ここでは、OS の配備が失敗する例、およびその問題を修正する方法を説明します。
ファイルのコピーエラーで、OS ディストリビューションの作成に失敗した場合は、ISO イメージの容量を確認し、また、データが壊れていないことを確かめてください。ジョブの詳細に、次に類似する出力がみられることがあります。
bash-3.00# /opt/sun/n1gc/bin/n1sh show job 25 ジョブ ID: 25 日時: 2005-07-20T14:28:43-0600 種類: OS ディストリビューションの作成 ステータス: エラー (2005-07-20T14:29:08-0600) コマンド: create os RedHat file /images/rhel-3-U4-i386-es-disc1.iso 所有者: root エラー: 1 警告: 0 ステップ ID 種類 開始 Completion 結果 1 ホスト取得 2005-07-20T14:28:43-0600 2005-07-20T14:28:43-0600 完了 2 コマンドの実行 2005-07-20T14:28:43-0600 2005-07-20T14:28:43-0600 完了 3 ホスト取得 2005-07-20T14:28:46-0600 2005-07-20T14:28:46-0600 完了 4 コマンドの実行 2005-07-20T14:28:46-0600 2005-07-20T14:29:06-0600 エラー 1 エラー エラー 1: Description: INFO : Mounting /images/rhel-3-U4-i386-es-disc1.iso at /mnt/loop23308 INFO : Version is 3ES, disc is 1 INFO : Version is 3ES, disc is 1 INFO : type redhat ver: 3ES cp: /var/opt/SUNWscs/data/allstart/image/3ES-bootdisk.img: Bad address INFO : Could not copy PXE file bootdisk.img INFO : umount_exit: mnt is: /mnt/loop23308 INFO : ERROR: Could not add floppy to the Distro 結果 結果 1: サーバー: - ステータス: -1 メッセージ: Creating OS rh30u4-es failed. |
この場合は、別のディストリビューションファイルセットを管理サーバーにコピーしてください。「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」 または 「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。
ディストリビューションのコピー失敗は、/mnt マウントポイントにファイルシステムがある場合も起きます。create os コマンドの実行前に、/mnt マウントポイントからすべてのファイルシステムを他に移動してください。
Linux がインストールされている管理サーバーから、サーバーに Solaris 9 OS ディストリビューションを配備できない問題は、通常 NFS マウントの問題が原因です。この問題を解決するには、Solaris 9 OS ディストリビューションの mini-root にパッチを適用する必要があります。ここでは、必要なパッチを適用する手順を説明します。手順は、次の表に示すように、管理サーバーおよびパッチサーバーの構成によって異なります。
表 6–1 Solaris 9 ディストリビューションへのパッチの適用の作業マップ
管理サーバー |
パッチサーバー |
作業 |
---|---|---|
Red Hat 3.0 u2 |
Solaris 9 OS x86 プラットフォーム版 |
「Solaris 9 OS x86 パッチサーバーを使用して Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する」 |
Red Hat 3.0 u2 |
Solaris 9 OS SPARC 版 |
「Solaris 9 OS SPARC パッチサーバーを使用して Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する」 |
パッチサーバーを使用して次の作業を行うときは、管理サーバーおよびプロビジョニング可能なサーバーの両方に対して同時に root でアクセスする必要があります。作業の一部では、はじめにプロビジョニング可能なサーバーにパッチを適用し、それから管理サーバーをマウントしてディストリビューションにパッチを適用する必要があります。
ここでは、N1 System Manager 内の Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する手順を説明します。この説明の各手順は、パッチサーバーおよび管理サーバーの両方で実行する必要があります。ここで説明しているパッチは、N1 System Manager で Solaris OS 9 アップデート 7 以前をプロビジョニングできるようにするために必要です。Solaris OS 9 アップデート 8 以降では、この手順が必要ありません。
2 つの端末ウィンドウを開いて各手順を実行することをお勧めします。この手順では、まずパッチサーバーにパッチを適用し、そのあとディストリビューションにパッチを適用します。
管理サーバーに Solaris 9 OS ディストリビューションを作成します。「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」 または 「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。OS ディストリビューションの ID を表示するには、コマンド行で show os os-name と入力します。この番号は、説明の中では DISTRO_ID としています。
管理サーバーではないマシンに Solaris 9 OS x86 プラットフォーム版をインストールします。
Solaris 9 x86 パッチサーバーに /patch ディレクトリを作成します。
Solaris OS x86 ディストリビューションでは、Solaris 9 OS x86 パッチサーバーの /patch ディレクトリに次のパッチをダウンロードして展開します。117172-17 および 117468-02。パッチは、http://sunsolve.sun.com にあります。
Solaris OS SPARC ディストリビューションでは、Solaris 9 OS x86 パッチサーバーの /patch ディレクトリに次のパッチをダウンロードして展開します。117171-17、117175-02、および 113318-20。これらのパッチも、http://sunsolve.sun.com で入手できます。
