ここでは、プロビジョニング可能なサーバーのバージョン 1.1 OS 管理エージェントを、バージョン 1.2 にアップグレードする手順を説明します。
agentupgrade コマンドを使用して、すべてのプロビジョニング可能なサーバー、サーバーグループ、特定のオペレーティングシステムが動作しているプロビジョニング可能なサーバー、サーバーモデルに基く特定のプロビジョニング可能なサーバーのグループ、または特定のサーバーの OS 管理エージェントをアップグレードすることができます。
N1 System Manager 1.1 は、Sun Fire T1000、T2000 などの sun4v サーバーをサポートしていません。したがって、N1 System Manager 1.1 を使用して作成された Solaris のs10s-hw2-04 または s10s-hw2-05 ディストリビューションには、Sun Fire T1000、T2000、およびその他の sun4v サーバーのサポートに必要なファイルが含まれていません。
N1 System Manager 1.2 で、Sun Fire T1000、T2000、およびその他の sun4v サーバーをサポートするには、agentupgrade を実行したあとにディストリビューションを再作成し、プロビジョニング可能なサーバーにそれを再配備する必要があります。
agentupgrade の構文は次のとおりです。
Usage: agentupgrade [--debug] [--role <role>] (--all|<servers>|--group <group>|[--f_ip <ip>] [--f_runningos <os>] [--f_jobcount (0|1)] [--f_model <model>] [--f_name <name>]) --debug Show additional status information --role Specify session role for execution --all All healthy, powered on servers <servers> List of space separated servers --group Group name --f_* Filter on property
次に示す agentupgrade パラメータは相互に排他です。agentupgrade を実行するときは、これらのパラメータの中からは 1 つだけ指定することができます。
--all
検出されたすべてのプロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントをアップグレードします。
--servers
servers リストで指定されたプロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントをアップグレードします。servers は、各プロビジョニング可能なサーバーの管理ポートの IP アドレスです。次に例を示します。
# agentupgrade 10.1.5.10 10.1.5.12 10.1.5.25 |
--group
group name で指定されたグループのプロビジョニング可能なサーバー の OS 管理エージェントだけをアップグレードします。
--f_*
--f_* に指定されたプロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントだけをアップグレードします。--f_* は、1 つ以上のフィルタ条件で、次のとおりです。
すべてのフィルタはワイルドカードとして機能します。たとえば、agentupgrade --f_ip 10.1.1.1 と入力した場合、IP アドレス 110.1.1.10、210.1.1.11 などが条件に一致することになります。agentupgrade --f_model 40 と入力した場合は、サーバーモデル 240、440、V240、および V440 が条件に一致することになります。
agentupgrade --f_ip ip address
ip address で指定された IP アドレスのプロビジョニング可能なサーバーを更新します。
--f_runningos
agentupgrade --f_runningos running OS
running OS で指定されたオペレーティングシステムがインストールされているすべてのプロビジョニング可能なサーバーを更新します。
--f_jobcount (0|1)
agentupgrade --f_jobcount 0running OS または agentupgrade --f_jobcount 1running OS。0 の指定は、プロビジョニング可能なサーバーで実行中のリモートジョブがないことを、1 の指定は、プロビジョニング可能なサーバーで実行中のジョブが 1 つあることを示します。
--f_model
agentupgrade --f_model model
model で指定されたマシンタイプのすべてのプロビジョニング可能なサーバーを更新します。
--f_name
agentupgrade --f_name provisionable server name
provisionable server name で指定された名前のプロビジョニング可能なサーバーだけを更新します。
次のパラメータは、上記の排他パラメータと一緒に使用できます。
--debug
agentupgrade の実行中にステータス情報を追加して表示します。
--role
role で指定されたセキュリティロールを使用する N1 System Manager を使用して agentupgrade を実行します。N1 System Manager のセキュリティロールとその使用に関する詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の「ロールの管理」を参照してください。
すべての正常な状態のプロビジョニング可能なサーバーの OS 監視エージェントをアップグレードする手順を次に示します。
更新するすべてのプロビジョニング可能なサーバーが、オンラインで正常な状態であることを確認します。
ブラウザウィンドウを開き、N1 System Manager にログインします。
プロビジョニング可能なサーバーおよびサーバーグループのステータスをチェックします。
問題が報告されている場合は、次の手順に進む前にそれらを解決します。
『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の第 4 章「サーバーおよびサーバーグループの管理」および 『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の第 5 章「サーバーの監視」 を参照してください。
N1 System Manager 管理サーバーに root でログインします。
/opt/sun/n1gc/bin/agentupgrade --all と入力して、プロビジョニング可能なサーバーの監視エージェントをアップグレードします。
エージェントのアップグレードプロセスは順に実行されます。このため、多数のプロビジョニング可能なサーバーがある場合は、長時間を要する場合があります。各プロビジョニング可能なサーバーがアップデートされると、ステータスメッセージが表示され、エージェントの更新に成功したかどうかがわかります。
出力は、stdout
に送られた agentupgrade コマンドによって生成されます。プロビジョニング可能なサーバー の OS 管理エージェントが更新できない場合、失敗の情報が stdout
に書き込まれ、agentupgrade プロセスは続行されます。
プロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントの更新は、N1 System Manager のブラウザを使用して行うこともできます。プロビジョニング可能なサーバー の更新の手順の詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の「基本管理機能と OS 監視機能の追加およびアップグレード」を参照してください。プロビジョニング可能なサーバーの OS 管理エージェントの更新に関する手順の詳細は、『Sun N1 System Manager 1.2 管理ガイド』の「サーバーの OS 監視機能をアップグレードする」を参照してください。