指定を求めるメッセージが表示されます。

  6. 電子メール警告プロトコルを指定します。

    管理サーバー が使用する電子メールプロトコルの名前を入力します。有効な値は、pop3 または imap です。

    電子メール警告ユーザーアカウントのパスワードの入力を求めるメッセージが表示されます。

  7. 電子メール警告のユーザーアカウントのパスワードを入力します。

    『Sun N1 System Manager 1.2 サイト計画の手引き』「メールサービスのためのシステムファイルとアカウントを設定する」の手順で決定したパスワードを入力します。

    電子メール警告ユーザーアカウントの電子メールアドレスの入力を求めるメッセージが表示されます。

  8. ユーザーアカウントの電子メールアドレスを入力します。

    次に例を示します。 n1smadmin@company.com

    電子メールサーバーの IP アドレスの入力を求めるメッセージが表示されます。

  9. 電子メールサーバーの IP アドレスを指定します

    • 管理サーバーに電子メールサーバーがインストールされていて使用可能な場合は、管理サーバーの管理ネットワークインタフェースの IP アドレスを入力します。

    • 管理サーバーの管理ネットワークインタフェースからアクセス可能な別のマシンに、電子メールサーバーがインストールされていて使用可能な場合は、そのマシンの IP アドレスを入力します。

    指定した値が表示され、この値を使用するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

  10. 表示されている電子メール警告の設定を受け入れるかどうかを選択します。

    • 設定が正しくない場合は、「n」を入力します。ALOM 電子メール警告の設定プロセスが再び始まり、電子メール警告のユーザー名の指定を求めるメッセージが表示されます。

    • 表示されている電子メール警告の設定を使用する場合は、「y」を入力します。

      設定内容が再び表示され、設定を適用するかどうかを問い合わせるメッセージが表示されます。

      y」を入力して設定を適用するか、「n」を入力して適用しないで終了し、コマンドプロンプトに戻ります。

次の手順

プロビジョニング可能なサーバー の OS 管理エージェントを 1.2 に更新します。次の、「プロビジョニング可能なサーバー の OS 管理エージェントをアップグレードする」に進みます。

注意事項

問題の解決手順については、このマニュアルの第 4 章「障害追跡」および『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の第 6 章「障害追跡」を参照してください。

プロビジョニング可能なサーバー の OS 管理エージェントをアップグレードする

ここでは、プロビジョニング可能なサーバーのバージョン 1.1 OS 管理エージェントを、バージョン 1.2 にアップグレードする手順を説明します。

agentupgrade コマンドを使用して、すべてのプロビジョニング可能なサーバー、サーバーグループ、特定のオペレーティングシステムが動作しているプロビジョニング可能なサーバー、サーバーモデルに基く特定のプロビジョニング可能なサーバーのグループ、または特定のサーバーの OS 管理エージェントをアップグレードすることができます。


注 –

N1 System Manager 1.1 は、Sun Fire T1000、T2000 などの sun4v サーバーをサポートしていません。したがって、N1 System Manager 1.1 を使用して作成された Solaris のs10s-hw2-04 または s10s-hw2-05 ディストリビューションには、Sun Fire T1000、T2000、およびその他の sun4v サーバーのサポートに必要なファイルが含まれていません。

N1 System Manager 1.2 で、Sun Fire T1000、T2000、およびその他の sun4v サーバーをサポートするには、agentupgrade を実行したあとにディストリビューションを再作成し、プロビジョニング可能なサーバーにそれを再配備する必要があります。


agentupgrade の構文は次のとおりです。

Usage: agentupgrade [--debug] [--role <role>]
        (--all|<servers>|--group <group>|[--f_ip <ip>] [--f_runningos <os>]
        [--f_jobcount (0|1)] [--f_model <model>] [--f_name <name>])

        --debug    Show additional status information
        --role     Specify session role for execution

        --all      All healthy, powered on servers
        <servers>  List of space separated servers
        --group    Group name
        --f_*      Filter on property

次に示す agentupgrade パラメータは相互に排他です。agentupgrade を実行するときは、これらのパラメータの中からは 1 つだけ指定することができます。

次のパラメータは、上記の排他パラメータと一緒に使用できます。

すべての正常な状態のプロビジョニング可能なサーバーの OS 監視エージェントをアップグレードする手順を次に示します。

Procedureプロビジョニング可能なサーバー の OS 管理エージェントをアップグレードする

手順
  1. 更新するすべてのプロビジョニング可能なサーバーが、オンラインで正常な状態であることを確認します。

    1. ブラウザウィンドウを開き、N1 System Manager にログインします。

    2. プロビジョニング可能なサーバーおよびサーバーグループのステータスをチェックします。

    3. 問題が報告されている場合は、次の手順に進む前にそれらを解決します。

      『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の第 4 章「サーバーおよびサーバーグループの管理」および 『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の第 5 章「サーバーの監視」 を参照してください。

  2. N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。

  3. /opt/sun/n1gc/bin/agentupgrade --all と入力して、プロビジョニング可能なサーバーの監視エージェントをアップグレードします。

    エージェントのアップグレードプロセスは順に実行されます。このため、多数のプロビジョニング可能なサーバーがある場合は、長時間を要する場合があります。各プロビジョニング可能なサーバーがアップデートされると、ステータスメッセージが表示され、エージェントの更新に成功したかどうかがわかります。

    出力は、stdout に送られた agentupgrade コマンドによって生成されます。プロビジョニング可能なサーバー の OS 管理エージェントが更新できない場合、失敗の情報が stdout に書き込まれ、agentupgrade プロセスは続行されます。

    プロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントの更新は、N1 System Manager のブラウザを使用して行うこともできます。プロビジョニング可能なサーバー の更新の手順の詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「基本管理機能と OS 監視機能の追加およびアップグレード」を参照してください。プロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントの更新に関する手順の詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』「サーバーの OS 監視機能をアップグレードする」を参照してください。