Solaris 9 OS x86 パッチサーバーにパッチを適用します。
管理サーバーでディストリビューションにパッチを適用する準備をします。
管理サーバーにコピーしたディストリビューションにパッチを適用します。
root として Solaris 9 パッチサーバーにログインします。
% su password:password |
root プロンプトが表示されます。
管理サーバーをマウントします。
# mount -o rw management-server-IP:/js/DISTRO_ID /mnt |
次のいずれかの操作を行いパッチをインストールします。
x86 ディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。
# patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117172-17 # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117468-02 |
SPARC ディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。
# patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117171-17 # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117175-02 # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 113318-20 |
最初のパッチのインストールでは、部分エラーが発生します。このエラーは無視してください。
管理サーバーをマウント解除します。
# unmount /mnt |
管理サーバーで NFS を再起動します。
Solaris 9 OS x86 ディストリビューションを修正します。
別のディストリビューションにパッチを適用する場合は、 /patch/117172-17 ディレクトリをいったん削除して、unzip 117172-17.zip コマンドを使ってディレクトリを作成し直さなければならないことがあります。最初のディストリビューションへのパッチ適用時に、patchadd コマンドによって、ディレクトリに変更が加えられるため、次の patchadd コマンドの実行で問題が生じます。
Solaris 9 アップデート 8 ビルド 5 OS 以降では、このパッチが不要です。そのため、Solaris 9 9/05 s9x_u8wos_05 以降の Solaris OS では、このパッチが必要ありません。
ここでは、N1 System Manager 内の Solaris 9 OS ディストリビューションにパッチを適用する手順を説明します。この説明の各手順は、プロビジョニング可能なサーバーおよび管理サーバーで実行する必要があります。2 つの端末ウィンドウを開いて各手順を実行することをお勧めします。この手順では、まずプロビジョニング可能なサーバーにパッチを適用し、そのあとディストリビューションにパッチを適用します。
管理サーバーに Solaris 9 OS ディストリビューションを作成します。「CD または DVD から OS ディストリビューションをコピーする」 または 「ISO ファイルから OS ディストリビューションをコピーする」を参照してください。OS ディストリビューションの ID を表示するには、show os os-name と入力します。この番号は、説明の中では DISTRO_ID としています。
管理サーバーではないマシンに Solaris 9 OS SPARC プラットフォーム版をインストールします。「サーバーまたはサーバーグループに OS プロファイルをロードする」を参照してください。
Solaris 9 SPARC パッチサーバーに /patch ディレクトリを作成します。
Solaris OS x86 ディストリビューションでは、Solaris 9 OS x86 パッチサーバーの /patch ディレクトリに次のパッチをダウンロードして展開します。117172-17 および 117468-02。パッチは、http://sunsolve.sun.com にあります。
Solaris OS SPARC ディストリビューションでは、Solaris 9 OS x86 パッチサーバーの /patch ディレクトリに次のパッチをダウンロードして展開します。117171-17、117175-02、および 113318-20。これらのパッチは、 http://sunsolve.sun.com で入手できます。
Solaris 9 OS SPARC マシンをセットアップし、パッチを適用します。
管理サーバーにコピーしたディストリビューションにパッチを適用します。
スーパーユーザーで Solaris 9 マシンにログインします。
% su password:password |
管理サーバーをマウントします。
# mount -o rw management-server-IP:/js/DISTRO_ID /mnt |
次のいずれかの操作を行いパッチをインストールします。
Solaris OS x86 ソフトウェアディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。
# patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117172-17 # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117468-02 |
Solaris OS SPARC ソフトウェアディストリビューションにパッチを適用する場合は、次のコマンドを入力します。
# patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117171-17 # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 117175-02 # patchadd -C /mnt/Solaris_9/Tools/Boot/ -M /patch 113318-20 |
最初のパッチのインストールでは、部分エラーが発生します。このエラーは無視してください。
管理サーバーをマウント解除します。
# unmount /mnt |
管理サーバーで NFS を再起動します。
Solaris 9 OS x86 ディストリビューションを修正します。
別のディストリビューションにパッチを適用する場合は、 /patch/117172-17 ディレクトリをいったん削除して、unzip 117172-17.zip コマンドを使ってディレクトリを作成し直さなければならないことがあります。最初のディストリビューションへのパッチ適用時に、patchadd コマンドによって、ディレクトリに変更が加えられるため、次の patchadd コマンドの実行で問題が生じます。